要点個人情報保護法184条は両罰規定で、従業者が業務に関して178条・179条に違反すると、行為者だけでなく法人にも最大1億円の罰金が科される。判例上は選任・監督を尽くせば免責の余地がある。
Q · 社員が勝手に個人情報を漏らしたのに、なぜ会社まで罰金を取られるの?
社員の違反でも会社に最大1億円の罰金が科されます
個人情報保護法184条が両罰規定を定めているためです。従業者がその法人の業務に関して178条(委員会の命令違反)や179条(データベース等不正提供)に違反すると、行為者本人を罰するほか、法人にも1億円以下の罰金刑が科されます。ただし無過失責任ではなく、判例(最大判昭和32.11.27)は法人の選任・監督上の過失を推定するものと解しており、管理体制を尽くしたと証明できれば免責される余地があります。法人でない団体にも同条2項で準用されます。
退職間際の社員が顧客名簿をこっそり持ち出し、名簿業者に売り渡した。会社としては「あれは個人の暴走だ、うちも被害者だ」と言いたくなる。だが個人情報保護法184条は、その言い分を正面から封じる。この規定は「両罰規定」と呼ばれ、違反行為をした従業者本人を罰するだけでなく、その会社そのものにも罰金を科す。しかも178条(委員会の命令違反)と179条(データベース不正提供)に該当すれば、会社への罰金は最大1億円。以前は数十万円だったものが、2020年の改正で一気に跳ね上がった。あなたが経営者やコンプライアンス担当なら、知っておくべき逃げ道が一つある。判例上、両罰規定は会社の「選任・監督上の過失」を前提にしており、社員教育と管理体制を尽くしていたと証明できれば、会社は責任を免れうる。つまり免責の鍵は、事件が起きた後の弁明ではなく、事件が起きる前にどれだけ管理体制を整えていたかにある。
個人情報保護法184条は両罰規定であり、法人の代表者・代理人・使用人その他の従業者が、その法人の業務に関して178条・179条等の違反行為をした場合に、行為者本人の処罰に加えて法人自体にも罰金刑を科す規定である。判例上は法人の選任・監督上の過失を推定するものと解され、管理を尽くした立証があれば免責の余地が残る。
違反行為をした従業者本人に加え、その法人にも罰金刑を科す規定です。個人情報保護法では184条が定め、行為者と法人を一本の責任で結びつけます。
従業者が178条(委員会の命令違反)または179条(DB等不正提供)に該当したとき、法人への罰金上限が1億円になります。182条なら50万円で、すべてが1億円ではありません。
刑事は184条の両罰規定で最大1億円の罰金、行政は委員会の命令・公表、民事は被害者への損害賠償(民法709条)と連鎖します。罰金は入口にすぎません。
業務で扱う個人情報データベース等を、不正な利益を図る目的で提供・盗用する罪です。両罰規定により法人にも1億円以下の罰金が科されます。
178条の命令違反罪が成立し、担当者個人だけでなく法人にも最大1億円の罰金という次の段階へ進みます。命令段階で誠実に従えば回避できます。
法人の罰金刑の公訴時効は原則3年です(刑訴250条2項6号)。起算点は犯罪行為が終わった時ですが、継続的な持ち出しでは終了時点が争点になります。
委員会への虚偽報告・検査拒否等が対象で、法人への罰金は50万円以下です。178条・179条の1億円とは桁が異なります。
対象です。両罰規定は会社の規模を一切問わず、法人でない任意団体にも2項で準用されます。問われるのは規模ではなく管理体制の記録です。
184条の両罰規定が、行為者本人に加えて法人も罰すると定めているからです。ただし無過失責任ではなく、判例(最大判昭和32.11.27)は会社の選任・監督上の過失を推定するもので、会社が管理を尽くしたと証明できれば免責されうる。業界裏話ヒント:実務ではこの免責立証のハードルが非常に高く、教育記録やアクセス制御の証拠が平時からなければまず通りません。だから弁護士は「事件後の弁明」ではなく「事件前の記録整備」を勧めます
178条(委員会の命令違反)と179条(データベース不正提供)に該当する場合に、法人への罰金上限が1億円になります(184条1項1号)。一方182条(虚偽報告等)なら50万円で、すべてが1億円ではありません。業界裏話ヒント:179条の不正提供罪は「不正な利益を図る目的」が要件なので、単なる過失の漏洩では成立しにくい。1億円が現実味を帯びるのは、委員会の命令を無視し続けたケース(178条)です。命令の段階で降りれば、この金額は視界から消えます
対象になりえます。184条2項は、法人でない団体にもこの罰則を準用し、その代表者や管理人が団体を代表して刑事手続に対応すると定めています。業界裏話ヒント:任意団体の役員は「自分は無償のボランティアだから関係ない」と思いがちですが、法律は営利か非営利かを区別しません。名簿管理を担う役員こそ、団体としての管理ルールを一枚の紙で残しておくべきです
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 違反内容 | 178条:委員会の措置命令に従わない | — |
| 法人への罰金上限 | 1億円 | — |
| 主観要件 | 命令の不履行(故意) | — |
| 前提規定 | 148条(措置命令) | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。