要点個人情報保護法 68 条は、行政機関等に重大な漏えい等が生じたとき、委員会への報告義務と本人への通知義務を課す。ただし不開示情報を含む場合など本人通知は免除される。
Q · 役所が私の個人情報を漏らしたのに連絡が来ない、これって違法なの?
違法とは限らない。但書で本人通知が免除される場合がある
個人情報保護法 68 条は、行政機関等に重大な漏えい等が生じたとき、個人情報保護委員会への報告(1 項)と本人への通知(2 項)を義務づけます。ただし 2 項但書により、本人通知が困難で代替措置をとる場合や、漏れた情報に 78 条 1 項各号の不開示情報(他人の個人情報、犯罪捜査情報など)が含まれる場合には、本人通知は不要になります。もっとも委員会への報告義務は但書の対象外で必ず残るため、通知が来なくても委員会に報告状況を照会できます。
役所があなたの個人情報を漏らしたとき、あなたに黙っていられる合法的な出口が、条文の中に二つ書き込まれている。個人情報保護法 68 条 1 項は、行政機関の長等に対し、重大な漏えい・滅失・毀損が起きたら個人情報保護委員会へ報告する義務を課す。2 項は、あなた本人への通知義務を課す。ここまでは市民に優しい条文に見える。だが 2 項の但書を読んでほしい。通知が困難で代替措置をとるとき、そして漏れた保有個人情報の中に 78 条 1 項各号の不開示情報(他人の個人情報、国の安全に関する情報、犯罪捜査情報など)が含まれるとき、本人への通知は不要になる。つまり、機微な情報が混ざった漏えいほど、あなたは知らされにくい構造になっている。ただし委員会への報告義務は但書の対象外で、生き残る。あなたが誰に何を聞けばよいかは、この一点から逆算できる。
個人情報保護法 68 条は、行政機関等における保有個人情報の漏えい等報告および本人通知を定める規定である。個人の権利利益を害するおそれが大きい事態が生じた場合に、個人情報保護委員会への報告を義務づけ(1 項)、本人への通知を原則として義務づける(2 項)。ただし 2 項但書は、代替措置をとる場合と不開示情報が含まれる場合に本人通知を免除する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
行政機関等に重大な個人情報の漏えい等が生じたとき、個人情報保護委員会への報告義務と本人への通知義務を課す規定です。令和 3 年改正で新設されました。
委員会規則により、事態を知った後直ちに行う速報と、原則 30 日以内(不正の目的による行為の場合は 60 日以内)の確報の二段階です(最新の改正状況を要確認)。
委員会規則で定める事項(漏えいの概要・原因・件数・二次被害の有無・再発防止策など)を、委員会の様式に従って報告します。オンライン報告の仕組みが用意されています。
まず自治体の個人情報保護担当窓口、次に個人情報保護委員会に報告状況を照会します。損害が生じたら弁護士に国家賠償請求を相談します。
できます。個人情報保護法 76 条により、自分の保有個人情報とその取扱状況の開示を請求でき、何がどこまで漏れたかの特定に役立ちます。
国家賠償法 1 条 1 項で請求できます。氏名・住所程度なら一人一万円前後の裁判例が多く、要配慮個人情報や二次被害があると増額する傾向です。
番号法(マイナンバー法)29 条の 4 による特定個人情報の漏えい等報告が別途重なります。一件の事故で 68 条と二本立ての報告ラインが起動します。
対象です。国立大学法人、公立病院、水道局、公立学校などはすべて『行政機関等』に含まれ、漏えい時は 68 条の報告・通知義務を負います。
違法とは限らない。68 条 2 項但書は、通知が困難で代替措置をとる場合と、漏れた情報に 78 条 1 項各号の不開示情報が含まれる場合に、本人通知を不要とする。業界裏話ヒント:但書が効くのは 2 項の通知だけで、1 項の委員会への報告義務は生きたまま残る。役所に「なぜ通知しないのか」と問い詰めるより、委員会に「報告は上がっているか」を聞く方が、話が早く動く
刑事罰も過料もない。委員会にできるのは資料提出要求・実地調査(156 条)、指導助言(157 条)、勧告(158 条)と、勧告を受けた措置の報告要求(159 条)までで、民間事業者に対する命令権に相当するものがない。業界裏話ヒント:だから実効的な圧力は、勧告と、議会での質疑と、国家賠償訴訟の三本しかない。弁護士がこの構造を先に説明しないのは、依頼者の期待値を下げる話だからである
国家賠償法 1 条 1 項で請求するが、氏名・住所程度の漏えいでは一人あたり一万円前後という裁判例が積み重なっている(住民基本台帳データ流出事案の大阪高判平成 13.12.25 など)。業界裏話ヒント:額が跳ねるのは、要配慮個人情報(病歴、犯罪被害歴)が含まれる場合と、二次被害が実際に発生した場合の二つだけである。不審な電話の着信履歴一枚が、証拠として慰謝料を左右する
封書そのものを日付ごと保全し、そのうえで 76 条の開示請求を出して、自分の保有個人情報の内容と取扱状況を確認する。何が漏れたかを特定しない限り、二次被害との因果関係を後から立証できない。業界裏話ヒント:行政機関の内部調査報告書は、開示請求で出てくることがある。訴訟前にこれを取得できるかどうかで、過失の立証負担がまるごと変わる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 適用主体 | 68 条:行政機関等(漏えい後の報告・通知) | — |
| 規律のタイミング | 漏えい等が生じた後の事後対応 | — |
| 違反時の制裁 | 勧告等のみ(156〜159 条)、刑事罰・過料なし | — |
| 本人通知の免除 | 2 項但書(代替措置・78 条 1 項各号の不開示情報) | — |
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