要点個人情報の保護に関する法律第73条は、行政機関等が仮名加工情報を第三者に提供すること、本人を再識別するための照合、連絡先の利用を原則禁止し、これらの義務を委託先にも準用する。
Q · 役所からデータ分析を受注したら、匿名化された住民データは自由に使えるの?
いいえ。再識別や連絡利用は禁止で、委託先も同じ義務を負います
個人情報の保護に関する法律第73条により、行政機関の長等は法令に基づく場合を除き、仮名加工情報を第三者に提供できず(1項)、安全管理措置を講じ(2項)、本人を再識別するための削除情報等の取得・照合はできず(3項)、連絡先を電話・郵便・訪問等に利用することも禁じられます(4項)。さらに5項により、これらの義務は取扱いの委託を受けた者に準用され、二以上の段階にわたる再委託先まで連鎖します。行政のデータ分析を受注した民間企業も、契約とは別に法律から直接この義務を負います。
健康診断の結果、税の申告、住民票の履歴。あなたが役所に渡した情報は、統計やデータ分析のために『仮名加工情報』へと姿を変えることがある。名前や住所を削り、単独では誰か分からない形にしたデータだ。ここで多くの人が見落とすのは、73条が行政に四重の縛りをかけている点だ。第三者への提供の原則禁止、安全管理の義務、そして『わざわざ元に戻して本人を特定するための照合』の禁止、さらに『そのデータの連絡先を使って電話・DM・訪問すること』の禁止。役所が匿名化したデータであなたを追跡することは、法令の根拠がない限りできない。そして最大の盲点は第5項。この義務は、行政から業務を請け負った民間業者にそっくり準用され、しかも二段階以上の再委託先まで連鎖する。自治体のデータ分析を受注した会社は、知らないうちにこの禁止事項を丸ごと背負っている。
個人情報の保護に関する法律第73条は、行政機関等における仮名加工情報の取扱い義務を定める規定である。第三者提供の原則禁止、安全管理措置、作成元の個人情報の本人を識別するための照合の禁止、連絡先の利用禁止を課し、これらの義務は仮名加工情報の取扱いの委託を受けた者に準用される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
行政機関の長等は法令に基づく場合を除き、仮名加工情報を第三者に提供できません(73条1項)。ただし取扱いの委託を受けた者への提供は第三者提供に当たりません。
本人を再識別する目的で削除情報等を取得したり、他の情報と照合することは73条3項で禁止されています。分析精度を上げるための突合も違反になり得ます。
負います。73条5項が1項から4項の義務を委託を受けた者に準用します。契約書の守秘義務条項の有無に関わらず、法律が直接縛ります。
漏えい防止のためのアクセス権限の限定、ログ管理、再識別を物理的に遮断する業務フロー設計などが求められます(73条2項)。
個人情報保護委員会による指導・勧告・命令の対象となり得ます。委託業者の場合は契約解除や行政からの取引停止のリスクも伴います。
保有個人情報については開示請求(法76条以降)で確認できます。不適正な取扱いがあれば個人情報保護委員会へ苦情・情報提供が可能です。
及びます。73条5項は『二以上の段階にわたる委託』を明記しており、再委託先・再々委託先まで義務が連鎖します。
行政が保有する医療関連データを仮名加工情報として扱う場合は関係します。医療分野には次世代医療基盤法という特別法制も存在します。
仮名加工情報は、他の情報と照合すれば個人を特定できる状態まで加工したもの。単独では誰か分からないが、元データと突き合わせれば戻せます。一方、匿名加工情報は復元できないレベルまで加工したもの。73条3項が照合禁止を課すのは、まさに『戻せてしまう』からです。業界裏話ヒント:実務では『個人情報である仮名加工情報』か『個人情報でない仮名加工情報』かで適用ルールが分岐し、73条は主に後者を扱う。この切り分けを最初にやらないと、守るべき条文自体を間違える
73条5項が、行政から仮名加工情報の取扱いの委託を受けた者にこの義務を準用しているからです。しかも『二以上の段階にわたる委託』、つまり再委託先まで及びます。契約書に守秘義務を書いたかどうかと無関係に、法律が直接あなたを縛ります。業界裏話ヒント:官公庁のデータ案件は私部門の規律(41条・42条)ではなく行政機関等編(73条)が適用される。私部門の感覚で社内規程を作ると根拠条文がずれて監査で指摘される。入口で『これは行政機関等編の世界だ』と切り替えるのが玄人の初動
仮名加工情報に含まれる連絡先を使って電話・郵便・FAX・メール・訪問をすれば、法令の根拠がない限り73条4項違反です。ただし、あなたが別ルートで提供した通常の個人情報に基づく連絡であれば適法。どの情報を根拠にした連絡かで結論が真逆になります。業界裏話ヒント:『連絡が来た=違法』ではなく根拠情報の特定が勝負。だから最初にやるべきは書面での根拠照会。役所が根拠を明示できなければ、それ自体が交渉材料になる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 適用主体 | 73条:行政機関の長等+委託・再委託先(5項準用) | — |
| 対象情報 | 仮名加工情報(個人情報であるものを除く) | — |
| 第三者提供 | 法令に基づく場合を除き原則禁止(委託先への提供は除外) | — |
| 再識別のための照合 | 3項で禁止(削除情報等の取得・他情報との照合) | — |
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