要点破産法 217 条は、破産財団で手続費用を支弁できない場合に裁判所が破産手続を打ち切る異時廃止を定める。廃止されても借金を消す免責は別の手続で進む。
Q · 「破産手続廃止」の通知が来たら、もう免責も受けられず借金だけ残るんですか?
いいえ、廃止と免責は別で免責は別途進みます
破産法 217 条の異時廃止は、破産財団で手続費用すら賄えないため裁判所が配当手続を打ち切る決定です。これは『配当する財産がない』という意味にすぎず、借金を消す免責許可決定(248 条以下)とは全く別の手続で進みます。異時廃止されても免責が下りれば借金は消えます。逆に債権者は、手続費用に足りる予納金を積めば(217 条 3 項、22 条)手続を続行させ、隠された財産の調査を求めることができます。
自己破産を申し立てた数か月後、裁判所から『破産手続廃止の決定』という書面が届く。多くの人はここで血の気が引く。手続が『廃止』されたのだから、もう免責も受けられず、借金を背負ったまま放り出されるのだと。それは誤解だ。破産法217条の『異時廃止』とは、破産財団に手続費用すら賄えるだけの財産が残っていない場合、裁判所が配当手続を打ち切るという意味でしかない。配当する財産がないから手続を閉じる、ただそれだけだ。借金を消す『免責』は、これとは完全に別の手続(破産法248条以下)で進む。つまり異時廃止されても、免責許可決定が下りれば借金は消える。逆に債権者の側から見れば、財団が空だと告げられた瞬間でも、予納金を積めば手続を続行させ、隠された財産を掘り起こす道が残っている。『廃止』という言葉の重さは、立つ位置で正反対になる。
破産法 217 条の異時廃止とは、破産手続開始後に破産財団が手続費用を支弁するに足りないと判明した場合、裁判所が配当手続を打ち切り破産手続を終了させる制度をいう。開始と同時に行う同時廃止(216 条)と異なり、管財人選任後に費用不足が判明した管財事件で生じる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
異時廃止は管財事件で生じるため、予納金は同時廃止より高く一般に 20 万円以上が目安です。財団で賄えない費用は基本的に戻りません。財産の有無で費用が大きく変わるので申立前に弁護士と詰めるべきです。
官報に掲載されます(217 条 4 項)。裁判所は主文と理由の要旨を公告し、裁判書を破産者と破産管財人に送達します。取引先の破産を知るには官報の破産・廃止公告を継続的に確認するのが確実です。
廃止決定には即時抗告ができます(217 条 6 項)。抗告期間は原則 1 週間ですが、公告される裁判の起算点は送達みなしの規律に左右されるため、具体的な期限は最新の規定と運用を必ず確認してください。
はい。手続費用に足りる金額の予納があれば異時廃止の規定は適用されません(217 条 3 項、22 条)。隠し財産や否認可能な贈与が疑わしいとき、債権者はこの一手で管財人を調査に向かわせられます。
費用不足で廃止に動く段階では調査は打ち切られます。ただし予納金を積んで手続を続行させれば、管財人が否認権行使や財産調査を続けます。財団が空でも債権者の費用負担で管財人を動かせる点が鍵です。
会社の異時廃止と保証人個人の責任は別物です。会社の借金が手続で消えても、社長個人が結んだ連帯保証債務は一円も消えません。会社の破産は保証人を追及する道の入口になります。
消えません。養育費は非免責債権(253 条)に当たるため、破産して手続が廃止されても、免責後も請求し続けられます。税金や悪意の不法行為による賠償も同様に残ります。
異時廃止の決定は確定しなければ効力を生じません(217 条 8 項)。即時抗告期間の経過などで確定して初めて手続が終了します。廃止を取り消す決定が確定したときは裁判所が直ちに公告します(同 7 項)。
なりません。『廃止』と『免責』は別物です。廃止(217条)は配当できる財産がないので手続を閉じる意味で、借金を消すのは免責許可決定(248条以下)という別の関門。税金・養育費・悪意の不法行為の賠償は免責されても残ります(253条)。業界裏話ヒント:本当の勝負は免責が下りるか、免責不許可事由(252条)に触れないか。廃止の通知で絶望する前に、免責審尋の日程を確認すること。
諦めるのは早い。第一に、隠し財産や破産直前の贈与が疑わしければ、予納金を積んで手続を続行させられます(217条3項、22条)。管財人が否認権で取り戻せる場合がある。第二に、連帯保証人がいれば別途追える。第三に、債権が免責対象外(253条)なら廃止後も請求できる。業界裏話ヒント:『財団が空』でも債権者が費用を出せば管財人を動かせる、これを裁判所も管財人も積極的には教えない。
タイミングと中身が違います。同時廃止(216条)は破産手続開始と同時に廃止するもので、最初から配当すべき財産が全くない個人の事件に多い。異時廃止(217条)は開始後に進めたが財団が費用すら賄えないと判明して打ち切るもので、管財人が選任される管財事件で起こる。業界裏話ヒント:同時廃止は予納金が数万円、管財事件は20万円以上が一般的。どちらになるかで自己破産の費用が大きく変わるので、申立前に財産の有無を弁護士と詰めること。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 廃止のタイミング | 異時廃止(217 条):開始後に費用不足が判明して打ち切り | — |
| 典型的な事件類型 | 管財人が選任される管財事件 | — |
| 廃止の前提 | 財団が手続費用すら支弁できない(予納があれば適用外) | — |
| 手続を止める・覆す手段 | 予納金の追加納付(3 項)、即時抗告(6 項) | — |
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