破産者のために開始した責任制限手続について責任制限手続廃止の決定があったときは、破産手続は、その決定が確定するまで中止する。
要点破産法 263 条は、破産者の責任制限手続に廃止決定があったとき、その決定が確定するまで破産手続を中止すると定める。海事債権の上限確定を待つための一時停止である。
Q · 船主の破産で配当を待っていたのに、突然「破産手続を中止」と通知が来たのはなぜ?
責任制限手続の廃止決定が確定するまで一時的に止まるためです
破産法 263 条により、破産者のために開始した責任制限手続について廃止の決定があると、その決定が確定するまで破産手続は中止されます。海事債権は責任制限手続で船舶のトン数を基準にした上限が付きますが、廃止が確定すればその上限が外れ、満額の破産債権として扱われうるため、債権額が固まらないまま配当を強行しないよう連動して止める仕組みです。中止は終了ではなく一時停止であり、廃止決定の確定によって当然に終了し、破産手続は再進行します。
貨物船どうしが衝突して積荷を失った荷主や、流出した油で漁場を汚された漁協が、船主に損害賠償を求める。ところがその船主は、海事債権について「責任制限手続」を使い、賠償総額に上限を設けることができる(船舶の所有者等の責任の制限に関する法律)。船のトン数で計算した限度額の中から、債権者全員が按分で取り分を分ける仕組みだ。さらにその船主が破産すれば、一般の破産手続も同時に走り出す。二つの集団手続が並行するこの場面を捌くのが本条である。責任制限手続が途中で「廃止」されると、海事債権者の請求は上限を外れ、満額の破産債権に戻りうる。だが廃止の決定はまだ確定していない、抗告で覆る可能性が残る。そこで本条は、廃止決定が確定するまで破産手続そのものを中止させる。確定しない取り分の計算で配当を強行し、後でやり直す事態を防ぐためだ。あなたが海事債権者なら、この一手であなたの配当の時計が止まる。
破産法 263 条は責任制限手続との連動による破産手続の中止を定める規定であり、破産者につき責任制限手続廃止の決定がされた場合に、その決定が確定するまで破産手続を一時停止させる旨を規定する。海事債権の総額が未確定のまま配当を進める混乱を防ぐ手続的調整規範として機能する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
手続の打ち切りではなく一時停止です。破産法 263 条では、責任制限手続の廃止決定が確定するまで破産手続が凍結され、確定すれば当然に再進行します。
廃止決定に対する即時抗告の期間が満了するか、抗告審の結論が確定した時点です。確定するまで破産手続の中止が続きます。
配当は一時的に止まりますが債権は消えません。廃止が確定して海事債権の上限が外れれば、満額の破産債権として扱われ有利になる場合もあります。
船舶のトン数に基づく賠償の上限が外れ、海事債権が満額の破産債権に戻りうる点が変わります。破産財団全体の配当設計に影響します。
責任制限手続廃止の決定が確定するまでです。確定によって当然に中止が終了し、破産手続は再び進行します。
廃止決定には即時抗告(告知から原則 1 週間、最新の手続規定をご確認ください)ができます。抗告すれば破産手続の中止期間も延びます。
別の集団手続に並びます。海事債権は責任制限手続、一般債権は破産手続です。破産法 263 条が両者を連動させます。
違います。263 条の中止は一時停止で復活しますが、破産手続の廃止は手続そのものの終了です。用語の混同に注意が必要です。
消えません。中止は一時停止であり、責任制限手続の廃止決定が確定すれば破産手続は再び動きます(破産法263条)。むしろ廃止が確定すれば、海事債権の上限が外れて満額の破産債権として扱われる可能性があり、あなたに有利に働くこともあります。業界裏話ヒント:『中止=不利』と早合点して取り下げや安易な和解に走る人がいますが、海事債権者にとって責任制限手続の廃止はしばしば朗報です。止まっている間に何が決まろうとしているのかを見極めるのが先決
本当です。責任制限手続では船舶のトン数を基準に責任限度額(基金)が計算され、被害総額がそれを超えても、債権者は基金から按分で受け取るのが原則です(船舶の所有者等の責任の制限に関する法律3条ほか)。破産が絡むと破産法263条で両手続が連結します。業界裏話ヒント:この上限は『責任制限の阻却事由』(船主自身の故意や無謀な行為)があれば破れます。大事故ほどこの阻却を争う価値があり、認められれば上限なしの満額請求に道が開く
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 中止・制限の引き金 | 破産法 263 条:責任制限手続廃止の決定 | — |
| 対象となる手続・行為 | 破産手続そのものを中止 | — |
| 効果の性質 | 一時停止(確定で当然終了し再進行) | — |
| 解除・終了の契機 | 責任制限手続廃止決定の確定 | — |
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