要点破産法 273 条は、破産管財人等が職務に関し賄賂を収受・要求・約束する行為を三年以下の拘禁刑等で処罰し、不正の請託があれば五年に加重する規定である。
Q · 取引先が倒産したとき、破産管財人にお金を渡したり、自分の一票を売ったりしたら罪になるの?
はい、管財人の収賄も債権者の票の売買も犯罪になります
破産法 273 条は、破産管財人・保全管理人等が職務に関し賄賂を収受・要求・約束すると三年以下の拘禁刑等に処し、不正の請託を受ければ五年に加重します。賄賂は現金の授受がなくても要求や約束だけで既遂となります。さらに第 5 項は、破産債権者が債権者集会などで議決権を行使するにあたり、不正の請託を受けて賄賂を受け取る行為も五年以下の拘禁刑で処罰します。収受した賄賂は没収・追徴されます。
会社が倒産すると、社長でも債権者でもない第三者が、その会社の全財産を握る。破産管財人だ。裁判所が選ぶこの人物(ほぼ必ず弁護士)は、誰にいくら配当するか、どの資産をいくらで売るか、隠された財産を追及するかを決める権限を持つ。273条は、この強大な権限に値札がつくことを犯罪とする。管財人が職務に関して賄賂を受け取れば3年以下の拘禁刑、しかも『不正の請託』(例:あの債権者には多めに配当しろ、この不動産は安く売れ)を受けていれば5年に跳ね上がる。だが本当に見落とされているのは第5項だ。あなたが破産債権者として債権者集会で議決権を持つとき、その一票を金で売れば、あなた自身が5年以下の拘禁刑の対象になる。倒産処理の公正は、管財人だけでなく、票を投じるあなたの手にも委ねられている。
破産法 273 条は、破産手続の担い手による職務関連の収賄を処罰する規定である。破産管財人・保全管理人およびその代理人・法人役職員が職務に関し賄賂を収受・要求・約束した場合を基本類型とし、不正の請託があれば法定刑が加重される。破産債権者による議決権行使に関する賄賂の授受も同条第 5 項の対象とされる。
破産管財人や保全管理人などが職務に関して賄賂を受け取る収賄行為を処罰する規定です。不正の請託があれば刑が加重され、債権者による議決権の売買も対象になります。
基本類型は三年以下の拘禁刑または三百万円以下の罰金で、併科もあります。不正の請託を受けた場合は五年以下の拘禁刑または五百万円以下の罰金に加重されます。
公訴時効は法定刑で決まり、三年類型は三年、五年類型は五年です(刑事訴訟法 250 条)。起算点は収受・要求・約束のうち最後の行為が終わった時からです。
職務上の不正な行為や、正当な行為をしないことを依頼することです。特定債権者への優先配当や資産の安売りの依頼などが典型で、あれば刑が三年から五年に加重されます。
273 条は賄賂を受け取る側(管財人・債権者)の収賄罪、274 条は賄賂を渡す側の贈賄罪です。倒産の現場で金銭が動けば、渡した人も受け取った人も双方が処罰されます。
金額の下限はありません。破産債権者が不正の請託を受けて賄賂を収受・要求・約束すれば成立します。現金を受け取らず口約束だけでも第 5 項の犯罪が完成します。
はい。第 6 項により収受した賄賂は没収されます。使ってしまうなど没収できないときは、その価額が追徴されるため、結局は金銭も失うことになります。
対象です。破産管財人だけでなく、保全管理人やそれぞれの代理人、法人が管財人の場合はその役員・職員も 273 条の処罰対象に含まれます。
管財人は裁判所に選任され、破産者の全財産を管理・換価・配当する公的な職務を担うからです。だからこそ職務の公正が公務員並みに保護され、273条で収賄が処罰されます。罰則の重さも刑法197条の公務員収賄とほぼ同水準です。業界裏話ヒント:有罪になれば弁護士は懲戒で資格を失い、実質的に職業生命が終わる。だから優秀な弁護士ほどこの一線に神経質で、債権者からの会食の誘いすら記録に残す人がいる
5項が正面から処罰します。破産債権者やその代理人が議決権の行使に関し不正の請託を受けて賄賂を収受・要求・約束すれば、5年以下の拘禁刑です。受け取らなくても約束だけで成立します。業界裏話ヒント:大型倒産では、特定の再建案や配当方針を通すために票が水面下で動くことがある。だが買う側は274条の贈賄、売る側は273条5項で双方が処罰される。誘われた側は記録を残して通報すれば、自分は罪に問われずに相手を止められる
消えません。収受の時点で犯罪は既遂で、後で返しても成立した罪は消えません。さらに6項により、受け取った賄賂は没収され、使ってしまって没収できなければ同額が追徴されます。業界裏話ヒント:『バレそうだから返した』は情状にはなっても無罪にはならない。実務では賄賂相当額の追徴で結局金も失い、前科も残る。返金は自首・通報とセットで初めて意味を持つ
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|---|---|---|
| 処罰される立場 | 273 条:賄賂を受け取る側(管財人・保全管理人・破産債権者等)の収賄 | — |
| 主体 | 破産管財人・保全管理人・破産債権者等(民間人) | — |
| 法定刑の上限 | 不正の請託ありで五年以下の拘禁刑(罰金併科可) | — |
| 没収・追徴 | 第 6 項により賄賂を没収、できなければ価額を追徴 | — |
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