要点破産法 97 条は、開始後の利息・違約金・延滞税・罰金などを破産債権に含めると定める。ただし多くは 99 条で劣後的破産債権となり、一般債権者への配当後にしか順位が回らない。
Q · 取引先が破産したとき、契約書どおりの遅延損害金や違約金は本当に回収できるの?
破産債権には含まれるが、多くは劣後して実際にはほぼ戻らない
破産法 97 条は、破産手続開始後の利息、不履行による損害賠償・違約金、延滞税、加算税、罰金・過料などを破産債権に含めると列挙します。ただしこれらの多くは 99 条で劣後的破産債権に分類され、一般の破産債権者への配当が終わった後にしか順位が回りません。財産不足の破産事件では一般債権者すら満額配当されないことが多く、劣後債権は事実上ゼロ配当となるのが通例です。回収を狙うなら開始前の元本に照準を絞るのが実務の鉄則です。
取引先が破産した。あなたの手元には未回収の売掛金に加えて、契約書に明記した遅延損害金や違約金の計算書がある。当然それも取り返せると思っている。破産法97条は、確かにそれらを「破産債権に含まれる」と認める。だが本当の落とし穴はその先にある。97条が列挙する破産手続開始後の利息、不履行の損害賠償、違約金、税金の延滞金、加算税、さらには罰金や過料まで、これらの多くは99条によって「劣後的破産債権」へ格下げされる。劣後とは、一般の破産債権者全員が配当を受けた「後」に、財産が残っていれば初めて順番が回る最下層の順位だ。現実の破産事件では財産が足りず、一般債権者ですら満額配当されないことがほとんどで、劣後債権は一円も戻らないのが通例である。つまり97条が突きつけるのは、「請求できる」と「回収できる」がまったくの別物だという、倒産実務の冷たい構造である。
破産法 97 条は、破産手続開始後に生じる利息、不履行による損害賠償・違約金、延滞税・加算税、罰金・過料、破産手続参加費用などの請求権を、財団債権を除き破産債権に含まれるものとして列挙する規定である。これらの多くは 99 条によって劣後的破産債権に位置づけられ、一般の破産債権に劣後して配当される。
破産者に対し破産手続開始前の原因に基づき生じた財産上の請求権で、破産手続の中で配当を受けるものです。財団債権や別除権とは扱いが異なります。
一般の破産債権より配当順位が後の破産債権です。97 条が挙げる開始後利息・違約金・罰金等が 99 条により該当し、一般債権者への配当後にしか順位が回りません。
財団債権は破産手続によらず随時弁済を受けられる優先的な債権で、破産債権に先立ちます。97 条柱書は財団債権を対象から除いています。
財団債権が先に随時弁済され、次に優先的破産債権(98 条)、一般の破産債権、最後に劣後的破産債権(99 条)の順です。下層ほど回収は困難です。
有利です。抵当権などの担保権は別除権として破産手続によらず実行でき、配当順位に縛られず優先回収が可能なため、最も確実な回収手段になります。
一般の先取特権など法律上優先弁済権のある破産債権で、破産法 98 条が定めます。一般の破産債権より先に配当を受けられます。
裁判所が破産手続開始決定で個別に定める債権届出期間内に届け出る必要があります(破産法 111 条以下)。期間を過ぎると原則配当を受けられません。
97 条により破産債権に含まれますが、99 条で劣後的破産債権となる場合が多く、一般債権者への配当後にしか順位が回りません。
請求自体は97条2号で破産債権として認められます。ただし開始後の不履行による違約金は99条で劣後的破産債権に分類され、一般債権者への配当が終わった後にしか順番が回りません。業界裏話ヒント:財産不足で一般債権者すら満額もらえない事件が大半で、劣後債権の配当は事実上ゼロ。弁護士は届出はしても回収の照準は開始前の元本に絞ります。
なりません。税金や罰金等は97条で破産債権に含まれますが、免責の対象外です(破産法253条1項)。他の借金が消えても、これらの支払義務だけは個人に残ります。業界裏話ヒント:自己破産を『全部リセット』と思い込む人が多いが、税金、罰金、養育費、故意の不法行為による賠償などは免責されない。事前に残る債務を仕分けないと、破産後に想定外の請求で苦しむ。
破産手続開始後の利息は97条1号で破産債権に含まれますが、99条で劣後的破産債権になります。つまり開始決定の時点で利息計算は実質的に止まり、その後の分は一般債権者への配当後にしか回りません。業界裏話ヒント:『開始決定日』が利息の事実上の締め日になる。だから開始決定が早いか遅いかで上乗せできる利息額が変わり、回収を急ぐなら開始前の保全が勝負どころです。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 配当順位 | 97 条列挙の多くは劣後的破産債権(99 条):最下層 | — |
| 対象となる請求権 | 開始後の利息・違約金・延滞税・加算税・罰金・過料等 | — |
| 回収可能性 | 財産不足の事件では事実上ゼロ配当 | — |
| 免責との関係 | 罰金・租税は劣後かつ免責対象外(253 条) | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。