要点破産法 99 条は、開始後の利息や遅延損害金(1 項)と、事前合意による約定劣後破産債権(2 項)を、他の破産債権に後れる劣後的破産債権と定める。配当の列の最後尾に置かれる。
Q · 高金利につられて買った劣後債、発行体が潰れたらどうなるの?
開始後の利息と合意した劣後債は配当の最後尾です
破産法 99 条により、破産手続開始後の利息・遅延損害金など 97 条列挙の請求権(1 項)と、契約で「破産したら最後でよい」と合意した約定劣後破産債権(2 項)は、他の破産債権に後れます。普通の破産債権者が満額配当を受けて初めて劣後に順番が回りますが、現実の破産では普通債権の配当率が一桁%も珍しくないため、劣後まで配当が届くことはほぼありません。あなたが買った劣後債は、普通の社債権者が満額回収するまで一円も戻らない前提の商品です。
銀行の窓口で「利回りが少し高い劣後債」を勧められて買ったことがあるかもしれない。その「劣後」の正体が、この99条である。破産では債権者全員が同じ列に並ぶわけではない。財団債権、優先的破産債権、普通の破産債権、そして列の最後尾に立たされるのが劣後的破産債権だ。99条は二種類を最後尾へ押し下げる。一つは法律が自動的に後回しにするもの(破産手続開始後の利息、遅延損害金、延滞税、罰金など、97条が列挙する請求権)。もう一つが約定劣後破産債権、つまり「破産したら自分は一番最後でいい」とあなた自身が契約でサインして同意した債権だ。あなたが買った劣後債は、発行体が潰れたとき、普通の社債権者が満額回収するまで一円も戻ってこない。配当の列の何番目に並ぶか、それは事件が起きてからでは一切動かせない。貸す前、買う前に、すでに決まっている。
破産法 99 条は劣後的破産債権を規律する規定であり、破産手続開始後の利息・遅延損害金等 97 条所定の請求権(1 項)および破産者との事前合意による約定劣後破産債権(2 項)が、他の破産債権に後れて配当を受ける旨を定める。破産手続における配当順位の最下位群を画定する条文である。
他の破産債権に後れて配当を受ける最下位の破産債権です。破産手続開始後の利息など 97 条列挙の請求権(法定劣後)と、契約による約定劣後の二種があります(破産法 99 条)。
破産者との事前の合意で、配当順位を劣後的破産債権よりさらに後にすると約束した債権です(破産法 99 条 2 項)。劣後債・劣後ローンがこれにあたります。
財団債権、優先的破産債権、普通破産債権、劣後的破産債権、約定劣後破産債権の順です。上位が満額配当を受けて初めて下位に配当が回ります。
AT1 債や Tier2 劣後債は約定劣後破産債権に近い位置づけで、発行体が破綻すると配当の最後尾に回ります。2023 年のクレディ・スイス AT1 債が無価値化された事例が典型です。
必ず届け出るべきです。劣後でも債権届出期間内に届け出なければ配当の可能性そのものがゼロになります(破産法 31 条)。
裁判所が事件ごとに定める債権届出期間内です(破産法 31 条)。この期間を過ぎると劣後・普通を問わず配当から除斥されます。
財団債権は破産手続によらず随時弁済される最優先の債権、劣後的破産債権は全破産債権の最後尾です。同じ倒産債権でも回収可能性が正反対です。
97 条が劣後扱いとなる請求権(開始後の利息・遅延損害金・延滞税・罰金等)を列挙し、99 条 1 項 1 号がそれを引用して「他の破産債権に後れる」と順位を定めます。
発行体が破綻したときの配当順位が違います。普通社債は普通の破産債権ですが、劣後債は契約で『普通債権の後でよい』と約束した約定劣後破産債権(99条2項)。普通債権者が満額配当を受けて初めて劣後債に順番が回りますが、現実の破産では普通債権の配当率が一桁%も珍しくない。業界裏話ヒント:金融機関が劣後債を好んで出すのは、自己資本規制上『資本』に近い扱いを受けられるから。発行体にとっては『返さずに済みやすいお金』であり、その裏返しが投資家側の全損リスク、高金利はその対価です
元本は普通の破産債権ですが、破産手続開始後に発生する利息・遅延損害金は劣後的破産債権になります(99条1項1号、97条)。同じ一本の債権でも、開始日を境に扱いが割れます。業界裏話ヒント:だから実務では『開始決定前にどれだけ回収・相殺できるか』が勝負どころ。開始後に積み上がる遅延損害金は最初から『取れない前提』で管理しないと、貸倒引当の額を読み違えます
なります。約定劣後破産債権は破産者との間の合意で成立し(99条2項)、目論見書や契約書の劣後条項は書面合意として効力を持ちます。業界裏話ヒント:争点になりやすいのは『どこまで劣後するか』の範囲です。1項の法定劣後債権との前後、他の劣後債との優劣など、約定の文言次第で順位が動く。劣後の『程度』まで読むのは弁護士か機関投資家くらいで、個人投資家はそこを読まずに署名しています
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 配当順位 | 99 条:劣後的破産債権(最下位、約定劣後はさらに後) | — |
| 対象となる債権 | 開始後の利息・遅延損害金・延滞税・罰金等(97 条)+約定劣後 | — |
| 根拠条文 | 破産法 99 条(1 項 1 号が 97 条を引用) | — |
| 配当が回る現実性 | ほぼ皆無(上位が満額配当を受けて初めて対象) | — |
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