不動産登記法 第134条(筆界調査委員の指定等)
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- 法務局又は地方法務局の長は、前条第一項本文の規定による公告及び通知がされたときは、対象土地の筆界特定のために必要な事実の調査を行うべき筆界調査委員を指定しなければならない。
- 2.次の各号のいずれかに該当する者は、前項の筆界調査委員に指定することができない。
- 一対象土地又は関係土地のうちいずれかの土地の所有権の登記名義人(仮登記の登記名義人を含む。以下この号において同じ。)、表題部所有者若しくは所有者又は所有権以外の権利の登記名義人若しくは当該権利を有する者
- 二前号に掲げる者の配偶者又は四親等内の親族(配偶者又は四親等内の親族であった者を含む。次号において同じ。)
- 三第一号に掲げる者の代理人若しくは代表者(代理人又は代表者であった者を含む。)又はその配偶者若しくは四親等内の親族
- 3.第一項の規定による指定を受けた筆界調査委員が数人あるときは、共同してその職務を行う。ただし、筆界特定登記官の許可を得て、それぞれ単独にその職務を行い、又は職務を分掌することができる。
- 4.法務局又は地方法務局の長は、その職員に、筆界調査委員による事実の調査を補助させることができる。
この条文の基本情報
筆界調査委員の指定等とは何ですか?
定義筆界調査委員の指定等とは、不動産登記法第134条に定められた規定で、「法務局又は地方法務局の長は、前条第一項本文の規定による公告及び通知がされたときは、対象土地の筆界特定のために必要な事実の調査を行うべき筆界調査委員を指定しなけれ…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 不動産登記法第134条(筆界調査委員の指定等)は、日本の不動産登記法に含まれる条文です。
- 不動産登記法第134条の条文原文は「法務局又は地方法務局の長は、前条第一項本文の規定による公告及び通知がされたときは、対象土地の筆界特定のために必要な事実の調査を行うべき筆界調査委員を指定しなけれ…」で始まります。
- 不動産登記法第134条は第二款 筆界の調査等に置かれています。
- 不動産登記法の公布日は平成16年6月18日です。
- 不動産登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 不動産登記法第134条の前の条は不動産登記法第133条です。
- 不動産登記法第134条の次の条は不動産登記法第135条です。
- 不動産登記法第134条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第134条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123 - 本サイト収録
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第134条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/416AC0000000123/134
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点不動産登記法134条は、筆界特定の公告後に法務局長が筆界調査委員を指定すると定める。対象土地の権利者やその四親等内の親族、代理人であった者は指定できない。
Q · 土地の境界を調べる筆界調査委員って、誰がどうやって決めるんですか?
法務局長が指定し、相手方の四親等内の親族や元代理人は選べません
不動産登記法134条1項により、公告及び通知が終わると、法務局又は地方法務局の長は事実の調査を担う筆界調査委員を指定します。同条2項は、対象土地・関係土地の登記名義人や権利者、その配偶者・四親等内の親族、代理人や代表者、さらにこれらの配偶者・四親等内の親族を指定できないと定め、いずれも「であった者」を含みます。いとこは四親等、離婚した元配偶者も対象です。ただし当事者が忌避を申し立てる明文の手続はないため、関係に気づいた側が書面で申し出る必要があります。
解説
隣地との境界がずれている気がする。そう思って法務局に筆界特定を申請すると、あなたの土地を実際に歩いて測り、古い公図や地積測量図を読み解く人間が指定される。それが筆界調査委員だ。不動産登記法134条1項は、公告と通知が済んだ段階で、法務局長がこの委員を指定しなければならないと定める。だが本当に効いてくるのは2項である。相手方の土地の登記名義人本人、その配偶者や四親等内の親族、代理人や代表者、さらにその配偶者や四親等内の親族は、委員に指定できない。しかも条文は「であった者を含む」と書いている。過去に隣人の依頼を受けていた土地家屋調査士も、離婚した元配偶者も外れる。四親等内には、いとこが入る。地方では専門家の数が限られ、人的つながりは濃い。この一項は、あなたの土地を測る人が相手側の身内でないことを、法が先回りして保証する装置である。
法的な位置づけ
不動産登記法134条は、筆界特定手続における筆界調査委員の指定と除斥事由を定める規定である。法務局又は地方法務局の長は、公告及び通知の後に事実の調査を行う委員を指定する義務を負い、対象土地又は関係土地の権利者、その配偶者・四親等内の親族、代理人・代表者及びこれらであった者は指定の対象から除外される。複数指定の場合は共同職務が原則となる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.指定通知が届いたら委員の氏名をまず控える 公告及び通知の後に筆界調査委員が指定される(134条1項)。通知書に記載された委員の氏名・所属事務所を控え、対象土地と関係土地の当事者一覧と並べて一枚の表にする
- 2.相手方との身分・代理関係を突き合わせる 委員の氏名を、相手方の過去の登記申請書、委任状、境界確認書、訴訟記録の代理人欄と照合する。血縁の可能性があれば親等図を作り、いとこ(四親等)まで確認する
- 3.除斥の疑いは実地調査前に書面で申し出る 134条2項に該当する疑いがあれば、口頭ではなく書面で法務局に申し出て、関係を示す資料の写しを添付する。忌避申立ての明文手続はないため、記録に残る形で提出することが実質的な効果を生む
- 4.複数指定なら共同職務を前提に意見を出す 委員が数人指定された場合は共同職務が原則(134条3項)。争点が多い事案で単独職務や分掌に切り替わる形になっていれば、共同での調査を求める意見書を早い段階で提出する
- 5.実地調査に向けて自分側の資料を先に固める 指定後は事実の調査に進む。旧公図、地積測量図、航空写真、古い塀や杭の写真、造成時の図面を時系列に整理し、調査当日に委員へ提示できる状態にする
よくある質問 AI による整理
Q1筆界調査委員とは何ですか?
筆界特定手続で、対象土地の筆界を明らかにするために必要な事実の調査を行う担当者です。不動産登記法134条1項に基づき、法務局又は地方法務局の長が指定します。
Q2筆界調査委員は誰が指定するのですか?
法務局又は地方法務局の長です。公告及び通知が済んだ段階で指定する義務があり、当事者が人選を指名することはできません。
Q3筆界調査委員にはどんな人がなれますか?
同法127条により、筆界特定について必要な学識経験を有する者から法務局又は地方法務局の長が任命します。実務では土地家屋調査士や弁護士、司法書士が中心です。
Q4四親等内の親族はどこまで含まれますか?
親子は一親等、兄弟姉妹や祖父母・孫は二親等、おじ・おば・甥・姪は三親等、いとこは四親等です。134条2項はいとこまで除斥の範囲に含めます。
Q5元配偶者や元代理人も除斥されますか?
されます。条文は「配偶者又は四親等内の親族であった者を含む」「代理人又は代表者であった者を含む」と明記しており、過去の関係も対象です。
Q6筆界調査委員が複数指定されたらどうなりますか?
134条3項により共同して職務を行うのが原則です。ただし筆界特定登記官の許可を得れば、単独で職務を行い、または職務を分掌できます。
Q7法務局の職員も調査に関わりますか?
134条4項により、法務局又は地方法務局の長は、その職員に筆界調査委員による事実の調査を補助させることができます。
Q8筆界調査委員は土地に立ち入るのですか?
指定後の事実の調査として、測量や現地の実地調査が行われます。134条は調査そのものではなく、その調査を担う委員を誰にするかを定める前段階の規定です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1調査委員が隣のじいさんの親戚っぽいんですけど、変えてもらえるんですか?
134条2項の除斥事由(四親等内の親族、しかも「であった者」を含む)に当たるなら、法務局長はそもそも指定できません。ただし当事者からの忌避申立てを定めた明文の手続はなく、気づいた側が事実関係を申し出るのが実務です。実務のポイント:申出は口頭で伝えるのではなく、戸籍や過去の委任状の写しを添えた書面で出す。記録に残る形にした瞬間、法務局側はその指摘を無視できなくなります
Q2筆界特定でこっちの言い分が通ったら、土地は広くなるんですか?
広くなるとは限りません。筆界特定が明らかにするのは公法上の筆界の位置であって、所有権の範囲ではないからです。筆界の内側でも、隣人が長年占有していれば取得時効(民法162条)で所有権を失っている可能性があります。実務のポイント:実務家は筆界の話と所有権界の話を最初から別の建て付けで組みます。杭の位置より先に、いつから誰が使っていたかを示す航空写真や古い写真を押さえた側が強い
間違えやすい点 AI による整理
- 「筆界特定で境界を自分に有利な位置へ動かしたい」という問いの立て方自体が、そもそも成り立っていない。筆界は明治期の地租改正以来の公法上の区画であり、隣人との合意でも時効でも動かない。筆界調査委員は線を引き直す人ではなく、もとの線がどこにあったかを探し出す人である。動かせるのは所有権界のほうで、それは別の争い方をする
- 除斥は「相手方本人が委員になれない」だけの当たり前の規定だと読み流されがちだが、条文の射程はもっと深い。配偶者、四親等内の親族、代理人、代表者、さらにその配偶者と四親等内の親族まで及び、そのすべてに「であった者を含む」。いとこは四親等、離婚した元配偶者も含まれる。専門家の母数が少ない地方ほど、この網の広さが人選の実質的な制約になる
- あなたから見れば、除斥事由があれば役所が自動で弾いてくれる仕組みに見える。だが法律から見れば、134条2項は指定権者を縛る規定であって、当事者に忌避を申し立てる手続を明文で用意したものではない。関係に気づいて申し出なければ、そのまま調査は進む。この落差に気づかないまま実地調査が終わると、やり直しのコストは誰も負担してくれない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続上の位置づけ | 134条:調査を担う筆界調査委員の指定と除斥 | 133条:申請受理後の公告及び関係人への通知 135条:指定を受けた委員による事実の調査 |
| 誰が動く規定か | 法務局又は地方法務局の長(指定権者) | 筆界特定登記官(公告・通知の実施) 筆界調査委員(現地の調査・測量) |
| 当事者が働きかけられる余地 | 除斥事由に気づいた側が書面で申し出る(忌避の明文手続はない) | 通知を受けた関係人として意見・資料を提出する立場を得る 実地調査で資料提示・立会いによって見立てに影響を与える |
| 見落としたときのコスト | 中立性を欠いた人選のまま調査が完了し、やり直しが事実上不可能になる | 通知の見落としで意見提出の機会を失う 有利な資料を出せないまま調査結果が固まる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は地政事務所が地籍図重測・複丈を担い、境界の確認は行政作用として行われる。委員会型の調査主体を置かず、担当公務員の回避は行政程序法の一般則で処理される点が日本と異なる
韓国は地籍再調査事業の枠内に境界決定委員会を設け、委員の除斥・忌避を規定する。日本が個別申請ごとに委員を指定するのに対し、韓国は地区単位の事業として運用される点が構造的な違い
ドイツは公的に任命された測量士(Öffentlich bestellter Vermessungsingenieur)が境界確定を担い、除斥・忌避は行政手続法の一般規定によって処理される。日本のように個別法で親等まで書き込む例は少ない
米国は連邦統一の境界特定行政手続を持たず、免許を受けた land surveyor の測量結果を基に、当事者が州裁判所で quiet title や adverse possession を争う。中立性は専門職倫理と訴訟内の証人適格で担保される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、指定された筆界調査委員が、10年前に隣人の相続登記を扱った土地家屋調査士だったとしたら? 血縁が一切なくても、134条2項3号の「代理人であった者」として除斥に触れる。だが法務局は相手方の過去の委任関係まで把握しているとは限らない。指定通知に並んだ氏名を見て違和感に気づけるのは、その地域で暮らしてきたあなたの側である
- 隣人が突然、筆界特定を申請した。あなたは何も申し立てていないのに関係人として通知を受け、自分の土地に他人が立ち入って測る手続が始まる。断る選択肢は、法律上ほとんど残されていない
- 隣家のブロック塀があなたの登記上の土地に40センチ食い込んだまま、19年が過ぎた。筆界の位置がどう認定されようと、あと1年で相手の占有は20年に達し、民法162条の取得時効を主張される余地が出てくる。筆界特定の申請を出すのが先か、占有状態への異議を突きつけるのが先か、順番で結末が変わる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 指定通知に記載された筆界調査委員の氏名を、相手方の過去の登記申請書、委任状、訴訟記録の代理人名と照合する2. 血縁の可能性があれば、四親等内(いとこまで)を親等図で確認3. 該当の疑いがあれば、口頭ではなく書面で法務局に申し出る。関係を示す資料の写しを必ず添える4. 実地調査が始まる前に動く。始まってからでは、指定のやり直しは事実上望めない
訴えられた側:1. 申請されただけで不利になるわけではない。関係人として資料や意見を提出できる立場を、まず確保する2. 自分側にとって有利な古い写真、航空写真、旧塀の位置がわかる資料を実地調査前に整理する3. 委員の中立性は自分の側からも点検する。相手に近い人選なら申し出るし、逆に自分の縁者なら早めに開示しておく方が、後の信用を守れる4. 筆界特定の結論に不服でも、筆界確定訴訟で争う道は残る
時効(請求できる期限):筆界特定の申請自体に法定の期限はなく、筆界は公法上の区画なので時効にかからない。実質的な時間圧は所有権の側にある。隣人の占有が善意無過失なら10年、そうでなければ20年で取得時効が完成しうる(民法162条)。起算点は占有開始時であり、境界紛争の本当の締切はここにある
学説
通説:134条2項の除斥事由は、指定権者である法務局長を拘束する客観的な要件であり、裁量判断の余地を残さない。当事者による忌避申立ての明文規定は置かれておらず、事実関係の申出を受けた指定権者が職権で是正する構造と理解されている
実務上の理解:筆界調査委員の職務は筆界の位置を探索することにあり、所有権界の帰属を判断するものではない。したがって除斥制度が守るのは所有権の当否ではなく、資料の読み方と現地の見立てという裁量的作業の外形的公正である
改正沿革 AI による整理
- 平成17年(2005年)改正 筆界特定制度の創設に伴い新設された条文。境界紛争を訴訟外で解決する行政手続として第6章が追加され、その中で調査主体の指定と除斥事由が定められた。施行は平成18年(2006年)1月
改正の年表
- 1.平成16年(2004年) 改正:不動産登記法の全部改正(平成16年法律第123号)。オンライン申請の導入等を含む現行法典が成立
- 2.平成17年(2005年) 新設:筆界特定制度の創設に伴い本条が新設。境界紛争を訴訟外で解決する行政手続の章が追加され、その中で調査主体の指定と除斥事由が定められた。施行は平成18年(2006年)1月
- 不動産登記法 第123条筆界及び筆界特定の定義規定
- 不動産登記法 第127条筆界調査委員の任命と資格の根拠
- 不動産登記法 第133条本条の前提となる公告及び通知
- 不動産登記法 第135条指定後の事実の調査の内容
- 不動産登記法 第143条調査を経た筆界特定の判断(現行効力を要確認)
- 土地家屋調査士法 第3条筆界特定手続の代理と委員の担い手
- 民事訴訟法 第23条裁判官の除斥、中立性法理の原型
- 民法 第162条所有権界を動かす取得時効の特則
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