要点商法 17 条は、譲受人が譲渡人の商号を続用する場合、譲渡人の営業によって生じた債務を譲受人も弁済する責任を負うと定める。譲渡後遅滞なく免責登記または通知をすれば免れる。
Q · 潰れかけのお店を屋号ごと買い取ったら、前の店主の借金も払わなきゃいけないの?
原則そうなる。看板を続けて使う限り前の店主の営業上の借金も背負う
商法 17 条 1 項により、譲受人が譲渡人の商号(屋号・店名)を引き続き使用する場合、譲受人も譲渡人の営業によって生じた債務を弁済する責任を負います。これは取引相手が「同じ営業が続いている」と信じる外観を保護するためです。ただし営業譲渡後、遅滞なく『譲受人は譲渡人の債務を負わない』旨を登記する(2 項前段)か、譲受人・譲渡人の双方から取引先へ通知すれば(2 項後段)、責任を免れます。さらに譲渡人の責任は、譲渡日後 2 年以内に請求または請求の予告がなければ消滅します(3 項)。
居抜きで人気ラーメン店を屋号ごと引き継いだ。常連も戻り順調だったある月、前の店主が付き合っていた製麺所から「未払いの仕入れ代金 300 万円を払え」という請求書が届く。あなたは「それは前の店主の借金、自分には関係ない」と突っぱねたい。だが商法 17 条は、あなたが譲渡人の商号(屋号・店名)を引き続き使う限り、譲渡人の営業によって生じた債務もあなたが弁済する責任を負うと定める。理由は外観(取引相手から見える見た目)だ。看板が同じなら、取引先は「同じ店が続いている」と信じる。その信頼を守るのが本条の核心。逃げ道は二つある。営業譲渡の後、遅滞なく『譲受人は譲渡人の債務を負わない』旨を登記するか(2 項前段)、譲受人と譲渡人の双方から取引先へ通知する(2 項後段)。この一手を打たなかった代償が、他人の借金を背負うという形であなたに返ってくる。
商法 17 条は商号続用責任を定める規定であり、営業を譲り受けた商人が譲渡人の商号を引き続き使用する場合に、譲受人も譲渡人の営業上の債務を弁済する責任を負う旨を規律する。譲渡後遅滞なく免責登記または第三者への通知をした場合は適用されず、譲渡人の責任は譲渡日後 2 年で消滅する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
営業を屋号ごと譲り受けた譲受人が、譲渡人の商号を続けて使う限り、譲渡人の営業上の債務まで弁済する責任を負う制度です。商法 17 条 1 項が根拠で、取引相手の外観への信頼を保護します。
商法 17 条 2 項は『営業を譲渡した後、遅滞なく』と定めます。決済から何週間も放置すると要件を外れて責任が固定されるため、譲渡と同時に段取りするのが安全です。
商号を続用すると 17 条 1 項で営業上の債務が譲受人に及びます。商号を変えるか、遅滞なく免責登記・通知をすれば引き継ぎを遮断できます。
譲渡日後 2 年以内です。商法 17 条 3 項により、2 年以内に請求または請求の予告がなければ譲渡人への請求権はその時点で消滅します。
商法 17 条 2 項後段により、譲受人および譲渡人の双方から、取引先(第三者)に対して『譲受人は債務を負わない』旨を通知します。一方だけの通知では足りません。
選択肢は二つです。営業譲渡後遅滞なく免責登記をする(2 項前段)か、譲受人・譲渡人双方から取引先へ通知する(2 項後段)。契約書に書くだけでは債権者に対抗できません。
17 条は商号を続用した場合の責任、18 条は商号を続用しない譲受人が『債務を引き受ける』と広告した場合の責任です。続用の有無で適用条文が分かれます。
発生します。商法 17 条は個人商人を主な対象とする規定で、生前の営業譲渡で屋号を続用すれば、相続放棄とは別ルートで親の事業上の債務を背負います。
確実とは言えません。商法 17 条の『商号続用』は形式ではなく、取引相手が同一の営業が続いていると誤認するかという実質で判断されます。ロゴや店名のわずかな変更では続用と認定された裁判例があります。業界裏話ヒント:弁護士が確実な遮断を勧めるのは、小手先の改名ではなく 2 項の免責登記または通知です。登記簿に一行残すだけで第三者全員に対抗でき、改名の効果を巡る不毛な争いを丸ごと回避できる
その契約は売主と買主の間でしか効力がないからです。第三者である債権者は契約の当事者ではなく、商法 17 条 1 項で譲受人へ直接請求できます。契約書の文言で債権者を縛ることはできません。業界裏話ヒント:債権者を縛れるのは 2 項の免責登記・通知だけ。契約書の表明保証条項は、債権者への支払いを止める道具ではなく、払った後に譲渡人へ求償するための道具です。役割を取り違えると、払わずに済むはずだったお金を払う羽目になる
商法 17 条は個人商人を主に想定した規定で、会社(株式会社等)の事業譲渡には会社法 22 条というほぼ同じ内容の規定が別に適用されます。商号を続用すれば譲受会社が譲渡会社の事業上の債務を負う構造は同じです。業界裏話ヒント:M&A 実務では、簿外債務(帳簿に載っていない借金)のリスクを切るために、あえて商号を変える、または会社法 22 条 2 項の免責登記を打つ設計を最初から組み込みます。デューデリで債務を洗いきれない案件ほど、この遮断手続の有無が買収価格に効いてくる
商法 17 条 4 項は、譲渡人の営業によって生じた債権について譲受人へした弁済は、弁済者が善意(事情を知らない)でかつ重大な過失がないときは有効と定めます。つまり債務者が事情を知らずに譲受人へ払えば、その支払いは保護されます。業界裏話ヒント:これは債務者を守る規定ですが、裏を返せば、債権を回収したい側は『誰が真の債権者か』を取引先へ早く明確に通知しないと、相手が善意で別人へ払って債権が消えるリスクがある。通知のスピードがそのまま回収可能性を左右する
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 適用の前提 | 商法 17 条:商号を続用する譲受人 | — |
| 責任の根拠 | 外観(商号の同一性)への信頼保護 | — |
| 免れる方法 | 遅滞なく免責登記(2 項前段)または通知(2 項後段) | — |
| 債権者の請求期間 | 譲渡人への請求は譲渡日後 2 年以内(3 項) | — |
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