運送取扱人は、運送品に関して受け取るべき報酬、付随の費用及び運送賃その他の立替金についてのみ、その弁済を受けるまで、その運送品を留置することができる。
要点商法 562 条は、運送取扱人がその運送品に関する報酬・付随費用・運送賃・立替金についてのみ、弁済を受けるまで当該運送品を留置できると定める。別便や過去取引の未払いを理由とした留置はできない。
Q · 運送業者が「前の便の未払いがあるから荷物は渡せない」と言ってきたら、従うしかないの?
いいえ、その荷物に関する未払いに限られます
商法 562 条により、運送取扱人が荷物を留置できるのは、その運送品に関して受け取るべき報酬・付随の費用・運送賃・立替金についてのみです。商人間の一般的な商事留置権(521 条)と違い、被担保債権と留置物との牽連性が要件であり、別便・過去の取引・他の請求を理由に今の荷物を留置することはできません。別件の未払いを盾にした留置は根拠を欠き、牽連性のない留置は不法行為(民法 709 条)として損害賠償の対象になりうるため、内訳の提示を書面で求めるのが第一歩です。
中国の工場から仕入れた在庫が、通関と配送を任せた業者の倉庫で止まっている。理由は『前の便の手数料がまだ未払いだから』。多くの輸入者はここで諦めて払う。だが商法562条を握っていれば、話が変わる。運送取扱人(あなたの代わりに、自分の名前で運送を手配する業者)が荷物を留置できるのは、その荷物に関して発生した報酬・付随費用・運送賃・立替金に限られる。『その荷物に関して』、ここが急所だ。別の便、過去の取引、他の請求、それらを理由に今の荷物を握ることは、この条文上できない。一般の商事留置権(521条)なら債務者所有の物を広く留置できるが、運送取扱人のこの特別な留置権は牽連性、つまりこの荷物とこの債権のつながりを要求する。あなたが押さえるべきは、相手が『未払いがあるから渡さない』と言ったとき、その未払いが本当に今の荷物と紐づくのかを問い返す一言だ。
商法 562 条は運送取扱人の留置権を定める規定であり、運送取扱人がその運送品に関して受け取るべき報酬・付随の費用・運送賃その他の立替金についてのみ、弁済を受けるまで当該運送品を留置できる旨を規定する。商人間の商事留置権の一般規定(521 条)と異なり、被担保債権と留置物との牽連性を要件とする特則として機能する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
運送取扱人が、その運送品に関する報酬・付随費用・運送賃・立替金の弁済を受けるまで、当該荷物を留置できる権利です。商法 562 条が根拠で、牽連性が要件です。
その運送品に関して受け取るべき報酬・付随の費用・運送賃その他の立替金に限られます。別便や過去の取引の未払いは含まれません。
被担保債権と留置物との間に「この荷物に関する債権」という結びつきがあることです。562 条はこの牽連性を要件とし、無関係な債権での留置を封じています。
商事留置権(521 条)は牽連性が不要で債務者所有の物を広く留置できますが、562 条の留置権は当該運送品との牽連性を要件とする特則です。
牽連性がなければ引渡しを請求し、応じなければ引渡しの仮処分を検討します。牽連する正当な債権がある場合は、弁済または供託により留置権を消すことができます。
報酬・付随費用・運送賃・立替金は一般の消滅時効(民法 166 条 1 項、権利を行使できると知った時から 5 年)に服します。時効消滅すれば留置権も主張できなくなります。
商法 561 条が運送取扱人の報酬を定め、562 条の留置権の被担保債権の中核となります。運送取扱人の定義は 559 条にあります。
まず主張された債権が今の荷物に関するものか書面で確認します。別便の未払いが理由なら 562 条の留置に根拠がない旨を指摘し、引渡しを求めます。
原則として違法な留置になりえます。562条の留置権は『その運送品に関して』受け取るべき報酬・費用・運送賃・立替金に限られ、別便や過去の取引の未払いには及びません。業界裏話ヒント:牽連性のない留置は不法行為(民法709条)として損害賠償の対象になりうるため、内訳を書面で問い、本件荷物との関係を示せと求めると、業者は留置を引っ込めることが多いです
562条の留置権は、運送品が委託者(債務者)の所有でなくても成立しうるからです。委託した取引先が報酬等を払わなければ、所有者であるあなたの荷物が留置されることがあります。業界裏話ヒント:これを避けるには、取引先の与信を事前に確認し、自社が直接運送を委託する、または元払い・直送に契約を組み替えるのが実務上の防御策です
留置中も所有権は移りませんが、業者は民事執行法195条の形式競売により荷物を換価し、その代金から弁済を受けることができます。自力で勝手に売却することは原則できません。業界裏話ヒント:競売まで進む前に、牽連する被担保債権の額を弁済または供託すれば留置権は消え、荷物を取り戻せます。額の妥当性を争いつつ、取り戻し手段を並行で押さえておくのが定石です
運送取扱人(559条)は自分の名前で運送を手配する仲介役、運送人は実際に運ぶ側です。両者とも牽連性を要する特別の留置権を持ち、運送人側は574条に規定があります。業界裏話ヒント:一社が両方の地位を兼ねることが多く、どの地位でどの債権を留置の根拠にしているかで争点が変わります。相手の地位と被担保債権を切り分けて確認するのが第一歩です
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 牽連性の要否 | 562 条:当該運送品との牽連性が必要 | — |
| 被担保債権 | その運送品に関する報酬・付随費用・運送賃・立替金 | — |
| 留置物の所有 | 委託者所有でなくても成立しうる | — |
| 主体 | 運送取扱人(559 条) | — |
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