運送人は、運送品に関して受け取るべき運送賃、付随の費用及び立替金(以下この節において「運送賃等」という。)についてのみ、その弁済を受けるまで、その運送品を留置することができる。
要点商法574条は、運送人が運送賃・付随費用・立替金についてのみ、弁済を受けるまでその運送品を留置できると定める。別件債権を理由にした留置はできない。
Q · 引っ越し業者が「お金を払うまで荷物は渡さない」と言うのは合法?
今回の運送賃等のためなら適法。別件の未払いは理由にできません。
商法574条により、運送人は今回の運送品に関する運送賃・付随費用・立替金(運送賃等)を受け取るまで、その運送品を留置できます。これは適法な担保権の行使です。ただし留置できるのは「その運送品に関する運送賃等」に限られ、過去の別件の未払いを理由に今回の荷物を留置することはできません。また留置権は「止める」権利であって「売る」権利ではなく、換価して回収するには別の手続(商法582条等)が必要です。
引っ越し当日、業者がトラックの荷台を指さして「追加料金を払うまで降ろせません」と言う。あなたの冷蔵庫も布団もその中だ。この瞬間に発動しているのが商法574条、運送人の留置権である。運送人は運送賃、付随の費用、立替金を受け取るまで、運んだ品物を手元に留めておける。だが条文の真価は「についてのみ」という五文字にある。運送人が留置できるのは、その運送賃に関係する『その荷物』だけ。あなたが過去に別件で頼んだ運送の未払いを理由に、今回の荷物を人質に取ることはできない。商人同士の一般的な留置権(商法521条)なら無関係な債務でも相手の他の品を留置できるが、運送人の留置権はわざと狭く設計されている。業者がこの範囲を超えて荷物を握っていれば、それは法的根拠のない占有であり、あなたは引渡しを請求できる立場にある。
商法574条は運送人の留置権を定める規定であり、運送人が運送品に関して受け取るべき運送賃、付随の費用及び立替金についてのみ、その弁済を受けるまで当該運送品を留置できる旨を規律する。商人間の一般留置権(商法521条)と異なり、被担保債権と留置物との牽連性を厳格に要求する点に特徴がある。
AI 輔助整理,以條文原文為準
運送人が、今回の運送品に関する運送賃・付随費用・立替金を受け取るまで、その運送品を手元に留めておける担保権です。商法574条が根拠で、留置できる範囲が厳しく限定されています。
521条は商人間で牽連性のない債権でも相手の他の品を留置できますが、574条の運送人の留置権は「その運送品の運送賃等」に限定され、別件債権で他の荷物を留置できません。
売れません。留置権は弁済まで荷物を止める権利であって換価権はありません。売って回収するには商法582条などの供託・競売手続が別途必要です。
まず574条で留置され、支払いを促されます。なお支払われない場合、運送人は商法582条等の供託・競売手続で換価回収を図ることができます。
止めている根拠が今回分か別件かを書面で確認し、今回分なら充当先を明示して支払い即時引渡しを受けます。金額に争いがあれば供託や引渡しの仮処分を検討します。
対象です。574条は運送賃のほか、付随の費用と立替金(関税等の立替も含む)を「運送賃等」として明記し、これらの弁済まで運送品を留置できるとしています。
運送賃等の請求権は、行使できる時から1年で時効消滅します(商法586条)。被担保債権が時効で消えれば留置権の存在意義も失われます(最新の改正状況をご確認ください)。
立替金は574条が明記する留置の対象です。国際物流業者が関税等の立替金の精算まで運送品を留置することは、原則として適法な留置権の行使に当たります。
今回の引っ越しの運送賃や付随費用、立替金についてなら、商法574条で適法な留置権の行使です。ただし業者が過去の別件の未払いまで理由にしているなら、その部分は留置の範囲外。業界裏話ヒント:留置権は『止める』権利であって『売る』権利ではない。業者が勝手に家財を処分するには別の法的手続が要るので、脅し文句に怯まず、何の債権でいくら止めているのかを書面で出させるのが先決
運送賃の債務者が誰かで決まります。あなたが荷受人として運送品を受け取れば商法581条で支払義務を負う場面もありますが、出品者が債務者なら本来そちらへ請求すべきもの。業界裏話ヒント:この場で払うと、出品者との間で『立て替えた送料を返せ』という別の争いが残る。玄関先で即断せず、運送状の運送賃負担者の記載を確認し、納得できなければ受領を保留する選択肢もある
留置権(商法574条)だけでは売れません。荷物を止めて支払いを促すところまでです。換価して回収するには、商法582条などの供託・競売の手続を踏む必要があります。業界裏話ヒント:実務では、荷受人を確知できない・受領を拒む場合の供託と競売がセットで使われる。安易に引き渡すと留置権が消えるので、『先に荷物だけ』という要求には応じず、支払いと引渡しを同時履行で進めるのが鉄則
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 被担保債権との牽連性 | 商法574条:その運送品の運送賃等に限定(牽連性必要) | — |
| 留置できる対象物 | その運送賃等に対応する当該運送品のみ | — |
| 換価(売って回収) | 留置権に換価権なし、商法582条等の手続が別途必要 | — |
| 適用主体 | 運送人 | — |
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