要点商法 573 条は、運送賃を到達地での運送品引渡しと同時に支払う後払いを原則とし、運送品の性質や瑕疵による滅失・損傷では荷送人は支払を拒めないと定める。
Q · 宅配便の送料って、本当は荷物が届いてから払うものなの?
原則は後払いだが、約款でたいてい前払いに変えられている
商法 573 条 1 項により、運送賃は到達地で運送品が引き渡されるのと同時に支払う後払いが原則です。これは任意規定なので、宅配便の運送約款は前払い(元払い)に上書きしているのが通常です。後払い原則の裏には、荷物が途中で滅失して引渡しが起きなければ運送人は運送賃を取れないという危険負担の分配が隠れています。ただし 2 項により、荷物自身の性質や瑕疵で傷んだ場合は、たとえ傷んだ品が届いても運送賃を拒めません。
宅配便で荷物を送るとき、送料を払うのは発送時か、それとも受け取り時か。商法573条1項は意外な原則を立てている。運送賃は到達地で荷物が引き渡されるのと同時に払う、つまり後払いが原則だ。だがこれは任意規定(当事者の合意で書き換えられるルール)で、現実の運送約款はたいてい前払いに上書きしている。なぜこの原則が重要か。後払いということは、荷物が途中で消えて引渡しが起きなければ運送人は運送賃を取れない、という危険負担(誰が損を被るかの分配)のルールが背後に隠れているからだ。ところが2項が落とし穴を作る。荷物が自分自身の性質や瑕疵(もともとの欠陥)で腐ったり壊れたりしたときは、たとえ傷んだ品が届いても、あなたは運送賃の支払いを拒めない。生鮮品を送って溶けて届いても運送代は満額請求される。送る前にこの構造を知っているかどうかで、誰がリスクを負うかが変わる。
商法 573 条は運送賃の支払時期と例外を定める規定であり、運送賃は到達地での運送品の引渡しと同時に支払う後払いを原則とする。これは任意規定であり、運送約款による前払いへの変更が認められる。2 項は、運送品自身の性質または瑕疵による滅失・損傷の場合、荷送人が運送賃の支払を拒めない旨を定める。
商法 573 条 1 項が定める原則で、運送賃は到達地で運送品が引き渡されるのと同時に支払うというものです。荷物が無事届いて初めて運送賃が発生する建前です。
到達地での運送品の引渡しと同時です(商法 573 条 1 項)。ただし任意規定のため、実際の宅配便約款では前払い(元払い)に変更されていることがほとんどです。
いいえ、任意規定です。当事者の合意や運送約款で支払時期を前払いに変更できます。約款がない個別契約では 573 条の後払い原則がそのまま適用されます。
後払い原則の下では、引渡しが完成しなければ運送人は運送賃を請求できません。運送途中の滅失リスクは運送人が負うのが原則です(商法 573 条 1 項)。
原因が品物の性質(要冷凍)なら 573 条 2 項で満額支払います。運送人が冷凍設備を切るなどの事故が原因なら、575 条の責任を主張して減額・拒絶の余地があります。
民法 166 条の一般の消滅時効に服し、行使できると知った時から 5 年、行使できる時から 10 年です。なお運送品の滅失・損傷に対する運送人の責任は 1 年で消滅します(商法 585 条)。
商法 573 条が任意規定だからです。運送会社は約款で後払い原則を前払い(元払い)に上書きし、未回収リスクを避けています。原則と約款は別物です。
運送中の事故や運送人の過失で荷物が滅失・損傷し、引渡しが完成しない場合です。逆に荷物自身の性質・瑕疵が原因なら 573 条 2 項で拒めません。
原則は荷物を受け取る荷受人です。商法581条2項で、荷受人が引渡しを請求すると運送賃の支払義務を負います。573条1項の後払い原則とつながっており、引渡しと同時に払うのが建前です。業界裏話ヒント:受取拒否で引渡しが完成しないと運送賃が宙に浮き、約款では荷送人に請求が戻る設計がほとんど。着払い指定でも、相手が受け取らなければ最終的にあなたが払う羽目になる
損傷の原因が荷物自身の性質や瑕疵(生鮮品の自然腐敗、元々の欠陥)なら、商法573条2項で運送賃の支払いを拒めないからです。逆に運送中の事故や運送人の過失が原因なら、575条の損害賠償と相殺できます。業界裏話ヒント:分かれ目は損傷原因の立証。出荷時の状態を写真や温度記録で残しておくと、原因を運送人側に寄せられ、運送賃の交渉力が一変する
運送賃などが未払いなら、商法574条の留置権で運送品を留置するのは適法です。ただし留置できるのは運送賃・付随費用・立替金に関するものに限られます。業界裏話ヒント:それ以外の債権(別件の売掛金など)を理由に荷物を人質にすると、留置権の範囲を超え、逆に不法行為や損害賠償の問題になる。何の名目で留置しているのかを書面で確認するのが突破口
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律内容 | 商法 573 条:運送賃の支払時期(後払い原則)と性質・瑕疵による免責 | — |
| 機能 | 対価の発生時期と危険負担を分配する | — |
| 当事者の武器 | 後払い原則・2 項の性質瑕疵免責 | — |
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