船舶の燃料、水先料、入港料その他船舶の利用に関する通常の費用は、定期傭船者の負担とする。
要点商法 706 条は、船舶の燃料・水先料・入港料など船舶の利用に関する通常の費用を定期傭船者の負担と定める。ただし任意規定であり、契約の特約が優先する。
Q · 定期傭船で船を借りたら、燃料代や入港料は誰が払うんですか?
原則は傭船者負担。ただし契約の特約が優先します。
商法 706 条により、船舶の燃料・水先料・入港料その他「船舶の利用に関する通常の費用」は定期傭船者の負担となります。船主は船員を乗り組ませた船を提供し、船員給与・船体整備・保険を負担します。傭船者は航海を指揮し、その航海で生じる変動費を負います。ただし本条は任意規定であり、NYPE 等の傭船書式に別段の定めがあればそちらが優先します。契約が費用負担について沈黙している場合に、本条が補充規定として傭船者負担を確定させます。
数か月だけ船を一隻押さえたい。商社や荷主がそう考えて結ぶのが定期傭船契約だ。毎月決まった傭船料を払う、だからコストは読み切れている、と多くの担当者が思い込む。商法706条はその思い込みを正面から崩す。船舶の燃料、水先料、入港料、その他「船舶の利用に関する通常の費用」は、すべて借りた側、つまり定期傭船者の負担になる。船主は船員を乗り組ませた船を提供し、船員給与・船体整備・保険を持つ。傭船者は航海を指揮し、その航海で生じる変動費を持つ。役割分担の線引きがここにある。さらに重要なのは、706条が任意規定だという点だ。契約書に別段の定めがあればそちらが優先する。NYPE などの傭船書式は費用分担を細かく書き込む。だから706条が顔を出すのは、契約が沈黙しているか、文言が曖昧なときだ。あなたの契約書のその一行が抜けていたら、燃料高騰の請求書はあなたの机に届く。
商法 706 条は定期傭船契約における費用負担の補充規定であり、船舶の燃料・水先料・入港料その他船舶の利用に関する通常の費用を定期傭船者の負担とする旨を定める。船員給与・船体整備・保険など船主側の固定費とは区別され、任意規定として契約の別段の定めに劣後する。
船員を乗り組ませた船を一定期間借り、傭船者が航海を指揮する契約です。船員の雇用と乗組の指揮は船主に残る点が、船だけを借りる裸傭船と異なります。
定期傭船は船員ごと借りる契約で船員の指揮は船主に残ります。裸傭船(バーボートチャーター)は船体のみを借り、船員配乗も運航も傭船者が担うため費用・責任の分担が全く異なります。
商法 706 条により「船舶の利用に関する通常の費用」として定期傭船者の負担となります。契約に別段の定めがなければ、入港料・水先料・燃料はすべて傭船者持ちです。
いいえ、任意規定です。契約に別段の定めがあれば特約が優先します。NYPE 等の傭船書式は費用分担を細かく定めるため、条文より契約文言が実際の負担を決めます。
契約(NYPE 等の傭船書式)が優先します。706 条は任意規定で、契約が沈黙または曖昧なときに補充的に適用されます。
まず契約の費用条項を精査し、特約があればそれに従います。沈黙部分は 706 条で傭船者負担となるため、争点は「通常の費用」に該当するか否かに絞られます。補給伝票・港の請求書を航海ごとに突き合わせます。
債権として民法 166 条の消滅時効に服します。2017 年改正で商事 5 年時効は廃止され、現在は権利行使を知った時から 5 年、または行使できる時から 10 年です。
燃料市況の変動分を当事者間で分担する条項・係数です。706 条で燃料が傭船者負担になるリスクを緩和するため、契約に BAF 条項やバンカークローズを入れて高騰分を分け合います。
定期傭船は船と船員を一定期間借りる契約で、傭船料はその対価です。航海で燃える燃料、入る港の入港料、水先人への水先料は「船舶の利用に関する通常の費用」として、商法706条で借りた側(定期傭船者)の負担と定められています。業界裏話ヒント: 706条は任意規定で、実際のNYPE等の傭船書式はもっと細かく分担を決めています。条文だけ見て安心せず、自分の契約書の費用条項を必ず読む。条文と契約が食い違えば契約が優先する
契約に特約がなければ、商法706条により燃料費は傭船者負担なので、高騰分も原則として傭船者が被ります。実務ではこのリスクを避けるため、BAF(燃料費調整)条項やバンカークローズを契約に入れて変動分を分担します。業界裏話ヒント: 燃料の市況リスクを誰が取るかは、傭船料の水準とセットで交渉される。傭船料が相場より安いときは、燃料リスクを傭船者が丸呑みしている可能性を疑う
いいえ、706条が傭船者負担とするのは「通常の費用」です。船体の故障修理や定期整備は、船員を乗り組ませた船を提供する船主側の負担と解されており、通常の運航費用とは区別されます(商法704条の船主の義務とも対応)。業界裏話ヒント: 「通常の費用」か「船主負担の維持費」かの線引きが実務の争点。船が使えない期間の傭船料を止められるかというオフハイヤー(off-hire)条項も、併せて契約で確認する
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| 規律の対象 | 商法 706 条:通常の運航費用(燃料・水先料・入港料)の負担 | — |
| 負担する当事者 | 傭船者(通常の費用)/船主(船員給与・船体整備・保険) | — |
| 規定の性質 | 任意規定(契約の特約が優先) | — |
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