共同海損の分担に基づく債権は、その計算が終了した時から一年間行使しないときは、時効によって消滅する。
要点商法 812 条は、共同海損の分担金を請求する債権は、海損の計算が終了した時から一年で時効消滅すると定める。起算点は事故の日ではなく精算完了の時である点に注意が必要だ。
Q · 共同海損の分担金は、いつまで請求できる(いつまで請求される)の?
計算終了時から一年、それを過ぎれば時効で消えます
商法 812 条により、共同海損の分担に基づく債権は、その計算が終了した時から一年間行使しないと時効によって消滅します。重要なのは起算点で、事故の日でも荷物が港に着いた日でもなく、海損精算人による精算(計算)が終わった時です。精算は数年かかることもあるため、事故から年数が経っていても時効が完成していないことがあります。逆に請求される側は、精算終了日から一年を過ぎていれば、時効を援用(民法 145 条)して支払いを拒めます。
海外から船便で商品を仕入れたあなたの元に、ある日「共同海損分担金」という見慣れない請求書が届く。あなたのコンテナは無傷で届いたのに、なぜ払うのか。航海の途中で船が嵐に遭い、船長が他の積荷を海に投棄して船全体を救った。その犠牲で助かった積荷の持ち主全員が、損失を頭割りで負担する。それが共同海損だ。商法812条が定めるのは、この分担金を請求する権利の寿命である。「その計算が終了した時から一年」を過ぎると、債権は時効で消える。落とし穴は、計算そのものが厄介な点にある。共同海損の精算は海損精算人という専門家が行い、何年もかかることがある。起算点は航海の終わりでも事故の日でもなく、精算が終わった時。請求する側は精算完了を見逃せば一年で権利を失い、請求される側は一年経過を見抜けば支払いを拒める。
商法 812 条は、共同海損の分担に基づく債権の短期消滅時効を定める規定である。共同海損とは、船と積荷が共同の危険に直面した際、船長が一部を犠牲にして船舶全体を救った場合に、その損失を救われた利害関係人全員で分担する海商法上の制度であり、本条はその分担債権が計算終了時から一年で時効消滅する旨を規律する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
船と積荷が共同の危険に遭い、船長が一部を犠牲にして全体を救ったとき、助かった利害関係人全員で損失を分担する海商法上の制度です(商法 808 条)。
一年です。商法 812 条により、分担に基づく債権は計算が終了した時から一年間行使しないと時効で消滅します。民事の一般時効より大幅に短い特則です。
海損精算人による精算(計算)が終了した時です。事故発生日や航海終了日ではないため、精算が数年かかれば実質的な行使期間も後ろにずれます。
他人の積荷の犠牲で自分の荷物が助かった『受益者』だからです。共同海損は受益者全員で損失を分け合う制度のため、無傷でも分担義務を負います。
貨物海上保険の『共同海損担保』が付いていればカバーされるのが通常です。保険を掛けていれば実質的な自己負担はゼロに近くなります。
犠牲となった損害や費用、各利害関係人の分担価額に基づいて海損精算人が算定します(商法 809 条・810 条)。専門家による精算で時間がかかります。
共同海損の損害・費用と各人の分担額を専門的に算定し、海損精算書を作成する専門家です。精算完了の時が時効起算点になります。
いいえ。時効は援用して初めて効果が生じます(民法 145 条)。請求された側が『時効だ』と主張しなければ、完成していても支払わされます。
共同海損は「助かった人みんなで損を分け合う」制度だからです(商法808条)。船長が他の荷物を投棄したり救助費用を払ったりして船全体を救った結果、あなたの荷物も無事に届いた。だから受益者として分担義務を負います(商法810条)。業界裏話ヒント:この分担金は貨物海上保険の「共同海損担保」でカバーされるのが普通です。保険を掛けていれば自腹は実質ゼロに近い。船便で輸入するなら、運賃をケチるより保険を確実に掛ける方が、こういう突然の請求への本当の備えになる。
「計算が終了した時」から一年を過ぎていれば、時効を援用して拒めます(商法812条)。ただし起算点は事故の日ではなく、海損精算人による精算が終わった日です。精算は数年かかることもあり、事故から年数が経っていても時効が完成していないことがあります。業界裏話ヒント:請求してきた側に「精算終了日を証明する書面」を出させるのが第一手。相手が日付を曖昧にしたりはぐらかしたりするなら、時効が完成している可能性が高い。逆に明確な精算書を添えてきたら、起算点から一年以内か冷静に数える。日付一つで支払い義務の有無が決まる。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律対象 | 商法 812 条:共同海損分担債権の消滅時効 | — |
| 時効期間 | 1 年(短期の海商特則) | — |
| 起算点 | 海損の計算が終了した時 | — |
| 性質 | 海運取引の早期安定を図る短期特則 | — |
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