前条の規定により共同海損を分担すべき者は、船舶の到達(同条第一項第二号又は第四号に掲げる者にあっては、積荷の陸揚げ)の時に現存する価額の限度においてのみ、その責任を負う。
要点商法811条は、共同海損を分担すべき者の責任を、船舶の到達時(積荷は陸揚げ時)に現存する価額の限度に限定する。救われた荷物の価値を超えて他の財産から分担金を取り立てられることはない。
Q · 荷物は無事に着いたのに、共同海損の分担金を払えと言われました。いくらまで払う義務があるの?
到達時に現存する荷物の価額が上限です
商法811条により、共同海損を分担すべき者は、船舶の到達の時(積荷は陸揚げの時)に現に存在する価額の限度でのみ責任を負います。仕入れ値や保険金額ではなく、到着時の現存価額が天井です。これを超えてあなたの他の財産から取り立てられることはありません。荷物が途中で滅失していればその分だけ責任も縮みます。深刻なのは無限責任ではなく、保証状を差し入れないと荷物自体を引き取れないという入口の足止めです。
海を渡ってきた荷物が無事に港へ着いた。それで一安心、と思った矢先に「共同海損の分担金を払え、まず保証状を差し入れろ」という英文の請求書が届くことがある。航海の途中、嵐や火災で船全体が沈みかけたとき、船長は一部の積荷や設備をわざと海に捨てたり、特別な費用を投じたりして、船とその他の荷物を救うことがある。これを共同海損行為(商法808条)という。救われたのは全員だから、その損失も全員で山分けする(商法810条)。ここで効いてくるのが811条だ。あなたが負う分担額には、見えない上限が引かれている。船舶が到達した時、積荷なら陸揚げの時に、現に残っている価額の限度まで。それを一円も超えて、あなたの自宅や別の財産から取り立てられることはない。荷物が途中で滅失していれば、その分だけ責任も縮む。救われた価値の範囲でだけ連帯する、これが共同海損の責任の輪郭である。
商法811条は、共同海損の分担責任の限度を画する規定である。前条により分担義務を負う者は、船舶の到達の時(積荷については陸揚げの時)に現存する価額の限度においてのみ責任を負う。算定基準は仕入れ値や保険金額ではなく到着時の現存価額であり、救われた利益を超えて他の財産に責任が及ぶことはない。
AI 輔助整理,以條文原文為準
船と積荷が共同の危険に遭い、船長が全体を救うため一部の積荷や設備を犠牲にしたとき、その損害と費用を救われた関係者全員で分担する制度です(商法808条・810条)。
General Average(GA)は共同海損の英語表現です。海上輸送の実務では国際統一規則であるヨーク・アントワープ規則(YAR)に基づいて分担額が精算されます。
精算で分担額が確定するまでの暫定的な支払約束の書面です。差し入れることで荷物を先に引き取れます。サイン自体で青天井の責任を負うわけではありません。
貨物海上保険の「共同海損担保」でカバーされます。保険会社のギャランティー(保険者保証状)を差し入れれば、現金デポジットを積まずに荷物を引き取れます。
共同海損の分担に基づく債権は、1年間行使しないと時効で消滅します(商法812条)。精算に時間がかかるため起算点の管理が必要です。
海損精算人(average adjuster)が損害額と各人の分担額を算定し精算書を作成します。各人の上限は到着時の現存価額です(商法811条)。
救われた利益を受けた以上、分担義務自体は免れません。ただし責任は現存価額が上限であり、上限超過や算定過大の請求には減額を主張できます。
共同海損の精算方法を定めた国際統一の任意規則です。多くの船荷証券・傭船契約に組み込まれ、実務上の精算基準として援用されます。
あなたの荷物が無傷で届いたのは、航海中に他の積荷や設備が犠牲になって船全体が救われたからです。救われた利益を受けた者は、その損失を分担する義務を負います(商法808条、810条)。業界裏話ヒント:請求の対象は生き残った価値であって、消えた荷物ではありません。だからこそ無事に着いた荷主のところに請求が来る。これは保険でカバーできる範囲なので、まず自分の貨物海上保険に共同海損担保があるか確認するのが先決です
保証状は、最終的な分担金が精算で確定するまでの暫定的な支払約束です。サイン自体で青天井の責任を負うわけではなく、あなたの負担は到着時の現存価額が上限です(商法811条)。業界裏話ヒント:保証状(Bond)に加えて、保険会社のギャランティー(保険者保証状)を差し入れれば、現金デポジットを積まずに荷物を引き取れます。船会社が最初に現金デポジットを求めてきても、保険ギャランティーで代替できる場合が多い。いきなり立替払いに応じない
あります。あなたの分担責任は、船舶の到達時(積荷なら陸揚げ時)に現に残っている価額の限度までです(商法811条)。それを超えてあなたの他の財産から取り立てられることはありません。業界裏話ヒント:海損精算人が作る精算書では、価額が仕入れ値や保険金額で過大に積まれていることがあります。基準はあくまで到着時の現存価額。精算書が届いたら算定根拠を点検し、上限を超える部分は争えます。精算完了まで数年かかることもあるので、その前に保証状で荷物を引き取っておくのが実務の常道です
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律内容 | 商法811条:分担責任の上限(現存価額の限度) | — |
| 機能 | 救われた者の有限責任を画する天井 | — |
| 基準時・基準額 | 船舶到達時・積荷陸揚げ時に現存する価額 | — |
| 実務上の効果 | 上限超過・算定過大への減額主張の根拠 | — |
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