労働基準法 第64条(帰郷旅費)
クイックジャンプ
満十八才に満たない者が解雇の日から十四日以内に帰郷する場合においては、使用者は、必要な旅費を負担しなければならない。ただし、満十八才に満たない者がその責めに帰すべき事由に基づいて解雇され、使用者がその事由について行政官庁の認定を受けたときは、この限りでない。
この条文の基本情報
帰郷旅費とは何ですか?
定義帰郷旅費とは、労働基準法第64条に定められた規定で、「満十八才に満たない者が解雇の日から十四日以内に帰郷する場合においては、使用者は、必要な旅費を負担しなければならない。ただし、満十八才に満たない者がその責めに帰す…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 労働基準法第64条(帰郷旅費)は、日本の労働基準法に含まれる条文です。
- 労働基準法第64条の条文原文は「満十八才に満たない者が解雇の日から十四日以内に帰郷する場合においては、使用者は、必要な旅費を負担しなければならない。ただし、満十八才に満たない者がその責めに帰す…」で始まります。
- 労働基準法第64条は第六章に置かれています。
- 労働基準法の公布日は昭和22年4月7日です。
- 労働基準法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 労働基準法第64条の前の条は労働基準法第63条です。
- 労働基準法第64条の次の条は労働基準法第64条の2です。
- 労働基準法第64条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第64条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049 - 本サイト収録
労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第64条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000049/64
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点労働基準法64条は、満18歳未満の労働者が解雇日から14日以内に帰郷する場合、使用者に旅費の負担義務を課す。本人の落ち度による解雇で行政官庁の認定があれば免除される。
Q · 18歳未満でクビになったら、実家に帰る交通費は会社が出してくれるの?
原則として会社が負担する義務があります
労働基準法64条により、満18歳未満の労働者が解雇の日から14日以内に帰郷する場合、必要な旅費は使用者が負担しなければなりません。これは恩恵ではなく法的義務です。会社が免れるのは、本人の責めに帰すべき事由(無断欠勤の常習、横領、暴力など)による解雇について、使用者が行政官庁(労働基準監督署長)の認定を実際に受けたときに限られます。口頭で「自分で帰れ」と言うだけでは義務から逃れられません。
解説
高校を出て地方から東京の工場や飲食店に就職した。寮に入り、仕事を覚え始めた矢先に解雇を告げられる。手元の所持金はわずか、実家までの新幹線代も心もとない。このとき労働基準法64条が動く。満18歳未満の労働者が解雇の日から14日以内に帰郷するなら、必要な旅費は使用者(あなたを雇っている会社)が負担しなければならない。これは恩恵ではなく法的義務だ。例外はただ一つ。あなたに『責めに帰すべき事由』(無断欠勤の常習、横領、暴力など、解雇されて当然といえる重大な落ち度)があり、かつ会社がその事由について行政官庁(労働基準監督署長)の認定を実際に受けたときだけ。会社が口頭で『お前が悪いんだから自分で帰れ』と言うだけでは、この義務から逃げられない。役所のお墨付きという客観的な関門が、世間を知らない若いあなたを守っている。
法的な位置づけ
労働基準法64条は、満18歳未満の労働者に対する帰郷旅費の負担義務を定める規定である。同条本文は、年少労働者が解雇日から14日以内に帰郷する場合、使用者が必要な旅費を負担すべき旨を規律する。但書は、本人の責めに帰すべき事由による解雇につき使用者が行政官庁の認定を受けた場合に限り、その負担義務を免除する強行規定として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.解雇を告げられたら帰郷旅費を口頭で請求し記録を残す 解雇通告を受けたその場で「労働基準法64条の帰郷旅費を負担してください」と伝え、LINE・メール・録音などで会社とのやり取りを記録に残す。会社がまだ認定を取っていない段階なら、この一言で支払いに応じることが多い
- 2.14日以内に帰郷する意思と日程を会社に示す 解雇の日から14日という期限が義務発生の鍵になる。期限内に帰郷する意思と具体的な帰郷日を早めに会社へ伝え、旅費負担を先に確定させる。期限を過ぎると会社は払う理由を失う
- 3.実家までの交通費の領収書を保管する 新幹線・高速バスなど実家までの合理的な交通費の領収書・乗車券を保管する。これが請求できる旅費の範囲と金額を裏づける証拠になる
- 4.会社が拒否したら労働基準監督署に相談する 会社が支払いを拒否した場合、勤務先または住所地を管轄する労働基準監督署へ相談する。64条は強行規定で会社の同意は不要であり、監督署は是正勧告などの対応を取り得る
よくある質問 AI による整理
Q1帰郷旅費とは何ですか?
解雇された18歳未満の労働者が実家へ帰るための交通費を、会社が負担する制度です。労働基準法64条が根拠で、解雇後14日以内の帰郷が条件となります。
Q2労働基準法64条の対象になる年齢は?
満18歳未満の労働者だけが対象です。解雇日の時点で18歳に達していれば対象外となり、たった1日の年齢差で旅費を会社が払うか自腹かが分かれます。
Q3帰郷旅費はいつまでに帰れば請求できますか?
解雇の日から14日以内に帰郷する場合に限られます。起算点は解雇の効力が発生した日で、14日を1日でも過ぎて帰郷すると会社の負担義務は外れます。
Q4帰郷旅費を会社が払わないときはどこに相談すればいいですか?
勤務先または住所地を管轄する労働基準監督署に相談できます。64条は強行規定のため会社の同意は不要で、是正勧告の対象になり得ます。
Q5帰郷旅費にはどこまでの交通費が含まれますか?
実家までの合理的な範囲の交通費が対象です。新幹線代やバス代など通常必要な移動費用を指し、領収書を保管して請求するのが確実です。
Q6「責めに帰すべき事由」とは具体的に何ですか?
無断欠勤の常習、横領、暴力など、解雇されて当然といえる重大な落ち度を指します。軽微な遅刻やミス程度では該当せず、客観的に判断されます。
Q7行政官庁の認定とは何の手続きですか?
使用者が労働基準監督署長へ「本人の責めに帰すべき事由」の認定を申請する手続きです。これを実際に受けない限り、会社は旅費負担を拒めません。
Q8帰郷旅費の請求権に時効はありますか?
労働基準法115条により請求権には消滅時効があります。賃金等の請求権の時効期間に関する改正があるため、具体的な期間は最新の条文で確認が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q118歳になったばかりだと、もうこの旅費はもらえないんですか?
もらえません。64条は『満十八才に満たない者』に限った保護です。解雇日の時点で18歳に達していれば対象外で、自分で帰るしかありません。年齢のたった1日の差が、旅費を会社が払うか自腹かを分けます。実務のポイント:会社側はこの年齢要件をよく把握しています。だからこそ18歳直前の若年労働者は、解雇日と自分の誕生日の前後関係を必ず確認すること。1日の前後で数万円が動く
Q2会社が『お前のせいで辞めさせたんだから旅費は出さない』と言っています。本当ですか?
それだけでは通りません。64条但書で会社が支払いを免れるには、あなたの『責めに帰すべき事由』について行政官庁(労働基準監督署長)の認定を実際に受けている必要があります。口で言うだけ、書面に書くだけでは不十分です。実務のポイント:この認定を実際に取る会社はごく稀です。手間がかかるうえ役所の客観審査を通さねばならないため。だから『認定はお取りになりましたか』と一言聞くだけで、多くの会社は支払いに転じる
Q3バイトでもこの旅費はもらえますか?正社員だけですか?
アルバイトでも対象です。64条は雇用形態を問わず『労働者』であれば適用され、正社員かパート・アルバイトかは関係ありません。判断基準は18歳未満であることと、解雇後14日以内の帰郷です。実務のポイント:寮や住み込みで働く未成年のアルバイトほど、この規定の重みが大きい。クビになると住居も同時に失うため、帰郷旅費が唯一の生活防衛になることがある。契約書の肩書きではなく、実態が労働者かどうかで決まる
間違えやすい点 AI による整理
- 『解雇されたら旅費なんて出るわけがない、自分で帰るしかない』という問いの立て方からして間違っている。18歳未満に限っては、帰郷旅費は会社の法的義務であってお情けではない。問うべきは『出るか出ないか』ではなく、『14日以内に動いたか、会社が認定を取ったか』だ
- 会社が『君が悪いんだから旅費は出さない』と言えば終わり、と思っているなら危うい。会社が支払いを免れるには、ただ口で言うだけでは足りず、行政官庁の認定という客観的な手続を経る必要がある。このひと手間の重さを知らないと、本来取れるはずの旅費を自分から諦めてしまう
- あなたから見れば『たかが交通費』かもしれない。だが法律から見れば、これは年少者が解雇後に路頭に迷わないための生活保障の最後の一線だ。この落差を知らないと、会社の『出さない』をそのまま受け入れ、見知らぬ街で立ち往生することになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 保護の内容 | 64条:18歳未満の解雇後の帰郷旅費負担 | 20条:解雇予告または予告手当(30日分) 57条:18歳未満の年齢証明書の備付け |
| 対象者 | 満18歳未満の労働者に限定 | 年齢を問わず全労働者 満18歳未満の労働者に限定 |
| 免除・例外 | 本人の責めに帰すべき事由+行政官庁の認定があれば免除 | 天災事変等または労働者の責めに帰すべき事由(認定要)で除外 免除規定なし(備付け義務) |
| 性質 | 年少者の生活保障(解雇後の費用負担) | 解雇手続の一般原則 年少者就労の入口確認 |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾は童工・未成年労働者の保護章を置くが、解雇後の帰郷旅費に直接対応する専条はなく、本条と同種の保護は明文化されていない
韓国は日本の64条をほぼ同文で継受し、18歳未満が解雇後14日以内に帰郷する場合の旅費を使用者負担とする
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 地方から上京して半年、勤め先の飲食店から突然『来月から来なくていい』と言われた。手元には数万円、実家の青森まで帰る金もない。このとき会社に帰郷旅費を請求できると知っているか。64条は解雇後14日以内の帰郷ならその旅費を会社負担とする。請求しなければ会社は黙って払わない、ただそれだけの差だ
- あなたが小さな工場の経営者で、17歳のアルバイトを勤務態度を理由に解雇したとする。本人から帰郷旅費を請求された。『自業自得だろう』と突っぱねたいなら、労働基準監督署へ行って『責めに帰すべき事由』の認定を取らなければならない。認定なしに支払いを拒めば、64条違反として是正勧告の対象になりうる
- 解雇通告から14日。この期限を1日でも過ぎて帰郷すると、64条の旅費負担義務は外れ、会社は払う理由を失う。残された時間で動けるかどうかが分かれ目だ
- あなたの弟が県外に就職して、トラブルでクビになり帰ってきた。交通費は弟が自腹で払ったという。それは本来、会社が負担すべきだった可能性がある。弟がまだ18歳未満なら、後からでも請求できる余地が残っている
取るべき行動
被害を受けた側:1. 解雇を告げられたら、口頭でも書面でも『労働基準法64条の帰郷旅費を負担してほしい』と伝え、記録(LINE、メール、録音)を残す2. 14日以内に帰郷する意思と日程を会社に示す、この期限を過ぎると義務が外れる3. 会社が拒否したら、勤務先または住所地を管轄する労働基準監督署に相談する、64条は強行規定で会社の同意は不要4. 旅費の範囲は実家までの合理的な交通費、領収書を保管して請求する
訴えられた側:1. 18歳未満を解雇するなら、帰郷旅費の負担義務が原則として発生すると理解する2. 本人の重大な落ち度(無断欠勤の常習、横領、暴力など)を理由に負担を免れたいなら、労働基準監督署長へ『責めに帰すべき事由』の認定を申請する3. 認定を得ずに支払いを拒むと64条違反となり、是正勧告や送検のリスクがある4. 認定の可否は役所が客観的に判断するため、口頭の言い分だけでは足りない
時効(請求できる期限):解雇の日から14日以内に帰郷する場合に限り旅費負担義務が生じる。14日を過ぎてからの帰郷は対象外。起算点は解雇の効力が発生した日。請求権自体の消滅時効は労働基準法115条により2年(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:64条は年少労働者の保護を目的とする強行規定であり、当事者の合意によって排除することはできない。但書による負担義務の免除は、使用者が「責めに帰すべき事由」について行政官庁の認定を実際に受けた場合に限られ、使用者の一方的判断や主張では足りないと解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:労働基準法の制定に伴い、年少者保護の一環として、解雇された満18歳未満の労働者の帰郷旅費を使用者の負担とする規定が設けられた。
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める