普通地方公共団体の議会又は議長(第百三十八条の二第一項及び第二項において「議会等」という。)の処分又は裁決に係る普通地方公共団体を被告とする訴訟については、議長が当該普通地方公共団体を代表する。
要点地方自治法105条の2は、議会等の処分・裁決に係る訴訟で自治体が被告となる場合、長ではなく議長が自治体を代表すると定める特則である。
Q · 議会から除名されて市を訴えるとき、訴状の代表者は市長と議長どちらを書くの?
原則の市長ではなく、議長が自治体を代表します
地方自治法105条の2により、議会又は議長(議会等)の処分・裁決に係る訴訟で自治体が被告となる場合、長(市長・知事)ではなく議長が当該自治体を代表します。普段あらゆる事務を代表する長でも、議会関連訴訟だけは代表権が議長へ移ります。理由は、議会が下した処分を、それに関与せず時に対立する長に弁護させるのは利益相反に近く筋が通らないからです。訴状の代表者欄を市長と書くと補正を命じられ、限られた出訴期間を空費します。
議会で懲罰として除名された。あるいは住民として、不当だと感じる議会の議決を裁判で覆したい。そのとき被告になるのは議員個人でも議長個人でもなく、市や県という自治体そのものだ。ところが、その自治体を法廷で代表するのは、普段あらゆる事務で自治体を代表する市長や知事ではない。地方自治法105条の2は、議会や議長の処分・裁決をめぐる訴訟に限り、議長が当該自治体を代表すると定める。理由は単純だ。議会と長はしばしば互いを牽制し対立する関係にあり、議会が下した処分を、それに関与していない長に法廷で弁護させるのは筋が通らない。だからこの一条を知らずに訴状の代表者欄を市長と書けば、補正を命じられて手続が遅れる。知っていれば、最初から正しい相手に矢を向けられる。
地方自治法105条の2は、普通地方公共団体の議会又は議長(議会等)の処分又は裁決に係る訴訟において、当該団体を被告とする場合に、長に代えて議長が当該団体を代表すると定める規定である。長の統轄代表権(同法147条)に対する例外として、議事機関の独立性と利益相反の回避のために機能する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
議会又は議長(議会等)の処分・裁決に係る訴訟で、自治体を被告とする場合に長ではなく議長が当該自治体を代表すると定める規定です。
被告は市や県という普通地方公共団体そのものです。議長個人ではありません。105条の2は、その自治体を代表する者を議長と定めているだけです。
争えます。除名は議員の身分を失わせる重大な処分で、従来から司法審査の対象とされています。取消訴訟の被告は当該自治体、代表者は議長です。
なります。かつては議会の内部問題として対象外とされましたが、令和2年の最高裁大法廷判決が判例を変更し、出席停止も司法審査の対象に拡大しました。
議会等の処分・裁決に係る訴訟であれば争えます。被告は自治体、代表者は議長で、応訴の窓口は長の部局ではなく議会事務局になります。
処分があったことを知った日から6か月、処分の日から1年です(行政事件訴訟法14条)。議会の処分通知を受けた日が起算点になります。
補正を命じられ、本案審理の前に手続が遅れます。出訴期間が迫った案件では、補正に費やす数週間が訴えの生死を分けることがあります。
原則は長(市長・知事)です(地方自治法147条)。ただし議会等の処分・裁決に係る訴訟だけは例外で、105条の2により議長が代表します。
違います。被告は議長個人ではなく、市や県という普通地方公共団体そのものです。105条の2は、その自治体を訴訟で代表するのが議長だと定めているだけで、議長が被告になるわけではありません。除名処分の取消訴訟は行政事件訴訟法11条に基づき、処分をした機関の所属する自治体を被告とします。業界裏話ヒント:訴状の被告欄には『○○市』、その下の代表者欄に『議会議長 △△』と書く。ここを市長と書くと補正を命じられ、限られた出訴期間を無駄に削ることになる
議会と長が互いを監視し牽制し合う関係にあるからです。議会が下した懲罰や議決を、それに賛同していないかもしれない長に法廷で弁護させるのは、利益相反に近く筋が通りません。だから議会等の処分・裁決に係る訴訟に限って、代表権を長(地方自治法147条)から議長へ移しています。業界裏話ヒント:この代表権の切替は議会関連訴訟だけの特例で、同じ自治体相手でも福祉や課税の処分を争う訴訟では代表者は長に戻る。どの機関の処分を争うかで、代表者欄の名前が変わると覚えておく
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 代表者は誰か | 105条の2:議会等の処分・裁決に係る訴訟は議長が代表 | — |
| 適用場面 | 議会・議長の処分・裁決を争う訴訟で自治体が被告となるとき | — |
| 趣旨 | 執行機関と議事機関の利益相反を回避 | — |
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