要点地方自治法 135 条は、地方議会が議員に科す懲罰を戒告・陳謝・出席停止・除名の四種に定める。最も重い除名には、議員定数の三分の二以上の出席と四分の三以上の同意が必要となる。
Q · 議会で多数派に睨まれたら、懲罰で議員の身分まで奪われてしまうの?
除名には定数3分の2出席・4分の3同意が必要で簡単ではない
地方自治法 135 条は、地方議会が議員に科しうる懲罰を戒告・陳謝・出席停止・除名の四種に限定しています。最も重い除名は、議員定数の三分の二以上が出席し、その四分の三以上が同意しなければ可決できません(同条 3 項)。さらに 2020 年(令和 2 年)の最高裁大法廷判決により、出席停止も司法審査の対象となり、取消訴訟で争う道が開かれています。多数決の勢いだけで少数派を排除できる仕組みではありません。
地方議会には、所属議員を罰する四つの手段がある。戒告、陳謝、出席停止、そして除名だ。あなたが市議会議員で、議場での発言や態度を理由に多数派から狙われたとき、最も重い「除名」を食らえば議員の身分そのものを失う。だが本条はその除名に高い壁を課している。議員定数の三分の二以上が出席し、その四分の三以上が賛成しなければ除名できない。少数派を多数決の勢いだけで簡単に追放することはできない仕組みだ。さらに見落とされがちなのが、2020年(令和2年)の最高裁大法廷判決。それまで「出席停止は議会内部の問題で裁判所は口を出さない」とされてきたが、この判例が覆り、出席停止も司法審査の対象になった。懲罰を受けた議員が裁判所に救済を求める道が、正式に開かれている。条文の文言だけ読んでも、この扉の存在は見えてこない。
地方自治法 135 条は、地方議会が議事の秩序を維持するため所属議員に科しうる懲罰を、戒告・陳謝・出席停止・除名の四種に限定して定める規定である。除名は議員の身分を失わせる最も重い処分であり、議員定数の三分の二以上の出席とその四分の三以上の同意という加重要件のもとでのみ可決できる。
地方議会が議員の身分そのものを失わせる最も重い懲罰です。地方自治法 135 条 1 項 4 号に定められ、可決には定数の三分の二以上の出席と四分の三以上の同意を要します。
戒告、陳謝、出席停止、除名の四種です(地方自治法 135 条 1 項)。除名が最も重く、戒告・陳謝は名誉的制裁、出席停止は一定期間議場から排除する処分です。
地方自治法 135 条は「一定期間」と定めるのみで日数の上限を明記していません。期間は各議会の会議規則・懲罰動議で決まりますが、過度に長期だと司法審査で争われる余地があります。
議員定数の八分の一以上の発議が必要です(地方自治法 135 条 2 項)。一人や少数では懲罰動議を議題にできず、一定の頭数を集める必要があります。
戒告は公開の議場で過ちを戒める処分、陳謝は公開の議場で謝罪させる処分です(135 条 1 項 1・2 号)。陳謝は本人に謝罪文を読ませる点でより踏み込んだ制裁となります。
多くの議会の会議規則で弁明の機会が保障されています。弁明の機会を与えずに科された懲罰は、議事手続の瑕疵として後の取消訴訟で争う足場になります。
除名は当該任期の議員身分を失わせる処分であり、被選挙権そのものを奪うものではありません。要件を満たせば次回の選挙に立候補できます。
処分があったことを知った日から六か月、処分の日から一年が出訴期間です(行政事件訴訟法 14 条)。出席停止・除名は処分性が認められ、この期間の制約を受けます。
以前はそう言われていましたが、2020年(令和2年)の最高裁大法廷判決で考え方が変わりました。出席停止も司法審査の対象となり、取消訴訟で争えます(本条第一項三号、行政事件訴訟法3条)。業界裏話ヒント:古い行政法の教科書や昭和35年判例だけを見ている相手方や旧来の議会事務局は、いまだに「内部問題だから争えない」と説明することがある。そこを正確に指摘できるだけで、交渉の主導権が一気に動く
簡単ではありません。本条第三項は、議員定数の三分の二以上が出席し、そのうち四分の三以上の同意を要求しています。通常の過半数決議よりはるかに高い壁です。業界裏話ヒント:実務では『出席者の四分の三』ではなく『定数の三分の二が出席した上での、その出席者の四分の三』という二段構えを見落として動議を強行し、要件不充足で除名が無効になる事例がある。採決の頭数計算を間違える側が自滅する
陳謝(本条第一項二号)はそれ自体が処分ですが、拒否したことを理由にさらに重い懲罰(出席停止など)が科される実務上の運用があります。ただし二重処罰的な運用には手続の適正さが問われます。業界裏話ヒント:陳謝文の内容を本人の意に反して強制できるかは、表現の自由との関係で論点になりうる。拒否する場合は、その理由を議事録に明確に残しておくと、後続の重い懲罰を争う際の足場になる(最新の判例動向をご確認ください)
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 決議要件 | 除名(135 条 1 項 4 号):定数の三分の二以上が出席し、その四分の三以上の同意(同条 3 項) | — |
| 効果の重さ | 除名:議員の身分そのものを失わせる最も重い処分 | — |
| 司法審査 | 除名:従来から取消訴訟の対象 | — |
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