要点地方自治法 252 条の 36 は、指定都市が条例で区域を分けて区を設けることを定める。この区は市長の事務を分掌する行政区で、区長は市長が職員から任命し、選挙では選ばれない。
Q · 横浜市や大阪市の「区」って、東京 23 区と同じ自治体なんですか?
いいえ、市長が運営する行政区で別物です
地方自治法 252 条の 36 により、指定都市は市長の権限事務を分掌させるため、条例で区域を分けて区を設けます。この区は市の内部組織である「行政区」で、区長は市長が自分の補助機関である職員から任命します(4 項)。区に議会はなく、区独自の条例も作れません。一方、東京 23 区は「特別区」(地方自治法 281 条)で、区長も区議会議員も選挙で選ばれる独立した地方公共団体です。同じ漢字一文字の「区」でも、住民が握る政治的権限は正反対です。
横浜市西区、大阪市北区、名古屋市中区。政令指定都市に住むあなたの住所には「区」が入っている。だがこの区は、あなたが思っているような自治体ではない。地方自治法 252 条の 36 が定める指定都市の区は、市長の事務を分けて処理するための「行政区」にすぎず、独立した地方公共団体(自分たちで首長や議会を持つ団体)ではない。だから区長は選挙で選ばれず、市長が自分の部下の職員から任命する(4 項)。区に議会はなく、区独自の条例も作れない。一方、東京 23 区は「特別区」で、区長も区議会議員も選挙で選ばれる完全な自治体だ。同じ漢字一文字の「区」でも、住民が握る政治的権利は天と地ほど違う。大阪都構想の住民投票は、まさにこの行政区を特別区へ作り変えるかどうかを問うものだった。あなたが投じる一票の重みは、住んでいる区が「行政区」か「特別区」かで根本から変わる。
地方自治法 252 条の 36 が定める指定都市の区は、市長の権限に属する事務を分掌させるため条例で設けられる行政区であり、独立した地方公共団体ではない。区長は当該市の補助機関である職員をもって充てられ、区に議会は置かれない。東京都の特別区とは法的性質を異にする市の内部組織である。
指定都市が市長の事務を分掌させるため条例で設ける市の内部組織です(地方自治法 252 条の 36)。独立した地方公共団体ではなく、区長は市長が職員から任命し、区議会もありません。
ありません。指定都市の区は行政区であり、議会は置かれません。区独自の条例も制定できません。議会を持つのは東京 23 区のような特別区(地方自治法 281 条)だけです。
大阪市の行政区を廃止し、東京 23 区のような特別区へ作り変える計画です。区長を選挙で選べる自治体にする再編で、2015 年と 2020 年の住民投票でいずれも否決されました。
市議会が条例で定めます(地方自治法 252 条の 36 第 2 項)。区の設置・名称・所管区域はすべて条例事項で、住民が区割りを直接投票で決める仕組みは原則ありません。
区長を議会同意のうえ選任し、予算意見具申権など権限を強化した区です(地方自治法 252 条の 20 の 2)。行政区よりは権限が広いものの、特別区と違い独立した自治体ではありません。
指定都市が条例で区ごとに置ける住民の意見聴取機関です(252 条の 36 第 7 項)。区の運営に住民の声を反映する補完的な仕組みで、議会のような議決権はありません。
人口 50 万以上の市のうち政令で指定された市が指定都市です(地方自治法 252 条の 19)。運用上は概ね人口 70 万以上が目安とされ、現在 20 市が指定されています。
大都市地域における特別区の設置に関する法律に基づく手続を経れば可能です。指定都市の行政区を特別区へ再編するもので、関係市町村の住民投票での賛成が必要です。
選びません。指定都市の区長は、市長が自分の補助機関である職員の中から任命します(地方自治法 252 条の 36 第 4 項)。区役所は市長の出先機関で独立した自治体ではないので、区長を住民が直接選ぶ仕組みはそもそも存在しません。業界裏話ヒント:だから区役所の対応に納得がいかないとき、区長個人を責めても動かないことが多い。区長は市長の方針に従う職員なので、要望は市長部局や市議会議員にぶつけた方が効く。これを知らない住民は、権限のない窓口に怒りをぶつけて消耗する
全くの別物です。東京 23 区は「特別区」(地方自治法 281 条)で、区長も区議会議員も選挙で選ばれる独立した地方公共団体です。一方、横浜や大阪の区は本条に基づく「行政区」で、市の内部組織にすぎません。業界裏話ヒント:引っ越し先を選ぶとき、同じ「○○区」でも持てる住民自治の権利が天と地ほど違う。23 区なら区独自の条例やサービスに一票を投じられるが、政令市の区には区レベルの選挙権はない。住所の「区」の正体を知っているかどうかで、地域への関わり方が変わる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 法的性質 | 行政区(252 条の 36):市の内部組織、地方公共団体ではない | — |
| 区長の選び方 | 市長が補助機関である職員から任命(4 項) | — |
| 議会・条例 | 議会なし、区独自の条例なし | — |
| 適用される自治体 | 指定都市(横浜・大阪・名古屋等 20 市) | — |
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