国家公務員法 第87条(事案の審査及び判定)
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前条に規定する要求のあつたときは、人事院は、必要と認める調査、口頭審理その他の事実審査を行い、一般国民及び関係者に公平なように、且つ、職員の能率を発揮し、及び増進する見地において、事案を判定しなければならない。
この条文の基本情報
事案の審査及び判定とは何ですか?
定義事案の審査及び判定とは、国家公務員法第87条に定められた規定で、「前条に規定する要求のあつたときは、人事院は、必要と認める調査、口頭審理その他の事実審査を行い、一般国民及び関係者に公平なように、且つ、職員の能率を発揮し、及び増…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国家公務員法第87条(事案の審査及び判定)は、日本の国家公務員法に含まれる条文です。
- 国家公務員法第87条の条文原文は「前条に規定する要求のあつたときは、人事院は、必要と認める調査、口頭審理その他の事実審査を行い、一般国民及び関係者に公平なように、且つ、職員の能率を発揮し、及び増…」で始まります。
- 国家公務員法第87条は第一目に置かれています。
- 国家公務員法の公布日は昭和22年10月21日です。
- 国家公務員法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 国家公務員法第87条の前の条は国家公務員法第86条です。
- 国家公務員法第87条の次の条は国家公務員法第88条です。
- 国家公務員法第87条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第87条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000120 - 本サイト収録
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第87条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000120/87
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国家公務員法87条は、職員から措置要求があったとき、人事院に必要な事実審査を行わせ、国民への公平と職員の能率の見地から事案を判定する義務を課す規定である。
Q · 公務員が人事院に勤務条件の改善を求めたら、人事院は必ず対応してくれるの?
人事院は事実審査のうえ判定を出す義務を負う
国家公務員法87条により、86条の措置要求を受けた人事院は、事案を判定しなければなりません。ただし、調査や口頭審理を行うかどうかは人事院が「必要と認める」範囲で決めるため、職員の請求で口頭審理が義務化される不利益処分審査(91条)とは異なります。判断基準は国民・関係者への公平と職員の能率であり、判定後の実行・勧告は88条が定めます。
解説
国家公務員にはストライキ権も労働協約を結ぶ権利もない。その代わりに法律が用意した数少ない出口の一つが86条の「措置要求」(給与や勤務時間などの改善を人事院に求める手続)であり、要求を受けた人事院が何をしなければならないかを定めたのが87条だ。押さえるべき点は三つある。第一に、人事院は要求を受けたら「事案を判定しなければならない」。話を聞いて終わりにはできず、結論を出す義務がある。第二に、調査や口頭審理(当事者を呼んで直接話を聞く手続)をするかどうかは人事院が「必要と認める」かどうかで決まる。不利益処分の審査(91条)のように、職員が請求すれば口頭審理が義務になる仕組みではない。だから、あなたの側で証拠と事実を書面で積み上げ、人事院が調べざるを得ない状態を作る必要がある。第三に、判断の物差しは「国民と関係者への公平」と「職員の能率」だ。個人の不満として訴えるより、この働き方では公務の能率が落ちるという構図で組み立てた要求のほうが、判定の土俵に乗りやすい。
法的な位置づけ
国家公務員法87条は、勤務条件に関する行政措置の要求(86条)について人事院の審査・判定手続を定める規定である。人事院は必要と認める調査、口頭審理その他の事実審査を行い、一般国民及び関係者に公平であること、職員の能率を発揮し増進することの二つの見地から事案を判定する義務を負う。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.求める措置を一文で特定する 超過勤務の縮減、休暇取得、執務環境の改善など、どの勤務条件についてどんな措置を求めるのかを具体的に一文で書き出す。個人の責任追及は対象外なので切り分ける
- 2.事実を裏付ける資料を時系列で整理 勤務時間の記録、PC ログ、面談メモ、医師の意見書などを日付順に並べる。口頭審理の有無は人事院の裁量のため、最初の書面の厚さが事実審査の深さを左右する
- 3.公平と能率の観点で主張を組み立てる 87条の判断基準である「一般国民及び関係者への公平」と「職員の能率の発揮・増進」に沿い、職場全体の公務能率への影響として論点を構成する
- 4.人事院規則13-2の手続で提出 人事院規則13-2が定める様式・記載事項に沿って措置要求書を人事院に提出する。事前に人事院の苦情相談(人事院規則13-5)で感触を確かめる方法もある
- 5.事実審査への対応と判定後の確認 追加資料の求めには速やかに応じる。判定に不服があれば、取消訴訟の出訴期間(判定を知った日から6か月)内に弁護士へ相談する
よくある質問 AI による整理
Q1措置要求とは何ですか?
国家公務員が給与や勤務時間などの勤務条件について、人事院に適当な行政上の措置を求める制度です。国家公務員法86条が根拠で、87条が審査と判定の手続を定めます。
Q2措置要求の判定はどのくらいかかる?
法律上の処理期限は定められていません。事案の複雑さや事実審査の範囲によって期間は変わるため、提出時から資料を整理しておくことが結果的に審査を早めます。
Q3措置要求 口頭審理は必ず開かれる?
必ずではありません。87条は口頭審理を人事院が「必要と認める」事実審査の一つとしており、職員の請求で開催が義務になる不利益処分審査(91条)とは仕組みが違います。
Q4措置要求 できる内容は?
俸給・給料その他あらゆる勤務条件が対象です。超過勤務、休暇、執務環境などが典型で、上司の懲戒や個人の責任追及を求めることはできません。
Q5措置要求をしたら不利益な扱いを受けない?
措置要求を理由とする不利益取扱いは制度の趣旨に反します。万一不利益処分を受けた場合は、90条の審査請求で争う別ルートがあります。
Q6人事院の判定に強制力はある?
人事院の権限に属する事項は人事院自らが実行しますが、それ以外は所轄庁の長などへの勧告にとどまります(88条)。勧告自体に強制執行の力はありません。
Q7措置要求 弁護士に依頼できる?
代理人を立てることは手続上想定されています。具体的な代理の範囲や方式は人事院規則13-2の定めを確認し、判定後の訴訟も見据えて早めに相談すると有効です。
Q8措置要求 地方公務員との違いは?
地方公務員は地方公務員法46条に基づき人事委員会・公平委員会に措置要求を行います。審査機関が人事院ではない点が主な違いで、制度の設計思想は共通です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1公務員って、残業が多すぎてもどこにも訴えられないんですか?
国家公務員には争議権も労働協約を結ぶ権利もありませんが、86条の措置要求で人事院に勤務条件の改善を求められます。人事院は87条により、必要な調査などを行ったうえで判定する義務を負います。実務のポイント:制度の存在は知られていても、実際に使う職員はごく少数で、上司すら手続を知らないことが多い。まず人事院の苦情相談(人事院規則13-5)で感触を探ってから措置要求に進む二段構えが現実的だ
Q2人事院の判定に納得できなかったら、裁判できますか?
措置要求に対する判定は、取消訴訟の対象となる行政処分と解されています(地方公務員の措置要求について最判昭和36.3.28)。ただし裁判所が審査するのは判定の手続や判断過程が違法かどうかで、望む勤務条件を直接命じてくれるわけではありません。実務のポイント:勝負はほぼ判定前の事実審査で決まる。人事院に出した資料が、そのまま訴訟の証拠の土台になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「人事院に訴えれば上司が処分される」と期待して措置要求を出す人がいるが、そもそも問いの立て方がずれている。措置要求は勤務条件の改善を求める制度であり、個人の責任追及や懲戒を求める手続ではない。自分が受けた不利益処分を争うなら、90条の審査請求という別ルートになる
- 判定で要求が認められれば一件落着だと思いがちだが、その後の重みまで知っている人は少ない。88条で人事院が自ら実行できるのは人事院の権限に属する事項だけで、それ以外は内閣総理大臣や所轄庁の長への「勧告」にとどまる。勧告に強制執行のような力はなく、判定の後も実施状況を追いかける必要がある
- あなたから見れば自分一人の切実な訴えでも、87条の物差しは「一般国民及び関係者に公平」と「職員の能率」だ。個人的事情だけを前面に出した要求は、同じ条件で働く他の職員や国民との公平という観点で退けられやすい。この視点の落差を知らずに書いた要求書は、中身が正しくても通りにくい
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続の対象 | 87条:措置要求(勤務条件の改善)の審査・判定 | 91条:不利益処分についての審査請求の審査 88条:判定結果に基づく実行・勧告 |
| 口頭審理 | 人事院が必要と認めるときに実施(裁量) | 職員の請求があれば公開の口頭審理を実施 審理手続ではなく判定後の措置 |
| 判断基準・効果 | 国民・関係者への公平と職員の能率の見地で判定 | 処分の承認・修正・取消を判定 人事院権限事項は自ら実行、それ以外は勧告 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では服務機関の管理措置や工作条件の処置に不服がある公務員は、申訴を経て公務人員保障暨培訓委員会に再申訴できる。独立機関が審査する点で日本の措置要求と近い
韓国では公務員が勤務条件などについて苦情処理(고충처리)を請求でき、苦情処理委員会が審査する
ドイツの連邦公務員は職務経路を通じた申立て・苦情(Beschwerde)が認められるが、日本の人事院のような独立機関による判定制度とは構造が異なる
米国連邦職員は団体交渉が一部認められ、労働協約上の苦情処理手続(grievance procedure)で勤務条件を争う。代償措置型の日本とは発想が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 月100時間を超える超過勤務が半年続き、上司に訴えても「予算がない」で流される。人事院に措置要求を出せば、人事院は事実審査を行い判定を出さなければならない。改善が必要と判定されれば、88条に基づき人事院自身による実行か、所轄庁の長などへの勧告につながる
- もし、あなたが所轄庁の人事担当で、部下から措置要求が出されたと人事院から連絡が来たら? 事実審査の中で、超過勤務の記録や面談記録の提出を求められる可能性がある。勤務時間の管理が甘い職場ほど、記録の空白そのものが判定で不利に働く
- 判定書が届いた日から6か月。内容に納得できず取消訴訟を考えるなら、行政事件訴訟法14条の出訴期間はもう動き始めている。迷っている時間は長くない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 超過勤務、休暇、執務環境など、どの勤務条件にどんな措置を求めるのかを一文で特定する2. 勤務記録、PC ログ、医師の意見書、上司とのやり取りを時系列で整理する3. 人事院規則13-2の手続に沿って措置要求を提出する4. 事実審査で追加資料を求められたら速やかに応じ、公平と能率の観点から主張を組み立てる5. 判定に不服があれば、取消訴訟の可否と期限を弁護士に確認する
訴えられた側:1. 所轄庁側として人事院の事実審査には誠実に協力し、勤務時間管理の記録を速やかに提出する2. 記録に欠落があれば隠さず、原因と改善策をあわせて示す3. 要求を出した職員への不利益な扱いと受け取られる人事は避ける。新たな審査請求や紛争の火種になる4. 判定を待たずに改善できる事項は先に手を打ち、是正した事実を記録として残す
時効(請求できる期限):措置要求そのものについて法律上の申立期限はないが、将来に向けた勤務条件の改善を求める制度なので、早く出すほど実益が大きい。判定を取消訴訟で争う場合は、判定を知った日から6か月、判定の日から1年が出訴期間となる(行政事件訴訟法14条)(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:措置要求制度は労働基本権制限の代償措置の一つであり、人事院は要求を受けた以上、判定義務を負う。一方で事実審査の方法は人事院の裁量に委ねられ、判定の違法性審査は手続と判断過程に向けられる
- 国家公務員法 第86条措置要求の申立権、本条の前提
- 国家公務員法 第88条判定に基づく実行と勧告
- 国家公務員法 第1条能率の発揮・増進という法目的
- 国家公務員法 第91条不利益処分審査の口頭審理との対比
- 地方公務員法 第46条地方公務員の措置要求制度
- 行政事件訴訟法 第14条判定取消訴訟の出訴期間
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