国家公務員法 第88条(判定の結果採るべき措置)
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人事院は、前条に規定する判定に基き、勤務条件に関し一定の措置を必要と認めるときは、その権限に属する事項については、自らこれを実行し、その他の事項については、内閣総理大臣又はその職員の所轄庁の長に対し、その実行を勧告しなければならない。
この条文の基本情報
判定の結果採るべき措置とは何ですか?
定義判定の結果採るべき措置とは、国家公務員法第88条に定められた規定で、「人事院は、前条に規定する判定に基き、勤務条件に関し一定の措置を必要と認めるときは、その権限に属する事項については、自らこれを実行し、その他の事項については、内閣…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国家公務員法第88条(判定の結果採るべき措置)は、日本の国家公務員法に含まれる条文です。
- 国家公務員法第88条の条文原文は「人事院は、前条に規定する判定に基き、勤務条件に関し一定の措置を必要と認めるときは、その権限に属する事項については、自らこれを実行し、その他の事項については、内閣…」で始まります。
- 国家公務員法第88条は第一目に置かれています。
- 国家公務員法の公布日は昭和22年10月21日です。
- 国家公務員法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 国家公務員法第88条の前の条は国家公務員法第87条です。
- 国家公務員法第88条の次の条は国家公務員法第89条です。
- 国家公務員法第88条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第88条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000120 - 本サイト収録
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第88条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000120/88
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国家公務員法88条は、人事院が措置要求の判定で措置を必要と認めたとき、権限内の事項は自ら実行し、その他は内閣総理大臣又は所轄庁の長に勧告する義務を定める。
Q · 人事院が措置要求を「措置が必要」と判定したら、その後どうなるの?
人事院は権限内なら自ら実行、他は省庁の長等に勧告する義務がある
国家公務員法88条により、人事院は87条の判定で勤務条件に関する措置が必要と認めた場合、動かずに済ませることはできません。人事院規則で定める勤務時間や休暇の細則など人事院の権限に属する事項は人事院が自ら実行し、庁舎設備や人員配置などその他の事項は内閣総理大臣又は職員の所轄庁の長に実行を勧告します。ただし勧告には省庁を従わせる法的強制力はありません。
解説
国家公務員はストライキができず、給与について団体協約を結ぶこともできない。その代わりに用意されている数少ない正式ルートの一つが「措置要求」(勤務条件の改善を人事院に正式に求める手続、86条)である。88条は、その結末を決める条文だ。人事院が調査と判定(87条)を経て「措置が必要」と認めた場合、処理は二つに分かれる。人事院の権限に属する事項、たとえば人事院規則で定める勤務時間や休暇の細則なら、人事院が自ら実行する。それ以外の事項、たとえば庁舎の設備や人員配置なら、内閣総理大臣か、その職員が属する省庁の長(所轄庁の長)に「勧告」する。ここで押さえるべき点は二つある。第一に、条文は「しなければならない」と書いている。措置が必要と認めた後で、人事院は動かずに済ませることができない。第二に、勧告には省庁の長に従わせる強制力がない。つまり勝負どころは、判定文の中で「措置が必要」という認定をどれだけ具体的に引き出せるかにある。上司に口頭で相談するのと、この条文につながる書面で要求するのとでは、組織の動き方が変わる
法的な位置づけ
国家公務員法88条は、勤務条件に関する行政措置の要求(措置要求)について、人事院が87条の判定に基づき一定の措置を必要と認めた場合の処理を定める規定である。人事院の権限に属する事項は人事院が自ら実行し、その他の事項は内閣総理大臣又は職員の所轄庁の長に対し実行を勧告する義務を負う。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.改善したい勤務条件の記録を集める 超過勤務時間、休暇の取得状況、設備の不具合など、改善を求める勤務条件について日付入りの記録を集める。勤務記録システムの出力、メール、業務日誌などが基礎資料になる
- 2.求める措置を権限の所在別に整理する 求める改善策を、人事院の権限事項(人事院規則で定める勤務時間・休暇等)と所轄庁の権限事項(人員配置・庁舎設備等)に分けて具体的に書く。人事院が自ら実行できる部分を切り出すと実現までの距離が短くなる
- 3.人事院に措置要求を提出する 人事院規則13-2の様式・手続に沿って、措置要求書を人事院に提出する。要求の趣旨と理由、証拠資料を添付し、事実審査の段階で証拠を出し切る
- 4.判定と実行・勧告の内容を確認する 人事院の判定を受け取ったら、措置が必要と認められた範囲と、それが人事院による実行か所轄庁の長への勧告かを確認する。勧告後は対応状況を継続的に照会し、判定に不服があれば6か月以内の取消訴訟を弁護士と検討する
よくある質問 AI による整理
Q1措置要求とは何ですか?
国家公務員が給与や勤務時間などの勤務条件について、人事院に適当な行政上の措置を求める制度です。国家公務員法86条が根拠で、88条がその判定後の処理を定めています。
Q2措置要求はどこに出すのですか?
国家公務員の場合は人事院に提出します。所属省庁の人事課ではありません。地方公務員の場合は人事委員会又は公平委員会が窓口になります(地方公務員法46条)。
Q3措置要求 いつまでに出せばいい?
措置要求そのものに法定の申立期限はありません。ただし既に出された不利益処分を争う審査請求は、処分説明書の受領翌日から3か月以内という期限があります。
Q4措置要求を出したら不利益な扱いを受けますか?
措置要求は法が保障する正規の権利行使です。要求したことを理由とする不利益な取扱いは制度の趣旨に反し、それ自体が新たな措置要求や審査請求の対象になりえます。
Q5人事院が自ら実行できる事項とは?
人事院規則で定める勤務時間、休暇、超過勤務の上限など、人事院の権限に属する事項です。これらは勧告ではなく人事院自身が規則改正等の形で実行します。
Q6措置要求で異動の取消しを求められますか?
原則できません。措置要求は今後の勤務条件の改善を求める制度で、既になされた処分を争うには国家公務員法90条の審査請求という別ルートを使います。
Q7国家公務員 残業 改善 どこに相談?
職場内での相談で解決しない場合、人事院への措置要求が正式ルートです。超過勤務の上限は人事院規則15-14の権限事項なので、人事院が自ら実行する側に入りえます。
Q8人事院の勧告に省庁は従う義務がありますか?
88条の勧告に法的な強制力はありません。ただし勧告は公式の記録として残り、人事院の年次報告等で公になりうるため、事実上の圧力として機能します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1人事院の勧告って、結局省庁は無視できるんですよね?
法的な強制力はないため、従わなかったとしても直ちに制裁があるわけではない。ただし88条は、措置が必要と認めた時点で人事院に実行または勧告を義務付けているので、公式の記録としては必ず残る。実務のポイント:勧告を受けた省庁にとって本当に重いのは法的拘束力ではなく、人事院とのやり取りが記録として残り続けることである。人事院への照会を継続するだけで、組織内の優先順位が変わることは珍しくない
Q2措置要求の判定に納得できないとき、裁判で争えますか?
地方公務員の同種の制度について、最高裁は措置要求に対する判定を取消訴訟の対象となる行政処分と認めている(最判昭和36.3.28)。国家公務員の86条から88条も同じ構造であり、判定の違法を争う余地はある。実務のポイント:裁判所は判定の中身そのものより、事実審査(87条)が適正に行われたかという手続面を見る傾向がある。要求段階で証拠を出し切っておくことが、後の訴訟の土台になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「人事院の勧告」といえば、毎年夏に報道される給与勧告(28条等に基づく国会・内閣への勧告)を思い浮かべる人が多い。88条の勧告は別物で、個々の職員の措置要求に基づき、内閣総理大臣または所轄庁の長に向けて出される。報道されないため、存在自体を知らない職員が大半である
- 措置要求が通れば職場が必ず改善されると考えるのは早い。人事院が自ら実行できるのは、人事院の権限に属する事項に限られる。その他の事項は勧告にとどまり、法的に強制する手段はない。判定内容が抽象的だと、勧告を受けた側は形だけの対応で済ませやすい。判定をどれだけ具体的にできるかが、実効性をほぼ決める
- 「措置要求を出すと組織に楯突くことになる」という発想そのものが、制度の位置付けを取り違えている。最高裁は国家公務員の争議行為の禁止を合憲とする際、人事院制度を労働基本権制約の代償措置として挙げた(最大判昭和48.4.25全農林警職法事件)。措置要求は、法が職員に保障する正規の権利行使として設計されている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 目的 | 88条:判定後に人事院が実行又は勧告する(措置要求の出口) | 86条:職員が勤務条件の改善を人事院に要求する(入口) 90条:既になされた不利益処分の取消し等を求める審査請求 |
| 対象 | 判定で措置が必要と認められた勤務条件 | 給与、勤務時間その他あらゆる勤務条件 懲戒処分、降任、免職など意に反する不利益処分 |
| 期限 | 定めなし(判定後、人事院に行動義務) | 法定の申立期限なし 処分説明書受領の翌日から3か月以内、処分の翌日から1年以内(90条の2) |
| 効力 | 権限事項は人事院が自ら実行、その他は強制力のない勧告 | 要求自体に効力はなく、87条の審査・判定を経る 人事院の判定により処分の承認・修正・取消しが行われる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では管理措施や工作條件に不服がある公務員は、服務機関への申訴と公務人員保障暨培訓委員会への再申訴で争う。独立機関が判断する点は日本の措置要求と近い
韓国は苦情処理制度で勤務条件等の苦情を審査する。公務員の労働組合は別法で認められており、日本より代償措置への依存度は低い
ドイツの官吏は勤務上の経路で申立てや苦情を行える。争議権は認められず、職員代表制度(Personalvertretung)が勤務条件への関与を担う
米国の連邦職員は MSPB などの独立機関で救済を求める。団体交渉は一定範囲で認められており、日本の人事院とは役割の配分が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 繁忙部署で月100時間近い超過勤務が半年続いている。課内で相談しても「どこも同じだ」で終わった。ここで人事院に措置要求を出せば、人事院が必要と判定したとき、所轄庁の長に対する勧告という公式の文書が残る。省庁の中で握りつぶされてきた問題が、外部機関の記録に移る
- もしあなたが課長で、部下の一人が人事院に措置要求を出したと知らされたら、どうなる? 報復人事と受け取られる動きは一切できなくなる。人事院の事実調査に備え、勤務記録と業務分担の根拠を今のうちに整えておく必要がある
- 海上保安庁の職員は、法律上職員団体を結成することもできない(108条の2第5項)。庁舎の老朽化や当直体制の問題を組織として訴える経路が、もともと極めて細い
- 既に出された不利益な異動の取消しを措置要求で求めようとしている同僚がいる。措置要求の対象は今後の勤務条件の改善であり、既になされた処分を争う経路は不服申立て(90条)で、処分説明書の受領翌日から3か月以内という期限がある。窓口を間違えている間にも時間は過ぎていく
取るべき行動
被害を受けた側:1. 改善を求める勤務条件(超過勤務、休暇取得、設備など)について、日付入りの記録を集める2. 求める措置が人事院の権限事項か所轄庁の権限事項かを区別し、具体策として書面に落とす3. 人事院規則13-2の様式・手続に沿って人事院に措置要求を提出する4. 判定と、判定に基づく実行・勧告の内容を確認する。却下や不十分な判定については、取消訴訟の可能性を弁護士と検討する
訴えられた側:1. 所轄庁側として措置要求を把握したら、要求者への不利益な取扱いと受け取られる動きを直ちに止める2. 人事院の事実調査に備え、勤務実態の記録と業務配分の根拠を整理する3. 勧告を受けたら、対応策と実施時期を文書化して回答する。形だけの対応は再度の措置要求や外部公表で跳ね返ってくる
時効(請求できる期限):措置要求そのものに法定の申立期限はない。ただし既になされた不利益処分を争う場合は別ルートの審査請求(90条)となり、処分説明書を受領した日の翌日から3か月以内、処分の日の翌日から1年以内に行う必要がある(90条の2)。判定の取消訴訟は、判定を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)
学説
代償措置論:争議権等の制約が合憲とされる前提は代償措置の実効性にある。措置要求の判定と88条の実行・勧告が形骸化すれば、制約の正統性そのものが揺らぐとする見方
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:国家公務員法の制定とともに、勤務条件に関する行政措置の要求と判定後の措置の仕組みが設けられた
- 国家公務員法 第86条措置要求の権利の根拠
- 国家公務員法 第87条事案の審査と判定、本条の前提
- 国家公務員法 第90条不利益処分の審査請求、別ルート
- 国家公務員法 第98条争議行為の禁止、代償措置の背景
- 国家公務員法 第108条の2職員団体と警察職員等の結成禁止
- 地方公務員法 第47条地方公務員の判定後措置の同旨規定
- 行政事件訴訟法 第3条判定を争う取消訴訟の根拠
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