国家公務員法 第1条(この法律の目的及び効力)
クイックジャンプ
- この法律は、国家公務員たる職員について適用すべき各般の根本基準(職員の福祉及び利益を保護するための適切な措置を含む。)を確立し、職員がその職務の遂行に当り、最大の能率を発揮し得るように、民主的な方法で、選択され、且つ、指導さるべきことを定め、以て国民に対し、公務の民主的且つ能率的な運営を保障することを目的とする。
- 2.この法律は、もつぱら日本国憲法第七十三条にいう官吏に関する事務を掌理する基準を定めるものである。
- 3.何人も、故意に、この法律又はこの法律に基づく命令に違反し、又は違反を企て若しくは共謀してはならない。又、何人も、故意に、この法律又はこの法律に基づく命令の施行に関し、虚偽行為をなし、若しくはなそうと企て、又はその施行を妨げてはならない。
- 4.この法律のある規定が、効力を失い、又はその適用が無効とされても、この法律の他の規定又は他の関係における適用は、その影響を受けることがない。
- 5.この法律の規定が、従前の法律又はこれに基く法令と矛盾し又はてい触する場合には、この法律の規定が、優先する。
この条文の基本情報
この法律の目的及び効力とは何ですか?
定義この法律の目的及び効力とは、国家公務員法第1条に定められた規定で、「この法律は、国家公務員たる職員について適用すべき各般の根本基準(職員の福祉及び利益を保護するための適切な措置を含む。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国家公務員法第1条(この法律の目的及び効力)は、日本の国家公務員法に含まれる条文です。
- 国家公務員法第1条の条文原文は「この法律は、国家公務員たる職員について適用すべき各般の根本基準(職員の福祉及び利益を保護するための適切な措置を含む。」で始まります。
- 国家公務員法第1条は第一章 総則に置かれています。
- 国家公務員法の公布日は昭和22年10月21日です。
- 国家公務員法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 国家公務員法第1条の次の条は国家公務員法第2条です。
- 国家公務員法第1条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第1条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000120 - 本サイト収録
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第1条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000120/1
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国家公務員法1条は、職員の根本基準を定め公務の民主的・能率的運営を保障する目的規定。3項は「何人も」故意に本法に違反し施行を妨げてはならないと定める。
Q · 国家公務員法1条って、結局なにを決めている条文なの?
国の職員の根本基準と、民間人も含む違反禁止を定める
国家公務員法1条は五つの項からなります。1項は職員の福祉と利益の保護を含む根本基準を確立し、公務の民主的・能率的な運営を保障するという目的、2項は憲法73条の「官吏」に関する事務の基準であるという射程、3項は「何人も」故意に本法や人事院規則に違反し施行を妨げてはならないという禁止、4項は一部無効でも他の規定は残る分離条項、5項は従前の法令に対する優先を定めています。
解説
官僚の不祥事が報じられるたびに「公務員のくせに」という声が上がる。その「公務員なんだから」の中身を、法律として最初に書き込んだのが国家公務員法1条である。本条には五つの顔がある。目的(能率と民主性の両立、そして職員の福祉と利益の保護)、射程(憲法73条にいう「官吏」の事務を扱う基準)、「何人も」に向けた禁止、一部が無効になっても残りは効力を保つという分離条項、そして従前の法令に優先する条項である。見落とされやすいのは第3項の主語だ。「職員は」ではなく「何人も」と書かれている。公務員でないあなたも、この法律やこれに基づく命令(人事院規則など)に故意に違反したり、その施行を妨げたりしてはならない側に含まれる。もう一つは、目的の中に「職員の福祉及び利益の保護」がわざわざ括弧書きで入っている点である。争議権を制限された公務員に代償措置として人事院の給与勧告を用意するという仕組みは、この一句から始まっている。
法的な位置づけ
国家公務員法1条は同法の目的規定であり、国家公務員たる職員に適用すべき根本基準の確立と、公務の民主的かつ能率的な運営の保障を目的として掲げる。あわせて、憲法73条の官吏に関する事務の基準であることを示し、何人に対しても本法及び命令への故意の違反・施行妨害を禁止し、分離条項と従前法令に対する優先条項を置く。
よくある質問 AI による整理
Q1国家公務員法1条とは何ですか?
国家公務員法の目的規定です。職員の根本基準の確立と公務の民主的・能率的運営の保障を目的に掲げ、適用範囲、違反の禁止、分離条項、優先条項もあわせて定めています。
Q2国家公務員法の目的は何ですか?
職員に適用する根本基準(福祉と利益の保護措置を含む)を確立し、職員が最大の能率を発揮できるよう民主的に選択・指導することで、国民に公務の民主的かつ能率的な運営を保障することです。
Q3憲法73条の「官吏」とは誰のことですか?
内閣の事務として掌理される国の行政職員を指します。国家公務員法1条2項は、本法がこの官吏に関する事務を掌理する基準を定めるものだと明示しています。
Q4国家公務員法1条4項の分離条項とは?
本法のある規定が効力を失ったり適用が無効とされたりしても、他の規定や他の関係での適用には影響しないという定めです。一部違憲判断が出ても法律全体は崩れません。
Q5国家公務員法と人事院規則の関係は?
人事院規則は国家公務員法の委任を受けて人事院が定める命令です。1条3項の「この法律に基づく命令」に含まれ、故意の違反は本法違反と同様に禁止されます。
Q6国家公務員法は後からできた法律より優先されますか?
いいえ。1条5項の優先は「従前の」法律・法令に対するものに限られます。後に制定された国家公務員倫理法などは、特別法として独自の規律を上乗せできます。
Q7国家公務員法はいつ制定されましたか?
昭和22年(1947年)10月21日に法律第120号として公布されました。本条の「もつぱら」「以て」などの旧仮名遣いは、制定当初の文体を今に残しています。
Q8国家公務員法の所管はどこですか?
中立的な第三者機関である人事院が中心となり、採用試験・給与勧告・不利益処分の審査などを担います。人事管理の一部は内閣官房の内閣人事局が所管しています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1国家公務員法って、市役所の人にも関係あるの?
直接は関係しない。市役所や県庁の職員は地方公務員法の対象で、本条2項は、本法が憲法73条にいう「官吏」、つまり国の職員に関する基準だと明示している。国の職員でも、大臣・裁判官・国会職員・自衛隊員などの特別職は原則として適用外になる(2条5項)。実務のポイント:ハローワークの相談員など国の非常勤職員(期間業務職員)の多くは、一般職の国家公務員にあたる。「非常勤だから守秘義務は緩い」は通用しない
Q2公務員はストライキ禁止って聞いたけど、代わりに何かあるの?
ある。国公法98条2項は争議行為を禁止しており、その代償措置として人事院の給与勧告(28条)が置かれている。最高裁も、代償措置があることを禁止が合憲である理由の一つに挙げた(最大判昭和48.4.25)。本条1項の「職員の福祉及び利益の保護」がその出発点である。実務のポイント:勧告は内閣や国会を法的に拘束しない。昭和57年(1982年)には勧告が凍結された。代償措置が本当に機能しているかどうかは、今も争点であり続けている
Q3民間人でも国家公務員法違反になることってあるの?
本条3項は「何人も」と定めているので、民間人も名宛人に含まれる。ただし刑罰は109条以下で個別の行為ごとに定められており、3項違反そのものに直接の罰則はない。たとえば111条は、特定の違反行為を企て、命じ、そそのかし、ほう助した者を処罰している。実務のポイント:実際に問題になるのは、職員への働きかけが現職職員の再就職規制違反(106条の2以下)として発覚するケースである。平成29年(2017年)の文部科学省の組織的な天下り問題では、受け入れた民間側も調査で名前が挙がった
間違えやすい点 AI による整理
- 「国家公務員法は公務員を縛るための法律だ」という問いの立て方そのものがずれている。1項は職員の福祉と利益の保護を目的として明記しており、身分保障(75条)や不利益処分に対する審査請求(90条)は職員側の武器でもある。縛る規定と守る規定が同じ法律に同居しているのが本法の設計である
- あなたから見れば「国の職員」はみな国家公務員法の対象に見える。法律から見ると、大臣・裁判官・国会職員・自衛隊員などは特別職で、原則として本法の適用外になる(2条3項、5項)。報道で「国公法違反」と「自衛隊法違反」が別々に出てくるのはこのためで、この違いを知らないと処分の根拠法を読み違える
- 5項で本法が優先されることは知っていても、その対象が「従前の」法令に限られる点は見落とされやすい。後から成立した法律、たとえば国家公務員倫理法は5項の射程外であり、特別法として倫理規律を独自に上乗せしている。「国公法が常に最上位」というわけではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の性格 | 国公法1条:目的・射程・一般的禁止・分離条項・優先条項を定める総則 | 国公法2条:一般職と特別職の区分、適用範囲の画定 国公法98条:法令遵守義務と争議行為の禁止 |
| 名宛人 | 3項は「何人も」=職員に限らず民間人を含む | 国家公務員全体(特別職は原則適用除外) 職員(2項・3項は争議行為の企て・あおり等をする者も含む) |
| 違反の効果 | 3項自体に直接の罰則なし。刑罰は109条以下で個別の行為ごとに規定 | 違反という概念はなく、適用法(国公法か自衛隊法等か)を決める前提 懲戒処分の対象。争議行為のあおり等は110条で刑事罰 |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾は日本の国公法にあたる単一の基本法を持たず、服務・任用・保障・考績などを個別の法律で規律する。考試院と銓敘部が人事行政を担う点は、日本の人事院に似た独立機関型の特徴を持つ
韓国の国家公務員法も第1条に目的規定を置き、公務の民主的かつ能率的な運営を掲げる。日本の本条と構造がよく似ている
中国の公務員法は目的規定に公務員の管理規範化とともに党の指導の堅持を掲げ、政治的忠誠を重視する点で日本と大きく異なる
ドイツは職業官吏制度の伝統原則(基本法33条5項)を憲法上保障し、官吏にはストライキ権を認めない。日本のように代償措置として勧告機関を置く構造ではない
米国は資格任用制(merit system)の原則を法定し、人事管理局(OPM)と実績制度保護委員会(MSPB)が役割を分担する。日本の人事院制度はこの米国型の独立人事機関を範とした
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 知り合いの官僚に「採用面接で親戚の子をよろしく」と頼んだら、頼んだ民間人の側はどうなるのか? 本条3項の主語は「何人も」である。受けた職員は平等取扱いの原則(27条)違反として懲戒の対象になりうるし、金品が絡めば依頼した側にも刑法198条の贈賄罪が現実味を帯びる
- あなたは中央省庁の係長。同期との飲み会で、未公表の入札予定を「ここだけの話」として口にした。国公法100条の守秘義務違反は懲戒で終わらず、109条12号の刑事罰の対象になる。本条3項が「故意に違反してはならない」と総論として置いている禁止は、飲み会の軽口にも及ぶ
- 停職処分の処分説明書が手元に届いた。人事院への審査請求は受領の翌日から3か月以内(90条の2)。しかも取消訴訟は、原則として人事院の裁決を経てからでないと起こせない(92条の2)。本条がうたう「職員の利益保護」は、この期限を知っている人にしか働かない
- 自衛官の友人が「俺たちも国公法で守られている」と言った。実際は違う。特別職なので国公法は原則として適用されない(2条5項)。
- 官僚の友人が、休日に SNS で特定政党を応援する投稿をしようか迷っていると相談してきた。国公法102条と人事院規則14-7が政治的行為を制限している。最高裁は同じ日の二つの判決(最判平成24.12.7)で、管理職的な地位にない職員を無罪、課長補佐級の職員を有罪とした。地位と職務内容で結論が分かれる
取るべき行動
被害を受けた側:職員として不利益な処分を受けた場合:1. 処分説明書の交付を求める(89条) 2. 受領の翌日から3か月以内に人事院へ審査請求をする(90条、90条の2) 3. 取消訴訟は原則として人事院の裁決を経てから提起する(92条の2) 4. ハラスメントなどは人事院の苦情相談も並行して使う。民間人として職員から違法な働きかけを受けた場合は、日時とやり取りを記録したうえで所属省庁の公益通報窓口に通報する
訴えられた側:違反の疑いをかけられた職員の場合:1. 聴取の前に、問われている規範が国公法本体か、人事院規則(役所内部のルールではなく法律の委任を受けた命令)か、単なる省内の内規かを特定する2. 本条3項は「故意」を要件とするので、経緯を時系列のメモに残す3. 処分の重さは人事院の「懲戒処分の指針」の標準例と比べ、過重であれば審査請求で争う4. 守秘義務違反のように刑事罰が絡む事案は、早い段階で弁護士に相談する
時効(請求できる期限):不利益処分の審査請求は、処分説明書を受け取った日の翌日から3か月以内、かつ処分の日の翌日から1年以内(国家公務員法90条の2)。懲戒処分そのものには時効の定めがない。取消訴訟は原則として人事院の裁決を経る必要がある(同92条の2)(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:1条1項は本法全体の解釈指針となる目的規定であり、それ自体から具体的な権利義務は直接導かれない。ただし「職員の福祉及び利益の保護」の明記は、争議権制限と代償措置を結ぶ制度的根拠として重視される
代償措置機能論への批判説:人事院勧告は内閣・国会を法的に拘束せず、過去に凍結された例もあることから、代償措置が実際に機能していない局面では争議権制限の合憲性を再検討すべきだとする見解
改正沿革 AI による整理
- 昭和22年(1947年)制定 国家公務員法(昭和22年法律第120号)の制定とともに本条が置かれた。旧仮名遣いの「もつぱら」「以て」が残る文体は、制定当初からの骨格を示している
- 要人的検証 昭和23年(1948年)改正(人事院の設置、争議行為禁止の導入)などの大改正で本条の文言が変わったかどうかは未確認。改正回数は人による検証が必要
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:国家公務員法(昭和22年法律第120号)の制定とともに本条が置かれた。以後の改正で本条の文言が変わったかどうかは要確認
- 国家公務員法 第2条一般職と特別職の区分、適用範囲
- 国家公務員法 第3条人事院の設置と所掌
- 国家公務員法 第27条平等取扱いの原則
- 国家公務員法 第96条服務の根本基準、全体の奉仕者
- 国家公務員法 第98条法令遵守義務と争議行為の禁止
- 国家公務員倫理法 第1条職員の倫理保持を上乗せ規律
- 一般職の職員の給与に関する法律 第1条一般職職員の給与を具体化
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める