国家公務員法 第96条(服務の根本基準)
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- すべて職員は、国民全体の奉仕者として、公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。
- 2.前項に規定する根本基準の実施に関し必要な事項は、この法律又は国家公務員倫理法に定めるものを除いては、人事院規則でこれを定める。
この条文の基本情報
服務の根本基準とは何ですか?
定義服務の根本基準とは、国家公務員法第96条に定められた規定で、「すべて職員は、国民全体の奉仕者として、公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国家公務員法第96条(服務の根本基準)は、日本の国家公務員法に含まれる条文です。
- 国家公務員法第96条の条文原文は「すべて職員は、国民全体の奉仕者として、公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。」で始まります。
- 国家公務員法第96条は第七節に置かれています。
- 国家公務員法の公布日は昭和22年10月21日です。
- 国家公務員法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 国家公務員法第96条の前の条は国家公務員法第95条です。
- 国家公務員法第96条の次の条は国家公務員法第97条です。
- 国家公務員法第96条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第96条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000120 - 本サイト収録
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第96条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000120/96
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国家公務員法96条は、一般職の国家公務員が国民全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、職務に全力で専念すべきことを定める服務の根本基準である。
Q · 「公務員は全体の奉仕者」って、法律ではどういう意味なの?
国民全体への奉仕と職務専念を公務員に課す根本規定です
国家公務員法96条1項は、一般職の国家公務員に対し、国民全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、職務の遂行に全力を挙げて専念する義務を課しています。奉仕の相手は特定の個人ではなく国民全体です。本条自体は根本基準の宣言であり、具体的には98条から106条の服務義務(法令遵守、信用失墜の禁止、守秘、職務専念、政治的行為の制限、兼業規制など)として現れ、違反すれば82条の懲戒の対象となります。大臣などの特別職には適用されません。
解説
「全体の奉仕者」という言葉を、窓口で客として丁寧に扱ってもらう権利のことだと受け取る人は多い。国家公務員法96条が職員に課しているのは、それとは別の義務である。職員が仕える相手は目の前の一人ではなく国民全体であり、働く目的は「公共の利益」だと定めている。だから、声の大きい相談者に特別扱いをすることは、この条文に照らせば奉仕ではなく逸脱になる。後半の「職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念」という部分は、101条の職務専念義務(勤務時間中は仕事以外に注意を向けてはならないという義務)の土台になっている。2項は、細かいルールを人事院規則に任せ、倫理面は国家公務員倫理法に切り分けると定める。つまり96条そのものは短い宣言にすぎず、実際の効力は98条から106条の具体的な服務義務と、82条の懲戒(免職・停職・減給・戒告)を通じて発揮される。役所とやり合う市民も、処分を受ける職員も、この構造を知っているかどうかで打つ手が変わる。
法的な位置づけ
国家公務員法96条は服務の根本基準を定める規定であり、一般職の国家公務員に対し、国民全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、職務の遂行に全力を挙げて専念する義務を課す。同条2項は、その実施に必要な事項を、同法または国家公務員倫理法に定めるもののほか人事院規則に委任している。
よくある質問 AI による整理
Q1国家公務員法96条とは何ですか?
一般職の国家公務員に、国民全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、職務に全力で専念する義務を課す「服務の根本基準」です。
Q2全体の奉仕者とはどういう意味?
公務員は特定の個人・団体・政党ではなく国民全体のために働くという意味です。憲法15条2項に由来し、国公法96条で服務の基本原則として具体化されています。
Q3国家公務員法96条に違反するとどうなる?
96条は宣言的規定のため、実際には101条などの具体的義務違反と合わせて、82条1項により免職・停職・減給・戒告の懲戒処分の対象になりえます。
Q4大臣や国会議員にも96条は適用される?
適用されません。国家公務員法2条により、大臣・副大臣・国会議員の秘書などの特別職は同法の服務規定の対象外で、96条は一般職の職員に限られます。
Q596条2項の人事院規則とは?
服務の根本基準を実施するための細則を人事院が定める規則です。政治的行為を定める人事院規則14-7や、兼業に関する14-8などがあります。
Q6国家公務員倫理法と96条の関係は?
96条2項が倫理に関する事項を国家公務員倫理法に切り分けています。利害関係者からの接待や贈与の禁止は、同法と国家公務員倫理規程で具体化されています。
Q7地方公務員にも同じ規定はある?
あります。地方公務員法30条が「服務の根本基準」として、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、職務に全力で専念すべきことを定めています。
Q8服務の根本基準と職務専念義務の違いは?
96条は服務全体の理念を示す根本基準で、101条の職務専念義務はそのうち「勤務時間中は職務に注意力を集中する」部分を具体化した個別義務です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1公務員って、勤務中にちょっとスマホ見たりタバコ休憩したりするだけでもアウトなんですか?
トイレのような生理的に必要な中断まで、101条の職務専念義務違反とされることはない。問題になるのは頻度と時間の積み重ねで、長時間の私的なネット閲覧や頻繁な離席が続けば、96条・101条を根拠とする処分の材料になる。実務のポイント:処分は一回の行為ではなく記録で動く。入退館ログやアクセスログは本人が思っている以上に細かく残っており、聴取はその記録を突き合わせるところから始まる
Q2役所の担当者のミスで損したんですけど、その人個人を訴えられますか?
原則としてできない。公務員が職務として行った行為による損害は、国家賠償法1条により国が賠償する。判例(最判昭和30.4.19)も、職員個人は被害者に直接責任を負わないとしている。実務のポイント:国が職員個人に求償できるのは故意または重過失がある場合に限られる(同条2項)。個人を追及したいなら、訴訟より内部の服務調査を動かす記録付きの苦情のほうが現実的な圧力になる
Q3国家公務員でも、アパート経営くらいなら副業してもいいんですよね?
報酬を得て事業を営むには104条などの許可や承認が必要で、不動産賃貸も一定の規模を超えると自営兼業として承認の対象になる(103条、人事院規則14-8の運用)。規模の目安は運用通知で決められている。実務のポイント:相続でアパートを引き継いだ場合も、規模によっては承認が必要になる。「自分で始めたわけではない」は言い訳にならないので、相続が決まった段階で人事担当に相談しておくのが安全である(最新の運用をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「全体の奉仕者なんだから、納税者である私の要望を最優先すべきだ」という問いの立て方そのものがずれている。96条がいう奉仕の相手は国民全体であり、特定の個人ではない。強く迫られて例外扱いをすれば、それが職員にとっての服務違反の火種になる。窓口で要望を通したいなら、「私の不利益」ではなく、同じ立場の人すべてに関わる「公共の利益」の問題として組み立て直すほうが通りやすい
- 職務専念義務という言葉を知っている職員は多い。ただ、それが懲戒にどうつながるかを具体的に把握している人は少ない。82条1項は、この法律に違反した場合、職務上の義務に違反した場合、全体の奉仕者にふさわしくない非行があった場合を懲戒事由として並べており、96条の文言はその3号にそのまま反映されている。「勤務態度の問題」で済むと思っていたことが、処分説明書に条文番号付きで記載される段階がある
- 職員の側から見れば「勤務時間外は自分の時間」である。しかし法律の側から見ると、99条の信用失墜行為の禁止と82条1項3号の「非行」は、勤務時間外の私生活にも及ぶ。週末の飲酒運転やSNSでの暴言によって、勤務中の仕事ぶりとは無関係に停職や免職になった例は珍しくない。この認識のずれが、キャリアを一晩で終わらせることがある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の性格 | 96条:服務全体の根本基準(理念・総則) | 101条:職務専念義務(勤務時間中の注意力の集中) 99条:信用失墜行為の禁止(官職の信用・名誉の保護) |
| 時間的範囲 | 公務員としての地位全体に及ぶ理念 | 原則として勤務時間中 勤務時間外の私生活にも及ぶ |
| 典型的な違反例 | 単独で問われることは少なく、個別義務違反の背景として援用 | 勤務中の長時間の私的ネット閲覧、無断離席 飲酒運転、SNSでの暴言、私生活上の非行 |
| 懲戒との接続 | 82条1項3号「全体の奉仕者たるにふさわしくない非行」に文言が反映 | 82条1項2号(職務上の義務違反) 82条1項1号(法律違反)・3号(非行) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では公務員に忠実に努力し法令に従って職務を執行する義務を課す。日本の96条と同様、服務規律の総則的位置づけにある
韓国は「誠実義務」として法令遵守と誠実な職務遂行を課し、服務章の中核規定とする
ドイツの連邦官吏は「国民全体に奉仕し、政党に奉仕しない」とされ、職務への全面的な献身を求められる。日本の96条と構造がよく似ている
米国連邦職員の倫理規範は「公務は公共の信託である」を基本原則とし、私的利益のための公職利用を禁じる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 勤務時間中に職場のパソコンで株価やニュースサイトを見続けていた霞が関の職員がいる。どこからが懲戒の対象になるのか? 一度の閲覧で処分されることはまずない。ただしアクセスログは残っており、頻度と時間が積み重なれば、96条・101条違反を理由とする処分の材料になりうる
- 税務署の窓口で「担当が違います」と三回たらい回しにされた。腹は立つが、これだけで担当者個人を訴えることはできない。
- あなたは地方の出先機関の係長で、週末に始めたYouTubeチャンネルに広告収入が入り始めた。報酬を得て他の事業に従事するには104条の許可が必要になる場合があり、無許可で続ければ、96条の「全力を挙げて専念」という根本基準との関係まで問われる。収益化の申請ボタンを押す前に、人事担当へ一報を入れておくべき場面である
- 減給処分の処分説明書が手元に届いた。人事院への審査請求の期限は、受け取った日の翌日から3か月。その審査請求を経なければ、裁判所で処分の取消しを求めることもできない。職場の同僚に愚痴をこぼしているうちに、残りの日数は減っていく
- 取引先の官庁担当者を「日頃のお礼」で高級店に誘おうとしている営業担当。96条2項によって倫理面は国家公務員倫理法に切り分けられており、利害関係者からの供応接待は国家公務員倫理規程で禁止されている。断られるのは担当者が冷たいからではなく、担当者自身の身を守る線だからである
取るべき行動
被害を受けた側:1. 職員の不誠実な対応や職務怠慢で不利益を受けたら、日時・部署・担当者名・やり取りの内容をその日のうちに記録する2. 所属長宛ての書面か、総務省の行政相談窓口に申し出る。倫理違反の疑い(利害関係者との会食など)は国家公務員倫理審査会の通報窓口へ3. 金銭的な損害があれば、請求の相手は職員個人ではなく国になる(国家賠償法1条)。判例上、職員個人に直接請求することはできない4. 情報公開請求で関連する行政文書を確保しておくと、後の交渉材料になる
訴えられた側:1. 事情聴取の段階で、勤怠記録・業務メール・上司の指示など業務上の必要性を示す資料をそろえ、書面で弁明する2. 処分を受けたら処分説明書(89条)の交付を確認し、処分事由として挙げられた条文と事実を照合する3. 不服があれば人事院に審査請求をし(90条)、公平な審理を求める4. 処分の取消訴訟は人事院の裁決を経た後でなければ起こせない(92条の2)。先に訴訟を起こしても却下されうる5. 他の処分例と比べて量定が重すぎる場合は、人事院の「懲戒処分の指針」と照らして主張する
時効(請求できる期限):懲戒処分への審査請求は、処分説明書を受け取った日の翌日から3か月以内。処分の日の翌日から1年を過ぎると請求できない(国家公務員法90条の2)。取消訴訟は、裁決があったことを知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条1項)。国家賠償請求は、損害と加害者を知った時から3年、不法行為の時から20年(国家賠償法4条による民法724条の準用。生命・身体の侵害は5年、民法724条の2)(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:96条1項は服務に関する基本理念を宣言した訓示的規定であり、それ自体から直接に具体的義務が導かれるものではなく、98条以下の個別の服務義務と82条の懲戒事由を通じて法的効果を持つと解されている。
改正沿革 AI による整理
- 昭和22年(1947年) 国家公務員法の制定時から、服務の根本基準として置かれた条文(改正の履歴は人による検証が必要)
- 平成11年(1999年) 国家公務員倫理法の制定に伴い、2項に「又は国家公務員倫理法」が加えられ、倫理に関する事項が同法に切り分けられたとみられる(改正の経緯は人による検証が必要)
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:国家公務員法の制定により、服務の根本基準として設けられた。日本国憲法15条2項の「全体の奉仕者」を公務員法制上具体化したもの。
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