国家公務員法 第101条(職務に専念する義務)
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- 職員は、法律又は命令の定める場合を除いては、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、政府がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。職員は、法律又は命令の定める場合を除いては、官職を兼ねてはならない。職員は、官職を兼ねる場合においても、それに対して給与を受けてはならない。
- 2.前項の規定は、地震、火災、水害その他重大な災害に際し、当該官庁が職員を本職以外の業務に従事させることを妨げない。
この条文の基本情報
職務に専念する義務とは何ですか?
定義職務に専念する義務とは、国家公務員法第101条に定められた規定で、「職員は、法律又は命令の定める場合を除いては、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、政府がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければな…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国家公務員法第101条(職務に専念する義務)は、日本の国家公務員法に含まれる条文です。
- 国家公務員法第101条の条文原文は「職員は、法律又は命令の定める場合を除いては、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、政府がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければな…」で始まります。
- 国家公務員法第101条は第七節に置かれています。
- 国家公務員法の公布日は昭和22年10月21日です。
- 国家公務員法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 国家公務員法第101条の前の条は国家公務員法第100条です。
- 国家公務員法第101条の次の条は国家公務員法第102条です。
- 国家公務員法第101条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第101条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000120 - 本サイト収録
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第101条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000120/101
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国家公務員法101条は、職員が勤務時間と職務上の注意力のすべてを職責遂行に用いる職務専念義務を定める。法律又は命令が認める休暇等は例外となる。
Q · 国家公務員が勤務時間中に私用のスマホを触ったら、法律違反になるの?
注意力を私用に向ければ違反となり、懲戒の対象になりうる
国家公務員法101条1項は、職員に勤務時間だけでなく「職務上の注意力のすべて」を職責遂行に用いるよう求めています。在席していても私的な閲覧や取引に意識を向けていれば、職務専念義務違反と評価されえます。違反に刑罰はありませんが、同法82条の懲戒処分の対象となり、懲戒免職なら退職手当が支給されないこともあります。休暇など法律又は命令が認める場合は例外です。
解説
国家公務員の勤務時間は、国に売っている時間である。国家公務員法101条は、職員は勤務時間と「職務上の注意力のすべて」を職責の遂行に使い、政府が担うべき仕事だけに従事しなければならないと定める。職務専念義務と呼ばれる。ポイントは「時間」だけでなく「注意力」まで対象にしていることだ。席に座っていても、画面の裏で私用の株取引やゲームをしていれば違反になりうる。一方で、例外もはっきり決まっている。法律か命令が認める場合、つまり年次休暇、育児時間、許可を受けた職員団体の交渉などは違反にならない。さらに2項により、地震や水害のときは本来の担当と違う業務、たとえば避難所の支援を命じられることがある。違反しても刑罰はない。ただし懲戒処分(82条)の対象になり、懲戒免職になれば退職手当まで失うことがある。刑罰がないから軽い、と考えるのは誤りである
法的な位置づけ
職務専念義務とは、国家公務員法101条1項に基づき、職員が法律又は命令の定める場合を除き、勤務時間及び職務上の注意力のすべてを職責遂行に用い、政府がなすべき責を有する職務にのみ従事する義務をいう。違反は刑罰の対象ではなく、同法82条に基づく懲戒処分の対象となる。
よくある質問 AI による整理
Q1職務専念義務とは何ですか?
国家公務員法101条が定める、勤務時間と職務上の注意力のすべてを職責遂行に用いる義務です。法律又は命令が認める場合は例外になります。
Q2職務専念義務違反になるとどんな処分を受けますか?
刑罰はありませんが、国家公務員法82条により免職・停職・減給・戒告の懲戒処分の対象になります。免職なら退職手当が不支給となることもあります。
Q3テレワーク中の中抜けは職務専念義務違反?
休暇取得や勤務時間変更の手続を事前に踏めば適法な例外になります。手続なしに抜ければ職務離脱として違反と評価されえます。
Q4勤務時間中の組合活動はできる?
適法な交渉への参加など、法律又は命令が認める範囲なら違反になりません。範囲外の組合業務を勤務時間中に行うことはできません。
Q5公務員は官職を兼ねることができますか?
法律又は命令の定める場合を除き、官職の兼任は禁止されます。兼任が認められた場合でも、兼ねた官職について給与を受けることはできません。
Q6リボンやバッジの着用は職務専念義務違反?
最高裁は、勤務中に政治的メッセージ入りのプレートを着用した行為を職務専念義務違反と判断しました(目黒電報電話局事件)。
Q7地方公務員にも職務専念義務はある?
あります。地方公務員法35条が同様の職務専念義務を定めています。国家公務員は国家公務員法101条、地方公務員は同35条が根拠です。
Q8懲戒処分の審査請求はいつまで?
処分説明書を受け取った日の翌日から3か月以内、かつ処分の翌日から1年以内に人事院へ行う必要があります(国家公務員法90条の2)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1昼休みにスマホで株の売買してたら、職務専念義務違反ですか?
昼休みなどの休憩時間は勤務時間に含まれないため、101条の直接の対象ではない。ただし庁舎の PC を使ったり、職務で知った情報で取引したりすれば、別の服務規律(100条の守秘義務、99条の信用失墜行為の禁止)に触れる。実務のポイント:問題になりやすいのは休憩時間を数分はみ出した分である。端末ログの時刻が、そのまま処分の証拠になる
Q2公務員でも副業ってできるんですか?
101条が規制しているのは勤務時間中の行動であり、勤務時間外の副業は103条・104条の許可制の問題になる。不動産賃貸や一定の自営などは、規模の基準を満たせば許可を得て行える。実務のポイント:人事院は近年、兼業の許可基準を見直しており、運用が変わりつつある。ネットの古い体験談ではなく、所属府省の人事担当に最新の基準を確認するのが確実である(最新の改正状況をご確認ください)
Q3災害派遣みたいに、専門外の仕事を命令されたら断れますか?
地震・火災・水害などの重大な災害であれば、101条2項により、所属官庁は本来の業務以外の仕事に職員を従事させることができる。原則として断れない。実務のポイント:応援期間中の超過勤務手当や旅費は別途精算の対象になる。命令の日付と業務内容を記録しておかないと、後で手当の請求漏れが起きやすい
間違えやすい点 AI による整理
- 「席にいて仕事をしている形があれば問題ない」と考えがちだが、101条は「注意力のすべて」まで求めている。物理的に在席していても、私的な閲覧や作業に意識を向けていれば違反と評価されうる。見られているのは座っている場所ではなく、意識の向き先である
- 職務専念義務違反は刑事罰がないため軽いと思われがちだが、その深刻度は見落とされやすい。懲戒処分の指針(人事院)では、正当な理由なく21日以上勤務を欠いた場合の標準例は免職または停職とされている。免職になると、国家公務員退職手当法12条により退職手当の全部または一部が支給されないことがある。数十年分の退職金がかかっている
- 「副業は101条違反か」という問いの立て方自体がずれている。101条が扱うのは勤務時間中の行動である。勤務時間外の副業は103条(営利企業の役員等)と104条(報酬を得て行う兼業の許可)の問題になる。問う条文を間違えると、許可申請の窓口も判断基準も分からなくなる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 国公法101条:勤務時間中の時間と注意力の使い方 | 国公法96条:服務全般の根本基準(全体の奉仕者として全力で職務に専念) 国公法104条:勤務時間外を含む、報酬を得て行う兼業 |
| 規範の性格 | 具体的な行為義務(職務専念・官職兼任の禁止) | 服務の理念・根本原則 許可制(内閣総理大臣及び所轄庁の長の許可) |
| 例外・適法化の方法 | 法律又は命令の定める場合(休暇、育児時間、許可を受けた職員団体活動等)、2項の災害時従事 | 個別の例外規定はなく、各条文を通じて具体化 所定の許可を得ること |
| 違反時の帰結 | 82条による懲戒処分(刑罰なし) | 82条による懲戒処分 82条による懲戒処分 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も公務員の職務専念、無断の職場離脱の禁止、兼職の制限を定める。2022年の全面改正で勤務時間や兼職の規律が整理されたため、条番号は最新版で確認が必要
韓国は誠実義務、職場離脱禁止、営利業務・兼職禁止を別々の条文で定める。日本の101条が一条にまとめている内容を分けて規律する構造
ドイツの連邦官吏は「全人格的な献身」で職務に当たる義務を負う。勤務時間に限らない忠誠関係として構成される点で日本より広い
米国連邦職員は公務時間を公務の遂行に誠実に用いる義務を負う。倫理規則として構成され、部下に私用をさせることも禁じる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 勤務時間中に、私用のスマホでフリマアプリの出品と値下げ交渉を毎日30分続けていたら、どうなるのか? 一回ごとは短くても、ログと目撃証言が積み上がれば「職務上の注意力のすべて」を使っていないと評価される。庁内 PC の閲覧履歴は、思っているより正確に残っている
- 局長から「私の後援会の資料を今日中にまとめておいて」と頼まれた。断りにくい相手だが、政府の仕事ではない作業を勤務時間中にさせることは101条の趣旨に反し、102条(政治的行為の制限)にも触れうる。命じた側と従った側、両方に責任が生じうる
- 大地震の翌朝、統計担当のあなたに「今日から被災自治体へ行き、物資の仕分けを手伝え」と命令が出た。2項が根拠であり、「自分の担当業務ではない」という理由では断れない
- 懲戒処分説明書を受け取ってから2か月半が過ぎた。人事院への審査請求の期限(受領の翌日から3か月)まで残り約2週間である。「上司も黙認していた」という事情を裏付ける資料を、今週中に集めきる必要がある
- 組合の役員として、勤務時間中に当局との交渉に出席する。適法な交渉への参加として認められる範囲なら違反にならないが、交渉の準備を勤務時間中に勝手に進めるのは別の話である。どこまでが例外に入るかは人事院規則が決めている
取るべき行動
被害を受けた側:1. 上司などから職務外の私用や政治的な作業を命じられたら、日時・内容・言われた言葉をメモし、可能ならメールで指示内容を確認する2. 府省内のハラスメント・コンプライアンス窓口、または人事院の苦情相談(人事院規則13-5)に相談する3. 自分だけ不当に災害応援や兼職を割り当てられている場合は、命令の根拠と期間を書面で確認する4. 不利益な処分を受けたら、処分説明書の受領日を必ず記録する
訴えられた側:1. 事情聴取の前に、勤務記録、休暇申請の履歴、上司の承認メールなどを確保する2. 行動が「法律又は命令の定める場合」(休暇、育児時間、許可を受けた組合活動など)に当たらないか確認する3. 上司が黙認していた、職場全体の慣行だったという事情は、処分の重さを決める際の考慮要素になりうるので資料を集める4. 処分に納得できなければ、人事院への審査請求(90条)を検討する。そこで争わずに処分取消訴訟だけを起こすことは原則としてできない(92条の2)
時効(請求できる期限):懲戒権の行使そのものには法律上の時効がない。懲戒処分に不服がある場合、人事院への審査請求は処分説明書を受け取った日の翌日から3か月以内、かつ処分があった日の翌日から1年以内に行わなければならない(国家公務員法90条の2)。取消訴訟は審査請求を経てから提起するのが原則である(92条の2、審査請求前置)
学説
判例・通説(精神的活動包含説):職務専念義務は身体的な在席にとどまらず、精神的な注意力の向け方にも及ぶ。勤務中の私的行為や政治的表示は、業務への具体的な支障が生じていなくても違反と評価されうるとする。
限定説:職務専念義務を過度に広く解すると職員の表現や私生活を不当に制約するため、職務遂行に現実の支障を生じさせる行為に限って違反と評価すべきだとする見解。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:国家公務員法の制定により、服務の章の一条として職務専念義務、官職兼任の制限及び災害時の本職外業務従事を定めた。
- 国家公務員法 第96条服務の根本基準、全力で職務に専念
- 国家公務員法 第82条職務上の義務違反に対する懲戒処分
- 国家公務員法 第103条私企業からの隔離、営利企業役員の兼業制限
- 国家公務員法 第104条報酬を得て行う兼業の許可制
- 国家公務員法 第108条の6職員団体業務の専従制限と許可
- 一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律 第5条勤務時間と休暇を定め、専念義務の例外になる
- 国家公務員退職手当法 第12条懲戒免職等の場合の退職手当不支給
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