国家公務員法 第9条(人事官の弾劾)
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- 人事官の弾劾の裁判は、最高裁判所においてこれを行う。
- 2.国会は、人事官の弾劾の訴追をしようとするときは、訴追の事由を記載した書面を最高裁判所に提出しなければならない。
- 3.国会は、前項の場合においては、同項に規定する書面の写を訴追に係る人事官に送付しなければならない。
- 4.最高裁判所は、第二項の書面を受理した日から三十日以上九十日以内の間において裁判開始の日を定め、その日の三十日以前までに、国会及び訴追に係る人事官に、これを通知しなければならない。
- 5.最高裁判所は、裁判開始の日から百日以内に判決を行わなければならない。
- 6.人事官の弾劾の裁判の手続は、裁判所規則でこれを定める。
- 7.裁判に要する費用は、国庫の負担とする。
この条文の基本情報
人事官の弾劾とは何ですか?
定義人事官の弾劾とは、国家公務員法第9条に定められた規定で、「人事官の弾劾の裁判は、最高裁判所においてこれを行う。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国家公務員法第9条(人事官の弾劾)は、日本の国家公務員法に含まれる条文です。
- 国家公務員法第9条の条文原文は「人事官の弾劾の裁判は、最高裁判所においてこれを行う。」で始まります。
- 国家公務員法第9条は第二章 中央人事行政機関に置かれています。
- 国家公務員法の公布日は昭和22年10月21日です。
- 国家公務員法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 国家公務員法第9条の前の条は国家公務員法第8条です。
- 国家公務員法第9条の次の条は国家公務員法第10条です。
- 国家公務員法第9条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第9条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000120 - 本サイト収録
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第9条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000120/9
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国家公務員法9条は、人事官の弾劾裁判を最高裁判所が行うと定める。国会の訴追書面の受理から30〜90日内に開廷し、開廷後100日以内に判決を出す。
Q · 人事院のトップを辞めさせる弾劾裁判って、どこで誰がやるの?
訴追は国会、裁判は最高裁が行い、判決まで最長約190日
国家公務員法9条により、人事官の弾劾の裁判は最高裁判所が行います。国会は訴追事由を書いた書面を最高裁に提出し、その写しを人事官本人に送ります。最高裁は書面の受理から30日以上90日以内に裁判開始日を定めて30日前までに通知し、開始から100日以内に判決を出さなければなりません。手続の細部は最高裁判所規則で定め、費用は国庫が負担します。裁判官の弾劾(国会の弾劾裁判所が裁く)とは構図が異なります。
解説
「弾劾」と聞くと、国会議員が並ぶ弾劾裁判所で裁判官が裁かれる場面を思い浮かべる人が多い。人事官の場合はこの構図が逆になる。訴えるのは国会、裁くのは最高裁判所である。人事官とは人事院を率いる3人で、そのうち1人が総裁を務める。人事院は国家公務員の給与勧告を出し、懲戒処分への不服も審査する。人事官は任期中の身分を強く守られており、職務上の義務違反や非行を理由に辞めさせるには、国会の訴追と、公開の手続で行う弾劾(第8条)を経なければならない。本条はこの手続に期限を組み込んでいる。最高裁は訴追の書面を受け取ってから30日以上90日以内に裁判を始める日を決め、始まってから100日以内に判決を出さなければならない。政治的な引き延ばしも、根回しだけでの拙速な罷免もできない。毎年のあなたの給与改定に影響する人物を、政権の好みで入れ替えることはできない。その仕組みの一部を本条が担っている。
法的な位置づけ
国家公務員法第9条は、人事官の弾劾手続を定める規定である。訴追権を国会に、裁判権を最高裁判所に分属させ、訴追事由の書面主義、書面写しの本人送付、裁判開始日の期間指定(受理後30日以上90日以内)、判決期限(開始後100日以内)、手続の裁判所規則への委任及び裁判費用の国庫負担を定める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.訴追事由の書面写しを精査する 国会から送付された訴追事由の書面の写し(9条3項)を受け取ったら、事由を一つずつ特定し、それぞれに対応する事実と反証資料を一覧化する
- 2.弁護人を選任する 裁判開始日は受理から最短30日後に設定されうるため、書面受領直後に弁護人を選任し、防御方針を固める
- 3.最高裁判所規則を確認する 手続の細部は裁判所規則で定められる(9条6項)ため、最新の規則を弁護人と確認し、書面提出や期日の要件を把握する
- 4.開廷日通知を受けて期日準備を完了する 最高裁から開廷日の通知(開廷日の30日前まで)を受けたら、証拠・主張書面を仕上げる。手続は公開で行われるため、対外発信の内容も法廷での主張とそろえる
よくある質問 AI による整理
Q1人事官の弾劾とは何ですか?
人事院を構成する人事官を、職務上の義務違反や非行を理由に罷免するための手続です。国会が訴追し、最高裁判所が裁判します(国家公務員法8条・9条)。
Q2人事官の弾劾裁判はどこで行われますか?
最高裁判所です(国家公務員法9条1項)。裁判官の弾劾が国会設置の弾劾裁判所で行われるのとは異なります。
Q3人事官の弾劾裁判はいつまでに判決が出ますか?
裁判開始の日から100日以内です(9条5項)。開始日は訴追書面の受理から30日以上90日以内に定められるため、受理から最長約190日で決着します。
Q4人事官を訴追できるのは誰ですか?
国会だけです(9条2項)。市民や職員団体が最高裁に直接申し立てることはできず、国会議員への情報提供や請願が現実的な入口になります。
Q5人事官の弾劾裁判の費用は誰が払う?
裁判に要する費用は国庫の負担とされています(9条7項)。ただし弁護人費用まで含むかは条文上明らかでなく、規則や運用の確認が必要です。
Q6人事官は内閣の判断だけで罷免できる?
できません。人事官は第8条で身分を保障され、非行を理由とする罷免には国会の訴追と公開の弾劾手続による決定が必要です。
Q7人事官の弾劾裁判の手続は何で決まっている?
国家公務員法9条が骨格を定め、細部は裁判所規則に委ねられています(9条6項)。憲法77条の最高裁規則制定権が背景にあります。
Q8弾劾の訴追を受けた人事官には通知が来る?
来ます。国会は訴追事由の書面の写しを本人に送付し(9条3項)、最高裁は裁判開始日を30日前までに国会と本人に通知します(同条4項)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1人事官って、実際に弾劾されたことあるんですか?
広く知られた実例はない。国家公務員法9条の手続は、実際に使われた記録よりも、使われる可能性があること自体が効果を持つタイプの制度である。実務のポイント:身分保障の規定は、発動されないことが正常な状態である。報道で人事院の中立性が話題になったときは、第8条と第9条をセットで確認するとよい。それだけで「政権がすぐに更迭できる」という類の論評の誤りを見抜ける(最新の運用状況をご確認ください)
Q2裁判官は国会の弾劾裁判所で裁かれるのに、なんで人事官は最高裁なんですか?
裁判官の弾劾は日本国憲法64条が国会に委ねている。人事官には同じような憲法上の規定がなく、国家公務員法9条が訴追を国会、裁判を最高裁に振り分けた。人事院は内閣の所轄下にありながら独立性を持つ機関なので、国会だけで完結させず、司法が最終判断をする形にしたと理解できる。実務のポイント:裁判費用は国庫負担(7項)だが、これが弁護人の費用まで含むかは条文からは明らかでない。当事者になったら、ここは真っ先に確認すべき点である
間違えやすい点 AI による整理
- 世間では「弾劾=国会が裁く制度」と思われている。だが法律から見ると、弾劾には二つの型がある。裁判官の場合は国会が裁判所を設けて裁く(日本国憲法64条)。人事官の場合は国会が訴えるだけで、裁くのは最高裁である(本条1項)。この違いを知らないと、試験でも時事解説でも一問丸ごと落とす
- 期限があることは条文を読めば分かる。見落とされやすいのは、その期限がどれほど厳しいかだ。開廷日は書面受理から最長90日後、判決は開廷から100日以内なので、最長でも約190日で決着がつく。通常の民事訴訟が年単位で続くのと比べれば、判断する側にも判断される側にも、立ち止まる余地はほとんどない
- 「人事官を辞めさせる方法は弾劾しかない」という前提がそもそも誤っている。第8条には、欠格事由に当たった場合など弾劾以外の罷免・退職の経路も並んでいる。本条が定めるのは、そのうち職務上の義務違反や人事官にふさわしくない非行を理由とする経路の手続だけである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 罷免の経路 | 国家公務員法9条:国会の訴追+最高裁の弾劾裁判 | 国家公務員法8条:欠格事由該当など弾劾以外の罷免・退職事由も規定 裁判官弾劾法:国会の訴追委員会が訴追し、国会設置の弾劾裁判所が裁判 |
| 裁く機関 | 最高裁判所 | 事由により異なる(弾劾事由は本条の手続による) 裁判官弾劾裁判所(国会議員で構成、憲法64条) |
| 期限 | 受理後30〜90日で開廷、開廷後100日以内に判決 | 実体規定のため手続期限の定めなし 本条のような判決期限の構造とは異なる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では監察院が公務員を弾劾し、懲戒法院が審理する。訴追と判断を別機関に分ける点で日本の人事官弾劾と構造が近い
韓国は国会が弾劾訴追し、憲法裁判所が審判する。訴追は議会、判断は司法機関という分担が本条と共通する
ドイツの裁判官訴追は連邦議会の申立てに基づき連邦憲法裁判所が判断する。議会が訴え司法が裁く型の代表例
米国の人事行政機関 MSPB の委員は、法定事由がある場合に限り罷免される。独立人事機関の身分保障という目的が共通する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 人事院総裁が特定の省庁に便宜を図っていたと報じられたら、その人を辞めさせられるのは誰なのか? 内閣だけでは決められない。非行を理由にするなら、国会が訴追し、最高裁が公開の弾劾手続で罷免を可とするかどうかを判断する必要がある。
- あなたが人事官で、ある日、国会が最高裁に提出した訴追事由の書面の写しが届いた。最高裁が開廷日を決めるのは書面を受理してから30日以上90日以内で、その通知は開廷日の30日前までに届く。反論の準備に使える時間は、最も短ければ約一か月しかない。事由ごとの事実関係の整理と弁護人の選任は、今夜から始めなければ間に合わない。
- 公務員試験の択一問題に「人事官の弾劾の裁判は弾劾裁判所で行う」という肢が出た。これは誤りで、正しくは最高裁判所である。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 人事官の職務違反や非行で不利益を受けたと考えるなら、日時・文書・関係者を時系列で記録する2. 自分に対する処分そのものへの不服は、弾劾とは別の手続になる。人事院への審査請求と、その後の取消訴訟を検討する3. 人事官本人の責任を問いたい場合、訴追できるのは国会だけである。国会議員への資料提供や請願で働きかける4. 報道機関への情報提供は、名誉毀損のリスクを踏まえて事実に限定する
訴えられた側:1. 訴追事由の書面の写しを受け取ったら、事由を一つずつ特定し、それぞれに反証の資料を割り当てる2. すぐに弁護人を選任する。最短で約一か月後に開廷する可能性がある3. 手続は公開で行われる(第8条)ので、法廷での主張と対外発信の内容をそろえる4. 手続の細部は最高裁判所規則で定められているため、最新の規則を弁護人と確認する
時効(請求できる期限):最高裁は訴追の書面を受理した日から30日以上90日以内に裁判開始日を定め、その30日前までに国会と本人に通知する(4項)。判決は裁判開始日から100日以内に出す(5項)。書面の受理から判決まで最長でおよそ190日である
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:国家公務員法(昭和22年法律第120号)の公布
- 2.昭和23年(1948年) 改正:国家公務員法改正により人事院が設置され、人事官を中心とする現行の人事行政機関の枠組みが整備された
- 国家公務員法 第4条人事院の構成(人事官3人)
- 国家公務員法 第5条人事官の任命と欠格事由
- 国家公務員法 第8条罷免事由と弾劾事由の実体規定
- 国家公務員法 第90条懲戒等への審査請求を人事院が審理
- 裁判官弾劾法 第2条裁判官弾劾の事由、対比される別制度
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