児童福祉法 第17条
クイックジャンプ
- 児童委員は、次に掲げる職務を行う。
- 一児童及び妊産婦につき、その生活及び取り巻く環境の状況を適切に把握しておくこと。
- 二児童及び妊産婦につき、その保護、保健その他福祉に関し、サービスを適切に利用するために必要な情報の提供その他の援助及び指導を行うこと。
- 三児童及び妊産婦に係る社会福祉を目的とする事業を経営する者又は児童の健やかな育成に関する活動を行う者と密接に連携し、その事業又は活動を支援すること。
- 四児童福祉司又は福祉事務所の社会福祉主事の行う職務に協力すること。
- 五児童の健やかな育成に関する気運の醸成に努めること。
- 六前各号に掲げるもののほか、必要に応じて、児童及び妊産婦の福祉の増進を図るための活動を行うこと。
- 2.主任児童委員は、前項各号に掲げる児童委員の職務について、児童の福祉に関する機関と児童委員(主任児童委員である者を除く。以下この項において同じ。)との連絡調整を行うとともに、児童委員の活動に対する援助及び協力を行う。
- 3.前項の規定は、主任児童委員が第一項各号に掲げる児童委員の職務を行うことを妨げるものではない。
- 4.児童委員は、その職務に関し、都道府県知事の指揮監督を受ける。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 児童福祉法第17条は、日本の児童福祉法に含まれる条文です。
- 児童福祉法第17条の条文原文は「児童委員は、次に掲げる職務を行う。」で始まります。
- 児童福祉法第17条は第六節 児童委員に置かれています。
- 児童福祉法の公布日は昭和22年12月12日です。
- 児童福祉法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 児童福祉法第17条の前の条は児童福祉法第16条です。
- 児童福祉法第17条の次の条は児童福祉法第18条です。
- 児童福祉法第17条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第17条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000164 - 本サイト収録
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第17条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000164/17
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点児童福祉法17条は、児童委員の職務として、児童・妊産婦の生活状況の把握、福祉サービスの情報提供と援助、関係機関との連携などを定める。児童委員は都道府県知事の指揮監督を受ける。
Q · 児童委員って、具体的に何をしてくれる人なの?
地域の子どもと妊産婦の見守りと、制度利用の案内・援助です
児童福祉法17条1項により、児童委員は児童・妊産婦の生活環境を平時から把握し、保護・保健・福祉サービスを適切に利用するための情報提供や援助・指導を行います。子ども支援団体との連携、児童福祉司や社会福祉主事への協力も職務です。ただし一時保護(33条)や立入調査(29条)の権限はなく、職務に関しては都道府県知事の指揮監督を受けます(17条4項)。
解説
近所に、あなたの家の子どものことを把握している立場の人が、法律上すでに配置されている。児童委員である。民生委員が自動的に兼務する無給のボランティアだが、児童福祉法17条はこの人たちに六つの職務を与えた。生活環境の把握、福祉サービス利用のための情報提供と援助、子ども支援団体との連携、児童福祉司や社会福祉主事への協力、気運の醸成、そして必要に応じたその他の活動。ここで見落とされがちなのが4項である。児童委員は都道府県知事の指揮監督を受ける。つまりボランティアでありながら公的な指揮系統の中にいる。守秘義務も民生委員法15条で課されており、あなたが相談した内容が近所に漏れたら、それは法的責任を問える問題になる。「近所のお節介な人」ではなく、行政と家庭の間に法律が置いた中継点。この違いを知っているかどうかで、困ったときに誰に電話するかが変わる。
法的な位置づけ
児童委員とは、児童福祉法に基づき市町村の区域に置かれ、民生委員が兼務する非常勤の委員であり、同法17条により、児童及び妊産婦の生活環境の把握、福祉サービス利用のための情報提供・援助及び指導、関係事業者等との連携、児童福祉司等への協力などを職務とし、その職務に関し都道府県知事の指揮監督を受ける者をいう。
手順
- 1.担当地区の児童委員を確認する 市区町村の福祉担当課または社会福祉協議会に電話し、住所を伝えて担当地区の児童委員・主任児童委員の連絡先を確認する
- 2.困りごとを箇条書きで整理する 「どの制度を使いたいか」ではなく「何に困っているか」を中心に、家族構成・収入状況・期限のある問題などを箇条書きにする。制度の選択は児童委員側の情報提供の職務(17条1項2号)に委ねる
- 3.守秘義務を確認したうえで相談する 民生委員法15条の守秘義務があることを確認し、具体的な状況を話す。紹介された窓口名と必要書類をメモしておく
- 4.行政窓口へ申請し、結果を共有する 案内された窓口で申請を行う。窓口で断られた場合は、その理由を児童委員に伝え、所管や申請の切り口を変えられないか再度相談する。緊急の虐待事案は児童相談所全国共通ダイヤル189へ直接連絡する
よくある質問 AI による整理
Q1児童委員とは?
児童福祉法に基づき市町村の区域に置かれる地域の委員で、民生委員が兼務します。子どもと妊産婦の生活状況の把握や、福祉サービス利用の案内・援助を職務とします(17条)。
Q2児童委員の職務は何条に書いてある?
児童福祉法17条です。1項で6つの職務、2項で主任児童委員の連絡調整、3項で主任児童委員も個別職務を行えること、4項で知事の指揮監督が定められています。
Q3児童委員 報酬はある?
給与は支給されません。民生委員として無給の非常勤特別職であり、活動に必要な実費程度の活動費が支給されるのが一般的です。
Q4児童委員に相談すると児童相談所に通報される?
相談しただけで自動的に通報されるわけではありません。ただし虐待が疑われる場合は、児童委員経由で児童相談所等へ通告が行われることがあります(児童福祉法25条)。
Q5児童委員の訪問は断れる?
断ることはできます。児童委員には強制調査権がなく、立入調査は児童相談所側の権限です(29条)。ただし理由を伝えて丁寧に対応するほうが後々有利です。
Q6妊娠中でも児童委員に相談できる?
できます。17条1項は職務の対象に「妊産婦」を明記しており、出産前から生活や福祉サービスの相談先になります。
Q7主任児童委員とは?
児童委員の中から指名され、子ども分野を専門に担当する委員です。関係機関と児童委員の連絡調整や、児童委員の活動への援助・協力を行います(17条2項)。
Q8児童委員の連絡先 どこで分かる?
名簿は一般公開されていないことが多いため、市区町村の福祉担当課や社会福祉協議会に問い合わせ、担当地区の児童委員を紹介してもらうのが確実です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1児童委員って誰がやってるんですか、どうやって連絡すればいいんですか?
民生委員法により民生委員が児童委員を兼ねる仕組みで、厚生労働大臣が委嘱する無給の非常勤特別職です。任期3年。名簿は個人情報保護のため一般公開されておらず、市区町村の福祉担当課や社会福祉協議会に問い合わせるのが実務上の入口になります。実務のポイント:主任児童委員は17条2項で子ども分野を専門に担当する指定を受けた人で、一般の児童委員より子育て支援の知識が厚い。最初から「主任児童委員につないでほしい」と言うと、話が早い。
Q2相談したことが近所に漏れたりしませんか?
民生委員法15条で守秘義務が課されており、職務上知り得た秘密を漏らしてはならず、これは退任後も続きます。違反があれば解嘱の対象になり、内容によっては民法709条の損害賠償責任も生じ得ます。実務のポイント:それでも地域密着ゆえの不安がある場合は、市区町村の子ども家庭支援の窓口や児童家庭支援センター(児童福祉法44条の2)といった、地縁から離れた経路を選ぶ選択肢がある。児童委員が唯一の入口だと思い込まないことが、結果的に相談のハードルを下げる。
Q3児童委員に「子どもを預かる」とか「家に入る」権限はあるんですか?
ありません。17条の職務は把握、情報提供、援助・指導、連携、協力、気運醸成であり、一時保護(児童福祉法33条)や立入調査(同29条)の権限は児童相談所側にあります。児童委員は4項で知事の指揮監督を受ける立場です。実務のポイント:逆に言えば、児童委員の訪問を断っても直接の法的不利益は生じない。ただしその対応自体が「協力が得られない家庭」として記録に残り、後の行政判断に影響することはある。断るにしても、理由を添えて断るかどうかで記録の色が変わる。
間違えやすい点 AI による整理
- 「児童委員は町内会の役職みたいなもの」と思われているが、実際は4項で都道府県知事の指揮監督を受ける立場にある。さらに児童福祉法25条の要保護児童通告の受け皿でもあり、民生委員法15条の守秘義務を負う。無給であることと責任が軽いことは、まったく別の話である。
- 「児童委員に相談したら、すぐ児童相談所に通報されて子どもを取られる」という恐怖を持つ親が多い。これは問いの立て方が逆である。17条1項2号の核心は情報提供と援助であり、一時保護(児童福祉法33条)の権限は児童相談所長にあって児童委員にはない。相談を避けた結果、支援制度につながる機会を自ら閉じている家庭のほうが圧倒的に多い。
- 児童委員の職務を「困っている家庭への対応」だと理解している人は多いが、1項1号は「生活及び取り巻く環境の状況を適切に把握しておく」、つまり問題が起きる前の平時の把握を職務としている。あなたから見れば何もしていない人に見えても、法律から見れば常時観測が職務。この落差が、いざというときに「この家庭はこういう状況だった」という記録の有無を分ける。
- 「主任児童委員に相談すれば個別に動いてくれる」と期待されることがあるが、2項の主任児童委員の本務は機関と児童委員の連絡調整、および児童委員への援助・協力である。ただし3項が「妨げるものではない」と明記しているため、個別ケースを扱えないわけではない。この3項がなければ、主任児童委員は目の前の困っている子に手を出せない建て付けになっていた。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 主体 | 児童福祉法17条:児童委員(民生委員が兼務、無給) | 児童福祉法29条:児童委員または児童の福祉に関する事務に従事する職員(知事の命令による) 児童福祉法33条:児童相談所長・都道府県知事 |
| 権限の性質 | 把握・情報提供・援助・連携・協力(強制力なし) | 住居への立入調査・質問(虐待の恐れがある場合) 一時保護(子どもを家庭から保護できる) |
| 利用者から見た位置づけ | 平時の相談先、行政につなぐ入口 | 緊急性が高い場合の調査手段 子どもの安全確保のための最終手段 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では村(里)幹事などが通報義務者として列挙されるが、日本の児童委員のように地域住民に平時の把握と援助を職務として委嘱する制度はない。地域支援は主に公的なソーシャルワーカーが担う。
韓国にも地域に置かれる아동위원の制度があり、児童の状況把握と相談・援助を職務とする点で日本の児童委員と類似する。
ドイツでは児童・青少年支援は自治体の Jugendamt と民間支援団体が担い、住民ボランティアに法定職務を与える制度は一般的ではない。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- シングルマザーとして働きながら、保育料の減免制度があるらしいと聞いたが、役所のどの窓口に何を聞けばいいのか分からない。児童委員は1項2号で「サービスを適切に利用するために必要な情報の提供その他の援助」を職務としている。役所に行く前に地域の児童委員に聞けば、制度の全体像と申請の順番が分かる。無料、予約不要。
- 隣の部屋から夜中に子どもの泣き声と怒鳴り声が続く。通報すべきか迷う。児童相談所全国共通ダイヤル189もあるが、児童委員は1項4号で児童福祉司への協力を職務としており、地域の状況を日常的に把握している立場にいる。あなたの名前を出さずに状況を伝える経路として機能する。
- もし、あなたが児童委員から「お子さんの様子はいかがですか」と訪問を受けたら、どう応じるべきか? 断ることはできる。強制調査権はない。だが背景に何があるのか、誰かが心配して連絡したのかを確認する機会でもある。身構えて追い返すのが最善とは限らない。
- 妊娠したが、パートナーとも実家とも関係が切れている。産科の受診費用すら不安。17条は職務対象に「妊産婦」を明記している。子どもが生まれてからではなく、妊娠中から相談先になる。ここを知らずに一人で抱え込む人が最も多い。
- 町内会の役員を引き受けたら、民生委員・児童委員の推薦話が回ってきた。任期は3年、無給、活動費のみ。だが4項により知事の指揮監督を受け、守秘義務も負う。「地域の名誉職」という認識で引き受けると、実際の責任の重さとのギャップに苦しむ。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 市区町村の福祉担当課または社会福祉協議会に電話し、担当地区の児童委員・主任児童委員の連絡先を確認する(名簿は一般公開されていないため、この経路が実務上の入口) 2. 相談内容を事前に箇条書きで整理、特に「どの制度を使いたいか」ではなく「何に困っているか」で伝える、制度選びは相手の職務3. 守秘義務(民生委員法15条)があることを確認したうえで具体的に話す4. 緊急性がある虐待事案は児童委員経由ではなく児童相談所全国共通ダイヤル189へ直接、時間が命になる
訴えられた側:1. 児童委員の訪問や連絡を受けたら、まず何を根拠に来たのかを確認する。強制調査権はなく、立入調査権は児童相談所の職員等にある(児童福祉法29条) 2. 感情的に拒絶するより、生活状況を説明したほうが結果的に有利に働くことが多い、記録は行政の判断材料になる3. 事実と異なる情報が伝わっていると感じたら、市区町村の担当課に直接説明を申し入れる4. 一時保護など具体的処分の段階に進んだ場合は、児童福祉に詳しい弁護士へ速やかに相談
時効(請求できる期限):本条自体に特定の期間制限はない。ただし関連手続には期限がある:一時保護は原則2か月を超えられず、延長には親権者の同意または家庭裁判所の承認が必要(児童福祉法33条)。児童委員の任期は民生委員法により3年。行政処分に不服がある場合は審査請求3か月(行政不服審査法18条)、取消訴訟6か月(行政事件訴訟法14条)。(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説的理解:児童委員は強制権限を持たず、住民との信頼関係を基礎に情報提供・援助を行う地域福祉の担い手と位置づけられる。行政機関の補助的立場にあり、処分権限を持つ児童相談所とは明確に区別される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:児童福祉法の制定に伴い、児童委員の職務を定める規定として設けられる。
- 2.平成13年(2001年) 改正:児童委員の職務内容を明確化し、それまで通知で運用されていた主任児童委員を法律上の制度として位置づける。
- 児童福祉法 第16条児童委員の設置および民生委員による兼務
- 児童福祉法 第18条児童委員の研修および指揮監督の細則
- 児童福祉法 第25条要保護児童発見者の通告義務、児童委員経由の通告経路
- 児童福祉法 第33条一時保護の権限は児童相談所長にあり児童委員にはない
- 児童福祉法 第29条立入調査権の主体を児童委員と区別
- 民生委員法 第15条児童委員を兼ねる民生委員の守秘義務の根拠
- 児童虐待の防止等に関する法律 第6条虐待通告における児童委員経由の経路を明記
- 母子保健法 第9条妊産婦への保健指導、17条1項の妊産婦支援と接続
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める