児童福祉法 第33条
クイックジャンプ
- 児童相談所長は、児童虐待のおそれがあるとき、少年法第六条の六第一項の規定により事件の送致を受けたときその他の内閣府令で定める場合であつて、必要があると認めるときは、第二十六条第一項の措置を採るに至るまで、児童の安全を迅速に確保し適切な保護を図るため、又は児童の心身の状況、その置かれている環境その他の状況を把握するため、児童の一時保護を行い、又は次に掲げる者に委託して、当該一時保護を行わせることができる。
- 一一時保護を適正に行うことができる者として都道府県知事の登録を受けた者(以下「登録一時保護委託者」という。)
- 二前号に掲げる者のほか、この法律又は他の法律に基づいて児童の福祉に関する業務若しくは事業を行い、又は施設を設置する者であつて、一時保護を適正に行うことができる者として内閣府令で定めるもの
- 2.都道府県知事は、前項に規定する場合であつて、必要があると認めるときは、第二十七条第一項又は第二項の措置(第二十八条第四項の規定による勧告を受けて採る指導措置を除く。)を採るに至るまで、児童の安全を迅速に確保し適切な保護を図るため、又は児童の心身の状況、その置かれている環境その他の状況を把握するため、児童相談所長をして、児童の一時保護を行わせ、又は前項各号に掲げる者(以下この条において「登録一時保護委託者等」という。)に当該一時保護を行うことを委託させることができる。
- 3.児童相談所長又は都道府県知事は、前二項の規定による一時保護を行うときは、次に掲げる場合を除き、一時保護を開始した日から起算して七日以内に、第一項に規定する場合に該当し、かつ、一時保護の必要があると認められる資料を添えて、これらの者の所属する官公署の所在地を管轄する地方裁判所、家庭裁判所又は簡易裁判所の裁判官に次項に規定する一時保護状を請求しなければならない。この場合において、一時保護を開始する前にあらかじめ一時保護状を請求することを妨げない。
- 一当該一時保護を行うことについて当該児童の親権を行う者又は未成年後見人の同意がある場合
- 二当該児童に親権を行う者又は未成年後見人がない場合
- 三当該一時保護をその開始した日から起算して七日以内に解除した場合
- 4.裁判官は、前項の規定による請求(以下この条において「一時保護状の請求」という。)のあつた児童について、第一項に規定する場合に該当すると認めるときは、一時保護状を発する。ただし、明らかに一時保護の必要がないと認めるときは、この限りでない。
- 5.前項の一時保護状には、次に掲げる事項(第五号に掲げる事項にあつては、第三項後段に該当する場合に限る。)を記載し、裁判官がこれに記名押印しなければならない。
- 一一時保護を行う児童の氏名
- 二一時保護の理由
- 三発付の年月日
- 四裁判所名
- 五有効期間及び有効期間経過後は一時保護を開始することができずこれを返還しなければならない旨
- 6.一時保護状の請求についての裁判は、判事補が単独ですることができる。
- 7.児童相談所長又は都道府県知事は、裁判官が一時保護状の請求を却下する裁判をしたときは、速やかに一時保護を解除しなければならない。ただし、一時保護を行わなければ児童の生命又は心身に重大な危害が生じると見込まれるときは、児童相談所長又は都道府県知事は、当該裁判があつた日の翌日から起算して三日以内に限り、第一項に規定する場合に該当し、かつ、一時保護の必要があると認められる資料及び一時保護を行わなければ児童の生命又は心身に重大な危害が生じると見込まれると認められる資料を添えて、簡易裁判所の裁判官がした裁判に対しては管轄地方裁判所に、その他の裁判官がした裁判に対してはその裁判官が所属する裁判所にその裁判の取消しを請求することができる。
- 8.前項ただし書の請求を受けた地方裁判所又は家庭裁判所は、合議体で決定をしなければならない。
- 9.第七項本文の規定にかかわらず、児童相談所長又は都道府県知事は、同項ただし書の規定による請求をするときは、一時保護状の請求についての裁判が確定するまでの間、引き続き第一項又は第二項の規定による一時保護を行うことができる。
- 10.第七項ただし書の規定による請求を受けた裁判所は、当該請求がその規定に違反したとき、又は請求が理由のないときは、決定で請求を棄却しなければならない。
- 11.第七項ただし書の規定による請求を受けた裁判所は、当該請求が理由のあるときは、決定で原裁判を取り消し、自ら一時保護状を発しなければならない。
- 12.第一項及び第二項の規定による一時保護の期間は、当該一時保護を開始した日から二月を超えてはならない。
- 13.前項の規定にかかわらず、児童相談所長又は都道府県知事は、必要があると認めるときは、引き続き第一項又は第二項の規定による一時保護を行うことができる。
- 14.前項の規定により引き続き一時保護を行うことが当該児童の親権を行う者又は未成年後見人の意に反する場合においては、児童相談所長又は都道府県知事が引き続き一時保護を行おうとするとき、及び引き続き一時保護を行つた後二月を超えて引き続き一時保護を行おうとするときごとに、児童相談所長又は都道府県知事は、家庭裁判所の承認を得なければならない。ただし、当該児童に係る第二十八条第一項第一号若しくは第二号ただし書の承認の申立て又は当該児童の親権者に係る第三十三条の七の規定による親権喪失若しくは親権停止の審判の請求若しくは当該児童の未成年後見人に係る第三十三条の九の規定による未成年後見人の解任の請求がされている場合は、この限りでない。
- 15.児童相談所長又は都道府県知事は、前項本文の規定による引き続いての一時保護に係る承認の申立てをした場合において、やむを得ない事情があるときは、一時保護を開始した日から二月を経過した後又は同項の規定により引き続き一時保護を行つた後二月を経過した後も、当該申立てに対する審判が確定するまでの間、引き続き一時保護を行うことができる。ただし、当該申立てを却下する審判があつた場合は、当該審判の結果を考慮してもなお引き続き一時保護を行う必要があると認めるときに限る。
- 16.前項本文の規定により引き続き一時保護を行つた場合において、第十四項本文の規定による引き続いての一時保護に係る承認の申立てに対する審判が確定した場合における同項の規定の適用については、同項中「引き続き一時保護を行おうとするとき、及び引き続き一時保護を行つた」とあるのは、「引き続いての一時保護に係る承認の申立てに対する審判が確定した」とする。
- 17.児童相談所長は、特に必要があると認めるときは、第一項の規定により一時保護が行われた児童については満二十歳に達するまでの間、次に掲げる措置を採るに至るまで、引き続き一時保護を行い、又は一時保護を行わせることができる。
- 一第三十一条第四項の規定による措置を要すると認める者は、これを都道府県知事に報告すること。
- 二児童自立生活援助の実施又は社会的養護自立支援拠点事業の実施が適当であると認める満二十歳未満義務教育終了児童等は、これをその実施に係る都道府県知事に報告すること。
- 18.都道府県知事は、特に必要があると認めるときは、第二項の規定により一時保護が行われた児童については満二十歳に達するまでの間、第三十一条第四項の規定による措置(第二十八条第四項の規定による勧告を受けて採る指導措置を除く。第二十項において同じ。)を採るに至るまで、児童相談所長をして、引き続き一時保護を行わせ、又は一時保護を行うことを委託させることができる。
- 19.児童相談所長は、特に必要があると認めるときは、第十七項各号に掲げる措置を採るに至るまで、保護延長者(児童以外の満二十歳に満たない者のうち、第三十一条第二項から第四項までの規定による措置が採られているものをいう。以下この条において同じ。)の安全を迅速に確保し適切な保護を図るため、又は保護延長者の心身の状況、その置かれている環境その他の状況を把握するため、保護延長者の一時保護を行い、又は登録一時保護委託者等に委託して、当該一時保護を行わせることができる。
- 20.都道府県知事は、特に必要があると認めるときは、第三十一条第四項の規定による措置を採るに至るまで、保護延長者の安全を迅速に確保し適切な保護を図るため、又は保護延長者の心身の状況、その置かれている環境その他の状況を把握するため、児童相談所長をして、保護延長者の一時保護を行わせ、又は登録一時保護委託者等に当該一時保護を行うことを委託させることができる。
- 21.児童相談所長は、自ら一時保護を行うことができず、かつ、登録一時保護委託者等に一時保護の委託をすることができない場合であつて、直ちに一時保護を行うことが必要な児童又は保護延長者があるときは、第一項及び第十九項の規定にかかわらず、二週間以内に限り、内閣府令で定めるところにより、登録一時保護委託者等以外の適当な者に委託して、当該児童又は保護延長者の一時保護を行わせることができる。
- 22.都道府県知事は、児童相談所長をして、一時保護を行わせることができず、かつ、登録一時保護委託者等に一時保護を行うことを委託させることができない場合であつて、直ちに一時保護を行うことが必要な児童又は保護延長者があるときは、第二項及び第二十項の規定にかかわらず、二週間以内に限り、内閣府令で定めるところにより、児童相談所長をして、登録一時保護委託者等以外の適当な者に当該児童又は保護延長者の一時保護を行うことを委託させることができる。
- 23.児童相談所長は、前二項の規定により一時保護を行う者に、児童又は保護延長者の保護について、必要な指示をし、又は必要な報告をさせることができる。
- 24.第十七項から第二十二項までの規定による一時保護は、この法律の規定(この条を除く。)の適用については、第一項又は第二項の規定による一時保護とみなす。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 児童福祉法第33条は、日本の児童福祉法に含まれる条文です。
- 児童福祉法第33条の条文原文は「児童相談所長は、児童虐待のおそれがあるとき、少年法第六条の六第一項の規定により事件の送致を受けたときその他の内閣府令で定める場合であつて、必要があると認めるとき…」で始まります。
- 児童福祉法第33条は第六節 要保護児童の保護措置等に置かれています。
- 児童福祉法の公布日は昭和22年12月12日です。
- 児童福祉法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 児童福祉法第33条の前の条は児童福祉法第32条です。
- 児童福祉法第33条の次の条は児童福祉法第33条の2です。
- 児童福祉法第33条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第33条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000164 - 本サイト収録
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第33条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000164/33
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点児童福祉法33条は、児童相談所長が虐待のおそれ等のある児童を一時保護できると定める。親権者の同意がなく7日を超える場合は裁判官の一時保護状が必要。
Q · 児童相談所は親の同意がなくても子どもを一時保護できるの?
できる。ただし7日を超えるなら裁判官の令状が必要
児童福祉法33条1項により、児童相談所長は児童虐待のおそれがある場合などで必要と認めるとき、親の同意がなくても児童を一時保護できます。ただし2025年6月1日以降、親権者等の同意がないまま7日を超えて保護を続けるには、開始から7日以内に裁判官へ一時保護状を請求しなければなりません(3項)。請求が却下されれば原則として速やかに解除され(7項)、期間は原則2か月、親の意に反する延長には家庭裁判所の承認が必要です(12項・14項)。
解説
保育園に迎えに行ったら子どもがいない。児童相談所が一時保護しました、と電話で告げられる。この瞬間、親であるあなたに打てる手はあるのか。長いあいだ答えはほぼ「ない」だった。児童相談所長の判断だけで子を親から引き離せ、親の同意も裁判所の許可も不要だったからだ。2025年6月1日、その構造に外部の目が入った。親権者の同意がなく、7日を超えて保護を続けるなら、児童相談所は裁判官に一時保護状を請求しなければならない(3項)。却下されれば原則として速やかに解除される(7項)。保護期間は原則2か月(12項)、親の意に反する延長には家庭裁判所の承認が要る(14項)。ただし誤解してはいけない。裁判官が量るのは子どもの安全であって、あなたの言い分ではない。それでも7日、2か月、家裁承認という三つの時計が動き出したことは、あなたが動ける期限を確定させた。
法的な位置づけ
児童福祉法第33条の一時保護とは、児童相談所長または都道府県知事が、児童虐待のおそれ等がある場合に、児童の安全の迅速な確保と適切な保護、または児童の心身・環境等の状況把握のため、措置決定に至るまで児童を一時的に保護し、または適当な者に委託して保護させる行政上の措置をいう。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.開始日と同意の有無を確認する 一時保護が始まった日を特定し、今日が何日目か、同意書を求められているかを確認する。開始日を1日目として7日以内に令状請求の要否が決まる(3項)ため、以後の全ての期限の起点になる
- 2.同意書は即答せず、保護理由を文書で求める 同意すれば裁判官の審査は開かれない(3項1号)ことを理解したうえで判断を保留し、保護の理由と解除の検討条件を文書で示すよう児童相談所に依頼する
- 3.児童福祉・家事事件に詳しい弁護士へ相談する 7日目の一時保護状審査と、2か月目以降の家庭裁判所承認(14項)から逆算して、主張と資料の準備計画を立てる。審査請求の要否もこの段階で検討する
- 4.生活環境と支援体制の記録を作る 住環境、就労状況、親族や支援機関の協力体制、通院・受講の記録などを初日から継続的に整理する。後から一括で集めた資料より、日付の入った継続記録のほうが評価されやすい
- 5.家庭裁判所の承認審判に向けて資料を提出する 親の意に反する延長には家庭裁判所の承認が必要(14項)。承認申立てがされたら、準備した記録を基に意見と資料を提出する。28条申立てが出た場合は争点が施設入所に移る点に注意する
よくある質問 AI による整理
Q1児童相談所の一時保護とは何ですか?
児童福祉法33条に基づき、虐待のおそれ等がある児童を措置決定までの間、児童相談所長が一時的に保護する制度です。子の安全確保と状況把握が目的です。
Q2一時保護は誰が決めるのですか?
児童相談所長(1項)、または都道府県知事が児童相談所長に行わせる形(2項)で決めます。開始時点では裁判所の許可は不要です。
Q3一時保護は何歳まで対象になりますか?
原則は18歳未満の児童が対象です。ただし特に必要があるときは、満20歳に達するまで一時保護を継続でき(17項・18項)、保護延長者も対象になります(19項)。
Q4一時保護の理由は教えてもらえますか?
7日を超えて同意なく保護する場合、裁判官が発する一時保護状には一時保護の理由が記載されます(5項2号)。口頭説明だけで終わらせず、文書での説明を求めるのが実務上重要です。
Q5一時保護中、子どもは学校に通えますか?
一時保護所では安全確保のため通学を控える運用が多く、施設内で学習支援が行われます。里親等への委託一時保護(1項後段)では通学できる場合もあり、個別判断です。
Q6一時保護は違法になることはありますか?
要件(虐待のおそれ等と保護の必要性)を欠く場合や、7日以内の令状請求を怠った場合などは違法の問題が生じえます。一時保護決定は行政処分として審査請求の対象です。
Q7一時保護が解除されるのはどんなときですか?
保護の必要がなくなったとき、裁判官が一時保護状の請求を却下したとき(7項本文)、家裁が延長を承認しなかったときなどです。解除後は在宅指導等に移ることが多いです。
Q8委託一時保護とは何ですか?
児童相談所の一時保護所ではなく、里親や児童福祉施設など「適当な者」に委託して一時保護を行う形態です(1項・2項)。法的効果は通常の一時保護と同じです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1同意書にサインしてくださいって言われたんですが、断れるんですか?
断れる。同意は一時保護の要件ではなく、裁判官への一時保護状請求を不要にする除外事由(3項1号)にすぎない。断っても保護は続くが、7日以内に司法審査が入る。実務のポイント:現場では同意の有無が保護者の協力姿勢として記録に残り、その後の指導措置や家裁承認の判断に影響する。断るなら、拒絶ではなく司法審査を求める趣旨だと書面で明示しておく
Q2一時保護されたら、子どもには一切会えないんでしょうか?
全面的に会えないと決まっているわけではない。都道府県知事等は虐待を受けた児童について面会や通信を制限できる(児童虐待の防止等に関する法律12条)が、これは行政処分なので審査請求の対象になる。実務のポイント:制限は禁止か許可かの二択ではなく、手紙のみ、職員同席で短時間、と段階的に運用できる。全面禁止を前提に諦めるより、具体的な段階再開案を自分から示した方が現実に通りやすい
Q3裁判官が一時保護状を出さなかったら、子どもはすぐ帰ってきますか?
原則は速やかに解除される(7項本文)。ただし、保護しなければ生命や心身に重大な危害が生じると見込まれるときは、児相側が3日以内に裁判の取消しを請求でき(7項ただし書)、その裁判が確定するまで保護は続く(9項)。実務のポイント:この請求は合議体で判断される(8項)。却下イコール即帰宅ではないと最初から想定し、次の判断までに生活環境の改善策を形にしておく方が結果に効く
Q42か月経てば必ず返してもらえますよね?
そうとは限らない。12項は2か月を原則上限とするが、13項で継続が可能で、親の意に反する場合に2か月ごとの家裁承認が要求される(14項)。しかも28条の施設入所承認の申立てや親権停止の請求(33条の7)が出ていれば、その承認自体が不要になる(14項ただし書)。実務のポイント:児相が28条の申立て準備に入ったら、争点はすでに一時保護の可否から施設入所の可否へ移っている。主張を組み替える合図だ
間違えやすい点 AI による整理
- 「親が同意しなければ一時保護はできない」と思われているが、実際は逆。同意がなくても開始できる(1項)。同意は保護の要件ではなく、裁判官への一時保護状請求を不要にする除外事由(3項1号)にすぎない。差し出された同意書にサインするということは、司法審査を自分から手放すということだ
- 「2か月の上限がある」ことは多くの人が知っている。深刻なのは、その上限の性質を知らない点だ。13項で継続は可能で、親の意に反する延長には2か月ごとの家裁承認が要る(14項)。しかし28条の施設入所承認の申立てや親権停止の請求(33条の7)が出ていれば、その承認は不要になる(14項ただし書)。2か月は壁ではなく、更新ボタンのついたタイマーである
- 「どうやって一時保護を取り消させるか」という問いの立て方そのものが、しばしば的を外している。一時保護は行政処分なので審査請求や取消訴訟の道はあるが、子どもが実際に戻るかどうかを決めているのは、27条の措置決定と家裁の承認手続の行方だ。戦う場所を間違えると、争っている間に子どもは施設入所措置へ移っている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 制度の性格 | 33条:措置決定までの暫定的な一時保護 | 27条:施設入所・里親委託等の措置 28条:親の意に反する入所措置の家裁承認 |
| 親の同意がない場合 | 開始可能。7日超の継続は裁判官の一時保護状が必要(3項) | 親の意に反して施設入所等の措置は採れない 家庭裁判所の承認を得れば親の意に反しても入所可能 |
| 司法の関与 | 7日目に令状審査、2か月超は家裁承認(14項) | 原則なし(行政の措置) 家庭裁判所の承認審判 |
| 期間 | 原則2か月、承認を得て2か月ごとに延長可 | 措置の必要がある間 承認後原則2年、更新には再承認 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は行政機関による緊急保護安置を認めつつ、72時間を超える継続安置には法院への申立てと裁定を要する。日本の7日より司法関与が早い
韓国は警察・担当公務員による応急措置を短期間に限り認め、それ以上の分離は裁判所の臨時措置による。刑事手続と一体化している点が日本と異なる
ドイツの Inobhutnahme は、親権者が異議を述べた場合、少年局が子を引き渡すか、直ちに家庭裁判所の判断を求めなければならない設計
米国は州ごとに異なるが、緊急保護後おおむね数日以内に裁判所の審理(shelter / detention hearing)を開く運用が一般的
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 子どもが一時保護されて5日目。児相の職員から「同意書にサインをお願いします」と言われている。サインすれば裁判官の審査は開かれない(3項1号)。サインしなければ、開始から7日以内に一時保護状の請求が必要になる(3項)。この差を知らないまま書類を出す親は多い。残り2日で決めることになる
- もし学校が、子どもの腕のあざを見て通告したらどうなる? 転倒によるものでも、通告を受けた児童相談所は安全確認と一時保護の要否を判断する(児童虐待の防止等に関する法律8条)。親に事前連絡が入るとは限らない。初回の説明が事実関係の出発点として記録に残り、後の資料の土台になる
- 離婚協議の最中、相手方が児童相談所に通告した。子どもは一時保護され、面会も制限される。親権をめぐる主戦場が、家庭裁判所から児相の面接室へ移った瞬間だ
- 児童相談所の職員として、目の前の子を今日連れて帰るか迷っている。保護すれば7日以内に、一時保護状を請求できるだけの資料を揃えなければならない(3項)。その見通しの有無が、踏み込む判断そのものを縛るようになった
- 深夜、友人から「子どもが一時保護された、どうすればいい」と電話が来た。あなたが最初に確認すべきは、同意を求められているか、開始から何日目か、この二点。そこから先の手順が分岐する
取るべき行動
被害を受けた側:子ども自身、あるいは周囲で危険に気付いた大人の立場なら、189または最寄りの児童相談所へ通告する(児童虐待の防止等に関する法律6条)。通告者の情報は守られ、結果として虐待でなくても責任は問われない。伝えるべきは評価ではなく事実で、けがの部位と日付、本人の発言の原文、食事や登校の状況を時系列で示す。一時保護の判断も、7日以内の令状請求(3項)も、この一次情報の具体性の上に組み立てられる。日付の入る写真やメモがあれば提供する
訴えられた側:1. 同意書を求められても即答しない。同意すれば一時保護状の審査が開かれないこと(3項1号)を理解した上で決める2. 保護の理由と、何が確認できれば解除を検討しうるのかを、口頭ではなく文書で確認する3. 児童福祉と家事事件の経験がある弁護士へ早期に依頼し、7日目の令状審査と2か月目の家裁承認(14項)から逆算して準備する4. 面会通信の制限には従いつつ、児相とのやりとりと提出資料の控えを全部残す。感情的な抗議は記録に残り、延長の判断材料として読まれる
時効(請求できる期限):一時保護状の請求は、一時保護を開始した日から起算して7日以内(3項)。請求が却下された場合は原則として速やかに解除、例外的な取消請求は裁判があった日の翌日から起算して3日以内(7項ただし書)。一時保護の期間は開始日から2か月が原則の上限(12項)、親権者の意に反する延長は2か月ごとに家庭裁判所の承認が必要(14項)。一時保護決定に対する審査請求は、処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年) 一時保護の期間について、開始日から2か月を超えてはならないという原則上限が明定され、無期限の運用に歯止めがかかった
- 平成29年(2017年) 2か月を超えて一時保護を継続する場合で、親権者または未成年後見人の意に反するときは、家庭裁判所の承認を要することとされた(平成30年4月施行)
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 一時保護開始時の司法審査が導入され、親権者等の同意がなく7日を超えて継続する場合は裁判官の一時保護状が必要になった。却下への不服申立てや合議体決定の仕組みも新設
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:児童福祉法の制定により、児童相談所長等による児童の一時保護の規定が設けられた
- 2.平成29年(2017年) 改正:2か月を超える一時保護の継続が親権者等の意に反する場合、家庭裁判所の承認を要することとされた(平成30年4月施行)
- 3.令和4年(2022年) 改正:一時保護開始時の司法審査を導入。同意なく7日を超える継続に裁判官の一時保護状を要し、却下への取消請求と合議体決定の仕組みを新設(令和7年6月1日施行)
- 児童福祉法 第26条児童相談所長の措置、一時保護の終期
- 児童福祉法 第27条都道府県の施設入所等の措置
- 児童福祉法 第28条親の意に反する入所措置の家裁承認
- 児童福祉法 第33条の2一時保護中の監護と親権の規律
- 児童福祉法 第33条の7親権喪失・親権停止の審判請求権
- 児童虐待の防止等に関する法律 第8条通告受理後の安全確認と一時保護
- 児童虐待の防止等に関する法律 第12条保護者の面会及び通信の制限
- 少年法 第6条の6触法少年の送致、一時保護の契機
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める