児童福祉法 第33条の7
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児童の親権者に係る民法第八百三十四条本文、第八百三十四条の二第一項、第八百三十五条又は第八百三十六条の規定による親権喪失、親権停止若しくは管理権喪失の審判の請求又はこれらの審判の取消しの請求は、これらの規定に定める者のほか、児童相談所長も、これを行うことができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 児童福祉法第33条の7は、日本の児童福祉法に含まれる条文です。
- 児童福祉法第33条の7の条文原文は「児童の親権者に係る民法第八百三十四条本文、第八百三十四条の二第一項、第八百三十五条又は第八百三十六条の規定による親権喪失、親権停止若しくは管理権喪失の審判の請求…」で始まります。
- 児童福祉法第33条の7は第六節 要保護児童の保護措置等に置かれています。
- 児童福祉法の公布日は昭和22年12月12日です。
- 児童福祉法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 児童福祉法第33条の7の前の条は児童福祉法第33条の6の5です。
- 児童福祉法第33条の7の次の条は児童福祉法第33条の8です。
- 児童福祉法第33条の7には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第33条の7 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000164 - 本サイト収録
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第33条の7(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000164/33_7
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点児童福祉法33条の7は、民法の親権喪失・親権停止・管理権喪失の審判とその取消しを、親族等に加え児童相談所長も家庭裁判所に請求できると定める。判断は裁判所が行う。
Q · 児童相談所長は、虐待している親の親権を止める手続きを取れるの?
取れる。ただし判断するのは家庭裁判所で、所長は請求するだけ
児童福祉法33条の7により、児童相談所長は、子・親族・未成年後見人・検察官など民法が定める請求権者と並んで、親権喪失(民法834条)、親権停止(同834条の2)、管理権喪失(同835条)の審判を家庭裁判所に請求できます。これらの審判の取消し(同836条)も請求できます。親権を制限するかどうかは家庭裁判所が決め、児童相談所長が自分で親権を奪えるわけではありません。緊急の場合は、審判前の保全処分(家事事件手続法174条)をあわせて申し立てることができます。
解説
親が子を虐待している、それを知っている人は多いのに誰も止められない。その膠着を破る鍵が、この条文にある。民法上、親権喪失や親権停止の審判を家庭裁判所に請求できるのは、原則として子本人、その親族、未成年後見人、検察官などに限られる。親族が加害者側に立っていれば、実際には誰も動かない。児童福祉法33条の7は、この請求権者リストに「児童相談所長」を加えた。つまり、あなたが虐待を疑って児童相談所に通告したとき、その先には一時保護だけでなく、親から法的な権限そのものを外すルートが用意されている。しかも2011年改正で新設された「親権停止」(民法834条の2、2年以内の期限付き)があるため、全面的な親権喪失という重い選択肢しかなかった時代と違い、家庭裁判所は柔らかい手も打てる。児童相談所長は行政の一機関だが、この一条によって家事事件の当事者になる
法的な位置づけ
児童福祉法第33条の7は、児童の親権者について、民法第834条本文、第834条の2第1項、第835条又は第836条に基づく親権喪失・親権停止・管理権喪失の審判の請求およびこれらの審判の取消しの請求を、民法所定の請求権者に加えて児童相談所長にも認める規定である。行政機関に家事審判の申立権を与えるもので、判断権は家庭裁判所に残される。
手順
- 1.異変を時系列で記録する 泣き声や怒鳴り声の回数だけでなく、治療を受けさせない、子の預金を使う、学校に通わせないなど、親権の使い方の異常を日時付きでメモする
- 2.189または児童相談所に通告する 児童相談所虐待対応ダイヤル189に電話するか、最寄りの児童相談所に連絡する。一時保護の要否だけでなく、親権行使の異常を具体的に伝え、親族が動けない事情があればそれも伝える
- 3.児童相談所長が家庭裁判所に審判を請求する 児童相談所長は本条に基づき、子の住所地の家庭裁判所に親権停止・親権喪失・管理権喪失の審判を請求する。緊急性があれば審判前の保全処分をあわせて申し立てる
- 4.審判後の見直しと取消し請求 親権停止の期間中に親の改善状況を確認し、原因が消えた場合は親本人・親族または児童相談所長が民法836条に基づき審判の取消しを請求する
よくある質問 AI による整理
Q1児童相談所長は親権停止を請求できる?
できます。児童福祉法33条の7により、児童相談所長は民法834条の2の親権停止の審判を家庭裁判所に請求できます。決めるのは裁判所です。
Q2親権停止の期間は何年まで?
2年を超えない範囲で、家庭裁判所が原因が消えるまでに必要な期間を定めます(民法834条の2第2項)。期限が来れば親権は戻ります。
Q3親権停止を申し立てられるのは誰?
子本人、その親族、未成年後見人、未成年後見監督人、検察官(民法834条の2)に加え、児童福祉法33条の7により児童相談所長も申し立てられます。
Q4管理権喪失とは何ですか?
親権のうち財産管理の権限だけを失わせる審判です(民法835条)。子の預金や保険金を使い込むなど、財産管理が不適当な場合に使われ、身上監護は親に残ります。
Q5親権停止は取り消せる?
原因が消えれば、本人または親族の請求で取消しができます(民法836条)。児童福祉法33条の7により、児童相談所長も取消しを請求できます。
Q6医療ネグレクトの場合、親権停止はどれくらいの速さで動く?
審判前の保全処分(家事事件手続法174条)を使えば、審判の確定を待たずに親権者の職務執行を停止し、職務代行者を選任できます。事案によっては日単位で動きます。
Q7親権停止中、子どもの親権は誰が行う?
未成年後見人が選任されるのが原則です。施設入所中は施設長(児童福祉法47条)、一時保護中は児童相談所長(同33条の2)が親権を行う場合があります。
Q8親権停止の申立てはどこの裁判所?
子の住所地を管轄する家庭裁判所です(家事事件手続法167条)。児童相談所長が申し立てる場合も同じ裁判所に申し立てます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1通告した子のことが気になるんですが、その後どうなったか教えてもらえますか?
原則として教えてもらえない。児童相談所には守秘義務があり、通告者への結果開示は制度上予定されていない。ただし通告者の情報は保護される(児童虐待の防止等に関する法律7条)。実務のポイント:結果は分からなくても、同じ世帯について複数回、別々の人から通告があると、児童相談所内でのリスク評価の点数が上がる。「前にも通告したから」と遠慮するのは逆効果で、繰り返すこと自体に意味がある
Q2親権停止と親権喪失って、どう違うんですか?
喪失(民法834条)は期限の定めがなく取消しまで続く重い処分で、停止(同834条の2)は2年以内の期限付き。2011年改正で停止が新設されたのは、喪失しか選択肢がないと裁判所も申立人も躊躇して制度が使われなかったため。実務のポイント:実務では申立ての大半が停止であり、喪失は極めて限定的。医療ネグレクト事案では停止 + 保全処分の組み合わせが定石になっている
Q3児童相談所って結局、子どもを連れて行くだけで親には何もできないんでしょう?
誤解である。一時保護(児童福祉法33条)は手前の手段にすぎず、本条により児童相談所長は親権喪失・停止・管理権喪失の審判請求という法的手段を持つ。判断するのは家庭裁判所である。実務のポイント:親権停止の申立て件数は全国で年間数百件規模と決して多くない。現場が人手と時間の制約で踏み切れていない面があり、逆に言えば、親権行使の異常を示す証拠が具体的に揃った事案ほど動きやすい
間違えやすい点 AI による整理
- 「親権停止や親権喪失は親族が家庭裁判所に申し立てるもの」と理解している人は正しい。だが理解の深さが足りない。加害者が親である以上、請求権者リストの中核(親族)はしばしば加害者と同じ家の中にいる。制度が形式上存在しても、動かす人がいなければ空文になる。本条はその構造的欠陥を埋めるための条文であり、「請求権者が一人増えた」という些細な話ではない
- 「児童相談所長が親権を停止できる」と読むのは前提が誤っている。長ができるのは家庭裁判所への請求だけで、判断するのは常に裁判官である。行政が親子関係を切る権限を持っているわけではない。この区別を知らないまま制度を批判しても、議論はかみ合わない
- 親の立場から見れば「子を取り上げられる」であり、法律から見れば「親権という職務の一時的な停止」である。この落差が親を追い詰める。親権停止は原則2年以内の期限付きで、取消しの請求(民法836条)も本条により児童相談所長が行える。つまり戻す手続きも同じ条文の中に書かれている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 措置の性質 | 児福法33条の7:家庭裁判所への親権制限審判の請求 | 児福法33条:児童相談所長による一時保護(行政措置) 児福法47条:施設長等による親権の代行と監護措置 |
| 判断するのは誰か | 家庭裁判所(所長は請求者) | 児童相談所長(2025年施行の改正で一時保護状による司法審査を導入) 施設長等(法律上当然に権限が生じる) |
| 親権への影響 | 親権そのもの、または財産管理権を喪失・停止させる | 親権は残ったまま、子を一時的に親から離す 親権者がいない子は施設長が親権を行い、いる子も監護上必要な措置は親が不当に妨げられない |
| 期間 | 停止は2年以内、喪失は取消しまで継続 | 原則2か月以内(延長可) 入所中・委託中に限る |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾でも主管機関(地方政府)が法院に親権停止の宣告を請求でき、行政が請求し司法が判断するという構造は日本と共通している
韓国では市・道知事、市長・郡守・区庁長、検事が親権喪失や一時停止を請求できる。2014年の民法改正で一時停止が導入された
ドイツでは少年局(Jugendamt)が家庭裁判所の関与を求め、裁判所は職権で子の福祉を守る措置を命じる。申立主義ではなく職権主義である点が日本と異なる
米国では州の児童福祉機関が親権終了(TPR)の申立てを行い、連邦法は一定期間の里親委託が続いた場合に申立てを原則として義務付けている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 隣の部屋から深夜に子どもの泣き声と大人の怒鳴り声が続く。あなたが189(いちはやく)に通告したあと、児童相談所が一時保護をした。だが親が「返せ」と言い張って引き取りに来る。ここで児童相談所長が親権停止の審判を家庭裁判所に請求できることを知っているかどうかで、あなたが「通告しても無駄」と思うか「その先がある」と思うかが変わる
- 重い病気の子に親が宗教上の理由で輸血を拒否している。医師は手術できない。この場面こそ親権停止(民法834条の2)の典型で、児童相談所長の請求と家庭裁判所の審判前の保全処分(家事事件手続法174条2項)で、数日単位で親権者の職務執行を止め、職務代行者を選任できる。あと48時間で手遅れという状況で動く制度がある
- あなたが親の側だったとしたら? 児童相談所長から親権停止の申立てをされたと知らされる。審判手続では親も当事者であり、陳述の機会がある(家事事件手続法169条)。弁護士をつけて争える。「行政に一方的に取られる」ものではない
- 祖父母が孫の虐待に気付いたが、実子である親と対立したくない。親族が請求権者であっても、家族関係を壊す覚悟が要るため動けない。そのとき、児童相談所を通じて長の請求というルートがあることを知っていれば、告発者は家族の外に移せる
- 施設に入所中の子の預金や保険金を親が勝手に使い込んでいる。これは身上監護ではなく財産管理の問題で、管理権喪失(民法835条)の審判を児童相談所長が請求できる。親権全体を奪わずに財布だけ取り上げる、という中間的な手が存在する
取るべき行動
被害を受けた側:1. 子本人または周囲の大人は、189または最寄りの児童相談所に通告し、親権行使の異常(治療拒否、預金の流用、就学妨害)を日時付きで具体的に伝える2. 子自身も民法834条以下の請求権者であり、家庭裁判所に直接申立てが可能。未成年でも申立能力は認められる3. 緊急性があるなら、審判前の保全処分(家事事件手続法174条2項)を求める旨を明示する4. 親族が動けない事情があるなら、それ自体を児童相談所に伝える。本条は正にその場面のために置かれている
訴えられた側:1. 親権停止・喪失の審判は親も当事者であり、陳述の機会が保障されている(家事事件手続法169条)。無視せず必ず対応する2. 子ども分野に強い弁護士に依頼する。家事事件は代理人の経験差が結果に出やすい3. 親権停止は期限付き(2年以内)であり、原因が消滅すれば取消しの請求ができる(民法836条)。争うだけでなく、改善計画を示して期間短縮を狙う戦略もある4. 児童相談所との対立姿勢だけを続けると、再統合の評価に響く。記録に残る言動を意識する
時効(請求できる期限):本条自体に請求期限の定めはない。ただし請求できるのは対象者が児童(18歳未満、児童福祉法4条)である間に限られ、子が18歳に達すれば親権自体が消滅するため請求の意味を失う。親権停止は2年を超えない範囲で家庭裁判所が期間を定める(民法834条の2第2項)。緊急時は審判確定を待たず保全処分が可能(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:本条は、家庭という閉じた空間での親権濫用に対して、専門の行政機関に審判の請求権を与えて実効性を確保しつつ、親権を制限するかどうかの判断は家庭裁判所に残す二重構造を採ったものと理解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成23年(2011年) 改正:民法等の一部を改正する法律により民法に親権停止制度(834条の2)が新設され、児童相談所長の請求対象に親権停止の審判とその取消しが加わった(2012年4月施行)。
- 児童福祉法 第33条一時保護、本条の前段階の行政措置
- 児童福祉法 第33条の2一時保護中の児童相談所長の監護権限
- 児童福祉法 第47条施設長等の親権代行と監護措置の限界
- 児童福祉法 第4条児童の定義、本条の適用対象範囲
- 民法 第834条親権喪失の審判、本条が請求権者を拡張する対象
- 民法 第834条の2親権停止の審判、2年以内の期限付き類型
- 民法 第836条原因消滅時の審判取消請求
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