児童福祉法 第29条
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都道府県知事は、前条の規定による措置をとるため、必要があると認めるときは、児童委員又は児童の福祉に関する事務に従事する職員をして、児童の住所若しくは居所又は児童の従業する場所に立ち入り、必要な調査又は質問をさせることができる。この場合においては、その身分を証明する証票を携帯させ、関係者の請求があつたときは、これを提示させなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 児童福祉法第29条は、日本の児童福祉法に含まれる条文です。
- 児童福祉法第29条の条文原文は「都道府県知事は、前条の規定による措置をとるため、必要があると認めるときは、児童委員又は児童の福祉に関する事務に従事する職員をして、児童の住所若しくは居所又は児童…」で始まります。
- 児童福祉法第29条は第六節 要保護児童の保護措置等に置かれています。
- 児童福祉法の公布日は昭和22年12月12日です。
- 児童福祉法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 児童福祉法第29条の前の条は児童福祉法第28条です。
- 児童福祉法第29条の次の条は児童福祉法第30条です。
- 児童福祉法第29条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第29条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000164 - 本サイト収録
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第29条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000164/29
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点児童福祉法29条は、28条の措置のため都道府県知事が職員等に児童の住所・居所・従業場所への立入調査をさせる権限を定める。職員は請求があれば証票を提示する義務を負う。
Q · 児童相談所の立入調査は断れるの?
実力で入る権限はないが、正当な理由なく拒むと罰則の対象
児童福祉法29条の立入調査は、裁判官の許可状を必要としない代わりに、鍵を開けるなどの実力行使はできません。ただし正当な理由なく拒否・妨害すると同法61条の5の罰則(50万円以下の罰金)の対象となり、拒否の事実は児童虐待防止法9条の3の臨検・捜索へ進む判断材料にもなります。まず証票の提示を求めて所属・氏名を記録し、日時の調整や弁護士の同席を申し出るのが現実的な対応です。
解説
役所の職員が、あなたの家の玄関に立ち、「お子さんの様子を確認させてください」と言う日が来るかもしれない。近隣からの通告一本でも起こりうる。児童福祉法29条は、都道府県知事が28条の措置(親の同意がなくても家庭裁判所の承認を得て子を施設等に入所させる手続)をとる必要があるかを判断するため、児童委員または児童福祉に関する事務に従事する職員に、子の住所・居所、さらには子が働いている場所まで立ち入り、調査・質問をさせる権限を定めている。ここであなたが握っておくべき事実が二つある。第一に、職員は身分証明の証票を携帯する義務があり、あなたが「見せてください」と請求すれば、提示させなければならない。これは努力目標ではなく、条文上の義務だ。第二に、この29条の立入りは、児童虐待防止法9条の3の臨検・捜索(裁判官の許可状を得て鍵を壊してでも入る強制手続)とは別物である。29条には罰則を背景とした間接強制はあっても、扉をこじ開ける権限はない。この二つの違いを知らないまま玄関先で対応すると、拒めるものを拒めず、拒めないものを拒んで事態を悪化させる。
法的な位置づけ
児童福祉法29条の立入調査とは、都道府県知事が28条の施設入所等措置の要否を判断するため、児童委員または児童福祉事務に従事する職員に、児童の住所・居所・従業場所へ立ち入らせ、必要な調査・質問を行わせる行政調査である。許可状を要しない代わりに実力による強制はできず、拒否には61条の5の罰則が予定される間接強制型の調査と位置づけられる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.玄関で証票の提示を求める 職員が来たら、まず身分を証明する証票の提示を求める。29条後段により、関係者の請求があれば提示は義務となる。所属・氏名・番号・訪問の根拠条文を書き取る
- 2.全面拒否を避け、対応方針を伝える その場で追い返すのではなく、応じる姿勢を示したうえで、必要であれば日時の変更や弁護士の同席を申し出る。正当な理由のない拒否は61条の5の罰則と、臨検・捜索への移行理由になりうる
- 3.答えられない質問は保留する 記憶が曖昧な点は断定せず「確認してから回答します」と伝える。虚偽の答弁も罰則の対象となるため、事実と推測を分けて話す
- 4.養育状況の資料を時系列で整理する 通院記録、母子健康手帳、学校の連絡帳、日常の写真などを日付順に並べ、次の面談や家庭裁判所の手続で示せるように準備する
- 5.早めに弁護士へ相談する 一時保護や28条の承認申立てに進む可能性があれば、子どもの事件を扱う弁護士に相談する。弁護士会の子どもの権利相談窓口や法テラスも利用できる
よくある質問 AI による整理
Q1児童福祉法29条の立入調査とは?
都道府県知事が、子を施設に入所させる等の措置(28条)が必要かを判断するため、職員等に子の家や職場へ立ち入って調査・質問させる制度です。
Q2児相の立入調査を拒否したら罰金はいくら?
正当な理由なく拒否・妨害・虚偽答弁をすると、児童福祉法61条の5により50万円以下の罰金の対象となります。最新の条文も確認してください。
Q3立入調査は事前に連絡が来ますか?
29条には事前通知の義務は定められていません。実務上も、状況によっては予告なく訪問することがあります。
Q4子どものアルバイト先にも立入調査は来ますか?
来る可能性があります。29条は「児童の従業する場所」を立入先に明記しており、家庭以外の職場も調査対象です。
Q5立入調査に弁護士を同席させられますか?
法律上の同席権の定めはありませんが、日時を改めて同席を求めることは可能です。拒否ではなく調整として伝えるのが要点です。
Q6立入調査のやり取りを録音してもいい?
自分が当事者の会話を記録すること自体は一般に違法ではありません。職員が拒むこともあるため、筆記のメモも併用すると確実です。
Q7立入調査のあと、どうなりますか?
調査結果をもとに、在宅での支援継続、33条の一時保護、28条による家庭裁判所の承認申立てなどに分かれます。
Q8近所の通告だけで立入調査されるのは違法?
違法ではありません。25条の通告は調査のきっかけになり、知事が必要と認めれば29条の調査を行えます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1児相の人が来たとき、家に入れないとダメなんですか?
29条の立入調査は、鍵を壊して入るような強制処分ではないため、物理的に開けさせる権限はない。ただし正当な理由なく拒否・妨害すると児童福祉法61条の5で過料の対象となる(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:現場で本当に効くのは拒否か協力かの二択ではなく、第三の選択肢。「対応はしますが、日時を改めて弁護士に同席してもらいたい」と伝えると、拒否としては扱われにくく、準備の時間も確保できる。この言い回しを知っているかどうかで、その後の展開が変わる
Q2職員だと名乗ってるけど、本当に役所の人か確かめる方法はありますか?
ある。29条後段は、職員に身分を証明する証票を携帯させ、関係者の請求があったときは提示させなければならないと定めている。請求は「関係者」であればできるので、同居家族でも求められる。実務のポイント:証票を提示されたら、所属部署・氏名・番号をその場でメモするか、口頭で読み上げて復唱する。撮影は断られることもあるが、書き取ることまでは止められない。この記録が、後日「言った・言わない」になったときに効いてくる
Q3立入調査と、ニュースで見る『鍵を壊して入る』やつは同じものですか?
別の制度である。鍵を開けてでも入るのは、児童虐待の防止等に関する法律9条の3の臨検・捜索で、裁判官の許可状が必要となる。29条の立入調査は許可状を必要としない代わりに、物理的な実力行使はできない。実務のポイント:臨検・捜索の許可状を裁判官が出すかどうかの重要な判断材料が、それ以前に29条の立入調査を拒否した事実である。玄関先での一回の拒否が、次の段階の扉を開ける鍵になっている
Q4調査に協力したら、子どもを連れて行かれないで済みますか?
保証はない。29条の調査と、児童福祉法33条の一時保護は別の権限で、調査の結果として保護に進むこともある。逆に、協力して養育状況を正確に示せたことで措置が不要と判断される例もある。実務のポイント:協力を「取引」と考えると裏切られた感覚になり、その後の関係が壊れる。協力の本当の価値は、あなたの側の事実を記録に残せる点にある。記録されていない主張は、家庭裁判所の段階で存在しなかったのと同じ扱いになる
間違えやすい点 AI による整理
- 「役所が来たら拒めない」と思い込んでいる人が多いが、問いの立て方が違う。29条の立入調査は、鍵を壊して入る強制処分ではない。物理的に扉を開けさせる力はない。だが正当な理由なく拒めば61条の5で50万円以下の過料(最新の改正状況をご確認ください)の対象になりうるうえ、拒否の事実が次の臨検・捜索(児童虐待の防止等に関する法律9条の3)の必要性を基礎づける。「拒めるか」ではなく「拒んだ後に何が起きるか」が本当の問いである
- 立入調査は虐待事案だけのものだと理解されているが、条文はそう限定していない。29条は「前条の規定による措置をとるため」、つまり28条の施設入所等措置の要否を判断するための調査である。保護者の疾病、長期の養育放棄、養育環境の急変など、虐待という言葉では括りにくい事案も射程に入る
- 証票の提示義務は知っていても、その深刻度が理解されていない。条文は「関係者の請求があつたときは、これを提示させなければならない」と定める。請求がなければ提示されないこともある。つまり、あなたが声に出して求めない限り、誰が来たのかの記録は残らない。後日「あの職員はこう言った」と主張しても、相手を特定できなければ争いようがない
- 調査に協力すれば子どもを連れて行かれないと考える人がいるが、29条の調査と、児童福祉法33条の一時保護は別の権限である。調査の結果として一時保護に進むこともあれば、調査に全面協力しても保護されることもある。協力は取引材料ではなく、事実を正確に残す機会だと捉えるほうが現実に即している
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 目的 | 29条:28条の施設入所等措置の要否判断のための調査 | 33条:子の安全確保のための一時保護 児童虐待防止法9条の3:虐待疑い事案での臨検・捜索 |
| 裁判所の関与 | 不要(知事の判断で実施) | 開始は行政判断、親権者の同意がない場合は司法審査の仕組みあり 裁判官の許可状が必要 |
| 強制の程度 | 実力行使なし、拒否には罰則(間接強制) | 子の身柄を保護する直接の措置 解錠等の実力行使が可能 |
他国ではどう定めているか 4 か国
主管機関は必要に応じて訪視・調査・処遇を行え、保護者等は規避・妨害・拒絶できない。拒否には行政罰(罰鍰)が予定され、日本の罰金(刑事罰)とは性質が異なる
虐待通報を受けた警察と児童保護専門機関が現場に出動し、立入調査できる。警察が同行する点で日本より強制色が強い設計
少年局は児童の福祉が危ぶまれる場合に危険性評価を行い、必要に応じて家庭訪問で直接確認する。立入りを強制する必要があれば家庭裁判所の判断を経る
州ごとの CPS が調査を担う。住居への立入りには原則として同意または令状が必要とされ、修正第4条との関係が争点になりやすい
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 夫婦喧嘩の声が続いた翌週、児童相談所の職員が二人、予告なく玄関に来る。あなたは動揺して立ち話のまま質問に答え続けてしまう。ここで最初にすべきは、証票の提示を求め、所属・氏名・訪問の根拠条文を控えること。記録を取る側に回った瞬間、その場の力関係は変わる
- もし、あなたが子どもをアルバイトに出していて、そのバイト先に職員が来て事情を聞いたとしたら? 29条の「児童の従業する場所」には、まさにその職場が含まれる。家庭だけが調査対象ではない
- あなたが飲食店の店長で、16歳のアルバイトがいる。ある日、児童委員が来て本人と話をさせてほしいと言う。断るべきか、通すべきか。雇用主として何が求められているのかを、その場で判断する必要がある
- 離婚係争中、相手方が児童相談所に通告した。あと数日で調査が入る。あなたが今夜からできるのは、通院記録・学校の連絡帳・生活の様子を示す写真を時系列で整理しておくこと。調査は「疑いを晴らす場」でもある
- 友人から深夜に電話が来る。「児相が来たけど、追い返しちゃった。まずかったかな」。あなたは、29条の立入調査を正当な理由なく拒むと61条の5で過料の対象になりうること、そして拒否した事実そのものが次の段階(臨検・捜索)の判断材料になることを、三分で説明できる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 子の安全に関わる事情を知っている立場なら、まず市町村または児童相談所(児童相談所虐待対応ダイヤル189)へ通告する。通告者の情報は原則として保護される2. 通告時は、いつ・どこで・何を見聞きしたかを具体的に伝える。推測と事実を分けて話すと、調査の精度が上がる3. 子ども本人が相談する場合、学校のスクールソーシャルワーカーや児童委員も窓口になる4. 調査が入った後も、状況が変わったら追加で情報を入れる。一度の通告で終わりではなく、経過の記録が28条の判断材料になる
訴えられた側:1. 玄関で証票の提示を求め、所属・氏名・訪問の根拠を記録する2. その場での全面拒否は避ける。正当な理由のない拒否は過料の対象となり、臨検・捜索へ進む理由にもなる3. 答えられない質問には「確認してから回答します」と保留する。記憶が曖昧なまま断定的に答えると、後で矛盾として扱われる4. 通院記録、学校の連絡帳、日々の生活を示す写真など、養育状況を裏付ける資料を時系列で整理する5. 28条の家庭裁判所の承認手続に進む可能性があるなら、子どもの事件を扱う弁護士に早めに相談する。手続が始まってからでは準備期間が足りない
時効(請求できる期限):29条の立入調査自体に期限の定めはない。ただし調査の先にある一時保護は、親権者の同意がない場合、開始から一定期間内に家庭裁判所の状審査を受ける仕組みが導入されている(令和4年改正、令和6年4月施行。最新の改正状況をご確認ください)。28条の施設入所等措置の承認審判は期間を定めて行われ、更新には改めて家庭裁判所の承認が必要となる。なお本条に基づく行政処分に不服がある場合、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)
学説
行政法の通説(行政調査論):29条の立入調査は、相手方の協力を前提としつつ罰則で履行を担保する間接強制型の行政調査と整理される。実力による立入りはできず、より強い手段は児童虐待防止法の許可状による臨検・捜索に委ねられるという役割分担が通説的理解である。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:児童福祉法制定時に、措置の要否判断のための立入調査権限と証票提示義務を規定
- 児童福祉法 第28条本条の調査目的である施設入所等措置
- 児童福祉法 第33条一時保護、調査後の緊急措置
- 児童福祉法 第25条要保護児童の通告義務、調査の端緒
- 児童福祉法 第61条の5立入調査の拒否・妨害に対する過料
- 児童福祉法 第27条都道府県がとる措置の種類の列挙
- 児童虐待の防止等に関する法律 第9条虐待事案における立入調査の特則
- 児童虐待の防止等に関する法律 第9条の3許可状による臨検・捜索、強制度の上位手段
- 行政手続法 第3条行政調査への手続規律の適用範囲
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