児童福祉法 第18条の17
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指定試験機関が行う試験事務に係る処分又はその不作為について不服がある者は、都道府県知事に対し、審査請求をすることができる。この場合において、都道府県知事は、行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第二十五条第二項及び第三項、第四十六条第一項及び第二項、第四十七条並びに第四十九条第三項の規定の適用については、指定試験機関の上級行政庁とみなす。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 児童福祉法第18条の17は、日本の児童福祉法に含まれる条文です。
- 児童福祉法第18条の17の条文原文は「指定試験機関が行う試験事務に係る処分又はその不作為について不服がある者は、都道府県知事に対し、審査請求をすることができる。」で始まります。
- 児童福祉法第18条の17は第一款 保育士に置かれています。
- 児童福祉法の公布日は昭和22年12月12日です。
- 児童福祉法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 児童福祉法第18条の17の前の条は児童福祉法第18条の16です。
- 児童福祉法第18条の17の次の条は児童福祉法第18条の18です。
- 児童福祉法第18条の17には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第18条の17 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000164 - 本サイト収録
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第18条の17(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000164/18_17
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点児童福祉法18条の17は、保育士試験の指定試験機関が行った試験事務の処分や不作為に不服がある者が、都道府県知事に審査請求できると定める。
Q · 保育士試験の実施団体の処分に納得できないとき、どこに不服を申し立てればいい?
都道府県知事に審査請求できる。期限は原則3か月
児童福祉法18条の17により、指定試験機関が行う試験事務に係る処分や不作為に不服がある者は、都道府県知事に審査請求できます。知事は執行停止や取消裁決等に関する規定の適用上、指定試験機関の上級行政庁とみなされるため、処分の取消しや処分をすべき旨の命令が可能です。処分についての審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内が原則です(行政不服審査法18条1項)。
解説
保育士試験の願書を受け取り、採点し、合否を通知しているのは、ほとんどの都道府県で県庁ではない。一般社団法人全国保育士養成協議会という民間団体である。民間団体の判断は、原則として行政不服審査法の土俵に乗らない。あの法律が相手にしているのは「行政庁の処分」だからだ。そこで行き止まりになるはずの道を、児童福祉法18条の17が制度としてこじ開けている。指定試験機関の試験事務に係る処分、そして不作為(申請したのに何か月も何の処分もされない状態)について、あなたは都道府県知事に審査請求できる。しかも知事は、執行停止や取消裁決に関する規定の適用について「指定試験機関の上級行政庁とみなす」とされる。つまり知事は、民間団体の処分を自ら取り消し、あるいは処分をすべき旨を命じる権限を、この条文から借りている。不正行為を疑われて受験を止められた、受験資格を認めてもらえない。そのときあなたが向かうべき窓口は、試験団体ではなく県庁だ。
法的な位置づけ
児童福祉法18条の17は、保育士試験の試験事務を担う指定試験機関の処分または不作為に対する不服申立ての規定である。不服がある者は都道府県知事に審査請求をすることができ、知事は行政不服審査法所定の執行停止・裁決に関する規定の適用について、指定試験機関の上級行政庁とみなされる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.通知の受領日を記録する 指定試験機関からの通知書を受け取った日を記録し、封筒も保管する。処分についての審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内が原則となるため、締切を手帳やカレンダーに書き込む
- 2.処分か不作為かを切り分ける 受験停止・受験資格否認・合否判定などの具体的な決定があれば処分、申請や照会に相当期間応答がなければ不作為として整理する。不作為には期間制限がない
- 3.処分理由を書面で確認する 指定試験機関に対し、処分の理由と根拠となる試験事務規程の条項を書面で示すよう求める。口頭のやりとりは記録に残らず、審理の場で力を持ちにくい
- 4.都道府県知事宛てに審査請求書を提出する 審査請求書に処分の内容、処分を知った年月日、審査請求の趣旨と理由などを記載し、都道府県知事宛てに提出する。次回試験に間に合わせたい場合は執行停止の申立ても同時に行う
- 5.裁決を受けて次の手段を検討する 裁決に不服がある場合は、取消訴訟の提起を検討する。出訴期間があるため、裁決書の受領日も同様に記録しておく
よくある質問 AI による整理
Q1指定試験機関とは何ですか?
都道府県知事の指定を受け、保育士試験の実施に関する事務を代わりに行う法人です。児童福祉法18条の9が指定の根拠となっています。
Q2保育士試験の審査請求はいつまでにすればいい?
処分があったことを知った日の翌日から3か月以内、かつ処分の日の翌日から1年以内が原則です(行政不服審査法18条)。
Q3保育士試験の受験資格を認められなかったら争える?
受験資格の否認は試験事務に係る処分にあたり、児童福祉法18条の17に基づき都道府県知事に審査請求して争うことができます。
Q4保育士試験で不正行為と判断されたら違法?
不正行為の認定そのものが直ちに違法とはいえませんが、事実認定や手続に誤りがあれば審査請求で取消しを求める余地があります。
Q5審査請求書は誰宛てに出す?
指定試験機関の試験事務に関する処分であれば、試験団体宛てではなく都道府県知事宛てに提出します。
Q6審査請求に費用はかかる?
行政不服審査法上、審査請求の手数料は原則かかりません。ただし弁護士に依頼する場合はその報酬が別途発生します。
Q7審査請求をせずにいきなり裁判できる?
行政事件訴訟法8条の自由選択主義により、個別法に特別の定めがなければ審査請求を経ずに取消訴訟を提起することも可能です。
Q8申請の返事が来ないまま放置されたらどうする?
法令に基づく申請から相当の期間が経っても応答がなければ、不作為として都道府県知事に審査請求できます。期間制限はありません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1点数が納得いかないんですけど、それで審査請求って本当に通るものなんですか?
合否判定も試験事務に係る処分なので、形式上は18条の17で審査請求の対象になります。ただし採点や合否の当否は専門的な裁量が広く、裁決で覆るのは稀です。現実に効きやすいのは受験資格の否認、受験停止、答案の取扱いといった手続面の瑕疵です。実務のポイント:審査請求を出すと、処分庁側は弁明書で理由を述べざるを得なくなる(行政不服審査法29条)。勝敗の前に、外からは絶対に見えない判断理由が文書で出てくること自体が実利になる
Q2知事に出しても、実際に試験をやったのは別団体でしょ。ちゃんと効くんですか?
効きます。この場面の知事は、行政不服審査法25条2項・3項、46条1項・2項、47条、49条3項の適用について指定試験機関の上級行政庁とみなされるため、処分を自ら取り消すことも、処分をすべき旨を命じることもできます。実務のポイント:裏返せば、みなし規定が及ぶのは条文が列挙したその範囲だけ。それ以外の場面で知事を動かしたいなら、児童福祉法上の別の監督規定を根拠にする必要がある。ここを混同すると、求める救済と持ち出す根拠がずれる
間違えやすい点 AI による整理
- 「民間団体とやり合うなら民事裁判しかない」という問いの立て方そのものが外れている。指定試験機関の試験事務は都道府県から委ねられた公の仕事であり、争う土俵は民事ではなく行政上の不服申立てと行政訴訟の側にある。最初に選ぶ土俵を間違えると、書類の形式から組み直しになる
- 審査請求ができること自体は知っていても、期限の短さを甘く見ている人が多い。処分があったことを知った日の翌日から3か月(行政不服審査法18条1項)。納得できない通知を引き出しにしまい、気持ちを切り替えて次回試験の勉強を始めた時点で、多くの人がこの3か月を静かに使い切っている
- 「知事に言ったところで、実際に試験を回しているのは別団体なのだから何もできない」と思われがちだが、法律上の力関係はむしろ逆向きである。本条が列挙する規定の適用について、知事は指定試験機関の上級行政庁とみなされ、処分の取消しや、処分をすべき旨を命じる立場に置かれる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する内容 | 児童福祉法18条の17:指定試験機関の試験事務に係る処分・不作為への審査請求 | 児童福祉法18条の8:保育士試験の実施(都道府県知事が行う) 児童福祉法18条の9:指定試験機関への試験事務の委託 |
| 受験者が向き合う相手 | 不服申立先は都道府県知事(上級行政庁とみなされる) | 知事が直接実施する場合、処分をするのは知事自身 指定がされると、試験事務の実施主体は指定試験機関となる |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では公権力の行使を委託された団体の処分について、原委託機関に訴願を提起する旨が一般規定として置かれており、日本のように個別法ごとに定める方式とは異なる
韓国では権限の委託を受けた私人も行政庁に含まれると定義され、一般法の枠内で行政審判の対象となる
ドイツでは公権力を委ねられた私人(Beliehene)の行政行為も異議手続(Widerspruch)の対象となりうる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 試験会場でスマートウォッチを身につけていたとして不正行為を認定され、その回の受験が全科目無効になったら、どこに文句を言えばいい? 相手は民間団体で、消費者センターの領分でもない。答えは都道府県知事への審査請求であり、処分を知った日の翌日から3か月という期限がその瞬間から走り出している
- 受験資格に該当するかを照会して二か月、指定試験機関からは何の返事も来ない。この沈黙そのものが「不作為」として審査請求の対象になる。返事を待ち続ける義務はない。
- あなたが指定試験機関の職員側だったとする。受験者から知事に審査請求が出れば、審理の場で弁明書の提出を求められ、処分の理由を書面で説明する立場に立たされる。民間団体だから行政の手続とは無関係、という言い分はこの条文の前では通らない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 通知書の受領日を確定する。ここから3か月が審査請求期間(行政不服審査法18条1項)。2. 処分か不作為かを切り分ける。申請したのに音沙汰がない状態なら不作為の審査請求で、こちらに期間の定めはない。3. 都道府県知事宛てに審査請求書を作り、処分の内容、不服の理由、求める結果を書く。4. 次回試験に間に合わせたいなら執行停止の申立てを同時に出す。5. 裁決に納得できなければ取消訴訟へ進める道が別に残っている
訴えられた側:指定試験機関の側なら、処分を出す前に理由を書面で明示し、根拠となる試験事務規程の条項まで特定しておく。審査請求が出た後に弁明書で理由を組み立て始めるのでは間に合わない。知事は上級行政庁とみなされ、処分の取消しや処分をすべき旨の命令まで出せる立場にあるため、裁決は単なる勧告ではなく実効的に効く。採点基準、試験監督報告書、受験資格審査の記録を残す体制を先に作ること
時効(請求できる期限):処分についての審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内、かつ処分があった日の翌日から起算して1年以内(行政不服審査法18条1項・2項、正当な理由があるときを除く)。不作為についての審査請求には期間の定めがなく、法令に基づく申請から相当の期間が経過した後、不作為が続く限りいつでも可能(同法3条)
学説
一般的理解:指定試験機関は法律に基づき公の事務を委ねられた主体であり、その試験事務に係る決定は行政処分として扱われる。本条は、上級行政庁を欠く民間法人の処分について、監督庁である知事を審査庁とする救済経路を明文化したものと理解される
改正沿革 AI による整理
- 平成13年(2001年)児童福祉法改正 保育士を国家資格化する改正に伴い、指定試験機関制度と、その試験事務に係る処分に対する不服申立ての規定が新設された(施行は平成15年(2003年)11月)
- 平成26年(2014年)行政不服審査法全部改正に伴う整備(平成28年(2016年)4月1日施行) 異議申立てと審査請求の二元構造が審査請求に一元化されたことを受け、本条の文言が現行の形に改められ、知事を上級行政庁とみなす対象条文が新法の25条2項・3項、46条1項・2項、47条、49条3項として特定された
改正の年表
- 1.平成13年(2001年) 新設:保育士の国家資格化に伴う児童福祉法改正で、指定試験機関制度とその試験事務に係る処分に対する不服申立て規定が設けられた(施行は平成15年(2003年))
- 2.平成26年(2014年) 改正:行政不服審査法の全部改正に伴う整備で、知事を上級行政庁とみなす対象条文が新法の25条2項・3項、46条1項・2項、47条、49条3項に改められた(施行は平成28年(2016年)4月1日)
- 児童福祉法 第18条の9指定試験機関の指定、本条の対象機関の根拠(現行効力を要確認)
- 児童福祉法 第18条の8保育士試験の実施主体と試験事務の範囲(現行効力を要確認)
- 児童福祉法 第18条の6試験合格が保育士資格の要件、処分の重み
- 児童福祉法 第18条の19保育士登録の取消し、別系統の不服対象(現行効力を要確認)
- 行政不服審査法 第18条審査請求期間3か月・1年の制限
- 行政不服審査法 第25条上級行政庁である審査庁の執行停止権限
- 行政事件訴訟法 第8条取消訴訟と審査請求の自由選択主義
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