児童福祉法 第18条の9
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- 都道府県知事は、内閣府令で定めるところにより、一般社団法人又は一般財団法人であつて、保育士試験の実施に関する事務(以下「試験事務」という。)を適正かつ確実に実施することができると認められるものとして当該都道府県知事が指定する者(以下「指定試験機関」という。)に、試験事務の全部又は一部を行わせることができる。
- 2.都道府県知事は、前項の規定により指定試験機関に試験事務の全部又は一部を行わせることとしたときは、当該試験事務の全部又は一部を行わないものとする。
- 3.都道府県は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百二十七条の規定に基づき保育士試験に係る手数料を徴収する場合においては、第一項の規定により指定試験機関が行う保育士試験を受けようとする者に、条例で定めるところにより、当該手数料の全部又は一部を当該指定試験機関へ納めさせ、その収入とすることができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 児童福祉法第18条の9は、日本の児童福祉法に含まれる条文です。
- 児童福祉法第18条の9の条文原文は「都道府県知事は、内閣府令で定めるところにより、一般社団法人又は一般財団法人であつて、保育士試験の実施に関する事務(以下「試験事務」という。」で始まります。
- 児童福祉法第18条の9は第一款 保育士に置かれています。
- 児童福祉法の公布日は昭和22年12月12日です。
- 児童福祉法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 児童福祉法第18条の9の前の条は児童福祉法第18条の8です。
- 児童福祉法第18条の9の次の条は児童福祉法第18条の10です。
- 児童福祉法第18条の9には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第18条の9 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000164 - 本サイト収録
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第18条の9(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000164/18_9
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点児童福祉法18条の9は、都道府県知事が指定試験機関に保育士試験の事務を行わせることを認める規定。委託した範囲は都道府県が行わず、手数料は条例で機関の収入にできる。
Q · 保育士試験は都道府県の試験なのに、なぜ民間の法人が運営しているの?
知事が指定した法人に事務を任せる仕組みがあるため
児童福祉法18条の9第1項により、都道府県知事は一般社団法人又は一般財団法人を指定試験機関に指定し、保育士試験の事務の全部又は一部を行わせることができます。2項により、委託した範囲の事務を都道府県は行いません。3項により、受験手数料は条例の定めに従って指定試験機関に直接納めさせ、その収入とすることができます。ただし、指定の権限と監督の権限は知事に残ります。
解説
保育士試験の受験票に「一般社団法人全国保育士養成協議会」と書かれているのを見て、なぜ都道府県の試験なのに民間団体の名前が出てくるのかと疑問を持ったことはないだろうか。答えがこの条文にある。児童福祉法18条の9は、都道府県知事が一般社団法人または一般財団法人を「指定試験機関」として指定し、保育士試験の事務を丸ごと委ねることを認めている。そして2項が決定的だ。委託した範囲について、都道府県は「行わないものとする」。つまり受験申込も、採点も、合否判定の事務も、都道府県の窓口は扱わない。あなたが試験の取扱いに不満を持って県庁に電話しても、担当者は指定試験機関の連絡先を案内するだけである。さらに3項により、あなたが払った受験手数料は県の金庫ではなく、指定試験機関の収入になる。誰が意思決定し、誰にお金が入り、誰に文句を言えばいいのか。その三本の線が、この一条で引き直されている。
法的な位置づけ
児童福祉法18条の9は、保育士試験の事務の委託を定める規定である。都道府県知事は、試験事務を適正かつ確実に実施できると認められる一般社団法人又は一般財団法人を指定試験機関に指定し、事務の全部又は一部を行わせることができる。委託した範囲について都道府県は事務を行わず、手数料は条例により指定試験機関の収入とすることができる。
よくある質問 AI による整理
Q1指定試験機関とは何ですか?
国家資格の試験事務を行政に代わって行うため、法律に基づき行政庁が指定した法人です。保育士試験では児童福祉法18条の9に基づき、都道府県知事が指定します。
Q2保育士試験の受験料はどこに払う?
指定試験機関が試験事務を担う場合、条例の定めにより受験手数料は指定試験機関へ直接納めることになります(児童福祉法18条の9第3項)。都道府県の窓口には払いません。
Q3保育士試験の問い合わせ先は県庁?
指定試験機関に委託されている範囲は、都道府県が事務を行いません(同条2項)。申込や受験資格の個別の問い合わせは、まず指定試験機関にするのが基本です。
Q4保育士は国家資格?民間資格?
国家資格です。児童福祉法に根拠がある資格で、試験事務を民間の法人が担っていても資格の法的性質は変わりません。指定試験機関は公の事務を代わりに行っています。
Q5指定試験機関は誰が指定する?
保育士試験では都道府県知事が指定します。対象は一般社団法人又は一般財団法人で、試験事務を適正かつ確実に行えると認められる者に限られます。手続は内閣府令で定められています。
Q6保育士試験の受験料は返金できる?
返金できるかどうかは、手数料を定める都道府県の条例と指定試験機関の受験案内で決まります。都道府県の会計規則ではなく、そちらの規定を最初に確認してください。
Q7保育士試験の事務は全部委託できる?
できます。児童福祉法18条の9第1項は、試験事務の「全部又は一部」を指定試験機関に行わせることができると定めており、委託の範囲は知事が決めます。
Q8指定試験機関の対応が不当なときは?
指定試験機関へ書面で照会するのと並行して、指定した都道府県知事にも事実経過を届け出るのが有効です。知事には指定試験機関を監督する権限が残っています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保育士試験って、結局どこがやっているんですか?
法律上の実施主体は都道府県知事ですが、18条の9第1項により一般社団法人等を指定試験機関に指定して事務を行わせることができ、2項により委託した範囲を都道府県は行いません。実務では全国的に同一の指定試験機関が担っています。実務のポイント:受験案内の末尾にある実施団体名と根拠条文の表記を見れば、その試験が委託型かどうかが一目で分かる。問い合わせ先を最初に選び間違えないための、最も早い確認方法である
Q2指定試験機関の判断に納得できないとき、裁判で争えますか?
争い方は、その判断が行政庁の処分にあたるかどうかで変わります。指定試験機関が行う試験事務について、処分として扱われる範囲は法令の建て付けによるため、実務上、解釈が分かれる領域です。実務のポイント:まず判断を示した書面に教示欄(不服申立てができる旨と期間の記載)があるかを見る。教示があれば処分として扱われている強い手がかりで、なければその点自体を照会するところから始める
間違えやすい点 AI による整理
- 「民間団体が試験をやっているのだから、実質は民間資格に近いのでは」という見方は前提から誤っている。保育士は児童福祉法に基づく国家資格であり、指定試験機関は知事の指定を受けて公の事務を代行しているにすぎない。資格の法的性質は、誰が事務を運営するかでは全く変わらない
- 「都道府県が委託しているのだから、県に言えば動いてくれる」と考える受験者は多いが、2項が「行わないものとする」と定めている以上、県は個別の試験事務に手を出せない。県にできるのは指定試験機関の監督であって、個別案件の処理ではない。この違いを知らないまま県に電話し続けると、時間だけが溶ける
- 受験手数料は県の収入だと思われがちだが、3項が条例の定めにより指定試験機関の収入とすることを認めている。あなたが振り込んだ金は行政の会計を経由しない。返還や領収の扱いを県の会計ルールで判断しようとすると、そもそも見る規範を間違えている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 児童福祉法18条の9:試験事務を指定試験機関に委託する仕組み | 児童福祉法18条の8:保育士試験の実施主体と試験委員 児童福祉法18条の6:保育士となる資格の取得ルート |
| 実際に事務を担う者 | 知事が指定した一般社団法人又は一般財団法人(委託した範囲) | 都道府県知事(試験委員を置いて実施) (事務の担い手ではなく、資格要件を定める規定) |
| 受験者から見た意味 | 申込・手数料の納付・問い合わせの窓口が指定試験機関になる | 試験の法的な実施責任が知事にあることの根拠 養成施設の卒業か試験合格のどちらで資格を得るかを決める |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では行政機関が法規に基づき権限の一部を民間団体に委託でき、受託者はその範囲で行政機関とみなされる。一方、専門職の国家試験は考選部が直接実施する点が日本と異なる
韓国では国家技術資格の検定業務を한국산업인력공단 などの公的機関に委託する方式が一般的で、民間法人への指定委託よりも公団型が中心
ドイツでは法律の根拠がある場合に限り、私人に高権的権限を与える Beleihung の法理があり、日本の指定法人制度と機能が似ている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 保育士試験の受験申込で、提出した実務経験証明書が「要件を満たさない」と判断され、受験資格なしとされた。あなたが電話すべき先は都道府県ではなく指定試験機関である。ただし、指定試験機関は行政庁から権限を委ねられた存在であり、その判断に不服がある場合の争い方は民間企業とのトラブルとは全く異なる
- 試験当日、試験監督の指示ミスで解答時間が実質的に短縮された。受験者としてあなたが相手取るのは指定試験機関だが、その背後には指定した都道府県知事の監督責任がある。苦情の宛先を二本立てにするかどうかで、動く速度が変わる
- もし、あなたが払った受験手数料の返還を求めたらどうなる? 3項により、その手数料は条例に基づいて指定試験機関の収入とされている。返還の可否も、その根拠となる条例と指定試験機関の受験案内で決まる。県の会計規則を調べても答えは出てこない
- 自治体の担当課に配属された初日。前任者から「保育士試験はうちでは何もやっていません」と引き継がれた。何もやらないことの法的根拠がこの2項であり、同時に、指定の取消しや監督命令という権限は依然として知事の手に残っている
取るべき行動
被害を受けた側:1. 受験案内と都道府県の告示を突き合わせ、その試験が指定試験機関に委託されているか、委託範囲は全部か一部かを確認する2. 不利益な判断を受けた書面の差出名義を見る。指定試験機関名義か知事名義かを記録3. 指定試験機関に対し、判断の根拠規定と再考の可否を書面で照会4. 並行して指定権者である都道府県知事に事実経過を書面で届け出る。監督権限の発動を求める形にすると、単なる苦情より扱いが重くなる
訴えられた側:指定試験機関の側であれば、試験事務規程と内閣府令の手続を逐一確認し、判断の根拠を記録として残す。役職員は罰則適用上の公務員とみなされる立場にあり、便宜供与や情報の取扱いは民間の商慣習で判断してはならない。都道府県知事への報告義務や監督命令に服する立場であることを前提に、報告の遅れを作らない
時効(請求できる期限):本条自体に期間の定めはない。試験の申込期限・異議の申出期間は各指定試験機関の受験案内および都道府県の条例で定まるため、そちらが実質的な期限となる。行政庁の処分として争う場合は、審査請求が処分を知った日の翌日から3か月以内、取消訴訟が6か月以内(行政不服審査法18条、行政事件訴訟法14条)
学説
通説(指定法人論):指定試験機関は、法律に基づいて行政事務を代わりに行う指定法人であり、事務の性質は公の事務のままである。行政庁は指定権・監督権・指定取消権を通じて最終的な責任を持つと理解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成13年(2001年) 新設:保育士を児童福祉法上の名称独占資格として法定化した改正で、保育士試験と指定試験機関の規定が整備された。
- 2.令和5年(2023年) 改正:こども家庭庁の発足に伴い、指定の手続を定める命令が内閣府令とされた。
- 児童福祉法 第18条の8保育士試験の実施主体と試験委員の規定
- 児童福祉法 第18条の4保育士の定義、試験制度の目的
- 児童福祉法 第18条の6保育士資格の取得ルート、試験合格の位置づけ
- 児童福祉法 第18条の18保育士の登録手続、試験合格後の段階
- 地方自治法 第227条手数料徴収の根拠、3項が直接引用
- 行政不服審査法 第18条処分に対する審査請求の期間制限
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