児童福祉法 第21条の12
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前条第三項の規定により行われる情報の提供、相談及び助言並びにあつせん、調整及び要請の事務(次条及び第二十一条の十四第一項において「調整等の事務」という。)に従事する者又は従事していた者は、その事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 児童福祉法第21条の12は、日本の児童福祉法に含まれる条文です。
- 児童福祉法第21条の12の条文原文は「前条第三項の規定により行われる情報の提供、相談及び助言並びにあつせん、調整及び要請の事務(次条及び第二十一条の十四第一項において「調整等の事務」という。」で始まります。
- 児童福祉法第21条の12は第六款 子育て支援事業に置かれています。
- 児童福祉法の公布日は昭和22年12月12日です。
- 児童福祉法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 児童福祉法第21条の12の前の条は児童福祉法第21条の11です。
- 児童福祉法第21条の12の次の条は児童福祉法第21条の13です。
- 児童福祉法第21条の12には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第21条の12 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000164 - 本サイト収録
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第21条の12(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000164/21_12
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点児童福祉法第21条の12は、市町村から委託された子育て支援の相談・調整等の事務の従事者に、民間スタッフであっても守秘義務を課す。この義務は退職後も続く。
Q · 子育て相談をした NPO のスタッフにも、市の職員と同じ守秘義務はあるの?
はい。委託先の民間スタッフにも法律上の守秘義務があります
児童福祉法第21条の12により、市町村から委託を受けて子育て支援事業の情報提供・相談助言・あっせん・調整等の事務に従事する者は、その事務に関して知り得た秘密を漏らしてはなりません。義務は委託契約ではなく法律が直接課すもので、雇用形態や資格の有無を問わず、退職後も続きます。ただし児童虐待の防止等に関する法律6条による通告や、要保護児童対策地域協議会(25条の2)の枠内での共有は妨げられません。
解説
市役所の子育て相談窓口で向かい合っている相手が、市の職員とは限らない。市町村は、子育て支援事業の情報提供や相談・助言、保育所や一時預かりのあっせん・調整といった事務を、NPO や社会福祉協議会、地域子育て支援拠点の運営者に委託できる(前条第三項)。委託された瞬間、その人たちは公務員ではなくなる。それでも本条は、この「調整等の事務」に従事する者、そして従事していた者に対し、法律が直接、秘密を漏らさない義務をかける。あなたが窓口で話した、夫の暴力、収入の不安定さ、子どもの発達の心配、通院歴。それらは相手が民間スタッフであっても、そのスタッフが辞めた後であっても封じられている。裏を返せば、あなたは「これは誰に、どこまで共有されるのか」と正面から確認してよい立場にいる。
法的な位置づけ
児童福祉法第21条の12は、同法第21条の11第3項に基づき市町村が委託した情報の提供、相談及び助言並びにあっせん、調整及び要請の事務(調整等の事務)に従事する者又は従事していた者に対し、その事務に関して知り得た秘密の漏示を禁止する規定である。受託者側の民間従事者に法律上の守秘義務を直接課す点に特色がある。
手順
- 1.漏洩に気付いた経緯を時系列で記録 誰から、いつ、どの内容を聞かされたかを日付つきでメモする。発言者の言葉はできるだけそのまま書き残し、推測と事実を分けて記録する
- 2.相談先と情報の経路を特定 相談した窓口名、委託事業者名、担当者名を確認し、その情報を知り得た人物を絞り込む。パンフレットやウェブサイトで委託事業かどうかも確かめる
- 3.委託元の市町村へ書面で申入れ 市町村の子育て支援担当課と個人情報保護の窓口に、事実経過を記載した書面を提出し、受託者への調査と再発防止を求める。提出日と受付担当者を控えておく
- 4.損害賠償・刑事告訴の検討 精神的損害は民法709条・710条で請求できる。拡散の規模や悪質性が大きい場合は刑事告訴も視野に入れ、損害と加害者を知った時から3年の時効に注意して弁護士に相談する
よくある質問 AI による整理
Q1子育て支援 守秘義務とは?
子育て支援の相談やあっせんを担う人が、業務で知った家庭の秘密を漏らしてはならない義務です。委託先の民間従事者には児童福祉法第21条の12が直接適用されます。
Q2地域子育て支援拠点のスタッフは守秘義務の対象?
市町村から調整等の事務の委託を受けて相談・情報提供等を担う場合は対象です。NPO や社会福祉協議会の職員、非常勤スタッフでも変わりません。
Q3子育て相談の守秘義務 違反したらどうなる?
児童福祉法には守秘義務違反の罰則があり、刑事責任を問われうるほか、相談者は民法709条・710条で損害賠償を請求できます。罰条と法定刑は最新の改正状況の確認が必要です。
Q4子育て支援の守秘義務 退職後はいつまで?
期限はありません。条文が「従事していた者」も対象としているため、契約終了後や退職後も無期限に続きます。
Q5子育てひろばで話したことが近所に漏れた どこに相談?
まず委託元の市町村の子育て支援担当課と個人情報保護の窓口に書面で申し入れます。委託者は受託者を監督する立場にあるため、調査が早く動きます。
Q6ファミサポのアドバイザーにも守秘義務はある?
市町村から委託された情報提供やあっせん・調整の事務に従事している場合は対象になりえます。委託事業かどうかは案内資料の「◯◯市委託事業」の表記で確認できます。
Q7子育て相談の内容は他機関に共有される?
事務遂行に必要な範囲の内部共有、虐待通告、要保護児童対策地域協議会の枠内での共有は適法です。それ以外の雑談や SNS での共有は違反になります。
Q8匿名なら相談内容を SNS に書いても違法じゃない?
名前を伏せても、地域・日時・子どもの年齢などから特定できれば秘密を漏らしたことになりえます。匿名化したつもりでも安全ではありません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1市の窓口じゃなくて NPO の人に相談したんですが、その人にも守秘義務はあるんですか?
あります。市町村が前条第三項により情報提供・相談助言・あっせん・調整の事務を委託した場合、受託側で実務に当たる人にも法律が直接守秘義務をかけます。雇用形態や資格の有無は関係ありません。実務のポイント:委託事業か市の直営かは、パンフレット末尾の「◯◯市委託事業」の一行で判別できる。委託事業なら苦情の申入れ先は事業者だけでなく委託元の市町村にもあり、動く力が強いのは後者である
Q2虐待かもしれないと思っても、守秘義務があるから通報できないですよね?
逆である。児童虐待の防止等に関する法律6条1項は虐待を受けたと思われる児童を発見した者に通告を義務づけ、同条3項は守秘義務の規定が通告義務の遵守を妨げないと明記する。結果的に虐待でなくても通告者が責任を問われる仕組みにはなっていない。実務のポイント:現場が通告をためらう本当の理由は法律ではなく、通告元が家庭にばれる恐怖である。児童相談所は通告者を伝えない運用を取っている
Q3相談内容を、支援員が上司や他機関に共有していました。これは違反ですか?
事務の遂行に必要な範囲の内部共有や、要保護児童対策地域協議会(25条の2)の枠内での関係機関共有は本条違反になりません。協議会の構成員等には別途25条の5の守秘義務がかかり、情報は閉じた輪の中を回る設計です。違法なのはその枠外に出た共有、つまり雑談、家族への持ち帰り、SNS です。実務のポイント:自分のケースが協議会の対象になっているかは、担当者に確認できる
Q4支援員側の質問です。記録を私物のスマホで撮って持ち帰るのは、漏らしていなければセーフですか?
漏らしていない限り本条の「漏らした」にはあたりませんが、委託契約上の情報管理義務違反になり、端末の紛失やクラウド自動同期で一瞬にして漏示へ転化します。個人情報の保護に関する法律上の安全管理措置の問題も同時に生じます。実務のポイント:福祉現場の漏洩事故で最も多いのは意図的な暴露ではなく、私物端末の写真の自動バックアップと、家族と共用しているタブレットである
間違えやすい点 AI による整理
- 「民間に委託されているなら守秘義務は委託契約上の話で、破られても契約や民事の問題にすぎない」と受け止められがちだが、本条は契約ではなく法律が受託側の従事者に直接かける義務であり、児童福祉法には守秘義務違反に対する罰則も置かれている(罰条の条番号と法定刑は最新の改正状況をご確認ください)
- 「守秘義務があるから虐待を通告できない」という悩み方そのものが、問いの立て方として誤っている。問うべきは「通告してよいか」ではなく「通告しないことが許されるか」である。児童虐待の防止等に関する法律6条1項は通告を義務とし、同条3項は守秘義務の規定が通告義務の遵守を妨げないと明記する。迷っている時間は、そのまま子どもの側の時間から差し引かれる
- 「秘密は漏らしてはいけない」は誰でも知っている。知られていないのは、この義務に終期がないという一点である。三年前に関わった家庭の話を、転職先の同僚に雑談として流せば、それは三年前の話ではなく今日の違反になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 義務の主体 | 児童福祉法21条の12:市町村委託の調整等の事務に従事する者・従事していた者 | 児童福祉法25条の5:要保護児童対策地域協議会の構成員等 刑法134条:医師・弁護士等の限定列挙職種(福祉職を含まない) |
| 対象となる秘密 | 調整等の事務に関して知り得た秘密 | 協議会の職務に関して知り得た秘密 業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密 |
| 典型的な場面 | 子育て支援拠点・一時預かり調整など委託先窓口での相談 | 虐待が疑われる家庭をめぐる関係機関会議での情報共有 医療・法律など専門職への相談 |
| 通告との関係 | 児童虐待防止法6条3項により通告義務の遵守は妨げられない | 協議会内の共有自体が法定の共有回路 正当な理由があれば違法性が阻却される |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は社会工作師という資格者に業務上の秘密保持義務を課す構成で、日本の本条のように事務の委託関係を基準に義務を及ぼす方式とは切り口が異なる
ドイツは児童・青少年支援で扱う社会データの保護を体系的に定め、民間の担い手にも同等の保護水準を確保させる仕組みを持つ
フランスは児童社会援助(ASE)の任務に参加する者に刑法上の職業秘密を及ぼし、情報共有の例外を別途規定する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 地域子育て支援拠点で、ひとり親であることと元夫からの暴力を打ち明けた。半年後、保育園の送迎で会うママ友から「大変だったんだってね」と声をかけられる。あの内容を知り得た人間は数人しかいない。経路を特定できれば、委託元の市町村への申入れと、民法709条による損害賠償請求の両方が立ち上がる
- もし、委託先の NPO のスタッフが「今日来た親子、ネグレクト気味で大変だった」と SNS に書き込んだら? 名前を伏せていても、地域と日時と子どもの年齢が揃えば近所の人間には誰か分かる。匿名化したつもりでも特定可能性が残れば、それは秘密を漏らしたことになる
- あなたが支援拠点のスタッフとして、虐待の疑いがある家庭を児童相談所に通告しようとして手が止まる。守秘義務違反になるのではないかと考えたからだ。ならない、と法律が明記している(児童虐待の防止等に関する法律6条3項)
- 委託契約が今月末で切れる。担当してきた家庭の記録と、頭の中に残った情報は、契約終了と同時に自由になるのか。ならない。「従事していた者」という一句が、期限なしにあなたを縛り続ける。残り数日でやるべきは、私物端末の写真フォルダとメモアプリに残った断片を消し切ることである
- 友人から「役所に相談しただけなのに、なぜか民生委員が家に来た」と相談された。情報がどの経路で動いたのか。要保護児童対策地域協議会(25条の2)の枠内での共有なら適法、雑談ベースの伝達なら違法。この線引きをその場で説明できる人は、ほとんどいない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 漏れたと気付いた経緯を時系列でメモ、誰から何を聞いたかを日付つきで残す2. 相談した窓口、委託事業者名、担当者名を特定し、情報の経路を絞り込む3. 委託元の市町村(子育て支援担当課と個人情報保護の窓口)へ書面で申入れ、受託者に対する調査を求める4. 並行して、精神的損害の賠償は民法709条・710条で請求できる。拡散の規模や動機が悪質なら刑事告訴も選択肢に入る
訴えられた側:1. まず漏らした相手・内容・経路を正確に把握する、隠せば処分と信用の両方を失う2. 児童虐待の防止等に関する法律6条による通告や、要保護児童対策地域協議会(25条の2)の枠内での共有なら適法、その線上の行為なら堂々と説明する3. 雑談、SNS、家族への持ち帰りは弁解が効かない、事実を認めたうえで拡散範囲の封じ込めを最優先にする4. 委託元への報告は発覚を待たず自分から先に行う
時効(請求できる期限):本条の守秘義務そのものに期間の定めはない。在職中も、委託契約の終了後も、退職後も無期限に続く(「従事していた者」)。漏洩による損害賠償請求権は、損害および加害者を知った時から3年、行為時から20年で消滅する(民法724条)。刑事責任の公訴時効は罰条の法定刑に応じて決まる(罰条の条番号と法定刑は最新の改正状況をご確認ください)
- 児童福祉法 第21条の11調整等の事務の根拠と第三項の委託規定
- 児童福祉法 第21条の13本条が定義した調整等の事務を承継する次条
- 児童福祉法 第21条の14第一項が調整等の事務の定義を引用
- 児童福祉法 第25条の5要保護児童対策地域協議会側の守秘義務
- 児童福祉法 第61条の3守秘義務違反に対する罰則(現行効力を要確認)
- 児童虐待の防止等に関する法律 第6条通告義務と守秘義務の解除
- 個人情報の保護に関する法律 第27条第三者提供制限による重畳的規律
- 刑法 第134条秘密漏示罪、主体に福祉職を含まない
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