児童福祉法 第25条の5
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- 次の各号に掲げる協議会を構成する関係機関等の区分に従い、当該各号に定める者は、正当な理由がなく、協議会の職務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
- 一国又は地方公共団体の機関当該機関の職員又は職員であつた者
- 二法人当該法人の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者
- 三前二号に掲げる者以外の者協議会を構成する者又はその職にあつた者
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 児童福祉法第25条の5は、日本の児童福祉法に含まれる条文です。
- 児童福祉法第25条の5の条文原文は「次の各号に掲げる協議会を構成する関係機関等の区分に従い、当該各号に定める者は、正当な理由がなく、協議会の職務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。」で始まります。
- 児童福祉法第25条の5は第六節 要保護児童の保護措置等に置かれています。
- 児童福祉法の公布日は昭和22年12月12日です。
- 児童福祉法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 児童福祉法第25条の5の前の条は児童福祉法第25条の4です。
- 児童福祉法第25条の5の次の条は児童福祉法第25条の6です。
- 児童福祉法第25条の5には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第25条の5 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000164 - 本サイト収録
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第25条の5(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000164/25_5
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点児童福祉法25条の5は、要対協の構成員とその職にあった者に、協議会の職務で知った秘密の漏示を禁じる。違反は1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金。
Q · 要対協の会議で聞いた家庭の話、辞めた後なら人に話してもいいの?
話せない。義務は退職後も続き、違反は刑事罰の対象
児童福祉法25条の5は、要保護児童対策地域協議会の構成員に対し、協議会の職務に関して知り得た秘密を正当な理由なく漏らすことを禁じています。対象は公務員、法人の役員・職員、民生委員など個人参加者まで及び、「職員であつた者」「職にあつた者」と明記されているため、退職や任期満了後も義務は消えません。違反すると61条の3により1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科されます。
解説
虐待の疑いがある子どもをめぐって、市町村の児童福祉担当者、学校の先生、児童相談所、警察、医師、民生委員、NPO の支援員が同じテーブルに座る。それが要保護児童対策地域協議会、通称「要対協」だ。児童福祉法25条の5は、そのテーブルに座った全員に守秘義務を課す。ここであなたが知っておくべきは、この条文が三つの号で「誰が」を細かく書き分けている点である。役所の職員、法人の役員・職員、そしてそれ以外の者、つまり個人として参加した民生委員や地域のボランティアまで、全員が対象だ。しかも「職にあつた者」、退職後・任期終了後も義務は消えない。さらに重要なのは、この義務があるからこそ、25条の3で協議会は関係機関に資料提供を求められるという点だ。守秘義務は参加者を縛る鎖に見えて、実は情報を集めるための許可証でもある。あなたが学校の先生で「個人情報だから児相には言えない」と思っているなら、その前提は要対協の枠内では崩れる。
法的な位置づけ
児童福祉法第25条の5は、要保護児童対策地域協議会の構成員に課される守秘義務の規定である。構成機関の区分に応じ、国・地方公共団体の職員、法人の役員・職員、その他の構成員およびこれらの職にあった者を名宛人とし、正当な理由なく協議会の職務に関して知り得た秘密を漏らすことを禁止する。
手順
- 1.参加前に自分の区分と所属組織の要綱を確認 自分が一号(国・自治体職員)、二号(法人の役員・職員)、三号(それ以外の個人構成員)のどれに当たるかを確認し、自治体の要対協運営要綱で機関内の共有範囲と資料の扱いを読んでおく
- 2.会議冒頭で守秘義務と罰則を書面で確認 新規参加の機関・個人に対し、25条の5の守秘義務と61条の3の罰則を説明し、確認書に署名を得る。確認した事実を会議録に残す
- 3.資料の配布・回収ルールを徹底 配布資料には番号を付けて会議終了時に回収する。持ち帰りを認める場合は保管方法と廃棄時期を定め、電子データはアクセス権限を限定する
- 4.他機関への情報提供依頼では根拠条文を明示 資料提供を求める際は、要対協の構成員として25条の3に基づく求めであり、提供先には25条の5の守秘義務がかかることを文書で示す
よくある質問 AI による整理
Q1要保護児童対策地域協議会とは?
虐待などで保護が必要な子どもを支援するため、市町村の児童福祉部署、児童相談所、学校、警察、医療機関などが情報を共有し連携する協議会です。児童福祉法25条の2に基づき設置されます。
Q2要対協の守秘義務は誰が負う?
国・自治体の職員、法人の役員・職員、民生委員など個人の構成員の三区分すべてです。現職者だけでなく、過去にその職にあった者も対象になります。
Q3要対協 守秘義務 違反 罰則は?
児童福祉法61条の3により、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。公務員の場合は刑事罰とは別に懲戒処分の対象にもなり得ます。
Q4要対協の守秘義務はいつまで続く?
期限はありません。条文が「職員であつた者」「職にあつた者」を明記しているため、退職、異動、任期満了の後も無期限に続きます。
Q5要対協での情報共有は個人情報保護法違反になる?
協議会の枠内で職務上必要な範囲の共有であれば、法令に基づく提供として整理されるのが一般的です。構成員全員に守秘義務がかかることが、共有を支える前提になっています。
Q6学校の先生も要対協の守秘義務の対象?
学校が協議会の構成機関となり、教員がその職務に関わる場合は対象です。公立なら一号(地方公共団体の職員)、私立なら二号(法人の職員)に当たります。
Q7要対協の資料は持ち帰れる?
法律に一律の定めはなく、各自治体の要対協運営要綱や会議ごとの取り決めに従います。回収方式の会議も多いため、着席前に扱いを確認するのが確実です。
Q8要対協で知った情報を警察に話すのは違法?
警察が構成機関として協議会の職務で共有を受ける場合や、法令に基づく照会への回答は「正当な理由」に当たり得ます。個人の判断で任意に伝える場合は慎重な検討が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1会議で聞いたことを、同じ学校の別の先生に共有するのもダメなんですか?
その先生が当該ケースの支援に関わる職務上の必要がある場合は、組織内の必要な範囲での共有として許容されます。ただし「気になるから」「参考までに」は正当な理由になりません。実務のポイント:自治体の要対協運営要綱では、機関内の共有範囲をあらかじめ定めているところが多い。自分の組織の要綱を一度読んでおくと、どこまで共有できるかの線が自分で引ける。多くの現場職員はこの要綱の存在自体を知らない。
Q2民生委員をやっているだけで、本当に刑事罰の対象になるんですか?
要対協の構成員として職務に関わっていれば、三号の「前二号に掲げる者以外の者」として対象になります。違反すると61条の3により1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。なお民生委員は民生委員法15条でも別途守秘義務を負っています。実務のポイント:二重に義務がかかる立場の人ほど、どちらの根拠で問われるかを意識していない。要対協の職務で知った情報は25条の5、それ以外の民生委員活動で知った情報は民生委員法、という切り分けが実務上の整理になる。
Q3裁判で証人として呼ばれたら、守秘義務を理由に証言を拒否できますか?
刑事訴訟法149条の証言拒絶権は医師・弁護士など列挙された職種に限られ、要対協の構成員一般には及びません。裁判所の証人尋問での証言は「正当な理由」がある場合に当たり、証言しても25条の5違反にはなりません。実務のポイント:問題は証言そのものより、証言内容が公開法廷で記録に残ることだ。事前に裁判所へ非公開審理や証人尋問の方法について上申できる場合がある。弁護士に相談するタイミングは、証人出頭通知を受け取った直後がよい。
間違えやすい点 AI による整理
- 「守秘義務があるから、要対協では情報を出しにくい」と考える現場は多い。向きが逆である。守秘義務が全員にかかっているからこそ、個人情報保護法や各職種の職業上の秘密保持義務との衝突を整理して情報共有ができる。この条文がなければ、要対協は成立しない。
- 守秘義務の存在は知られているが、その射程の広さは知られていない。会議で聞いた内容だけでなく「協議会の職務に関して知り得た秘密」全般が対象で、会議の前後の個別のやり取り、資料、電話連絡も含む。さらに退職・任期満了後も無期限に続く。
- 「漏らした相手が家族なら、身内だからセーフ」と思う人がいるが、法律は相手を限定していない。配偶者に話しても漏示である。職場の同僚であっても、要対協の職務と無関係な者に話せば同じ。
- 「正当な理由がなく」という文言を、自分で判断できる免責条項だと読む人がいるが、ここでいう正当な理由とは、法令に基づく照会、裁判所での証言、本人同意など客観的に認められる場合を指す。「子どもの利益になると思ったから」という自分の判断は正当な理由にならない。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律内容 | 児童福祉法25条の5:協議会構成員の守秘義務 | 児童福祉法25条の3:協議会による関係機関への資料・情報提供の求め 児童福祉法61条の3:守秘義務違反に対する罰則 |
| 名宛人 | 構成機関の職員・役員、その他の構成員とその職にあった者 | 協議会(求める側)と関係機関等(求められる側) 25条の5等の規定に違反した者 |
| 法的効果 | 正当な理由のない秘密漏示の禁止 | 資料・情報提供、意見の開陳その他の協力を求めることができる 1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金 |
他国ではどう定めているか 4 か国
児童保護事件の通報者情報や関係資料の保密を定めるが、日本の要対協のように協議体の構成員全員へ一律に刑事罰付き守秘義務を課す構造とは異なる。
児童保護の文脈で収集した社会データに特別な信頼保護を与えつつ、医師などの秘密保持者が児童の危険時に情報を伝える要件を定める。
児童保護に関わる専門職間で職業上の秘密を共有できる範囲(secret partagé)を明文化しており、共有と秘密保持の両立という発想が日本と近い。
連邦補助の条件として、州に児童虐待記録の秘密保持と例外的開示の仕組みを求める。具体的な罰則は州法ごとに異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが小学校の教員で、担任するクラスの子の腕にあざを見つけた。校長経由で要対協のケース検討会議に呼ばれる。そこで他機関が持っている情報、たとえば父親の逮捕歴や母親の精神科通院歴まで共有される。会議室を出た瞬間から、あなたはそれを職員室の雑談で口にできない。翌年その学校を辞めても、義務は続く。
- 地域の民生委員として要対協の個別ケース検討会議に出席した。三号の「前二号に掲げる者以外の者」がまさにあなただ。役所の職員でも法人職員でもない個人参加者にも、同じ守秘義務がかかる。任期が終わって「もう委員じゃないから」は通らない。
- もし、あなたが NPO の支援員で、会議で聞いた家庭の情報を SNS に匿名で書いたらどうなる? 個人が特定されなくても、地域が狭ければ十分に特定される。61条の3により1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金。前科がつく。
- 児童相談所から「あの児童の家庭状況を教えてほしい」と学校に問い合わせが来た。個人情報保護法があるから答えられないと断った。だが要対協の枠組みであれば、25条の3に基づく資料提供の求めであり、守秘義務で守られた場のやり取りになる。断ることで、子どもの命綱を一本切っている可能性がある。
- あなたの部署に監査が入り、三年前の要対協会議の記録の一部が外部に流出したことが発覚した。流出経路を特定するのに残された時間は数日。当時の出席者全員が聴取対象になる。退職者も含めてだ。
取るべき行動
被害を受けた側:要対協で扱われた自分や家族の情報が外部に漏れたと感じたら、1. いつ・誰から・どの内容を聞いたかを、日時と相手を特定して記録する2. 協議会の調整機関(通常は市町村の児童福祉主管課)に書面で申し入れ、調査を求める3. 刑事責任を問うなら61条の3違反として警察へ相談、民事なら不法行為(民法709条)で損害賠償請求も並行可能4. 自治体の個人情報保護審査会への苦情申立ても選択肢になる。
訴えられた側:漏示を指摘されたら、1. まず「協議会の職務に関して知り得た秘密」に該当するか確認、公知の事実や別ルートで独自に知った情報は該当しない余地がある2. 「正当な理由」の有無を検証、法令に基づく照会や裁判所での証言であれば免責される3. 秘密性(非公知性・保護に値する利益)を欠く情報であれば構成要件該当性を争える4. 事実関係が明らかな場合は、早期に関係者へ謝罪し被害拡大防止措置をとることが量刑と懲戒処分の双方に影響する。
時効(請求できる期限):61条の3の罰則(1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金)の公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項6号)、漏示行為の時から起算。民事の損害賠償請求は、損害および加害者を知った時から3年(民法724条)。懲戒処分には法定の期限はないが、自治体の処分指針で運用が定まっていることが多い。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成16年(2004年) 新設:児童福祉法改正により要保護児童対策地域協議会の制度が創設され、構成員の守秘義務規定として本条が設けられた。
- 児童福祉法 第25条の2要保護児童対策地域協議会の設置根拠
- 児童福祉法 第25条の3協議会による資料・情報提供の求め
- 児童福祉法 第25条の4要保護児童対策調整機関による会議招集
- 児童福祉法 第25条の6通告を受けた場合の安全確認等の措置
- 児童福祉法 第61条の3本条違反に対する罰則規定
- 児童福祉法 第25条要保護児童発見者の通告義務
- 児童虐待の防止等に関する法律 第5条学校・病院等の早期発見努力義務の特則
- 地方公務員法 第34条公務員の一般的守秘義務との重畳適用
- 刑法 第134条医師・助産師等の秘密漏示罪との競合
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