児童福祉法 第61条の3
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第十一条第五項、第十八条の八第四項、第十八条の十二第一項(第十八条の三十二第四項において準用する場合を含む。)、第十八条の三十一第二項、第二十一条の十の二第四項、第二十一条の十二、第二十五条の五又は第二十七条の四の規定に違反した者は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 児童福祉法第61条の3は、日本の児童福祉法に含まれる条文です。
- 児童福祉法第61条の3の条文原文は「第十一条第五項、第十八条の八第四項、第十八条の十二第一項(第十八条の三十二第四項において準用する場合を含む。」で始まります。
- 児童福祉法第61条の3は第八章 罰則に置かれています。
- 児童福祉法の公布日は昭和22年12月12日です。
- 児童福祉法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 児童福祉法第61条の3の前の条は児童福祉法第61条の2です。
- 児童福祉法第61条の3の次の条は児童福祉法第61条の4です。
- 児童福祉法第61条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第61条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000164 - 本サイト収録
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第61条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000164/61_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点児童福祉法第61条の3は、要保護児童対策地域協議会の関係者や児童相談所業務の受託者などが職務上知り得た秘密を漏らした場合、1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金を科す規定である。
Q · 要対協や子育て支援の仕事で知った家庭の事情を人に話したら、どうなるの?
1年以下の拘禁刑か50万円以下の罰金。告訴は不要
児童福祉法第61条の3により、要保護児童対策地域協議会の関係者、児童相談所業務の受託者、子育て支援事業の従事者などが職務上知り得た秘密を正当な理由なく漏らすと、1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処されます。保育士本人を対象とする第61条の2と異なり告訴は不要です。一方、児童相談所への虐待通告は児童虐待の防止等に関する法律第6条第3項により守秘義務違反になりません。
解説
市役所の会議室に、学校の先生、保育士、保健師、民生委員、NPO の職員が集まる。要保護児童対策地域協議会(要対協、虐待の恐れがある子どもを地域で見守るために市町村が置く法定会議)だ。そこで机に並ぶのは、どの家庭の親がどんな状態で、子どもの体のどこに痣があるかという、最も生々しい個人情報である。第61条の3は、その情報を外に出した人に1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金を科す。射程はそれだけではない。児童相談所の業務を受託した民間事業者の職員、子育て支援事業の従事者、保育士試験や登録事務の担当者、指導を委託された事業所の職員も同じ一条に並んでいる。あなたが公務員でなくても、正職員でなくても、無給のボランティアでも、この刑罰は雇用形態を飛び越えて直接あなたに届く。そして仕事を辞めた後も、義務は消えない。
法的な位置づけ
児童福祉法第61条の3は、同法第11条第5項、第18条の8第4項、第18条の12第1項、第18条の31第2項、第21条の10の2第4項、第21条の12、第25条の5又は第27条の4が定める秘密保持義務に違反した者に対し、1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金を科す罰則規定である。告訴を要しない非親告罪として構成されている。
よくある質問 AI による整理
Q1要保護児童対策地域協議会の守秘義務とは?
要対協の構成機関の職員などが、協議会の職務で知り得た秘密を正当な理由なく漏らしてはならない義務です(児童福祉法25条の5)。違反すると61条の3で処罰されます。
Q2児童福祉法 守秘義務違反 罰則はどのくらい?
61条の3に列挙された義務に違反すると1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金です。保育士本人の守秘義務違反は61条の2が同じ法定刑を定めています。
Q3民生委員が要対協で聞いた話を漏らすと罰せられる?
要対協の構成員として職務に従事していれば、無給の民生委員でも25条の5の義務を負い、違反すれば61条の3の刑罰の対象になりえます。
Q4児童相談所の委託先職員にも守秘義務はある?
あります。児童相談所の業務の委託を受けた者の秘密保持義務は11条5項が定め、その違反は61条の3により刑罰の対象になります。
Q5守秘義務は退職後もいつまで続く?
多くの秘密保持規定は「従事していた者」も対象とするため、退職後も期間の定めなく続きます。ただし公訴時効は漏示から3年です。
Q6児童福祉法61条の3は親告罪?
親告罪ではありません。告訴がなくても捜査・起訴が可能です。告訴を要件とするのは保育士本人の守秘義務違反を罰する61条の2です。
Q7守秘義務違反で罰金刑を受けると保育士資格はどうなる?
児童福祉に関する法律の規定による罰金刑は保育士の欠格事由に関わりうるため、登録取消しの可能性があります。最新の条文で要件を確認してください。
Q8要対協の情報を警察に伝えるのは違法?
法令に基づく照会や虐待通告など正当な理由がある場合は処罰されません。判断に迷うときは所属機関を通じた文書での対応が安全です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1虐待を疑って通告したら、逆に守秘義務違反で訴えられませんか?
訴えられません。児童虐待の防止等に関する法律第6条第3項が、守秘義務に関する法律の規定は通告義務の遵守を妨げないと明文で定めています。結果的に虐待でなかった場合も、虚偽と知りながら通告したのでない限り責任は生じません。実務のポイント:最初の電話で「通告者を明かさないでほしい」と伝えると、その申出自体が記録に残ります。同法7条は児童相談所に通告者を特定させる情報を漏らさない義務を課しており、その盾は最初の一言で立ち上がる
Q2保育士の守秘義務違反は告訴がないと立件できないと聞きました。この条文も同じですか?
同じではありません。保育士本人の守秘義務違反を罰する第61条の2には告訴がなければ公訴を提起できない旨の規定がありますが、第61条の3にはその規定がなく、告訴なしでも捜査と起訴が可能です。実務のポイント:だから「被害者と示談したから立件されない」という読みは通用しません。示談は不起訴を保証せず、検察官の起訴猶予判断の一材料にすぎない。逆に被害者側から見れば、告訴状を整えられない段階でも被害申告だけで捜査は動き出す
Q3会議で聞いた話を、同じ職場の同僚に話すのもダメなんですか?
支援のために業務上必要な範囲での共有は「正当な理由」にあたりえます。境界線は、その会話が当該児童の支援に必要かどうか。担当外の同僚への説明や休憩室の雑談は範囲外です。実務のポイント:多くの自治体は要保護児童対策地域協議会の参加者に守秘に関する確認書へ署名させています。その書面の文言が、後に「どこまで共有してよいと認識していたか」の判断材料になる。自分が署名した書面のコピーは必ず手元に残しておく
間違えやすい点 AI による整理
- 守秘義務があること自体は、現場の誰もが知っている。知られていないのはその深刻度だ。これは服務規律違反でも損害賠償でもなく刑罰であり、有罪なら前科がつく。さらに保育士は児童福祉に関する法律による罰金刑が資格の欠格事由に触れうるため、一度の失言で資格そのものを失う可能性がある(欠格事由の範囲は最新の改正状況をご確認ください)
- 「名前さえ出さなければセーフか」という問いの立て方自体がずれている。守秘の対象は氏名ではなく、その事務に関して知り得た秘密である。学区、きょうだい構成、父親の職業、この三つを並べれば地域では特定できる。名前を伏せた語り方でも、聞き手が誰か分かる状況なら漏示になる
- 「自分はボランティアだから」「単発の委託だから」関係ないと思われがちだが、本条が見ているのは雇用形態ではなく、その事務に従事したかどうかである。無給の民生委員も、業務委託契約のフリーランスも、正職員と同じ刑罰の射程に入る。契約書に守秘条項がなくても、法律が直接あなたを縛っている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象者 | 児童福祉法61条の3:委託先職員・要対協関係者・子育て支援事業従事者など8つの義務規定の違反者 | 児童福祉法61条の2:保育士本人(18条の22違反) 刑法134条:医師・弁護士など限定列挙された専門職 |
| 法定刑 | 1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金 | 1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金 6月以下の拘禁刑又は10万円以下の罰金 |
| 告訴の要否 | 不要(非親告罪) | 必要(告訴がなければ公訴提起不可) 必要(刑法135条) |
| 義務の根拠 | 11条5項・25条の5など各条の秘密保持義務 | 18条の22(保育士の秘密保持義務) 刑法134条自体が義務と罰則を一体で規定 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は医師など業務上秘密を知る者の漏洩を刑法で一般的に処罰し、児童福祉分野では個別法の秘密保持規定が重なる構造
ドイツは国家承認のソーシャルワーカー等を職業秘密漏示罪の主体に含め、刑法典で一元的に処罰する
フランスは職業上の秘密の漏示を刑法典で処罰し、児童保護への情報提供は例外として扱う
米国は連邦補助金の条件として州に児童虐待記録の秘密保持を求め、具体的な罰則は州法に委ねる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 休憩室で、同僚が要対協で共有された家庭の話を無関係な職員に話していた。止めるべきか、上司に報告すべきか? 報告すれば組織は事実確認に入り、あなたは証人になる。黙っていれば、その情報が地域に出回るまでの猶予は数日しかないかもしれない
- あなたは帰宅して配偶者に「今日は大変だった」と話し、つい学区と家族構成まで口にした。配偶者はその家庭を言い当てた。名前を一度も出していなくても、漏示は成立しうる
- 委託先の NPO 職員として児童相談所の支援業務に入っていたあなたが、助成金の申請書に支援事例を実名入りで書いた。担当者は「説得力がある」と褒めてくれた。だがその書類は外部審査委員会で回覧され、委員の一人は当該家庭の近所で商店を営んでいた
- 自分の家庭の事情が、なぜか近所に知られている。出どころは市の会議だと直感が告げる。公訴時効は漏らされた日から3年。誰が誰に話したかを辿る作業は、関係者の記憶が新しいうちに始めないと二度とできない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 誰が、いつ、誰に、何を話したかを一枚のメモに時系列で書き出す。伝聞でも情報源の名前を残す2. 録音、LINE のスクリーンショット、目撃者の連絡先を確保する。ログは消える前に保存3. 漏らした人の所属機関へ内容証明郵便で事実確認と回答期限を求める4. 並行して自治体の監督部署と警察へ相談。本条は告訴がなくても捜査が動く5. 慰謝料は民法709条で別途請求でき、刑事と民事は同時に進行できる
訴えられた側:1. まず「正当な理由」の有無を検証する。虐待通告(児童虐待の防止等に関する法律6条)、法令に基づく照会、本人の同意があれば構成要件から外れる2. 何を誰にどこまで話したか、推測と事実を分けて時系列で再現する。記憶で穴を埋めない3. 所属機関に報告する前に弁護士へ相談する。組織は組織を守るため、包括的な自認を求めがちだ4. 被害者への謝罪と示談は、非親告罪であっても起訴猶予と量刑の判断材料になる
時効(請求できる期限):公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項、長期5年未満の拘禁刑または罰金に当たる罪)。起算点は秘密を漏らした行為が終わった時(同253条)。民事の損害賠償は、漏示と加害者を知った時から3年、行為時から20年(民法724条)。なお懲戒処分には刑事時効のような期間制限がなく、刑事の時効が完成した後でも処分はありうる
学説
通説:本条が担保する各義務規定の「秘密」は、非公知で、本人が秘匿を望み、客観的にも保護に値する事実をいうと解される。氏名を伏せても、聞き手が特定可能であれば漏示にあたりうる。
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年)児童福祉法改正 要保護児童対策地域協議会(第25条の2)の創設に伴い、協議会関係者の秘密保持義務(第25条の5)が罰則の対象に組み込まれた。改正年と条文番号の対応は人的検証が必要
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法改正による懲役と禁錮の拘禁刑への統合に伴い、法定刑の表記が「一年以下の懲役」から「一年以下の拘禁刑」へ変更された。刑期の上限自体は変わっていない
改正の年表
- 1.令和4年(2022年)公布・令和7年(2025年)施行 改正:刑法改正による懲役・禁錮の拘禁刑への一本化に伴い、法定刑の表記が「一年以下の懲役」から「一年以下の拘禁刑」に改められた。刑期の上限は変わっていない。
- 児童福祉法 第11条児童相談所業務の受託者の守秘
- 児童福祉法 第21条の12子育て支援事業従事者の守秘
- 児童福祉法 第25条の5要対協関係者の秘密保持義務
- 児童福祉法 第25条の2要対協の設置と情報共有の根拠
- 児童福祉法 第61条の2保育士の守秘義務違反の罰則
- 児童虐待の防止等に関する法律 第6条通告は守秘義務違反とならない
- 刑法 第134条専門職の秘密漏示罪、親告罪
- 地方公務員法 第34条公務員の守秘義務と重畳適用
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