児童福祉法 第25条の8
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- 都道府県の設置する福祉事務所の長は、第二十五条第一項の規定による通告又は前条第二項第二号若しくは次条第一項第四号の規定による送致を受けた児童及び相談に応じた児童、その保護者又は妊産婦について、必要があると認めたときは、次の各号のいずれかの措置を採らなければならない。
- 一第二十七条の措置を要すると認める者並びに医学的、心理学的、教育学的、社会学的及び精神保健上の判定を要すると認める者は、これを児童相談所に送致すること。
- 二児童又はその保護者をその福祉事務所の知的障害者福祉司又は社会福祉主事に指導させること。
- 三妊産婦等生活援助事業の実施又は保育の利用等(助産の実施、母子保護の実施又は保育の利用若しくは第二十四条第五項の規定による措置をいう。以下同じ。)が適当であると認める者は、これをそれぞれその妊産婦等生活援助事業の実施又は保育の利用等に係る都道府県又は市町村の長に報告し、又は通知すること。
- 四児童自立生活援助の実施又は社会的養護自立支援拠点事業の実施が適当であると認める児童は、これをその実施に係る都道府県知事に報告すること。
- 五第二十一条の六の規定による措置が適当であると認める者は、これをその措置に係る市町村の長に報告し、又は通知すること。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 児童福祉法第25条の8は、日本の児童福祉法に含まれる条文です。
- 児童福祉法第25条の8の条文原文は「都道府県の設置する福祉事務所の長は、第二十五条第一項の規定による通告又は前条第二項第二号若しくは次条第一項第四号の規定による送致を受けた児童及び相談に応じた児童…」で始まります。
- 児童福祉法第25条の8は第六節 要保護児童の保護措置等に置かれています。
- 児童福祉法の公布日は昭和22年12月12日です。
- 児童福祉法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 児童福祉法第25条の8の前の条は児童福祉法第25条の7です。
- 児童福祉法第25条の8の次の条は児童福祉法第26条です。
- 児童福祉法第25条の8には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第25条の8 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000164 - 本サイト収録
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第25条の8(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000164/25_8
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点児童福祉法25条の8は、都道府県設置の福祉事務所長が通告等を受けた児童・保護者・妊産婦について必要と認めたとき、児相送致など五つの措置のいずれかを採る義務を定める。
Q · 福祉事務所に子どものことで相談したら、何かしてもらえるの?
必要と認めれば、五つの措置のどれかを採る義務がある
児童福祉法25条の8により、都道府県設置の福祉事務所の長は、通告・送致を受けた児童や相談に応じた児童・保護者・妊産婦について必要があると認めたとき、①児童相談所への送致、②知的障害者福祉司・社会福祉主事による指導、③妊産婦等生活援助事業・保育の利用等に係る長への報告・通知、④児童自立生活援助等に係る知事への報告、⑤障害児支援措置に係る市町村長への報告・通知のいずれかを採らなければなりません。
解説
児童虐待の通告先といえば児童相談所、と思われがちだが、都道府県が設置する福祉事務所も正式な受け皿である。本条は、通告や送致を受けた福祉事務所長が「必要があると認めたとき」に、五つの選択肢のうちいずれかを必ず採らなければならないと定める。ここで押さえるべきは「採ることができる」ではなく「採らなければならない」という文言だ。裁量で動くかどうかを決める条文ではなく、判断したら必ず出口のどれかに接続する義務条文である。あなたが福祉事務所に相談を持ち込み、「うちの管轄ではない」「様子を見ましょう」と押し戻されたとする。そのとき本条は、五つの出口(児童相談所への送致、知的障害者福祉司・社会福祉主事による指導、保育の利用等への報告通知、児童自立生活援助への報告、障害児支援への報告通知)のどれに乗せたのかを問える根拠になる。相談が空中で消えるのを防ぐ配電盤が、この条文だ。
法的な位置づけ
児童福祉法第25条の8は、都道府県の設置する福祉事務所の長が、要保護児童の通告や市町村長等からの送致を受けた児童、相談に応じた児童・保護者・妊産婦について必要があると認めたとき、児童相談所への送致、知的障害者福祉司等による指導、保育の利用等・児童自立生活援助・障害児支援に係る報告又は通知のいずれかの措置を採るべき義務を定める規定である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.相談内容を時系列で整理する いつ、誰が、何をしたか、子どもの年齢と現在の状況、困っている事柄を時系列でメモにまとめる。妊娠中の場合は妊娠週数や住居・収入の状況も書き出す
- 2.相談先を確認する 緊急性が高い場合は児童相談所または189へ。生活の行き詰まりが中心なら都道府県設置の福祉事務所または市町村の窓口へ。窓口がどの自治体の設置かを事前に確認する
- 3.窓口で状況を伝え、該当しそうな措置を示す 児相送致、福祉司・社会福祉主事の指導、保育の利用等、児童自立生活援助、障害児支援の五つのうち、どれに当たりそうかを具体的に伝える
- 4.担当者と対応内容を記録する 担当者名、回答内容、今後の連絡予定を記録し、どの号の措置で整理されたか、または必要性を認めなかった理由を確認する
- 5.期限を切って再確認する 連絡がない場合、前回の相談日と担当者名を挙げて進捗を確認する。改善しなければ児童相談所への連絡や弁護士相談を並行して行う
よくある質問 AI による整理
Q1福祉事務所長の措置とは何ですか?
児童福祉法25条の8に基づき、福祉事務所長が必要と認めた児童・保護者・妊産婦を、児相送致や指導など五つの措置のいずれかにつなぐ義務のことです。
Q2虐待の通告は福祉事務所でもできる?
できます。児童福祉法25条1項は市町村、都道府県設置の福祉事務所、児童相談所を通告先として並べています。福祉事務所から児相へ送致する経路も本条1号で定められています。
Q3福祉事務所 児童相談所 違いは?
児童相談所は一時保護や施設入所措置など27条の措置につなぐ専門機関です。福祉事務所は指導や保育の利用等への報告通知を担い、判定が必要な事案は児相に送致します。
Q4都道府県の福祉事務所と市の福祉事務所の違いは?
本条の義務主体は「都道府県の設置する」福祉事務所の長です。市が設置する福祉事務所は主に市町村の措置(25条の7)の枠組みで動くため、根拠条文が異なります。
Q5社会福祉主事の指導とはどんなもの?
本条2号の措置で、福祉事務所の知的障害者福祉司または社会福祉主事が児童や保護者に助言・指導を行うものです。施設入所などの強制的な処分とは性質が異なります。
Q6妊婦も児童福祉法の支援を受けられる?
受けられます。本条は相談に応じた妊産婦を明文で対象にしており、3号で妊産婦等生活援助事業や助産の実施への報告・通知を福祉事務所長の措置として定めています。
Q718歳以降の自立支援はどこに相談する?
福祉事務所で相談した場合、本条4号により児童自立生活援助や社会的養護自立支援拠点事業が適当な児童は都道府県知事に報告されます。児童相談所も相談先です。
Q8福祉事務所が動いてくれない時はどうする?
相談日・担当者・内容を記録し、本条のどの号で整理されたかを確認します。改善しなければ児童相談所や189への連絡、弁護士への相談を並行して検討します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1児童相談所と福祉事務所、どっちに相談すればいいんですか?
緊急性が高い場合は児童相談所または189(いちはやく)が早い。一方で25条1項の通告先には福祉事務所も含まれ、本条一号で児相への送致経路が法定されている。実務のポイント:児相は一時保護の判断権を持つが件数過多で初動が遅れることがあり、福祉事務所は保育の利用等や生活支援へ直接つなぐ手札を持つ。困りごとが「危険」寄りか「生活の行き詰まり」寄りかで、最初に叩く扉を変えると動きが速い
Q2相談したのに何も連絡が来ません。放置されているのでしょうか?
本条は必要性を認めた場合に五つの措置のいずれかを採るべきものとしており、必要性を認めない判断もありうる。ただしその判断過程は記録として残る。実務のポイント:再度連絡する際、前回の相談日と担当者名を挙げて「その後どの号で整理されたか」を尋ねると、担当ラインの確認が走りやすい。同じ内容でも、記録に紐づけた問い合わせとそうでない問い合わせでは扱いが違う
Q3妊娠中で住むところがありません。児童福祉法は関係ないのでは?
本条は「相談に応じた児童、その保護者又は妊産婦」を明文で対象にしており、三号は妊産婦等生活援助事業の実施や助産の実施等が適当な者について報告・通知を定める。実務のポイント:母子保健(母子保健法)と児童福祉の窓口は別に見えるが、福祉事務所長の報告義務のところで接続する。母子健康手帳交付の場で困窮を具体的に伝えることが、児童福祉側の措置の起点になることがある
間違えやすい点 AI による整理
- 「虐待通告は児童相談所へ」という認識は正しいが、その深刻度を取り違えている。児相は慢性的に過負荷で、通告が集中すれば初動が遅れる。25条1項は福祉事務所や市町村も通告先として並置しており、本条はそこから児相へ送致する法定経路を用意している。窓口が一つだと思い込むこと自体が、初動の遅れを生む構造要因になっている
- 「福祉事務所は生活保護の窓口」という理解で止まっている人が多いが、法律から見れば都道府県設置の福祉事務所は児童福祉法上の措置主体の一つである。あなたから見れば生活保護の部署、法律から見れば児童・保護者・妊産婦に対する五つの措置義務を負う機関。この落差が、使えるはずの窓口を使わせない
- 「必要があると認めたとき」だから役所の裁量次第で何もしなくてよい、と読むのは条文の読み違いである。本条が裁量として残しているのは「必要性の認定」であって、必要と認めた後に何をするかではない。必要と認めながらどの号にも乗せない対応は、条文の構造上は想定されていない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 措置の主体 | 児福法25条の8:都道府県設置の福祉事務所の長 | 児福法25条の7:市町村 児福法26条:児童相談所長 |
| 主な出口 | 児相送致、福祉司・社会福祉主事の指導、保育の利用等・自立援助・障害児支援への報告通知 | 児相送致、福祉事務所送致など市町村段階の振り分け 都道府県知事への報告(27条措置)、指導など専門的対応 |
| 性格 | 必要性を認めたら五つの出口のいずれかに接続する義務 | 身近な自治体による第一次的な振り分け 判定・一時保護・施設入所につながる専門機関の措置 |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾は通報を受けた地方主管機関が分級・処遇を行う一元的な構造で、日本のように市町村・福祉事務所・児相が並立して送致し合う仕組みとは異なる
ドイツは少年局(Jugendamt)がリスク評価と支援提供の義務を一元的に負い、評価手続を法定する点が特徴
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 妊娠が分かったが経済的にも住居的にも行き場がない。福祉事務所の窓口で相談したとき、本条三号は妊産婦等生活援助事業の実施や助産の実施へつなぐ「報告・通知」を福祉事務所長の義務として書いている。相談に応じた妊産婦も本条の対象者として明記されている、つまりあなたは制度の外にいる人ではない
- もし、隣室から連日子どもの泣き声と怒鳴り声が聞こえたら、どこに通告すればいいのか。児童相談所だけが窓口ではない。25条1項の通告は福祉事務所(都道府県設置のもの)でも受理され、そこから本条一号で児相へ送致される経路が法定されている。通告先を一つしか知らないことが、動かない理由になってはいけない
- 18歳が近づく施設出身の若者。住まいも就労先も未確定のまま年齢で切られる不安がある。本条四号は、児童自立生活援助の実施や社会的養護自立支援拠点事業が適当と認める児童について、都道府県知事への報告を義務づけている。「自分で何とかしろ」で終わらせない通路が条文上存在する
- 知的障害のある子の保護者として支援を求めたが、窓口をたらい回しにされている。あと数週間で新学期。本条二号は福祉事務所の知的障害者福祉司または社会福祉主事に指導させる措置を、五号は障害児支援(21条の6の措置)に係る市町村長への報告・通知を、いずれも福祉事務所長の選択肢として定めている。どの出口に乗せる判断なのかを尋ねる権利がある
- あなたが自治体職員の側だとする。相談を受けたが緊急性は低いと感じた。だが本条は「必要があると認めたとき」の措置を義務化しており、必要性の判断は記録に残る。後に重大事案化したとき、どの号も選ばなかった判断過程が検証対象になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 相談前に事実を時系列でメモ化(いつ、誰が、何を、子の年齢と現状)。2. 都道府県設置の福祉事務所か市町村の窓口かを確認、児童相談所への通告と並行してよい。3. 相談時に本条の五つの出口のどれに該当しそうかを具体的に示す(児相送致、福祉司・社会福祉主事の指導、保育の利用等、児童自立生活援助、障害児支援)。4. 回答が曖昧なら担当者名と回答日を記録し、期限を切って再確認する。本稿は法的助言ではなく、個別事案は自治体窓口や弁護士へ
訴えられた側:1. 通告を受けた側(保護者)になった場合、まず事実確認の求めに応じつつ、経緯を自分でも時系列で記録する。2. 本条二号の指導措置は処分ではなく支援の枠組みであり、応じることが不利益を意味するとは限らない。3. 27条の措置(児相による施設入所等)へ進む場合は判断の根拠資料が重要になるため、生活状況・就労・医療の記録を整える。4. 手続の進み方に疑問があれば、早い段階で児童福祉に詳しい弁護士へ相談する
時効(請求できる期限):本条自体に期限の定めはなく、措置は必要性を認めた時点で採るべきものとされる。行政の対応に不服がある場合の審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)。ただし本条の報告・通知・送致が「処分」に当たるかは事案により異なり、実務上、解釈が分かれている
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.令和4年(2022年) 改正:児童福祉法等の一部改正により、妊産婦等生活援助事業や社会的養護自立支援拠点事業が創設され、本条の報告・通知先にも反映された(施行は令和6年4月)
- 児童福祉法 第25条要保護児童発見者の通告義務、本条の入口
- 児童福祉法 第25条の7市町村長の措置、本条と並ぶ振り分け規定
- 児童福祉法 第25条の9児童相談所長の措置、送致先側の対応規定
- 児童福祉法 第27条都道府県が採るべき措置、本条一号の送致先
- 児童福祉法 第21条の6障害児支援の措置、本条五号の接続先
- 児童虐待の防止等に関する法律 第6条虐待発見時の通告義務を特則として規定
- 社会福祉法 第14条福祉事務所の設置根拠と所掌事務
- 母子及び父子並びに寡婦福祉法 第1条母子保護の実施と本条三号の接続
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