児童福祉法 第33条の3
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- 児童相談所長は、一時保護が行われている間に児童が逃走し、又は死亡した場合において、遺留物があるときは、これを保管し、かつ、前条第三項の規定により権利者に返還しなければならない物を除き、これを当該児童の保護者若しくは親族又は相続人に交付しなければならない。
- 2.前条第二項、第四項、第五項及び第七項の規定は、前項の場合に、これを準用する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 児童福祉法第33条の3は、日本の児童福祉法に含まれる条文です。
- 児童福祉法第33条の3の条文原文は「児童相談所長は、一時保護が行われている間に児童が逃走し、又は死亡した場合において、遺留物があるときは、これを保管し、かつ、前条第三項の規定により権利者に返還しな…」で始まります。
- 児童福祉法第33条の3は第六節 要保護児童の保護措置等に置かれています。
- 児童福祉法の公布日は昭和22年12月12日です。
- 児童福祉法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 児童福祉法第33条の3の前の条は児童福祉法第33条の2の2です。
- 児童福祉法第33条の3の次の条は児童福祉法第33条の3の2です。
- 児童福祉法第33条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第33条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000164 - 本サイト収録
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第33条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000164/33_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点児童福祉法33条の3は、一時保護中の児童が逃走または死亡した場合、児童相談所長に遺留物の保管を義務づけ、権利者へ返還すべき物を除いて保護者・親族・相続人への交付を命じる。
Q · 一時保護中に子どもが亡くなったり逃げたりしたら、残された荷物はどうなるの?
児童相談所長が保管し、原則として保護者・親族・相続人に交付する
児童福祉法33条の3第1項により、一時保護中に児童が逃走または死亡した場合、児童相談所長は遺留物を保管し、保護者若しくは親族又は相続人に交付しなければなりません。ただし前条の規定で本来の権利者に返還すべき物は交付対象から除かれます。交付先の優先順位は条文に書かれておらず、居場所の秘匿が必要な事案では児童虐待防止法の措置と併せた個別判断になります。
解説
条文に「逃走」という言葉が残っている点に、まず引っかかってほしい。一時保護は子どもを守るための制度だが、法律はその場から子が逃げ出す事態も、そこで命を落とす事態も、同じ一文に並べて書いている。33条の3が定めるのはその後始末だ。児童相談所長は、逃走または死亡した児童の遺留物を保管する義務を負い、前条第3項で本来の権利者に返すべき物を除いて、保護者、親族、相続人に交付しなければならない。ここが実務の急所になる。虐待通告を端緒に保護された子の遺留物には、日記、手紙、スマートフォンが含まれうる。その中身が加害を裏づける材料であっても、条文の文言上は「保護者」も交付先に並んでいる。交付は義務であって裁量の余地はないと読むか、権利者返還の除外や児童虐待の防止等に関する法律の側で調整できると読むか、実務上、解釈が分かれている。あなたが親族としてこの連絡を受ける側なら、何がいつ、誰に渡るのかを最初に確認できる立場にいる。
法的な位置づけ
児童福祉法33条の3は、一時保護中の児童が逃走または死亡した場合の遺留物の取扱いを定める規定である。児童相談所長に遺留物の保管義務を課し、前条の規定により権利者に返還すべき物を除き、当該児童の保護者、親族または相続人への交付を義務づける。第2項は前条の売却、公告、帰属、費用に関する規定を準用する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.児童相談所に保管物の一覧を書面で照会する 連絡を受けたら、現在保管されている遺留物の一覧と、前条の規定により権利者に返還される物の範囲を書面で照会する。口頭説明だけで済ませず、記録に残る形で回答を求める
- 2.交付を求める理由と児童本人の意思を示す資料を添える 交付先が保護者・親族・相続人と並んでいるため、自分が受け取るべき理由と、子本人の意思がわかる手紙やメモ、担当者の聴取記録などを添えて申し入れる
- 3.秘匿が必要な物の切り分けを求める スマートフォンや日記など居場所や交友関係が特定されうる物がある場合、交付前に児童虐待の防止等に関する法律12条の措置と併せて交付範囲を検討するよう求める
- 4.受領前に相続の方針を決め、交付に立ち会う 相続放棄を検討しているなら、受領後の売却など処分行為が法定単純承認とされないよう方針を先に固める。交付時は受領物を一覧と照合し、除外された物の根拠条項を確認する
よくある質問 AI による整理
Q1一時保護 遺留物とは何ですか?
一時保護中に逃走または死亡した児童が残していった所持品のことです。児童福祉法33条の3により、児童相談所長が保管し、保護者・親族・相続人に交付します。
Q2一時保護中に亡くなった子の遺品は誰が受け取れる?
条文上の交付先は保護者、親族、相続人です。ただし優先順位の定めはなく、誰に渡すかは児童相談所の運用判断に委ねられている部分があります。
Q3一時保護所から逃走した子の荷物 返してもらえる?
逃走の場合も死亡と同じく交付の対象です。ただし本来の権利者に返還すべき物は除かれ、居場所の秘匿が必要な事情があれば交付範囲が調整されることがあります。
Q4児童相談所 遺留物 保管期間はいつまで?
本条自体は期間を定めていません。前条の公告・帰属に関する規定が準用されるため、引取りがない場合の扱いは準用先の規定と現行の運用を確認する必要があります。
Q5遺留物の中のスマホや日記も保護者に渡される?
文言上は対象になりえます。ただし虐待事案では居場所や交友関係の秘匿が問題になるため、児童虐待防止法の措置と併せ、一品ずつ交付範囲を検討する運用が求められます。
Q6遺留物の交付を拒否された 違法?
交付は児童相談所長の義務ですが、権利者返還物の除外があります。拒否の根拠を書面で確認し、不服があれば行政不服審査法による審査請求などを弁護士と検討します。
Q7遺留物を売却されることはある?
前条第2項が準用されるため、保管に不適当な物は売却し、その代価を保管する取扱いがありえます。腐敗しやすい物などが典型で、代価が交付対象になります。
Q8遺留物を受け取ったら相続放棄できなくなる?
受領自体は行政上の引渡しで、直ちに単純承認とはされにくいです。ただし売却などの処分をすると民法921条の法定単純承認に当たる余地があるため注意が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1子どもが一時保護所から出て行っただけなのに、荷物を親に渡してしまっていいんですか?
児童福祉法33条の3第1項は逃走と死亡を並べて規定し、いずれの場合も遺留物の保管義務と、保護者、親族、相続人への交付義務を児童相談所長に課している。ただし前条第3項で権利者に返還すべき物は除かれる。実務のポイント:居場所の秘匿が要る事案では、交付義務があるからと機械的に全部渡す運用にはならず、児童虐待の防止等に関する法律12条の面会通信制限と併せて、何を渡すかを一品ずつ切り分けるのが実務の勘所である。
Q2遺留物を受け取ったら、相続を認めたことになってしまいますか?
33条の3の交付は児童相談所長が行う行政上の引渡しで、相続の承認とは別の手続である。ただし民法921条は相続財産の処分を法定単純承認とみなすため、受け取った物を売却するなどすれば承認と扱われる余地が残る。実務のポイント:形見として保管するだけなら処分と評価されにくいが、換価した瞬間に評価が変わる。相続放棄を検討中なら、受領前に扱いを弁護士に確認してから窓口に行く。
間違えやすい点 AI による整理
- あなたから見れば、それは形見である。法律から見れば、行政が占有している保管物であり、交付は情緒の手続ではなく児童相談所長に課された義務の履行である。だから渡す相手も渡す範囲も、あなたの気持ちではなく条文の枠で決まる。この落差を知らないまま窓口に行くと、言うべきことを言えずに帰ることになる。
- 一時保護所から子が出て行く事例があることは、報道で知っている人もいる。だがその深刻度、つまり立法者自身が「逃走」と「死亡」を同じ一文に並べて手続を用意しているという事実までは、ほとんど知られていない。制度は安全を保証しているのではなく、安全が破れた後の処理まで含めて設計されている。
- 「遺留物は相続の話だから、遺産分割で決めればいい」という問いの立て方自体がずれている。33条の3の交付は、相続関係の確定とは別軌道で、児童相談所長が行政として行う引渡しである。受け取ったことと、相続人として確定したことは別の話になる。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 児童福祉法33条の3:一時保護中の逃走・死亡時の遺留物 | 前条(所持物の保管規定):一時保護中の児童の所持物 児童福祉法33条:一時保護の実施そのもの |
| 児童相談所長の義務・権限 | 保管義務と保護者・親族・相続人への交付義務 | 所持物の保管、権利者への返還、売却代価の保管 必要があると認めるときに一時保護を行う権限 |
| 物の行き先 | 権利者返還物を除き、保護者・親族・相続人へ交付 | 本来の権利者へ返還、保護解除時は児童本人へ 物の行き先は直接規律しない |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾は緊急保護安置の制度を持つが、安置中に逃走・死亡した児童の遺留物交付を直接定める条文は同法に置かれていない。遺留物の帰属は民法の相続規定等で処理されると考えられる
ドイツの Inobhutnahme は日本の一時保護に相当する制度だが、遺留物交付に特化した条文は同条に置かれていない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 一時保護所から子どもが姿を消し、置いていったリュックとスマートフォンだけが残されたとしたら、それは誰の手に渡る? 児童相談所長は保管義務を負うが、交付先として条文が挙げるのは保護者、親族、相続人の側である。保護者が引取りを申し出てきた時点から、他の親族が意見を伝えられる時間はそう長く残っていない。
- あなたが保護者の側で、一時保護中の子を亡くした。返してほしいのは携帯と写真だが、児童相談所からは「権利者に返還しなければならない物を除いて」と説明される。何がその除外に入るのかを条文の文言で確認しないまま、差し出されたものだけを受け取って終わる人は多い。
- 祖父母として、孫の遺留物を引き取りたいと申し出た。条文は保護者、親族、相続人を並べているが、誰を優先するかの順位までは書いていない。その空白を埋めるのは、現場の運用判断である。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 遺留物の引取りを望む親族側なら、まず児童相談所に対し「現在保管中の物品の一覧」と「前条第3項により権利者へ返還される物の範囲」を書面で照会する。2. 交付先が複数並ぶ以上、自分が受け取りたい理由と、子本人の意思を示す記録(手紙、メモ、担当者の聴取記録)を添えて申し入れる。3. 居場所や交友関係の秘匿が必要な事情があるなら、交付前に児童虐待の防止等に関する法律12条の措置と併せて整理するよう求める。4. 交付後の取り戻しはほぼ効かないため、動くのは必ず保管中に。
訴えられた側:1. 保護者の立場で交付を求めるなら、33条の3第1項が交付を児童相談所長の義務として定めていることを前提に、対象物と除外物の区別を文書で確認する。2. 一部しか渡されないときは、除外の根拠条項を明示させる。3. 過去の措置経緯を理由に事実上の保留が続く場合、不服があれば行政不服審査法に基づく手続や行政訴訟の可否を弁護士に検討させる。4. 受領した物を売却・換価すると相続上の扱いが変わりうるので、受け取る前に相続の方針を決めておく。
時効(請求できる期限):本条自体に固有の期限は置かれていない。保管と処分の細目は前条の準用規定および下位法令に委ねられる。交付を求める権利そのものに特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権は権利行使できることを知った時から5年または行使できる時から10年)が問題となりうる(最新の改正状況をご確認ください)。
- 児童福祉法 第33条一時保護の権限、本条が前提とする状態
- 児童福祉法 第33条の2保管と権利者返還の手続、本条の準用元
- 児童福祉法 第12条児童相談所の設置、所長の権限の所在
- 児童福祉法 第47条施設長等の親権代行、児童の財産管理権限
- 児童虐待の防止等に関する法律 第12条面会通信の制限、交付範囲の個別調整
- 民法 第921条遺留物の処分と法定単純承認の関係
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