児童福祉法 第34条の16
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- 市町村は、家庭的保育事業等又は乳児等通園支援事業の設備及び運営について、条例で基準を定めなければならない。この場合において、その基準は、児童の身体的、精神的及び社会的な発達のために必要な保育の水準を確保するものでなければならない。
- 2.市町村が前項の条例を定めるに当たつては、次に掲げる事項については内閣府令で定める基準に従い定めるものとし、その他の事項については内閣府令で定める基準を参酌するものとする。
- 一家庭的保育事業等又は乳児等通園支援事業に従事する者及びその員数
- 二家庭的保育事業等又は乳児等通園支援事業の運営に関する事項であつて、児童の適切な処遇及び安全の確保並びに秘密の保持並びに児童の健全な発達に密接に関連するものとして内閣府令で定めるもの
- 3.家庭的保育事業等又は乳児等通園支援事業を行う者は、第一項の基準を遵守しなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 児童福祉法第34条の16は、日本の児童福祉法に含まれる条文です。
- 児童福祉法第34条の16の条文原文は「市町村は、家庭的保育事業等又は乳児等通園支援事業の設備及び運営について、条例で基準を定めなければならない。」で始まります。
- 児童福祉法第34条の16は第三章 事業、養育里親及び養子縁組里親並びに施設に置かれています。
- 児童福祉法の公布日は昭和22年12月12日です。
- 児童福祉法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 児童福祉法第34条の16の前の条は児童福祉法第34条の15です。
- 児童福祉法第34条の16の次の条は児童福祉法第34条の17です。
- 児童福祉法第34条の16には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第34条の16 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000164 - 本サイト収録
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第34条の16(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000164/34_16
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点児童福祉法34条の16は、家庭的保育事業等と乳児等通園支援事業の設備運営基準を市町村が条例で定めると規定する。職員の員数等は内閣府令の基準に従う。
Q · 小規模保育や保育ママの職員数や保育室の広さは、誰が決めているの?
市町村の条例で決まり、職員数などは国の府令に従う
児童福祉法34条の16により、家庭的保育事業等と乳児等通園支援事業の設備・運営基準は、各市町村が条例で定めます。職員の資格と員数、児童の処遇・安全確保・秘密保持に関する事項は内閣府令の基準に「従い」定めるため、市町村に緩める裁量はありません。一方、それ以外の事項は府令を「参酌」して地域事情に応じて定められます。事業者はこの条例基準の遵守義務を負い、違反すれば市町村の改善勧告や事業停止命令(34条の17)の対象となります。
解説
保育園に入れなかった親が次に探すのは、小規模保育や家庭的保育(保育ママ)だ。そこで多くの人が誤解する。「認可外だから基準がゆるいのだろう」と。逆である。児童福祉法34条の16は、家庭的保育事業等と乳児等通園支援事業(いわゆる「こども誰でも通園制度」)について、市町村が条例で基準を定めることを義務づける。国が定めるのではなく、あなたが住む市の議会が決める。しかも職員の資格と員数、児童の処遇と安全確保、秘密保持については内閣府令の基準に「従い」定めねばならず、市町村に緩める裁量はない。その他の事項は「参酌」、つまり参考にした上で地域事情に応じて動かせる。この「従うべき基準」と「参酌すべき基準」の二層構造が、あなたの子どもを預ける場所の職員配置が何人かを決めている。そして事業者側には3項で遵守義務が直接かかる。基準違反は条例違反であり、市町村の改善勧告・事業停止命令(34条の17)に直結する。
法的な位置づけ
児童福祉法34条の16は、家庭的保育事業等及び乳児等通園支援事業の設備及び運営に関する基準を市町村の条例で定めることを義務づける委任規定である。条例は児童の身体的・精神的・社会的発達に必要な保育水準を確保するものでなければならず、従事者の員数や児童の安全確保等は内閣府令に従い、その他の事項は参酌して定める。事業者は同基準の遵守義務を負う。
よくある質問 AI による整理
Q1家庭的保育事業等とは何ですか?
児童福祉法6条の3に定める家庭的保育事業、小規模保育事業、居宅訪問型保育事業、事業所内保育事業の総称です。主に3歳未満児を対象とする地域型保育を指します。
Q2乳児等通園支援事業とは?
いわゆる「こども誰でも通園制度」の法律上の名称です。保護者の就労要件を問わず、未就園の乳幼児が一定時間の範囲で保育所等に通える仕組みで、令和6年改正で導入されました。
Q3従うべき基準と参酌すべき基準の違いは?
従うべき基準は市町村が条例で変えられない国の拘束的基準、参酌すべき基準は国の基準を参考にしつつ地域事情に応じて異なる内容を定めてよい基準です。
Q4保育ママになるには資格が必要?
家庭的保育者は、市町村長が行う研修の修了を前提に、保育士またはこれと同等以上の知識経験があると市町村長が認める者とされています。詳細は市町村の条例を確認します。
Q5家庭的保育の定員は何人まで?
家庭的保育事業は利用定員5人以下、小規模保育事業は6人以上19人以下と法律上区分されています(児童福祉法6条の3)。20人以上は認可保育所の枠組みです。
Q6小規模保育の職員配置基準はどこで確認できる?
国の最低ラインは内閣府令「家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準」、実際に適用される数値は市町村の条例です。両方を並べて確認するのが確実です。
Q7自分の市の保育基準条例はどうやって探す?
市区町村の公式サイトにある「例規集」で「家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例」を検索します。多くの自治体でオンライン公開されています。
Q8条例基準に違反した保育事業者はどうなる?
34条の16第3項の遵守義務違反となり、市町村による報告徴収・立入検査、改善勧告、さらには事業の制限・停止命令等(34条の17)の対象になり得ます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1小規模保育って、普通の保育園より安全性が低いんでしょうか?
法的には認可事業であり、市町村が条例で定めた基準の遵守が義務づけられている(34条の16第3項)。職員の資格・員数や安全確保については内閣府令の基準に従うため、緩める裁量は市町村にない。実務のポイント:自治体の指導監査結果は多くの市町村で公表されている。「(市名)保育 指導監査 結果」で検索すると、過去に指摘を受けた事業所と指摘内容が出てくることがある。見学前にこれを見る保護者はほとんどいない
Q2市によって基準が違うって、それは不公平じゃないんですか?
2項が二層構造を採っているためである。職員の員数や安全・秘密保持は全国共通の「従うべき基準」、それ以外は地域事情を反映できる「参酌すべき基準」だ。人口密度も住宅事情も違う地域に一律基準を強いる方が不合理という立法判断がある。実務のポイント:条例案はパブリックコメントにかかる。保育の当事者からの意見がほぼ来ないため、少数の具体的な意見が実際に条文を動かすことがある
Q3基準を守っていない事業所を見つけたら、どこに言えばいいですか?
認可・指導監督の権限は市町村にあるので、市区町村の保育担当課が窓口になる。34条の17に基づき、市町村は報告徴収・立入調査・改善勧告・事業停止命令まで行える。都道府県ではない点に注意。実務のポイント:口頭の相談は記録に残らず動かないことがある。日時・観察した事実・人数を書いた書面かメールで出すと、行政側に応答義務の意識が生まれ、調査に至る確率が上がる
間違えやすい点 AI による整理
- 「小規模保育や保育ママは認可外だから基準がゆるい」という理解が広く流通しているが、前提そのものが誤っている。家庭的保育事業等は児童福祉法上の認可事業であり、市町村長の認可(34条の15)を受けて運営される。認可外保育施設とは法的地位が別物で、基準も指導監督も条例に基づく法的義務として課されている
- 「基準は国が決めているのだから、市役所に文句を言っても無駄」と考える人は多い。だが2項が定めるのは、職員資格・員数・処遇・安全・秘密保持だけが国の府令に従うべき事項で、それ以外は市町村が参酌して独自に決められるという構造だ。つまり設備面や運営面の相当部分は、あなたの市の議会に働きかければ変えられる領域にある
- 基準があることは知っていても、その違反がどこまで重いかを知る人は少ない。3項の遵守義務は努力目標ではない。違反すれば市町村は改善勧告を出し、従わなければ公表し、最終的には事業の制限または停止を命じることができる(34条の17)。廃業に直結する強制力が、この一行の裏側に接続されている
- 「乳児等通園支援事業は新しい制度だから基準はまだ整備中だろう」と思われがちだが、令和6年(2024年)の子ども・子育て支援法等改正により、この条文に組み込まれた時点で基準策定は市町村の法的義務になっている。制度の新しさは、基準の緩さを意味しない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 基準を定める主体 | 34条の16:市町村の条例(家庭的保育事業等・乳児等通園支援事業) | 45条:都道府県等の条例(児童福祉施設=認可保育所等) 34条の17:基準を定めない(市町村の監督権限の規定) |
| 国の基準の拘束力 | 従事者・員数、処遇・安全・秘密保持等は内閣府令に従う、その他は参酌 | 従事者・員数に加え、居室面積等の設備事項の一部も従うべき基準 34条の16の条例基準を執行の物差しとして用いる |
| 事業者との関係 | 3項で事業者に基準遵守義務を直接課す | 施設の設置者に基準遵守義務を課す 違反時の報告徴収・立入検査・改善勧告・事業停止命令等 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では居家式托育服務提供者(保母)は直轄市・県市主管機関への登記制で、資格要件は中央法令が定め、管理の実務は地方政府が担う。日本の「市町村条例で基準」とは異なり、基準の骨格は中央主導である。
韓国は家庭어린이집を含む保育施設の設置基準・教職員配置基準を法律と施行規則で全国的に定め、地方自治体は認可・監督を担う。
ドイツでは Kindertagespflege(保育ママ)に青少年局の許可を要し、連邦法が枠組みを、州法が詳細基準を定める。連邦+州の二層構造は日本の府令+条例に近い。
米国は連邦補助金の条件として州に保育の健康・安全基準を求め、具体的な licensing 基準は州ごとに定められる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 認可保育園に落ち、小規模保育事業所を見学した。職員が二人しかいないように見えるが、これは違法なのか適法なのか。答えは自治体の条例を見ないと分からない。国の内閣府令は最低ラインを示すだけで、実際の員数を確定しているのはあなたの市の条例だ。市の公式サイトで「家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例」を検索すれば、その日のうちに確認できる
- 保育ママ(家庭的保育者)として開業を考えている。自宅の一室を保育室にするつもりだが、面積・採光・避難経路・調理設備の要件は国の府令ではなく市の条例で決まる。隣の市では通る間取りが、あなたの市では通らないことが現実に起こる。物件契約より先に条例を読む順序を間違えると、敷金礼金が無駄になる
- もし、預けている小規模保育事業所で職員の一人が突然退職し、基準上の員数を下回ったとしたら? 事業者は基準遵守義務(3項)を負っているので、市町村への報告と改善が必要になる。保護者であるあなたは、市の担当課に事実を伝えることで行政の調査権限(34条の17)を動かせる立場にある
- 事業者側の視点。市町村の立入調査で「保育室の面積が条例の基準を満たしていない」と指摘された。あと30日以内に改善計画を出さなければ改善勧告、その先には事業停止命令が待つ。ここで争点になるのは、その基準が「従うべき基準」の範囲か「参酌すべき基準」の範囲かだ。後者であれば、条例制定過程で地域事情を十分考慮したかという別の争い方がある
- 自治体職員として条例改正を担当することになった。内閣府令が改正されたとき、「従うべき基準」の部分は条例も追随させないと違法状態になる。府令改正のタイムラグを放置すると、その間の認可処分の適法性が揺らぐ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 市町村の公式サイトで「家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例」を検索し、職員の員数と保育室の面積基準を確認する2. 見学時にその数値と実際の配置を照合、記録(日時・観察内容・可能なら写真)を残す3. 乖離があれば市町村の保育担当課に書面で申し入れ、34条の17に基づく報告徴収・立入調査を求める4. 子どもに実害が生じた場合は、別途民法709条・715条による損害賠償請求を検討する
訴えられた側:1. 指摘された事項が内閣府令の「従うべき基準」由来か「参酌すべき基準」由来かを条例と府令を対照して仕分ける2. 事実関係の誤認があれば改善勧告が出る前の段階で書面で反論、記録を残す3. 改善可能な事項は期限内に改善計画を提出、実施記録を整える4. 事業停止命令が出た場合は行政処分(役所があなたに直接下す具体的な決定)なので、審査請求または取消訴訟の対象になる。処分通知書の教示欄を必ず確認する
時効(請求できる期限):本条自体に期限の定めはない。ただし市町村の改善勧告・命令等の行政処分に不服がある場合、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。損害賠償請求は不法行為として損害および加害者を知った時から3年、人の生命・身体の侵害は5年(民法724条、724条の2)
学説
地方分権改革における通説的理解:「従うべき基準」は条例で異なる内容を定めることを許さない拘束的基準、「参酌すべき基準」は十分参照したうえで地域実情に応じ異なる内容を定めうる基準と整理される。本条は子どもの生命・安全・人格に直結する事項のみを前者に置く。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成24年(2012年) 新設:子ども・子育て関連3法に伴う児童福祉法改正により、家庭的保育事業等を市町村認可事業として位置づけ、その設備運営基準を市町村条例で定める本条の枠組みが整備された(施行は平成27年度の子ども・子育て支援新制度開始時)。
- 2.令和4年(2022年) 改正:こども家庭庁の設置に伴い、基準を定める府省令が厚生労働省令から内閣府令に移行した。
- 3.令和6年(2024年) 改正:子ども・子育て支援法等の改正により乳児等通園支援事業(こども誰でも通園制度)が創設され、本条の対象に加えられた。
- 児童福祉法 第34条の15家庭的保育事業等の市町村長による認可
- 児童福祉法 第34条の17基準違反時の報告徴収・改善勧告・事業停止命令
- 児童福祉法 第6条の3家庭的保育事業等及び乳児等通園支援事業の定義
- 児童福祉法 第45条児童福祉施設の設備運営基準、都道府県条例による並行構造
- 児童福祉法 第24条市町村の保育実施義務、本条の基準が支える給付の受け皿
- 子ども・子育て支援法 第43条地域型保育給付の確認と運営基準の連動
- 地方自治法 第14条条例制定の一般的根拠と法令適合要件
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