児童福祉法 第34条の15
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- 市町村は、家庭的保育事業等又は乳児等通園支援事業を行うことができる。
- 2.国、都道府県及び市町村以外の者は、内閣府令の定めるところにより、市町村長の認可を得て、家庭的保育事業等又は乳児等通園支援事業を行うことができる。
- 3.市町村長は、家庭的保育事業等又は乳児等通園支援事業に関する前項の認可の申請があつたときは、次条第一項の条例で定める基準に適合するかどうかを審査するほか、次に掲げる基準(当該認可の申請をした者が社会福祉法人又は学校法人である場合にあつては、第四号に掲げる基準に限る。)によつて、その申請を審査しなければならない。
- 一当該家庭的保育事業等又は乳児等通園支援事業を行うために必要な経済的基礎があること。
- 二当該家庭的保育事業等又は乳児等通園支援事業を行う者(その者が法人である場合にあつては、経営担当役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいう。第三十五条第五項第二号において同じ。)とする。)が社会的信望を有すること。
- 三実務を担当する幹部職員が社会福祉事業に関する知識又は経験を有すること。
- 四次のいずれにも該当しないこと。
- 一申請者が、拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者であるとき。
- 二申請者が、この法律その他国民の福祉に関する法律で政令で定めるものの規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者であるとき。
- 三申請者が、労働に関する法律の規定であつて政令で定めるものにより罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者であるとき。
- 四申請者が、第五十八条第二項の規定により認可を取り消され、その取消しの日から起算して五年を経過しない者(当該認可を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しの処分に係る行政手続法第十五条の規定による通知があつた日前六十日以内に当該法人の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。ホにおいて同じ。)又はその事業を管理する者その他の政令で定める使用人(以下この章において「役員等」という。)であつた者で当該取消しの日から起算して五年を経過しないものを含み、当該認可を取り消された者が法人でない場合においては、当該通知があつた日前六十日以内に当該事業を行う者の管理者であつた者で当該取消しの日から起算して五年を経過しないものを含む。)であるとき。ただし、当該認可の取消しが、家庭的保育事業等又は乳児等通園支援事業の認可の取消しのうち当該認可の取消しの処分の理由となつた事実及び当該事実の発生を防止するための当該家庭的保育事業等又は乳児等通園支援事業を行う者による業務管理体制の整備についての取組の状況その他の当該事実に関して当該家庭的保育事業等又は乳児等通園支援事業を行う者が有していた責任の程度を考慮して、ニ本文に規定する認可の取消しに該当しないこととすることが相当であると認められるものとして内閣府令で定めるものに該当する場合を除く。
- 五申請者と密接な関係を有する者(申請者(法人に限る。以下ホにおいて同じ。)の役員に占めるその役員の割合が二分の一を超え、若しくは当該申請者の株式の所有その他の事由を通じて当該申請者の事業を実質的に支配し、若しくはその事業に重要な影響を与える関係にある者として内閣府令で定めるもの(以下ホにおいて「申請者の親会社等」という。)、申請者の親会社等の役員と同一の者がその役員に占める割合が二分の一を超え、若しくは申請者の親会社等が株式の所有その他の事由を通じてその事業を実質的に支配し、若しくはその事業に重要な影響を与える関係にある者として内閣府令で定めるもの又は当該申請者の役員と同一の者がその役員に占める割合が二分の一を超え、若しくは当該申請者が株式の所有その他の事由を通じてその事業を実質的に支配し、若しくはその事業に重要な影響を与える関係にある者として内閣府令で定めるもののうち、当該申請者と内閣府令で定める密接な関係を有する法人をいう。第三十五条第五項第四号ホにおいて同じ。)が、第五十八条第二項の規定により認可を取り消され、その取消しの日から起算して五年を経過していないとき。ただし、当該認可の取消しが、家庭的保育事業等又は乳児等通園支援事業の認可の取消しのうち当該認可の取消しの処分の理由となつた事実及び当該事実の発生を防止するための当該家庭的保育事業等又は乳児等通園支援事業を行う者による業務管理体制の整備についての取組の状況その他の当該事実に関して当該家庭的保育事業等又は乳児等通園支援事業を行う者が有していた責任の程度を考慮して、ホ本文に規定する認可の取消しに該当しないこととすることが相当であると認められるものとして内閣府令で定めるものに該当する場合を除く。
- 六申請者が、第五十八条第二項の規定による認可の取消しの処分に係る行政手続法第十五条の規定による通知があつた日から当該処分をする日又は処分をしないことを決定する日までの間に第七項の規定による事業の廃止をした者(当該廃止について相当の理由がある者を除く。)で、当該事業の廃止の承認の日から起算して五年を経過しないものであるとき。
- 七申請者が、第三十四条の十七第一項の規定による検査が行われた日から聴聞決定予定日(当該検査の結果に基づき第五十八条第二項の規定による認可の取消しの処分に係る聴聞を行うか否かの決定をすることが見込まれる日として内閣府令で定めるところにより市町村長が当該申請者に当該検査が行われた日から十日以内に特定の日を通知した場合における当該特定の日をいう。)までの間に第七項の規定による事業の廃止をした者(当該廃止について相当の理由がある者を除く。)で、当該事業の廃止の承認の日から起算して五年を経過しないものであるとき。
- 八ヘに規定する期間内に第七項の規定による事業の廃止の承認の申請があつた場合において、申請者が、ヘの通知の日前六十日以内に当該申請に係る法人(当該事業の廃止について相当の理由がある法人を除く。)の役員等又は当該申請に係る法人でない事業を行う者(当該事業の廃止について相当の理由があるものを除く。)の管理者であつた者で、当該事業の廃止の承認の日から起算して五年を経過しないものであるとき。
- 九申請者が、認可の申請前五年以内に保育に関し不正又は著しく不当な行為をした者であるとき。
- 十申請者が、法人で、その役員等のうちにイからニまで又はヘからリまでのいずれかに該当する者のあるものであるとき。
- 十一申請者が、法人でない者で、その管理者がイからニまで又はヘからリまでのいずれかに該当する者であるとき。
- 4.市町村長は、第二項の認可をしようとするときは、あらかじめ、市町村児童福祉審議会を設置している場合にあつてはその意見を、その他の場合にあつては児童の保護者その他児童福祉に係る当事者の意見を聴かなければならない。
- 5.市町村長は、第三項に基づく審査の結果、その申請が次条第一項の条例で定める基準に適合しており、かつ、その事業を行う者が第三項各号に掲げる基準(その者が社会福祉法人又は学校法人である場合にあつては、同項第四号に掲げる基準に限る。)に該当すると認めるときは、第二項の認可をするものとする。ただし、市町村長は、次の各号のいずれかに該当する場合には、当該認可をしないことができる。
- 一次の表の上欄に掲げる家庭的保育事業等の申請があつた場合において、当該申請に係る家庭的保育事業等を行う事業所の所在地を含む教育・保育提供区域(当該市町村が子ども・子育て支援法第六十一条第二項第一号の規定により定める教育・保育提供区域をいう。以下この号及び次号において同じ。)に所在する他の家庭的保育事業等を行う事業所について同法第四十三条第一項の規定により定められたそれぞれ同表の中欄に掲げる利用定員の総数が、当該教育・保育提供区域について同法第六十一条第二項(第一号に係る部分に限る。)の規定により定められたそれぞれ同表の下欄に掲げる必要利用定員総数に既に達しているか、又は当該申請に係る家庭的保育事業等の開始によつてこれを超えることになると認めるとき。
- 二乳児等通園支援事業の申請があつた場合において、当該申請に係る乳児等通園支援事業を行う事業所の所在地を含む教育・保育提供区域に所在する他の乳児等通園支援事業を行う事業所について子ども・子育て支援法第五十四条の二第二項の規定により定められた利用定員の総数が、当該教育・保育提供区域について同法第六十一条第二項(第二号に係る部分に限る。)の規定により定められた必要利用定員総数に既に達しているか、又は当該申請に係る乳児等通園支援事業の開始によつてこれを超えることになると認めるとき。
- 三前二号に掲げる場合のほか、当該申請に係る家庭的保育事業等又は乳児等通園支援事業について認可をすることによつて、子ども・子育て支援法第六十一条第一項の規定により当該市町村が定める市町村子ども・子育て支援事業計画の達成に支障を生ずるおそれがある場合として内閣府令で定める場合に該当することになると認めるとき。
- 6.市町村長は、家庭的保育事業等又は乳児等通園支援事業に関する第二項の申請に係る認可をしないときは、速やかにその旨及び理由を通知しなければならない。
- 7.国、都道府県及び市町村以外の者は、家庭的保育事業等又は乳児等通園支援事業を廃止し、又は休止しようとするときは、内閣府令の定めるところにより、市町村長の承認を受けなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 児童福祉法第34条の15は、日本の児童福祉法に含まれる条文です。
- 児童福祉法第34条の15の条文原文は「市町村は、家庭的保育事業等又は乳児等通園支援事業を行うことができる。」で始まります。
- 児童福祉法第34条の15は第三章 事業、養育里親及び養子縁組里親並びに施設に置かれています。
- 児童福祉法の公布日は昭和22年12月12日です。
- 児童福祉法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 児童福祉法第34条の15の前の条は児童福祉法第34条の14です。
- 児童福祉法第34条の15の次の条は児童福祉法第34条の16です。
- 児童福祉法第34条の15には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第34条の15 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000164 - 本サイト収録
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第34条の15(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000164/34_15
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点児童福祉法34条の15は、国・自治体以外の者が家庭的保育事業等や乳児等通園支援事業を行うには市町村長の認可が必要と定める。基準を満たしても地域の定員枠が埋まっていれば不認可となり得る。
Q · 基準を全部満たせば、小規模保育の認可は必ず下りるの?
定員枠が埋まった区域では、基準を満たしても不認可になり得る
児童福祉法34条の15第5項は、条例基準と審査基準を満たした申請について市町村長は認可するものとしつつ、ただし書で、教育・保育提供区域の既存事業所の利用定員総数が必要利用定員総数に達している場合や、申請により超える場合などには認可しないことができると定めています。つまり質の基準とは別に、地域の需給という量の関門があります。申請前に市町村子ども・子育て支援事業計画の残枠を確認することが実務上の第一歩です。
解説
保育の受け皿を作る側から見ると、この条文は二つの顔を持つ。市町村なら認可も届出もなしに自前で始められる(1項)。だが株式会社・NPO・個人が同じことをやるなら、市町村長の認可が要る(2項)。そしてここからが本番だ。あなたが社会福祉法人でも学校法人でもないなら、審査されるのは設備基準だけではない。経済的基礎、社会的信望、幹部職員の知識経験、この三つが上乗せで審査される(3項1号から3号)。社会福祉法人なら4号の欠格事由だけで済む。同じ事業をやるのに、法人格で審査の厚みが違う。さらに致命的なのが5項ただし書だ。基準を全部満たしても、その教育・保育提供区域の必要利用定員総数が既に埋まっていれば、市町村長は認可しないことができる。物件も保育士も揃えて申請したのに、数字の枠がないという理由だけで落ちる。この需給調整を知らずに先に物件を借りるか、市町村子ども・子育て支援事業計画の残枠を確認してから動くか。開業の成否は、申請書を書くよりずっと前に決まっている。
法的な位置づけ
児童福祉法第34条の15は、家庭的保育事業等及び乳児等通園支援事業の実施主体と認可手続を定める規定である。市町村は自ら事業を行うことができ、国・都道府県・市町村以外の者は市町村長の認可を要する。認可には条例基準への適合と所定の審査基準の充足が必要であり、需給調整による不認可、不認可理由の通知、廃止・休止の承認制も定められている。
手順
- 1.区域の残枠を確認する 物件契約の前に、市町村子ども・子育て支援事業計画で開設予定地を含む教育・保育提供区域の必要利用定員総数を確認し、既存事業所の利用定員合計と照合する。公表資料で足りなければ窓口照会や情報公開請求を使う
- 2.事前相談と公募要項の確認 市町村の保育担当課に事前相談を申し込み、公募の有無・時期、条例で定める設備運営基準(34条の16)、整備補助の条件を確認する。公募は年度サイクルで動くことが多く、前年度の募集期間が実質の締切になる
- 3.申請主体と審査書類を準備する 社会福祉法人・学校法人か、それ以外かで3項の審査範囲が変わる。株式会社・NPO・個人の場合は経済的基礎、社会的信望、幹部職員の知識経験を示す書類を揃え、4号の欠格事由に該当しないことを確認する
- 4.認可申請と意見聴取を経て結果を待つ 内閣府令の定めに従い認可申請書を提出する。市町村長は審議会または保護者等当事者の意見を聴いた上で判断する(4項)。認可前に開園告知や予約受付を行わないようスケジュールを逆算する
- 5.不認可なら理由を読み対応ルートを決める 6項により通知される不認可理由が基準不適合か需給調整かを確認する。基準不適合なら補正して再申請、需給調整なら積算根拠を確認し、審査請求(処分を知った日の翌日から3か月)や次年度計画改定への働きかけを検討する
よくある質問 AI による整理
Q1家庭的保育事業等とは何ですか?
児童福祉法6条の3が定める家庭的保育事業・小規模保育事業・居宅訪問型保育事業・事業所内保育事業の総称です。主に3歳未満児を少人数で保育する地域型保育を指します。
Q2小規模保育事業の認可申請先はどこですか?
市町村長です(児童福祉法34条の15第2項)。保育所の認可は原則として都道府県知事(35条)なので、窓口を取り違えないよう注意が必要です。
Q3株式会社でも小規模保育事業を開業できますか?
できます。2項は国・都道府県・市町村以外の者に広く門戸を開いています。ただし株式会社は経済的基礎・社会的信望・幹部職員の知識経験まで審査されます。
Q4個人でも家庭的保育事業を始められますか?
法律上は個人も申請できます。ただし家庭的保育者の要件や設備基準は市町村条例(34条の16)で定められ、自治体ごとに研修修了などが求められます。
Q5家庭的保育事業の設備基準は誰が決めますか?
市町村が条例で定めます(34条の16第1項)。内閣府令で定める基準に従い、または参酌して定められるため、自治体ごとに細部が異なります。
Q6事業所内保育所にも認可は必要ですか?
従業員の子に加えて地域の子も受け入れる事業所内保育事業として運営するなら、市町村長の認可が必要です。従業員専用の施設は認可外保育施設として扱われるのが一般的です。
Q7小規模保育の認可審査で住民の意見は聞かれますか?
聞かれます。4項により市町村長は、市町村児童福祉審議会があればその意見を、なければ児童の保護者その他児童福祉に係る当事者の意見を事前に聴かなければなりません。
Q8社会福祉法人と株式会社で認可審査は違いますか?
違います。社会福祉法人・学校法人は3項4号の欠格事由のみの審査ですが、それ以外の者は1号から3号の経済的基礎・社会的信望・幹部職員の知識経験も審査されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1認可が下りなかったら、もう諦めるしかないんですか?
諦める必要はない。6項は市町村長に、不認可の旨と理由を速やかに通知する義務を課している。理由が書面で残るということは、それが争点になるということだ。審査請求(行政不服審査法18条)や取消訴訟の対象にもなる。実務のポイント:実務で本当に効くのは訴訟より、次年度の事業計画改定期に需要見込みの積算根拠を市町村に問い直すことだ。枠は計画が動けば動く
Q2こども誰でも通園制度をやりたいんですが、保育園の認可とは別枠ですか?
別枠である。乳児等通園支援事業は2項で家庭的保育事業等と並べて認可対象とされ、需給調整も5項2号で独立に判断される。子ども・子育て支援法54条の2第2項の利用定員総数と、同法61条2項2号の必要利用定員総数が突き合わされる。実務のポイント:保育の枠が埋まりきった区域でも通園支援の枠は空いていることがある。区域ごとに両方の数字を取る
Q3認可を取らずに預かり保育をやったら、どうなりますか?
直ちに犯罪になるわけではないが、59条の2の届出を要する認可外保育施設となり、地域型保育給付の対象から外れる。さらに34条の17により市町村長は改善勧告や事業停止命令を出せ、命令違反は罰則の対象となりうる(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:決定的なのは収入構造で、認可は公費が入り保護者負担は自治体基準、認可外は原則全額自己負担になる
Q4休園したいだけなのに、なぜ市町村の承認が必要なんですか?
7項が廃止・休止を承認事項にしているからだ。届出ではなく承認、つまり市町村長がノーと言えば閉められない。在園児の転園先が決まる前に受け皿が消えるのを防ぐ趣旨である。実務のポイント:承認申請は撤退を決めてからでは遅い。市町村は代替先の調整に数か月かける。資金繰りが傾いた時点で非公式に相談を入れた事業者ほど、円満に承認を得ている
間違えやすい点 AI による整理
- 「認可の基準を満たせるか」と問うている時点で、問いが半分しか立っていない。3項の基準に全部適合していても、5項ただし書で市町村長は認可しないことができる。立てるべき問いは「基準を満たせるか」ではなく「この教育・保育提供区域に、まだ枠が残っているか」である
- 保育所の認可は都道府県知事、と覚えている人は多い。だが家庭的保育事業等と乳児等通園支援事業は市町村長の認可だ(2項)。申請先も、不認可を争う相手も市町村である。35条の保育所と混同したまま都道府県の窓口に相談に行くと、最初の数週間をまるごと失う
- 社会福祉法人以外でも認可は取れる、そこまでは広く知られている。知られていないのはその重さだ。株式会社・NPO・個人は3項1号から3号(経済的基礎・社会的信望・幹部職員の知識経験)まで審査されるのに対し、社会福祉法人と学校法人は4号の欠格事由だけ。同じ土俵に見えて、提出書類の量も審査期間も別物になる
- 事業者から見れば「うちの施設を閉めるだけ」だが、法律から見れば7項の承認事項である。休止・廃止に市町村長の承認が要るのは、在園児の行き先が決まる前に受け皿を消させないためだ。経営判断の自由は、ここで子どもの受け皿確保に劣後する
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象施設 | 34条の15:家庭的保育事業等・乳児等通園支援事業 | 35条:保育所(原則定員20人以上) 59条の2:認可外保育施設 |
| 許認可の主体と形式 | 市町村長の認可 | 都道府県知事の認可(指定都市・中核市は市長) 都道府県知事等への届出 |
| 需給調整 | 5項ただし書:必要利用定員総数到達で不認可可 | 35条で同様の需給調整規定あり 需給調整なし(届出制) |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾は居家式托育(保母)を直轄市・県市政府への登記制、托嬰中心等の機構を設立許可制とする二層構造。日本のような事業計画に基づく明文の需給調整規定は置かれていない
韓国は国公立以外の어린이집 設置に市長・郡守・区庁長の認可を要し、保育需要に応じて認可を制限できる仕組みを持つ点で日本と近い
ドイツは子どもの福祉確保の観点から施設運営と Kindertagespflege に許可制を置く。量的な需給調整より、許可要件としての質の確保に重点がある
フランスは乳幼児受入施設の開設に県議会議長等の許可を要し、assistante maternelle は別途認定制で規律する
米国は州ごとの免許制で、連邦は補助金を通じて安全・質の基準を誘導する。地域の定員枠による参入制限は一般的でない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 認可が下りる前提で4月開園の広告を打ち、保護者の予約を20件受けてしまったとしたら? 認可の決裁は3月末まで下りず、開園は延期。予約者への返金も信用の毀損もあなたが被る。申請から認可まで数か月かかる前提で逆算していないと、この事故は構造的に起きる
- 認可を取らずに小規模の預かり保育を始めた。その瞬間、あなたの施設は59条の2の認可外保育施設の世界に入り、地域型保育給付は一円も入らない。同じ建物、同じ保育士、同じ保育をしていても、保護者負担の桁が変わる
- 社会福祉法人と組んで申請するか、株式会社単独で申請するか。3項で審査の厚みが変わる。この一点だけで準備期間が半年違う
- 通っている小規模保育事業所が「来月で休止します」と言い出した。7項により、休止には市町村長の承認が要る。承認前なのか承認済みなのかを市町村に確認すれば、転園先の確保を行政に求める交渉材料になる
- 自宅マンションの1階に小規模保育事業所ができるという話が回ってきた。4項は、市町村児童福祉審議会がない場合、児童の保護者その他児童福祉に係る当事者の意見を聴かなければならないと定める。賛成でも反対でも、認可が下りる前に意見を差し込む制度上の窓口が開いている
取るべき行動
被害を受けた側:1. 6項の不認可通知の理由欄を読む。3項の基準不適合なのか、5項ただし書の需給調整なのかで反撃ルートが分かれる2. 基準不適合なら、どの号のどの点が足りないかを文書で照会し、補正して再申請3. 需給調整なら、根拠になった必要利用定員総数と既存定員の積算を情報公開請求で入手し、数字の誤りや古さを突く4. 並行して審査請求の3か月期限をカレンダーに入れ、次年度の計画改定時期も押さえる
訴えられた側:1. まず自分の事業が家庭的保育事業等に当たるのか、59条の2の認可外保育施設なのかを6条の3の定義で切り分ける。分類が違えば適用条文ごと入れ替わる2. 改善勧告を受けた段階なら、34条の17の勧告と事業停止命令は別段階だ。期限内に改善計画を出せば命令・公表を避けられる余地がある3. 撤退で収めるつもりでも7項の承認が要る。無断で閉めた場合、在園児への対応不備が最も重く評価される
時効(請求できる期限):認可申請そのものに法定の申請期限はないが、市町村は事業計画の年度サイクルで枠を管理するため、実務上は前年度の募集期間が実質の締切になる。不認可処分を争う期限は、審査請求が処分を知った日の翌日から3か月(行政不服審査法18条1項、処分の日の翌日から1年)、取消訴訟が処分を知った日から6か月(行政事件訴訟法14条1項、処分の日から1年)。廃止・休止は7項の事前承認が必要で、事後の届出では足りない
学説
条文構造からの一般的理解:5項本文は基準充足時に「認可をするものとする」と原則認可を定め、ただし書の需給調整は「しないことができる」との裁量規定である。このため不認可の適否は、事業計画上の必要利用定員総数と既存定員の算定が合理的かに左右されると整理される
改正沿革 AI による整理
- 平成24年(2012年)子ども・子育て支援新制度関連改正 家庭的保育事業等を地域型保育として制度化し、市町村長の認可制と需給調整を組み込んだ規定が置かれた(平成27年〈2015年〉4月施行)
- 令和4年(2022年)こども家庭庁設置関連改正 所管移管に伴い、委任先の「厚生労働省令」が「内閣府令」に改められた(令和5年〈2023年〉4月施行)
- 令和6年(2024年)児童福祉法改正 乳児等通園支援事業(こども誰でも通園制度)を認可対象に追加し、5項2号として同事業独自の需給調整要件を新設した
改正の年表
- 1.平成24年(2012年) 新設:子ども・子育て支援新制度関連改正により、家庭的保育事業等を地域型保育として制度化し、市町村長の認可制と需給調整を定める規定が置かれた(平成27年〈2015年〉4月施行)
- 2.令和4年(2022年) 改正:こども家庭庁設置関連改正に伴い、委任先の「厚生労働省令」が「内閣府令」に改められた(令和5年〈2023年〉4月施行)
- 3.令和6年(2024年) 改正:乳児等通園支援事業(こども誰でも通園制度)を認可対象に追加し、5項2号として同事業独自の需給調整要件を新設した
- 児童福祉法 第6条の3家庭的保育事業等と乳児等通園支援事業の定義
- 児童福祉法 第34条の16設備運営基準を市町村条例へ委任
- 児童福祉法 第34条の17認可後の改善勧告・事業停止命令
- 児童福祉法 第35条保育所は都道府県知事認可という対比
- 児童福祉法 第59条の2無認可の場合に移る届出制の世界
- 子ども・子育て支援法 第61条需給調整の根拠となる市町村事業計画
- 行政手続法 第8条申請拒否処分の理由提示の一般法
- 行政不服審査法 第18条不認可処分を争う審査請求期間
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