児童福祉法 第35条
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- 国は、政令の定めるところにより、児童福祉施設(助産施設、母子生活支援施設、保育所及び幼保連携型認定こども園を除く。)を設置するものとする。
- 2.都道府県は、政令の定めるところにより、児童福祉施設(幼保連携型認定こども園を除く。以下この条、第四十五条、第四十六条、第四十九条、第五十条第九号、第五十一条第七号、第五十六条の二、第五十七条及び第五十八条において同じ。)を設置しなければならない。
- 3.市町村は、内閣府令の定めるところにより、あらかじめ、内閣府令で定める事項を都道府県知事に届け出て、児童福祉施設を設置することができる。
- 4.国、都道府県及び市町村以外の者は、内閣府令の定めるところにより、都道府県知事の認可を得て、児童福祉施設を設置することができる。
- 5.都道府県知事は、保育所に関する前項の認可の申請があつたときは、第四十五条第一項の条例で定める基準(保育所に係るものに限る。第八項において同じ。)に適合するかどうかを審査するほか、次に掲げる基準(当該認可の申請をした者が社会福祉法人又は学校法人である場合にあつては、第四号に掲げる基準に限る。)によつて、その申請を審査しなければならない。
- 一当該保育所を経営するために必要な経済的基礎があること。
- 二当該保育所の経営者(その者が法人である場合にあつては、経営担当役員とする。)が社会的信望を有すること。
- 三実務を担当する幹部職員が社会福祉事業に関する知識又は経験を有すること。
- 四次のいずれにも該当しないこと。
- 一申請者が、拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者であるとき。
- 二申請者が、この法律その他国民の福祉若しくは学校教育に関する法律で政令で定めるものの規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者であるとき。
- 三申請者が、労働に関する法律の規定であつて政令で定めるものにより罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者であるとき。
- 四申請者が、第五十八条第一項の規定により認可を取り消され、その取消しの日から起算して五年を経過しない者(当該認可を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しの処分に係る行政手続法第十五条の規定による通知があつた日前六十日以内に当該法人の役員等であつた者で当該取消しの日から起算して五年を経過しないものを含み、当該認可を取り消された者が法人でない場合においては、当該通知があつた日前六十日以内に当該保育所の管理者であつた者で当該取消しの日から起算して五年を経過しないものを含む。)であるとき。ただし、当該認可の取消しが、保育所の設置の認可の取消しのうち当該認可の取消しの処分の理由となつた事実及び当該事実の発生を防止するための当該保育所の設置者による業務管理体制の整備についての取組の状況その他の当該事実に関して当該保育所の設置者が有していた責任の程度を考慮して、ニ本文に規定する認可の取消しに該当しないこととすることが相当であると認められるものとして内閣府令で定めるものに該当する場合を除く。
- 五申請者と密接な関係を有する者が、第五十八条第一項の規定により認可を取り消され、その取消しの日から起算して五年を経過していないとき。ただし、当該認可の取消しが、保育所の設置の認可の取消しのうち当該認可の取消しの処分の理由となつた事実及び当該事実の発生を防止するための当該保育所の設置者による業務管理体制の整備についての取組の状況その他の当該事実に関して当該保育所の設置者が有していた責任の程度を考慮して、ホ本文に規定する認可の取消しに該当しないこととすることが相当であると認められるものとして内閣府令で定めるものに該当する場合を除く。
- 六申請者が、第五十八条第一項の規定による認可の取消しの処分に係る行政手続法第十五条の規定による通知があつた日から当該処分をする日又は処分をしないことを決定する日までの間に第十二項の規定による保育所の廃止をした者(当該廃止について相当の理由がある者を除く。)で、当該保育所の廃止の承認の日から起算して五年を経過しないものであるとき。
- 七申請者が、第四十六条第一項の規定による検査が行われた日から聴聞決定予定日(当該検査の結果に基づき第五十八条第一項の規定による認可の取消しの処分に係る聴聞を行うか否かの決定をすることが見込まれる日として内閣府令で定めるところにより都道府県知事が当該申請者に当該検査が行われた日から十日以内に特定の日を通知した場合における当該特定の日をいう。)までの間に第十二項の規定による保育所の廃止をした者(当該廃止について相当の理由がある者を除く。)で、当該保育所の廃止の承認の日から起算して五年を経過しないものであるとき。
- 八ヘに規定する期間内に第十二項の規定による保育所の廃止の承認の申請があつた場合において、申請者が、ヘの通知の日前六十日以内に当該申請に係る法人(当該保育所の廃止について相当の理由がある法人を除く。)の役員等又は当該申請に係る法人でない保育所(当該保育所の廃止について相当の理由があるものを除く。)の管理者であつた者で、当該保育所の廃止の承認の日から起算して五年を経過しないものであるとき。
- 九申請者が、認可の申請前五年以内に保育に関し不正又は著しく不当な行為をした者であるとき。
- 十申請者が、法人で、その役員等のうちにイからニまで又はヘからリまでのいずれかに該当する者のあるものであるとき。
- 十一申請者が、法人でない者で、その管理者がイからニまで又はヘからリまでのいずれかに該当する者であるとき。
- 6.都道府県知事は、第四項の規定により保育所の設置の認可をしようとするときは、あらかじめ、都道府県児童福祉審議会の意見を聴かなければならない。
- 7.都道府県知事は、第四項の規定により保育所の設置の認可をしようとするときは、内閣府令で定めるところにより、あらかじめ、当該認可の申請に係る保育所が所在する市町村の長に協議しなければならない。
- 8.都道府県知事は、第五項に基づく審査の結果、その申請が第四十五条第一項の条例で定める基準に適合しており、かつ、その設置者が第五項各号に掲げる基準(その者が社会福祉法人又は学校法人である場合にあつては、同項第四号に掲げる基準に限る。)に該当すると認めるときは、第四項の認可をするものとする。ただし、都道府県知事は、当該申請に係る保育所の所在地を含む区域(子ども・子育て支援法第六十二条第二項第一号の規定により当該都道府県が定める区域とする。以下この項において同じ。)における特定教育・保育施設(同法第二十七条第一項に規定する特定教育・保育施設をいう。以下この項において同じ。)の利用定員の総数(同法第十九条第二号及び第三号に掲げる小学校就学前子どもに係るものに限る。)が、同法第六十二条第一項の規定により当該都道府県が定める都道府県子ども・子育て支援事業支援計画において定める当該区域の特定教育・保育施設に係る必要利用定員総数(同法第十九条第二号及び第三号に掲げる小学校就学前子どもの区分に係るものに限る。)に既に達しているか、又は当該申請に係る保育所の設置によつてこれを超えることになると認めるとき、その他の当該都道府県子ども・子育て支援事業支援計画の達成に支障を生ずるおそれがある場合として内閣府令で定める場合に該当すると認めるときは、第四項の認可をしないことができる。
- 9.都道府県知事は、保育所に関する第四項の申請に係る認可をしないときは、速やかにその旨及び理由を通知しなければならない。
- 10.児童福祉施設には、児童福祉施設の職員の養成施設を附置することができる。
- 11.市町村は、児童福祉施設を廃止し、又は休止しようとするときは、その廃止又は休止の日の一月前(当該児童福祉施設が保育所である場合には三月前)までに、内閣府令で定める事項を都道府県知事に届け出なければならない。
- 12.国、都道府県及び市町村以外の者は、児童福祉施設を廃止し、又は休止しようとするときは、内閣府令の定めるところにより、都道府県知事の承認を受けなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 児童福祉法第35条は、日本の児童福祉法に含まれる条文です。
- 児童福祉法第35条の条文原文は「国は、政令の定めるところにより、児童福祉施設(助産施設、母子生活支援施設、保育所及び幼保連携型認定こども園を除く。」で始まります。
- 児童福祉法第35条は第三章 事業、養育里親及び養子縁組里親並びに施設に置かれています。
- 児童福祉法の公布日は昭和22年12月12日です。
- 児童福祉法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 児童福祉法第35条の前の条は児童福祉法第34条の25です。
- 児童福祉法第35条の次の条は児童福祉法第36条です。
- 児童福祉法第35条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第35条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000164 - 本サイト収録
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第35条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000164/35
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点児童福祉法第35条は、児童福祉施設の設置主体を国・都道府県・市町村・民間に分け、民間は都道府県知事の認可制とする。保育所は基準を満たしても計画の定員超過で不認可となり得る。
Q · 保育所の設置基準を全部満たせば、必ず認可されるの?
いいえ。計画の定員枠が埋まっていれば不認可もあり得る
児童福祉法35条8項本文は、条例基準と経営者要件(社会福祉法人・学校法人は欠格事由のみ)に適合すれば、都道府県知事は認可するものとすると定めます。しかし同項ただし書により、区域の利用定員総数が都道府県子ども・子育て支援事業支援計画の必要利用定員総数に既に達しているか、新設で超える場合などは、認可しないことができます。不認可の場合、知事は速やかにその旨と理由を通知しなければなりません(同条9項)。
解説
保育所の待機児童問題を語るとき、多くの人は「自治体がもっと保育所を作ればいい」と言う。だがこの条文を読むと、話が逆であることが分かる。第8項に「ただし書」がある。都道府県知事は、その区域の利用定員総数が子ども・子育て支援事業支援計画の必要利用定員総数に既に達している場合、または新設によってそれを超える場合、基準を全部満たした認可申請でも認可しないことができる。つまり、経済的基礎があり、社会的信望もあり、設備基準も職員配置も全部クリアした事業者が、「計画上の枠が埋まっている」という理由だけで門前払いされうる。あなたが保育園を開きたい側なら、まず調べるべきは自分の資格要件ではなく、都道府県子ども・子育て支援事業支援計画のその区域の数字だ。あなたが保護者なら、近所に保育所が増えない理由が「土地がない」でも「保育士不足」でもなく「計画の枠」である可能性を知っておくべきである。
法的な位置づけ
児童福祉法第35条は、児童福祉施設の設置主体と設置手続を定める規定である。国は設置するものとし、都道府県は設置義務を負い、市町村は都道府県知事への事前届出により、それ以外の者は都道府県知事の認可により設置できる。保育所の認可では条例基準等を審査するが、子ども・子育て支援事業支援計画の必要利用定員総数を超える場合は不認可とすることができる。
よくある質問 AI による整理
Q1児童福祉施設とは何ですか?
児童福祉法7条が定める施設の総称で、保育所、乳児院、児童養護施設、障害児入所施設、児童自立支援施設などが含まれます。設置の手続は同法35条が定めています。
Q2保育所の認可申請はどこに出す?
原則は都道府県知事です。ただし政令指定都市と中核市では大都市特例により市長が認可権限を持つため、所在地の市の保育担当課が実際の窓口になります。
Q3認可保育所の設置に必要な基準は?
第45条1項に基づく条例基準(設備・職員配置等)への適合に加え、経済的基礎、経営者の社会的信望、幹部職員の知識経験、欠格事由に該当しないことが審査されます。
Q4保育所の認可に審議会の意見は必要?
必要です。第6項により知事は都道府県児童福祉審議会の意見を聴かなければならず、第7項により所在地の市町村長とも事前に協議しなければなりません。
Q5都道府県は児童福祉施設を必ず設置しなければならない?
はい。第2項は政令の定めるところにより「設置しなければならない」と定め、法的義務としています。国の「設置するものとする」より強い書き方です。
Q6保育所に保育士の養成施設を併設できる?
できます。第10項は児童福祉施設に職員の養成施設を附置できると定めています。ただし養成施設自体の指定は別の手続によります。
Q7国が設置する児童福祉施設にはどんなものがある?
第1項により国は助産施設・母子生活支援施設・保育所等を除く施設を設置します。代表例は児童自立支援施設の国立武蔵野学院と国立きぬ川学院です。
Q8保育所の認可の欠格事由とは?
第5項4号が定める事由で、申請者が拘禁刑以上の刑の執行を終えていない場合や、過去に認可を取り消され一定期間を経過していない場合などが該当します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1株式会社でも認可保育所を作れるんですか?
作れる。第4項は「国、都道府県及び市町村以外の者」と書いており法人格を限定していない。ただし第5項により、社会福祉法人・学校法人以外は経済的基礎、経営者の社会的信望、幹部職員の知識経験まで全て審査される。実務のポイント:株式会社の参入可否は法律上開いているが、実際の認可率は自治体ごとに差が大きい。申請前に、その自治体の過去数年の認可実績を情報公開請求で取ると、書かれていない運用方針が数字で見える
Q2近所の保育所が急に閉園すると言われました。そんな簡単に閉められるんですか?
設置主体で扱いが違う。市町村立なら第11項の届出制で、保育所は廃止・休止の3か月前までに都道府県知事へ届け出れば足りる。民間なら第12項により都道府県知事の承認が必要で、より重い手続になる。実務のポイント:民間保育所の廃止承認の審査では、在園児の転園先確保が実質的な条件として扱われる。閉園を告げられたら、保護者が都道府県の担当課に受け皿の状況を問い合わせること自体が、承認手続における事実上の圧力になる
Q3認可されなかった理由が「計画に支障が生じる」だけでした。これで納得しろということですか?
納得する必要はない。第9項は「その旨及び理由」の通知を義務づけており、理由提示は行政手続法第8条の要請でもある。処分の名宛人が不服申立ての要否を判断できる程度の具体性が必要とされる。実務のポイント:理由の抽象性そのものを違法事由として争えるが、勝っても得られるのは理由の再提示であることが多い。実務では、審査請求を出しつつ、同時に計画の次期改定に向けた区域の需給データを自前で作って提出する方が、結果的に早く認可に届く
間違えやすい点 AI による整理
- 「基準を満たせば認可される」と考えられているが、第8項本文は基準適合なら認可するものとすると定めつつ、ただし書で計画上の需給を理由とする不認可の余地を残している。要件充足は必要条件であって十分条件ではない。この構造を知らずに設備投資を先行させると、資金が回収不能になる
- 待機児童問題を「行政の怠慢」と理解している人は多いが、深刻さの所在が違う。供給を計画で抑えるのは、保育の質の確保と既存施設の経営安定という別の目的があるからだ。無制限に認可すれば数年後に定員割れが起き、撤退した施設の子どもが行き場を失う。あなたが怒るべき対象は「作らないこと」そのものではなく、計画数値の設定が実際の需要をどれだけ正確に反映しているかである
- 「保育所は公立か私立かの二択」と思われているが、法的には設置主体が四層に分かれている。国(第1項)、都道府県(第2項、しなければならないという義務)、市町村(第3項、届出制)、それ以外の者(第4項、認可制)。義務・届出・認可という三つの異なる法的扱いが同じ条文に同居しており、誰が設置するかによって行政の関与の強さが全く違う
- 「都道府県は児童福祉施設を作るかどうか裁量がある」と読まれがちだが、第2項は「設置しなければならない」と書いている。第1項の国は「設置するものとする」。この語尾の差は、法制執務上は義務の強度の差である。都道府県に対しては児童相談所の一時保護施設や児童自立支援施設などの設置が法的義務として課されている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 児童福祉法35条:施設設置の入口(届出・認可)と廃止・休止 | 児童福祉法45条:設備・運営の最低基準(条例で制定) 児童福祉法58条:設置後の違反に対する認可取消し |
| 判断主体 | 都道府県知事(審議会意見聴取・市町村長協議を経る) | 都道府県が条例で基準を定める 都道府県知事 |
| 行政の裁量 | 基準適合なら認可が原則。計画上の需給を理由とする不認可の余地あり | 内閣府令の基準に従い、または参酌して条例を定める 法令・処分違反があれば取り消すことができる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では私立の兒少福利機構は主管機関の許可制。幼兒園は幼照法で別途規律され、日本の認定こども園と同様に福祉法の外に独自の設立手続がある
韓国も国公立以外の保育施設は自治体の認可制。保育需給計画を踏まえて認可を制限できる仕組みがある点で日本と近い
ドイツは施設運営に州の許可を要し、子の福祉の確保が審査の中心。地域の需給調整より質の審査を重視する
米国は州ごとのライセンス制で、施設基準と職員要件を審査する。計画による供給制限は一般的ではない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 認可保育所を開こうと準備を進め、社会福祉法人を設立し、物件も押さえ、保育士も確保した。申請したところ、都道府県から「当該区域の必要利用定員総数に既に達している」として認可されなかった。投じた数千万円が空振りになる。第8項ただし書の判断は、申請前に区域の計画数値を確認していれば予測できた
- 市が保育所を廃止すると聞いた。自分の子が通っている。市町村の廃止・休止は届出制(第11項)で、保育所の場合は廃止の3か月前までに都道府県知事へ届け出る。3か月。転園先を探す時間として長いか短いか、あなたが親なら今すぐ計算した方がいい
- もし、あなたが認可申請を却下されたら? 第9項により、都道府県知事は速やかにその旨と理由を通知しなければならない。この「理由」の記載がこそが次の一手の生命線になる。理由が抽象的なら、行政不服審査法による審査請求または行政事件訴訟法による取消訴訟で理由提示の不備を争える
- 株式会社として保育事業に参入したい。第5項を見ると、社会福祉法人または学校法人であれば第4号(欠格事由に該当しないこと)だけが審査対象だが、それ以外の者は経済的基礎・社会的信望・幹部職員の知識経験まで全部審査される。法人格の選択が、審査の重さを最初から決めている
- 認可外保育施設を運営していて、認可に切り替えたい。第6項により都道府県知事は都道府県児童福祉審議会の意見を聴かなければならず、第7項により所在地の市町村長に協議しなければならない。つまり実質的な関門は都道府県だけではなく、地元市町村の意向も通過しなければならない
取るべき行動
被害を受けた側:保育所の認可を申請して不認可となった場合、1. 第9項に基づく通知書の理由記載を精査する。計画の需給を理由とするなら、区域設定と必要利用定員総数の算定根拠の開示を求める2. 行政文書開示請求で審議会の議事録と市町村協議の記録を取得3. 処分に不服があれば行政不服審査法に基づく審査請求(処分を知った日の翌日から3か月以内)、または行政事件訴訟法に基づく取消訴訟(同6か月以内)を検討4. 同時並行で、次期計画の策定時期に合わせた再申請の設計に切り替える方が実利的な場合が多い
訴えられた側:認可を得て運営中の施設が行政から是正指導や認可の取消しを示唆された場合、1. 根拠が第45条第1項の条例基準違反か、第5項各号の欠格事由該当かを切り分ける2. 設備・職員配置の基準違反であれば是正計画を早期に提出し、改善期間の確保を交渉する3. 認可取消しは不利益処分であり、行政手続法に基づく聴聞または弁明の機会が与えられる。この場で反論しなかった事項は後の訴訟で不利に働くため、必ず書面で主張を残す4. 廃止・休止を選ぶ場合も第12項の都道府県知事の承認が必要で、勝手に閉めることはできない
時効(請求できる期限):認可申請に対する不認可処分への不服申立ては、行政不服審査法第18条により処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(審査請求)、行政事件訴訟法第14条により同6か月以内(取消訴訟)。市町村が児童福祉施設を廃止・休止する場合の届出は廃止・休止の日の1か月前まで、保育所の場合は3か月前まで(第11項)
学説
行政法上の一般的理解:第8項本文の「認可するものとする」は基準に適合すれば原則として認可すべきことを示し、ただし書は計画達成への支障という限定された事由に限って不認可の裁量を認めるものと理解されている。計画外の理由による不認可は違法となり得る。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:児童福祉法の制定とともに、児童福祉施設の設置主体と設置手続を定める規定として設けられた。
- 2.平成24年(2012年) 改正:子ども・子育て関連3法の整備により、保育所認可の審査基準の明確化と、子ども・子育て支援事業支援計画に基づく需給調整の仕組み(第5項〜第9項)が整えられた(2015年施行)。
- 3.令和4年(2022年) 改正:こども家庭庁の設置に伴い、所管が厚生労働省からこども家庭庁へ移り、委任先の省令が内閣府令に改められた(2023年4月施行)。
- 児童福祉法 第7条児童福祉施設の種類の定義、本条の対象範囲を画定
- 児童福祉法 第45条設備運営基準の条例委任、認可審査の実質基準
- 児童福祉法 第46条設置後の報告徴収・改善命令など監督権限
- 児童福祉法 第58条基準違反時の認可取消し、本条の裏返しの規律
- 児童福祉法 第8条都道府県児童福祉審議会、第6項の意見聴取先
- 子ども・子育て支援法 第62条都道府県支援事業支援計画、第8項ただし書の判断基準
- 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律 第17条幼保連携型認定こども園の設置手続、本条の適用除外先
- 行政手続法 第8条不認可処分の理由提示義務、第9項を補強
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