児童福祉法 第58条
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- 第三十五条第四項の規定により設置した児童福祉施設の設置者が、この法律若しくはこの法律に基づいて発する命令又はこれらに基づいてする処分に違反したときは、都道府県知事は、同項の認可を取り消すことができる。
- 2.第三十四条の十五第二項の規定により開始した家庭的保育事業等又は乳児等通園支援事業を行う者が、この法律若しくはこの法律に基づいて発する命令又はこれらに基づいてする処分に違反したときは、市町村長は、同項の認可を取り消すことができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 児童福祉法第58条は、日本の児童福祉法に含まれる条文です。
- 児童福祉法第58条の条文原文は「第三十五条第四項の規定により設置した児童福祉施設の設置者が、この法律若しくはこの法律に基づいて発する命令又はこれらに基づいてする処分に違反したときは、都道府県知…」で始まります。
- 児童福祉法第58条は第七章 雑則に置かれています。
- 児童福祉法の公布日は昭和22年12月12日です。
- 児童福祉法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 児童福祉法第58条の前の条は児童福祉法第57条の5です。
- 児童福祉法第58条の次の条は児童福祉法第59条です。
- 児童福祉法第58条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第58条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000164 - 本サイト収録
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第58条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000164/58
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点児童福祉法58条は、設置者が同法や命令・処分に違反したとき、都道府県知事が児童福祉施設の認可を、市町村長が家庭的保育事業等の認可を取り消せると定める。
Q · 事故が一度もない保育園でも、認可を取り消されることはあるの?
ある。基準違反や命令違反があれば取り消されうる
児童福祉法58条は、設置者が同法、同法に基づく命令、またはそれらに基づく処分に違反したとき、認可を取り消せると定めています。要件は「違反したとき」であり、事故の発生は不要です。ただし取消は「できる」とされる裁量処分で、実務では報告徴収・立入検査、改善勧告、改善命令、事業停止命令を経るのが通例です。取消前には行政手続法13条に基づく聴聞が原則として必要となります。
解説
認可保育所や児童養護施設を運営している法人にとって、この条文は事業の生死を握る最終スイッチである。児童福祉法58条1項は、35条4項の認可を受けて設置した児童福祉施設が、この法律・命令・処分に違反したとき、都道府県知事が認可そのものを取り消せると定める。2項は家庭的保育事業等(小規模保育、家庭的保育、事業所内保育、居宅訪問型保育)と乳児等通園支援事業、いわゆる「こども誰でも通園制度」について、市町村長に同じ権限を与える。あなたが知っておくべき核心は、取消権の発動要件が「子どもに実害が出たとき」ではなく「違反したとき」である点だ。定員超過、有資格者配置基準の不足、面積基準の不足、虚偽報告、改善勧告の無視。人身事故がゼロでも、基準違反の積み重ねで認可は飛ぶ。そして認可が飛べば、公定価格による給付(子ども・子育て支援法の施設型給付・地域型保育給付)も同時に止まる。収入がその日から消える。
法的な位置づけ
児童福祉法58条は認可の取消しを定める規定であり、35条4項の認可を受けて設置された児童福祉施設については都道府県知事が、34条の15第2項の認可を受けて開始された家庭的保育事業等および乳児等通園支援事業については市町村長が、設置者等の法令・命令・処分違反を理由として、その認可を取り消すことができる旨を定める。
よくある質問 AI による整理
Q1保育所の認可取消とは何ですか?
児童福祉法58条に基づき、法令や命令・処分に違反した保育所等の認可を行政が取り消す不利益処分です。認可施設としての地位と公的給付の前提を失います。
Q2認可取消の前に聴聞はありますか?
原則としてあります。許認可を取り消す処分は行政手続法13条1項1号の聴聞の対象で、法人側は意見陳述や証拠提出ができます。
Q3認可取消に不服があるときの期限はいつまで?
審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)が原則です。
Q4認可が取り消されたら在園児はどうなる?
在園を法的に保障する規定はなく、転園が必要になるのが一般的です。保育の利用調整は市町村が担うため、まず市町村の保育担当課に相談します。
Q5保育園の認可取消は公表されますか?
自治体が処分内容を公表する運用が多く見られます。公表の有無・方法は自治体ごとに異なるため、所管の都道府県・市町村の発表を確認する必要があります。
Q6虚偽の報告だけでも認可取消になる?
なりえます。報告徴収に対する虚偽報告は、同法に基づく処分への違反として58条の「違反したとき」に該当する余地があり、事故の有無は要件ではありません。
Q7認可取消後に再び認可を申請できますか?
取消から一定期間は新たな認可の欠格事由となりうるため、すぐの再申請は困難です。処分歴は別事業の審査でも参照されることがあります。
Q8小規模保育の認可を取り消すのは誰?
家庭的保育事業等(小規模保育・家庭的保育・事業所内保育・居宅訪問型保育)は、認可権者である市町村長が58条2項に基づき取り消します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1認可が取り消されたら、園はその日から閉めなきゃいけないんですか?
法律上、直ちに閉鎖が命じられるわけではない。認可(35条4項、34条の15第2項)が失われるだけで、認可外保育施設として届出をして運営を続ける道は残る。ただし施設型給付・地域型保育給付が止まるため、保護者負担が一気に上がり、実際には continuation が困難になる。実務のポイント:取消が現実味を帯びた段階で、多くの法人は処分を待たず「廃止届」を自ら出す。処分歴として記録が残るか、自主廃止で終わるかは、次に別の事業で認可を申請するときの審査に効いてくる
Q2指摘を受けただけで、まだ何も処分されていません。放っておいてもいいですか?
放置が最も危険である。58条の取消は単発の違反より「改善命令を守らなかった事実」で正当化されることが多い。報告徴収・立入検査(児童福祉法46条)で残った指摘に、改善の記録が伴わないと、それ自体が処分の基礎資料になる。実務のポイント:行政側が本気で取消を検討し始めたかどうかは、文書の書式で読める。「お願い」「ご配慮」から「命じる」「求める」に語尾が変わった時点が分水嶺である。語尾が変わったら、その日のうちに弁護士に相談すべき段階に入っている
Q3都道府県と市町村、どっちが自分の園を取り消せるんですか?
施設の種類で決まる。35条4項の認可(保育所、児童養護施設など児童福祉施設)を受けている場合は都道府県知事(指定都市・中核市では当該市長)、34条の15第2項の認可による家庭的保育事業等や乳児等通園支援事業なら市町村長である(58条1項・2項)。実務のポイント:小規模保育から認可保育所への移行を考えている事業者は、監督官庁が市町村から都道府県に変わることを見落としやすい。市町村時代の指摘記録は移行審査でも参照されるため、規模拡大を狙う法人ほど、小規模段階の指摘を早く閉じておく実益がある
間違えやすい点 AI による整理
- 「重大な事故がなければ認可は取り消されない」と信じている経営者は多い。条文は「違反したとき」としか書いていない。配置基準の不足、虚偽の記録、報告義務の懈怠。子どもが無傷でも要件は満たされる。取消は事故への制裁ではなく、基準適合性が失われた施設を制度から外す仕組みである
- 取消を「行政の内部処理」だと思っている人がいるが、視角が逆である。認可取消は明確な不利益処分(役所があなたの法人に直接下す具体的な決定)であり、行政手続法上の聴聞(法人側が意見を述べる正式な機会)が原則として必要で、不服があれば審査請求も取消訴訟もできる。あなたから見れば「役所の判断」でも、法律から見れば「争える処分」である。この落差に気付かないまま期限を過ぎる法人が実際にいる
- 「違反を指摘されたら即取消」と恐れる向きもあるが、深刻度の認識が逆方向にずれている。実務上は報告徴収・立入検査(児童福祉法46条)、改善勧告、改善命令、事業停止命令という段階を踏むのが通例で、いきなり取消に飛ぶことは稀である。怖いのは「一回の違反」ではなく「改善しなかった記録が残ること」だ。行政ファイルに積み上がる不作為の履歴が、取消の実質的な根拠になる
- 認可取消と施設の閉鎖を同一視する誤解もある。認可が取り消されても、認可外保育施設として届出をして運営を続ける道は制度上ありうる。ただし公定価格による給付は止まり、保護者の負担は跳ね上がり、事実上の撤退に追い込まれる。法的な閉鎖命令と、経済的な死は別物である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 58条:違反を理由に認可そのものを取り消す(最終手段) | 46条:報告徴収・立入検査・改善勧告・改善命令・事業停止命令(前段階の監督) 35条:児童福祉施設の設置認可(取消の対象となる地位の根拠) |
| 処分の効果 | 認可施設としての地位が消滅し、公的給付の前提を失う | 地位は維持したまま、報告・改善・一時停止を求める 認可を付与し、認可施設として運営する地位を生じさせる |
| 権限者 | 1項=都道府県知事、2項=市町村長 | 都道府県知事等(施設の監督権者) 都道府県知事(35条4項の認可) |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も幼児教育・保育施設を許可制とし、違反に対しては罰鍰・改善命令を経て許可の廃止に至る段階的制裁を採る
韓国は保育施設(어린이집)について、補助金の不正受給や児童虐待などを事由に運営停止・閉鎖を命じうる規定を置く
ドイツは施設運営許可(Betriebserlaubnis)制を採り、子どもの福祉が危険にさらされ解消されない場合に許可の取消・撤回を認める
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 小規模保育事業所を市町村の認可で3年運営してきた。保育士不足で、無資格のパートを保育士としてシフト表に記載し続けていた。監査で発覚。この時点で58条2項の「命令違反」に該当しうる。市町村長が最初に打つのは改善勧告だが、勧告を無視した記録が積み上がると、次は認可取消の議題に乗る
- 認可保育所を運営する社会福祉法人の理事長が、給付費を法人本部の別事業に流用していた。子どもに直接の被害はない。それでも「この法律に基づいてする処分に違反した」に該当し、都道府県知事の取消権が発動しうる。会計の問題が、保育の現場ごと閉じる
- 保護者の立場で。通っている認可保育園に監査が入ったという噂を聞いた。もし認可が取り消されたらどうなる? 転園先の確保は市町村の責務とされるが、法律上あなたの子の在園を保障する規定はない。認可取消の情報は都道府県の公表対象になることが多く、公表時点では既に手遅れであることが多い
- あと14日で改善報告書の提出期限。監査で指摘された配置基準違反について、あなたは「人員を確保する努力をしている」という抽象的な報告を書こうとしている。ここで具体的な採用計画と期日を入れられるかどうかが、次の段階が行政指導で止まるか、処分に進むかの分岐になる
- こども誰でも通園制度(乳児等通園支援事業)を新規に始めた事業者が、市町村の認可を取った直後に、届出と異なる場所で預かりを始めた。開始時の認可条件からの逸脱は、58条2項の射程に入る。新制度だからこそ、初期の監査は厳しい
取るべき行動
被害を受けた側:保護者・保育者の側で基準違反を把握したとき。1. 日付・人数・配置状況を記録し、シフト表や掲示物を写真で残す2. 施設内で解決しないなら、認可保育所は都道府県(指定都市・中核市は市)、小規模保育等は市町村の担当課へ情報提供。児童福祉法46条の報告徴収・立入検査の端緒になる3. 子どもへの虐待が疑われるなら児童相談所(児童虐待の防止等に関する法律6条の通告)を並行して使う4. 通告者の情報は秘匿が原則。匿名でも受理される
訴えられた側:認可取消を示唆された事業者側。1. 指摘が行政指導(処分性なし、法的強制力なし)か不利益処分かを文書で確認する。この区別で取れる手段が変わる2. 改善勧告・命令の段階なら、期日と数値を入れた改善計画を期限内に提出し、履行の証拠を残す3. 聴聞の通知が来たら必ず出席し、行政手続法15条以下の手続で反論と証拠を提出。欠席は不利にしか働かない4. 取消処分が下ったら、審査請求または取消訴訟を検討。同時に執行停止の申立て(行政事件訴訟法25条)で事業継続の余地を探る
時効(請求できる期限):取消処分に対する審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分があったことを知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。聴聞の期日は通知書に記載された日時で、変更には正当な理由と申し出が必要。改善勧告・命令の履行期限は文書に個別記載されるため、受領した日にカレンダーへ転記すること(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説(撤回としての性質):本条の「取消し」は、適法に付与された認可を事後の違反を理由に将来に向かって失効させるものであり、講学上の撤回にあたる。取消権の行使は裁量に属するが、比例原則による制約を受ける
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:児童福祉法制定。児童福祉施設の認可取消に関する規定を置く
- 2.平成24年(2012年) 改正:子ども・子育て関連三法の制定に伴い、家庭的保育事業等の市町村認可制度が整備され、その認可の取消が本条の射程に入る(2015年施行)
- 3.令和6年(2024年) 改正:子ども・子育て支援法等の改正に伴い、乳児等通園支援事業(こども誰でも通園制度)が2項の取消対象に加えられる
- 児童福祉法 第35条児童福祉施設の設置認可、取消の対象となる認可の根拠
- 児童福祉法 第34条の15家庭的保育事業等の認可、2項の取消対象
- 児童福祉法 第45条設備運営基準、違反判断の実体的基準
- 児童福祉法 第46条報告徴収・立入検査・改善命令、取消の前段階
- 行政手続法 第13条不利益処分における聴聞手続の要否
- 行政不服審査法 第2条取消処分に対する審査請求の根拠
- 子ども・子育て支援法 第40条給付費の返還請求、取消と並走する金銭責任
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