児童福祉法 第59条の4
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- この法律中都道府県が処理することとされている事務で政令で定めるものは、指定都市及び中核市並びに児童相談所を設置する市(特別区を含む。以下この項において同じ。)として政令で定める市(以下「児童相談所設置市」という。)においては、政令で定めるところにより、指定都市若しくは中核市又は児童相談所設置市(以下「指定都市等」という。)が処理するものとする。この場合においては、この法律中都道府県に関する規定は、指定都市等に関する規定として指定都市等に適用があるものとする。
- 2.前項の規定により指定都市等の長がした処分(地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務(次項及び第五十九条の六において「第一号法定受託事務」という。)に係るものに限る。)に係る審査請求についての都道府県知事の裁決に不服がある者は、内閣総理大臣に対して再審査請求をすることができる。
- 3.指定都市等の長が第一項の規定によりその処理することとされた事務のうち第一号法定受託事務に係る処分をする権限をその補助機関である職員又はその管理に属する行政機関の長に委任した場合において、委任を受けた職員又は行政機関の長がその委任に基づいてした処分につき、地方自治法第二百五十五条の二第二項の再審査請求の裁決があつたときは、当該裁決に不服がある者は、同法第二百五十二条の十七の四第五項から第七項までの規定の例により、内閣総理大臣に対して再々審査請求をすることができる。
- 4.都道府県知事は、児童相談所設置市の長に対し、当該児童相談所の円滑な運営が確保されるように必要な勧告、助言又は援助をすることができる。
- 5.この法律に定めるもののほか、児童相談所設置市に関し必要な事項は、政令で定める。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 児童福祉法第59条の4は、日本の児童福祉法に含まれる条文です。
- 児童福祉法第59条の4の条文原文は「この法律中都道府県が処理することとされている事務で政令で定めるものは、指定都市及び中核市並びに児童相談所を設置する市(特別区を含む。」で始まります。
- 児童福祉法第59条の4は第七章 雑則に置かれています。
- 児童福祉法の公布日は昭和22年12月12日です。
- 児童福祉法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 児童福祉法第59条の4の前の条は児童福祉法第59条の3です。
- 児童福祉法第59条の4の次の条は児童福祉法第59条の5です。
- 児童福祉法第59条の4には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第59条の4 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000164 - 本サイト収録
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第59条の4(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000164/59_4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点児童福祉法59条の10は、政令で定める都道府県の事務を指定都市・中核市・児童相談所設置市が処理すると定め、知事の裁決後に内閣総理大臣への再審査請求を認める。
Q · 横浜市や世田谷区に住んでいたら、児童福祉の処分は県と市のどっちが出すの?
政令で定める事務なら市長・区長が処分を出します
児童福祉法59条の10第1項により、都道府県の事務のうち政令で定めるものは、指定都市・中核市・児童相談所設置市(特別区を含む)が処理し、法律中の「都道府県」の規定がそのまま適用されます。処分に不服があれば、第一号法定受託事務に係るものは都道府県知事に審査請求し、その裁決にも不服なら内閣総理大臣に再審査請求できます(同条2項)。処分通知の発出者名と教示欄をまず確認してください。
解説
虐待の通報をしたのに、市役所と県の児童相談所がお互いに「うちの管轄ではない」と言い合っている。その混乱の正体が、この条文にある。児童福祉法は基本的に「都道府県がやる」と書いてあるが、59条の10は政令で定める事務について、指定都市・中核市・児童相談所設置市(特別区を含む)が代わりに処理すると定める。つまり、あなたが住んでいる自治体が横浜市や世田谷区なら、法律上の「都道府県」という文字はあなたの市長・区長を指すのだ。これが分かると、申請書の宛先、審査請求の相手方、そして不服がある場合にどこまで争えるかが一気に見える。しかも2項以下は、その先の「二段目・三段目の不服申立て」まで用意している。指定都市等の長の処分に不服なら都道府県知事へ審査請求、その裁決にも不服なら内閣総理大臣に再審査請求。この階段が用意されていることを知らずに、一回目の門前払いで諦める人が圧倒的に多い。
法的な位置づけ
児童福祉法第59条の10は大都市等の特例を定める規定であり、都道府県の事務のうち政令で定めるものを指定都市、中核市および児童相談所設置市が処理するとし、法中の都道府県に関する規定をこれらの市に適用する。あわせて、第一号法定受託事務に係る処分について内閣総理大臣への再審査請求・再々審査請求、知事による勧告・助言・援助を規定する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.処分通知の発出者と教示欄を確認 処分通知書の発出者名(市長・区長・知事)と末尾の教示欄を確認し、審査請求の相手方と期間を把握する。教示の有無も記録しておく
- 2.自治体の類型と事務区分を確認 居住自治体が指定都市・中核市・児童相談所設置市のいずれに当たるかを自治体サイトで確認し、処分に係る事務が第一号法定受託事務か担当課に問い合わせる
- 3.都道府県知事に審査請求 指定都市等の長の処分であれば、処分を知った日の翌日から原則3か月以内に都道府県知事へ審査請求書を提出する(行政不服審査法18条)
- 4.内閣総理大臣に再審査請求 知事の裁決に不服があり、第一号法定受託事務に係る処分であれば、裁決を知った日の翌日から原則1か月以内に内閣総理大臣へ再審査請求する(同条2項、行政不服審査法62条)
- 5.県への勧告・助言の要請と訴訟の検討 児童相談所の運営自体に問題がある場合は都道府県の児童福祉主管課に4項の勧告・助言を求める。並行して取消訴訟の出訴期間を確認し、弁護士に相談する
よくある質問 AI による整理
Q1児童相談所設置市とは
児童相談所を設置する市(特別区を含む)として政令で定められた市のことです。児童福祉法59条の10第1項が定義し、県に代わって政令指定の児童福祉事務を処理します。
Q2指定都市 児童福祉 審査請求 どこに出す
指定都市等の長の処分のうち第一号法定受託事務に係るものは、都道府県知事に審査請求します。処分通知の教示欄に相手方が記載されているので、まず確認してください。
Q3再審査請求 内閣総理大臣 できる?
できます。指定都市等の長の第一号法定受託事務に係る処分について、知事の裁決に不服がある者は内閣総理大臣に再審査請求できます(児童福祉法59条の10第2項)。
Q4再審査請求 期間 いつまで
原則として、裁決があったことを知った日の翌日から1か月以内、かつ裁決の日の翌日から1年以内です(行政不服審査法62条)。
Q5特別区 児童相談所 設置 区一覧
特別区は政令で指定されることで児童相談所設置市として扱われます。設置状況は順次拡大しているため、各区とこども家庭庁の公表資料で最新状況を確認してください。
Q6中核市に移行したら児童福祉の監督は誰になる?
政令で定める事務については、移行後は中核市が処理主体になります。施設の指導監査や許認可の窓口が県から市へ切り替わる場合があります。
Q7再々審査請求とは
指定都市等の長が権限を補助機関等に委任し、その処分の再審査請求の裁決に不服がある場合に、内閣総理大臣へさらに申し立てる三段目の手続です(同条3項)。
Q8児童相談所設置市に県は口出しできる?
できます。都道府県知事は児童相談所設置市の長に対し、児童相談所の円滑な運営のため必要な勧告、助言または援助ができます(同条4項)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1自分の住んでいる市が『児童相談所設置市』かどうか、どうやって調べるんですか?
自治体の公式サイトで「児童相談所」を検索するのが最短です。市が独自に児相を持っていれば設置市、なければ都道府県の児相の管轄区域に入ります。59条の10第1項は政令で市を指定する仕組みなので、政令の改正で随時追加されます。実務のポイント:移行直後の1、2年は市の担当職員も県からの出向者が多く、運用が定着していません。移行年度に受けた処分は、判断のばらつきが出やすい時期の処分だということを、交渉材料として意識しておくとよい
Q2審査請求して負けたら、もう終わりですよね?
終わりではありません。59条の10第2項は、指定都市等の長の処分のうち第一号法定受託事務に係るものについて、都道府県知事の裁決に不服があれば内閣総理大臣に再審査請求できると定めています。さらに権限が職員等に委任されていた場合は3項の再々審査請求もあります。実務のポイント:再審査請求と並行して、取消訴訟という別ルートもあります。不服申立てを続けている間に出訴期間(行政事件訴訟法14条、原則6か月)が進むケースがあるので、訴訟も視野に入れるなら早めに弁護士へ
間違えやすい点 AI による整理
- 「法律に都道府県と書いてあるから、県庁に言えばいい」という前提そのものが誤っている。指定都市等では、条文の『都道府県』という文字がそのまま市長・区長に読み替わる。問いは『県か市か』ではなく『自分の自治体はどの類型か』である
- 審査請求は一回きりだと思っている人が多いが、第一号法定受託事務については、知事の裁決の後に内閣総理大臣への再審査請求という二段目が用意されている。さらに権限が委任されていた場合は再々審査請求という三段目まである。階段の存在を知らないまま一段目で降りる人が大多数だ
- 市が児童相談所を設置すれば県は完全に手を引く、と受け取られがちだが、4項は逆の設計をしている。県知事は円滑な運営が確保されるよう勧告・助言・援助ができる。行政側から見れば後見的関与、住民側から見れば市が動かないときの迂回路である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の性格 | 児福法59条の10:都道府県の事務を指定都市等に移す特例 | 児福法12条:都道府県の児童相談所設置義務(原則) 児福法33条:児童相談所長による一時保護の権限 |
| 権限の主体 | 政令で定める事務は指定都市・中核市・児童相談所設置市の長 | 都道府県(本条により設置市も対象) 児童相談所長(設置市なら市の児相長) |
| 住民にとっての意味 | 処分の宛先・不服申立ての階段(知事→内閣総理大臣)が決まる | どこに児相があるかの基本 子どもの保護の具体的措置 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は直轄市政府・県市政府を地方主管機関とし、処分への訴願は上級機関へ段階的に行う。日本の指定都市特例に近い分権構造
ドイツは郡および郡に属さない市が地域の公的少年援助の担い手となり、Jugendamt を設置する。基礎自治体中心の設計
フランスは県(département)が児童社会扶助(ASE)を担う。県中心の設計で、日本の原則型に近い
米国は連邦法が州の児童保護プログラムに財政支援と基準を与え、実施は州・郡に委ねられる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 認可外保育施設の事業停止命令を市長名で受けた。相手が市なら県は無関係だと思い込んで、県知事への審査請求の3か月を空費した。実は第一号法定受託事務なら、県知事の裁決の先に内閣総理大臣への再審査請求まで残っていた
- 里親認定を申請したが不認定。窓口は区役所だった。この「区」が児童相談所設置市(特別区を含む)に当たるかどうかで、不服申立ての相手方も、根拠となる政令も変わる。自分の自治体がどの類型かを調べるのが最初の一手
- 児童相談所の対応に納得がいかず市長に苦情を言ったが、担当者が変わるだけで何も動かない。4項は都道府県知事が児童相談所設置市の長に対して勧告・助言・援助できると定めている。県の児童福祉主管課に働きかける、という第二のルートが法律上存在する
- あと3か月。処分があったことを知った日から審査請求の期間は原則3か月(行政不服審査法18条)。自分の市が指定都市なのか一般市なのかを今日調べないと、宛先違いで送り返されているうちに期間が切れる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 処分通知の発出者名(市長・区長・知事)と末尾の教示欄をまず確認、審査請求の相手方と期間が書いてある2. 自分の自治体が指定都市・中核市・児童相談所設置市のどれかを自治体サイトで確認3. 指定都市等の長の処分なら、都道府県知事に審査請求(原則3か月以内) 4. 知事の裁決に不服で第一号法定受託事務に係るものなら、内閣総理大臣に再審査請求5. 並行して、市の児相運営自体に問題があれば都道府県の児童福祉主管課に4項の勧告・助言・援助を求める
訴えられた側:1. 自治体側担当者として処分を出す場合、権限が政令により市に移っているか、補助機関に委任されているかを先に確定する2. 委任がある場合、再々審査請求の可能性まで教示文に反映させる3. 教示を誤ると、行政不服審査法上、救済期間が伸びるなど手続的な不利益を自ら招く4. 児童相談所設置市の長は、県知事から勧告・助言を受けた場合、その内容と対応を記録に残す
時効(請求できる期限):審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内かつ処分の日の翌日から1年以内(行政不服審査法18条)。再審査請求は裁決があったことを知った日の翌日から1か月以内かつ裁決の日の翌日から1年以内(同法62条)。教示がなかった場合は期間の扱いが変わる場合があるので、通知書の教示欄の有無を必ず確認すること(最新の改正状況をご確認ください)
学説
裁定的関与をめぐる議論:法定受託事務の処分について国が再審査請求を裁決する仕組みは、住民の救済手段を厚くする一方、地方自治の観点から国の関与として批判的に論じられることがある
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成28年(2016年) 改正:児童福祉法改正により、特別区が児童相談所を設置できる仕組みが整えられ、児童相談所設置市の枠組みに特別区が含まれることになった
- 2.令和4年(2022年) 改正:こども家庭庁の設置に伴う関係法律の整備により、児童福祉行政の国の所管がこども家庭庁(内閣総理大臣)に移った(2023年4月施行)
- 児童福祉法 第12条児童相談所の設置義務の本体規定
- 児童福祉法 第59条の4大都市等の特例の前提となる事務区分
- 児童福祉法 第59条の6第一号法定受託事務の範囲を定める規定
- 児童福祉法 第33条一時保護の権限主体が市長に読み替わる対象
- 地方自治法 第2条第一号法定受託事務の定義規定
- 地方自治法 第252条の19指定都市の特例、大都市制度の一般規定
- 行政不服審査法 第18条審査請求期間の一般規定
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