児童福祉法 第59条の3
クイックジャンプ
町村の福祉事務所の設置又は廃止により助産の実施及び母子保護の実施に係る都道府県又は市町村に変更があつた場合においては、この法律又はこの法律に基づいて発する命令の規定により、変更前の当該助産の実施若しくは母子保護の実施に係る都道府県又は市町村の長がした行為は、変更後の当該助産の実施若しくは母子保護の実施に係る都道府県又は市町村の長がした行為とみなす。ただし、変更前に行われ、又は行われるべきであつた助産の実施若しくは母子保護の実施に関する費用の支弁及び負担については、変更がなかつたものとする。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 児童福祉法第59条の3は、日本の児童福祉法に含まれる条文です。
- 児童福祉法第59条の3の条文原文は「町村の福祉事務所の設置又は廃止により助産の実施及び母子保護の実施に係る都道府県又は市町村に変更があつた場合においては、この法律又はこの法律に基づいて発する命令の…」で始まります。
- 児童福祉法第59条の3は第七章 雑則に置かれています。
- 児童福祉法の公布日は昭和22年12月12日です。
- 児童福祉法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 児童福祉法第59条の3の前の条は児童福祉法第59条の2の7です。
- 児童福祉法第59条の3の次の条は児童福祉法第59条の4です。
- 児童福祉法第59条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第59条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000164 - 本サイト収録
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第59条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000164/59_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点児童福祉法59条の9は、町村の福祉事務所の設置・廃止で助産・母子保護の実施主体が変わっても、変更前の長の行為を変更後の長の行為とみなす。費用の支弁と負担は変更前のまま。
Q · 町に福祉事務所ができて担当が県から町に変わったら、助産や母子保護の申請は出し直しになるの?
出し直しは不要。県の決定は町長の決定とみなされる
児童福祉法59条の9本文により、町村の福祉事務所の設置・廃止で実施主体が変わっても、変更前の都道府県知事や町村長がした申請の受理や実施決定は、変更後の長がした行為とみなされます。そのため再申請は不要で、母子生活支援施設への入所も続きます。ただし書により、変更前に行われた(または行われるべきだった)実施の費用の支弁と負担は、変更前の自治体に残ります。
解説
経済的理由で入院助産を受けられない妊産婦が公費に支えられて出産できる助産の実施、DV や困窮から逃げた母子が母子生活支援施設に入れる母子保護の実施。この二つの窓口が誰になるかは、住んでいる町村に福祉事務所があるかどうかだけで決まる。設置していなければ都道府県、設置すれば町村。しかも町村の福祉事務所は任意設置であり、条例一本で実施主体は入れ替わる。本条が押さえているのはその入れ替わりの瞬間だ。変更前の知事や町長がした受理も決定も、変更後の長がしたものとみなされる。つまりあなたは申請を出し直さなくてよいし、入所中なら出される理由もない。ただし、変更前に発生した費用の支弁と負担だけは元のままで、継ぎ目に残るのは自治体の財布の話だけである。
法的な位置づけ
児童福祉法59条の9は、町村の福祉事務所の設置または廃止に伴い助産の実施および母子保護の実施の主体が変更された場合の経過措置を定める規定である。変更前の実施主体の長の行為を変更後の長の行為とみなして手続の連続性を確保する一方、変更前に係る費用の支弁と負担については変更がなかったものとして取り扱う。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.申請と決定の記録を手元に残す 申請書の控え、受理日、実施決定通知の写しを保管する。決定の名義人が知事か町村長かも含めて撮影しておく
- 2.実施主体の変更日と新しい担当を確認 福祉事務所の設置・廃止により担当が変わると聞いたら、変更日、新しい担当課名、担当者名と連絡先をその場で確認し、メモに残す
- 3.引継ぎを窓口で確認する 変更日をまたぐ申請中・入所中のケースについて、児童福祉法59条の9のみなし規定で引き継がれることを窓口で確認する。再申請を求められたら、条文を示して理由を尋ねる
- 4.拒まれたら文書で回答を求める それでも再申請や退所を前提とする説明が続く場合は、文書での回答を求める。不利益な処分が出たら、審査請求(処分を知った日の翌日から3か月以内)を検討する
よくある質問 AI による整理
Q1助産の実施とは何ですか?
経済的理由で入院助産を受けられない妊産婦が申し込むと、自治体が助産施設での助産を行う制度です。児童福祉法22条が根拠で、実施主体は都道府県、市、福祉事務所を設置する町村です。
Q2母子生活支援施設の入所はどこに申し込む?
住んでいる地域を所管する福祉事務所が窓口です。市や福祉事務所を設置する町村に住んでいればその市町村、設置していない町村なら都道府県の福祉事務所に申し込みます。
Q3福祉事務所がない町村に住んでいたら、窓口はどこ?
都道府県の福祉事務所が所管します。町村の福祉事務所の設置は任意で(社会福祉法14条)、設置していない町村の区域は都道府県が担当します。
Q4福祉事務所の担当が変わると入所中の施設から出される?
出されません。児童福祉法59条の9により、変更前の実施決定は変更後の長の決定とみなされるため、入所はそのまま続きます。
Q5県から町に担当が変わったら申請書は無効になる?
無効になりません。変更前の知事がした受理は、変更後の町長がした受理とみなされます。変更日をまたいでもそのまま審査が続きます。
Q6実施主体変更前の助産費用は誰が払う?
変更前の実施主体が支弁・負担します(59条の9ただし書)。これは自治体間の費用の帰属の問題で、利用者の負担額は所得に応じた徴収(同法56条)で決まります。
Q7助産の実施を断られたら不服申立てできる?
できます。審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)が目安です。
Q8町村が福祉事務所を設置するには何が必要?
条例による設置が必要です。都道府県と市には設置義務がありますが、町村は任意設置で、議会の判断により設置・廃止されます(社会福祉法14条)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1町が福祉事務所を作ったら、いま母子生活支援施設に入っている私は出ないといけませんか?
出る必要はない。母子保護の実施(児童福祉法23条)の決定は、59条の9本文により変更後の実施主体の長がした決定とみなされるため、入所はそのまま続く。実務のポイント:実務で本当に起きるのは退所ではなく引継ぎ漏れで、ケース記録が切れると支援が振り出しに戻る。変更の前後で担当者の氏名と連絡先を自分で控えておくと、抜けを最短で埋められる。
Q2変更前にかかった費用は、結局どっちの自治体が払うんですか?
ただし書により変更がなかったものとされ、変更前の実施主体が支弁・負担する(費用の支弁は児童福祉法50条・51条)。利用者側の負担額は所得に応じた徴収(同56条)で決まり、実施主体の変更では動かない。実務のポイント:自治体間の精算がもめている間に利用者へ請求が回ってくることがあるが、それは帰属の争いであって利用者の債務ではない。請求書が来たら根拠条文を書面で求めるのが早い。
間違えやすい点 AI による整理
- 「実施主体が変わったら申請し直し」と窓口で言われた話はよく聞くが、問題はその一言の重さの方にある。助産も母子保護も、出産予定日や避難のタイミングという待てない事情を抱えた人が使う制度で、再申請に伴う数週間の空白そのものが危険になる。だから法は形式論ではなく、みなし規定で空白を作らない設計を選んでいる
- 「変更前の分はどっちの自治体が払うのか」を気にする人がいるが、その問いは利用者が立てるべき問いではない。ただし書が決めているのは自治体間での費用の帰属であって、あなたが受けられるかどうかでも、あなたの負担額でもない。確認すべきは費用の行き先ではなく、決定が引き継がれているかどうかの一点である
- 町村にも当然に福祉事務所があると思われがちだが、都道府県と市は設置義務がある一方、町村の設置は条例による任意である(社会福祉法14条)。設置していない町村の住民は、都道府県の福祉事務所が窓口になる。同じ制度なのに窓口が役場か遠方の県事務所かが分かれるのは、この違いによる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 59条の9:実施主体が変わったときの行為の承継と費用の据置 | 22条:助産の実施の根拠と実施主体 23条:母子保護の実施の根拠と実施主体 |
| 対象となる人 | 実施主体の変更日をまたいで申請中・利用中の妊産婦や母子 | 経済的理由で入院助産を受けられない妊産婦 配偶者のない女子などで、監護する児童の福祉に欠けるところがある母子 |
| 実施主体の決まり方 | 町村の福祉事務所の設置・廃止で都道府県と町村の間で入れ替わる | 都道府県、市、福祉事務所を設置する町村 都道府県、市、福祉事務所を設置する町村 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では困難な状況にある母子家庭への支援は特殊境遇家庭扶助條例が担い、行政区画の改制に伴う事務の承継は地方制度法が規律する。本条のような制度別の経過規定とは構造が異なる
韓国はひとり親家族支援法のもとで母子の入所施設を整備しており、母子保護の機能は日本の母子生活支援施設に近い
ドイツは児童・少年援助法で母または父と子の共同居住施設を定める。実施主体は地域の少年援助の担い手である
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 出産予定日まであと三週間、助産施設の利用を町に申し込んだ直後に、その町が四月一日付で福祉事務所を設置して実施主体になると知った。申込みは白紙に戻るのか。戻らない。変更前に町村域を所管していた都道府県知事がした行為は、変更後の町長がした行為とみなされ、そのまま審査が続く。出し直しを求められたら、それは法の建て付けと違う
- あなたは役場の新設福祉事務所に配属された初日、県から引き継いだファイルを開く。中には県知事名で出された助産の実施決定が入っている。その決定は、今日からあなたの町長が出したものとして扱う
- 母子生活支援施設に入所中の母子。避難から半年が経ったところで、町が福祉事務所を廃止し、実施主体が都道府県へ戻った。入所は継続し、施設を移る必要もない。ただし廃止前に発生した分の費用の支弁と負担は、ただし書により町に残る。子どもの転校を心配する必要がないのは、この一行があるからだ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 申請書の控えと受理日、決定通知の写しを必ず手元に残す。名義人が知事か町長かも含めて撮影しておく2. 実施主体が変わると聞いたら、変更日と新しい担当課名、担当者名をその場で確認3. 出し直しを求められたら「59条の9で変更前の長の行為は変更後の長の行為とみなされる」と述べ、それでも拒まれたら文書での回答を求める4. 入所中なら退所を前提とした説明には応じず、継続の可否を書面で確認する
訴えられた側:自治体・施設側の立場なら、1. 変更日を基準に、受理済み申請・実施決定・徴収中の費用を三つに仕分ける2. 本文のみなし規定で引き継ぐのは申請と決定、ただし書で動かさないのは変更前分の支弁と負担、という線で引継書を作る3. 利用者に再申請を求めない運用を窓口へ周知4. 自治体間の精算未了を理由に実施を止めない。止めれば不作為の違法状態になりうる
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。ただし実施しない決定や却下に不服があれば、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)が起算点となる。自治体間の費用精算に係る債権は一般の消滅時効の問題となる(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成9年(1997年)改正(要検証) 措置制度から「助産の実施」「母子保護の実施」という用語体系への転換、母子寮から母子生活支援施設への名称変更が行われた時期にあたる。本条の条番号と文言がこの改正で確定したかは、条文沿革の一次資料で要確認
- 児童福祉法 第22条助産の実施の根拠と実施主体
- 児童福祉法 第23条母子保護の実施の根拠と実施主体
- 児童福祉法 第50条都道府県の費用支弁、ただし書の帰属先
- 児童福祉法 第51条市町村の費用支弁、ただし書の帰属先
- 児童福祉法 第56条負担能力に応じた費用の徴収
- 社会福祉法 第14条福祉事務所の設置義務と町村の任意設置
- 生活保護法 第19条福祉事務所設置町村を実施機関とする同型構造
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める