児童福祉法 第22条
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- 都道府県、市及び福祉事務所を設置する町村(以下「都道府県等」という。)は、それぞれその設置する福祉事務所の所管区域内における妊産婦が、保健上必要があるにもかかわらず、経済的理由により、入院助産を受けることができない場合において、その妊産婦から申込みがあつたときは、その妊産婦に対し助産施設において助産を行わなければならない。ただし、付近に助産施設がない等やむを得ない事由があるときは、この限りでない。
- 2.前項に規定する妊産婦であつて助産施設における助産の実施(以下「助産の実施」という。)を希望する者は、内閣府令の定めるところにより、入所を希望する助産施設その他内閣府令の定める事項を記載した申込書を都道府県等に提出しなければならない。この場合において、助産施設は、内閣府令の定めるところにより、当該妊産婦の依頼を受けて、当該申込書の提出を代わつて行うことができる。
- 3.都道府県等は、第二十五条の七第二項第三号、第二十五条の八第三号又は第二十六条第一項第五号の規定による報告又は通知を受けた妊産婦について、必要があると認めるときは、当該妊産婦に対し、助産の実施の申込みを勧奨しなければならない。
- 4.都道府県等は、第一項に規定する妊産婦の助産施設の選択及び助産施設の適正な運営の確保に資するため、内閣府令の定めるところにより、当該都道府県等の設置する福祉事務所の所管区域内における助産施設の設置者、設備及び運営の状況その他の内閣府令の定める事項に関し情報の提供を行わなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 児童福祉法第22条は、日本の児童福祉法に含まれる条文です。
- 児童福祉法第22条の条文原文は「都道府県、市及び福祉事務所を設置する町村(以下「都道府県等」という。」で始まります。
- 児童福祉法第22条は第三節 助産施設、母子生活支援施設及び保育所への入所等に置かれています。
- 児童福祉法の公布日は昭和22年12月12日です。
- 児童福祉法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 児童福祉法第22条の前の条は児童福祉法第21条の18です。
- 児童福祉法第22条の次の条は児童福祉法第23条です。
- 児童福祉法第22条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第22条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000164 - 本サイト収録
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第22条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000164/22
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点児童福祉法22条は、経済的理由で入院助産を受けられない妊産婦から申込みがあれば、都道府県等が助産施設で助産を行う義務を定める。付近に施設がない等の事由があれば例外となる。
Q · 出産費用が払えないとき、公的に入院出産を支えてもらえる制度はある?
申し込めば自治体は助産施設で助産を行う義務がある
児童福祉法22条により、保健上必要があるのに経済的理由で入院助産を受けられない妊産婦が申込書を提出すれば、都道府県・市・福祉事務所を設置する町村は助産施設で助産を行わなければなりません。申込書は助産施設が本人の依頼を受けて代わりに提出することもできます(2項)。自己負担は負担能力に応じて決まります(56条)。ただし付近に助産施設がない等のやむを得ない事由があれば例外とされます。
解説
正常分娩に健康保険は効かない。だから出産費用は原則として全額自費で、入院して助産を受けるとなれば数十万円が一括で請求される。ここで知らないまま詰んでいる人が多いのが児童福祉法22条だ。保健上の必要があるにもかかわらず経済的理由で入院助産を受けられない妊産婦が申し込めば、都道府県・市・福祉事務所を設置する町村は助産施設で助産を行わなければならない。「行うことができる」ではなく「行わなければならない」と書いてある。しかも2項後段では、申込書を助産施設が本人の依頼を受けて代わりに提出できる。窓口まで自分で行けない状態でも道が残る設計だ。自己負担は世帯の負担能力に応じて決まり(56条)、実務では出産育児一時金が先に費用へ充てられる。知らずに出産をためらう人と、申込書を出した人の差は、たった一枚の書類である。
法的な位置づけ
助産の実施とは、児童福祉法22条に基づき、保健上必要があるにもかかわらず経済的理由により入院助産を受けることができない妊産婦からの申込みに対し、都道府県、市及び福祉事務所を設置する町村が、助産施設において助産を行う制度をいう。費用は同法56条により負担能力に応じて徴収される。
手順
- 1.福祉事務所に早めに相談する 妊娠が分かり、出産費用の支払いが難しいと感じた時点で、住所地を所管する福祉事務所に助産施設の利用を相談する。申込書の様式、所得基準、利用できる助産施設を確認する
- 2.所得・課税状況の書類をそろえる 世帯の課税証明書や収入資料をそろえる。判定は世帯の課税状況等で行われるため、同居家族分が必要になる場合がある
- 3.申込書を提出する(代理提出も可) 入所を希望する助産施設などを記載した申込書を都道府県等に提出する。窓口に行けない場合は、児童福祉法22条2項後段に基づき受診先の助産施設に代理提出を依頼する
- 4.決定内容と費用負担を確認する 承諾の通知を受けたら、入院先の助産施設、出産育児一時金との充当関係、56条による自己負担額を確認する。不承諾なら理由を書面で求め、ただし書該当か要件不該当かを確認する
よくある質問 AI による整理
Q1児童福祉法22条とは?
経済的理由で入院出産ができない妊産婦が申し込んだとき、都道府県・市・福祉事務所を設置する町村に助産施設での助産を義務づける規定です。
Q2入院助産制度はどこで申し込む?
住所地を所管する福祉事務所に申込書を提出します。市に住んでいれば市の福祉事務所、福祉事務所のない町村なら都道府県の福祉事務所が窓口です。
Q3入院助産の申込みはいつまでにすればいい?
法律上の期限はありませんが、実務上は分娩前の申込みが前提です。出産後の事後申請を認めるかは自治体で分かれるため、妊娠が分かった段階で相談するのが安全です。
Q4入院助産制度の自己負担はいくら?
児童福祉法56条により世帯の負担能力に応じて決まります。住民税非課税世帯などは大きく軽減されますが、金額基準は自治体ごとに異なるため窓口で数字を確認します。
Q5保険証が使えない状態でも入院出産できる?
保険料滞納などで出産育児一時金が受け取れない場合でも、経済的理由で入院助産を受けられないなら児童福祉法22条の助産の実施を申し込める可能性があります。
Q6近くの助産施設の探し方は?
児童福祉法22条4項で都道府県等に助産施設の情報提供義務があります。福祉事務所に所管区域内の助産施設の一覧と設備・運営状況の提供を求めるのが最短です。
Q7入院助産の申込みを断られたら不服申立てできる?
不承諾が行政処分に当たる場合、処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求ができます(行政不服審査法18条)。まず拒否理由を書面で確認します。
Q8助産施設で産むのは普通の病院と違う?
助産施設には医療法上の病院・診療所である第一種と、助産所である第二種があります。第一種なら一般の産科病院と同じ設備で出産することになります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1生活保護を受けていなくても使えるんですか?
使える。1項の要件は「保健上必要があるにもかかわらず、経済的理由により入院助産を受けることができない」ことで、生活保護受給は条件ではない。自己負担は56条により世帯の負担能力に応じて決まり、住民税非課税世帯などは大きく軽減される。実務のポイント:所得基準は自治体運用で幅があり、同じ年収でも隣の市では対象になることがある。窓口では「基準額はいくらか」を数字で聞くこと。口頭の「たぶん対象外です」で引き返す人が最も損をする
Q2出産育児一時金をもらうと、もう対象外になりますか?
併用が前提である。実務では健康保険から出る出産育児一時金(現行50万円、最新の改正状況をご確認ください。健康保険法101条)が費用に充てられ、不足分を公費と本人負担で埋める形になる。実務のポイント:病院で一時金の直接支払制度を使うと、助産施設の申込みと費用精算が噛み合わなくなることがある。どちらを先に走らせるかを、福祉事務所と医療機関の両方に同時に確認しておく
Q3町に助産施設がないと言われました。それで終わりですか?
終わりではない。1項ただし書は「付近に助産施設がない等やむを得ない事由」を免除要件にしているが、4項は都道府県等に所管区域内の助産施設の設置者・設備・運営の状況を情報提供する義務を課している。実務のポイント:断られたら「4項の情報提供として、利用可能な施設の一覧を出してください」と求める。一覧が出てこないこと自体が、自治体側の準備不足を示す材料になり、区域外施設との調整の話に持ち込める
Q4未婚で、相手や親に知られたくありません。申込みで連絡が行きますか?
助産の実施自体は妊産婦本人の申込みで動く(22条2項)。ただし56条の費用徴収は本人または扶養義務者から負担能力に応じて行われるため、扶養義務者への照会が生じる場合がある。実務のポイント:事情を最初に申告すれば照会を控える運用を取る自治体がある。DV や虐待の背景があるなら、その事実を申込みの時点で必ず書面で伝える。後から言っても照会は止まらない
間違えやすい点 AI による整理
- 「生活保護を受けていないと使えないのでは」という問いの立て方そのものがずれている。1項の要件は「保健上必要があるにもかかわらず、経済的理由により入院助産を受けることができない」ことであり、生活保護受給は要件ではない。判定は世帯の課税状況等で行われ、住民税非課税世帯や所得税額が一定以下の世帯も射程に入る。基準額は自治体運用で幅があるため、自分で要件を判断して諦めるのが最大の損失になる
- 「助産施設という制度がある」と知っている人でも、その深刻度は知らない。助産施設は長期的に減少傾向にあり、自分の市区町村に一つもない地域は珍しくない。1項ただし書の「付近に助産施設がない等やむを得ない事由」が、義務を免除する実効的な出口として機能している。制度があることと、自分が使えることは別問題である
- 申込みは本人が役所の窓口へ足を運ぶ必要があると思われているが、2項後段は助産施設が本人の依頼を受けて申込書を代わって提出できると明記している。体調が悪くて動けない、窓口までの交通費すら惜しい、そういう状態でも手続の入口は閉じない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象者 | 児童福祉法22条:経済的理由で入院助産を受けられない妊産婦 | 児童福祉法23条:配偶者のない女子等とその監護する児童 |
| 利用する施設 | 助産施設(第一種=病院・診療所、第二種=助産所) | 母子生活支援施設 |
| 開始の方式 | 本人の申込書提出、助産施設による代理提出も可 | 本人の申込書提出、施設による代理提出も可(同じ申込方式) |
| 費用負担 | 56条により負担能力に応じて徴収 | 56条により負担能力に応じて徴収 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は正常分娩も全民健康保険の給付対象であり、日本のように出産費用を公費で別建て支援する必要性は相対的に小さい。困窮者には社会救助法の医療補助で対応する
ドイツは妊娠・出産を法定医療保険の給付として位置づけ、無保険の困窮者には社会扶助で妊娠・出産支援を行う二層構造
米国は低所得の妊婦を Medicaid の対象として出産費用をカバーするが、所得基準は州ごとに異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 出産予定日まであと3週間、口座に残っているのは8万円、同居していた相手の収入は途絶えた。この段階でも助産施設の申込みは間に合うのか? 制度の前提は分娩前の申込みで、緊急入院後の事後申請を認めるかは自治体運用で分かれている。入院してからでは遅い可能性が高い、というのが実務の壁だ
- 健康保険料を滞納して保険証が使えない状態で妊娠が判明した。出産育児一時金も受け取れない。この状態こそ22条が言う「経済的理由」の中心にある
- あなたが助産所を経営していて、費用を払えない妊婦が駆け込んできた。22条2項後段は、施設が本人の依頼を受けて申込書を代理提出できると定めている。第二種助産施設として自治体と繋がっていれば公費で受け入れる道があり、繋がっていないなら、その人を福祉事務所へ橋渡しするのが最初の一手になる
- 職場の後輩が妊娠を隠していて、理由を聞いたら「産む金がないから諦めるしかない」と言った。あなたが22条を知っているかどうかで、その人の選択肢が一つ増えるか、ゼロのままかが変わる
- 住んでいる町から最も近い助産施設まで車で2時間。1項ただし書の「付近に助産施設がない等やむを得ない事由」に当たるとして断られた。だが4項は自治体に施設情報の提供義務を課しており、区域外施設との広域調整に応じる自治体もある。断られた時点は終わりではない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 妊娠が分かった時点で住所地の福祉事務所(市なら市の、町村なら都道府県の福祉事務所)に助産施設の利用意向を伝え、申込書の様式と必要書類を確認する2. 課税証明・収入資料・母子健康手帳を揃える3. 自分で窓口に行けないなら22条2項後段を示し、受診先の助産施設から代理提出してもらう4. 断られたら「1項ただし書に当たるのか、要件不該当なのか」を書面で確認する。広域利用の調整余地が残る
訴えられた側:実施を求められた自治体・施設側として、1項の義務は「行わなければならない」であり裁量的給付ではない。断る根拠はただし書の「付近に助産施設がない等やむを得ない事由」に限られ、財政事情や定員都合による一律拒否は説明が立たない。拒否する場合は理由を記録し、広域利用や出産育児一時金・生活保護の出産扶助への接続を同時に示す。4項の情報提供を果たさないままの拒否は、後に説明責任を問われる
時効(請求できる期限):本条に固有の申請期限や時効の定めはない。ただし助産の実施は分娩という一回限りの事象に結びつくため、実務上は分娩前の申込みが前提となり、事後申請の可否は自治体運用で分かれている。56条による費用徴収の決定に不服がある場合の審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)。公法上の金銭債権の一般時効は5年(会計法30条、地方自治法236条)
改正沿革 AI による整理
- 平成9年(1997年)改正(平成10年4月1日施行) 助産施設の利用を行政の措置制度から利用者の申込方式へ転換。申込書の提出(2項)と、施設選択に資する情報提供義務(4項)が置かれ、妊産婦が施設を選ぶ建前になった
- 令和4年(2022年)こども家庭庁設置関連整備(2023年4月1日施行) 児童福祉法の所管移管に伴い、本条の委任先が「厚生労働省令」から「内閣府令」へ改められた。申込書の様式や情報提供事項を定める規範の名義が変わっており、古い解説書の記載は現行と一致しない
改正の年表
- 1.平成9年(1997年) 改正:助産施設の利用を措置制度から申込方式へ転換。申込書の提出(2項)と施設選択に資する情報提供義務(4項)が置かれた(1998年4月1日施行)
- 2.令和4年(2022年) 改正:こども家庭庁設置に伴う整備で、委任先が厚生労働省令から内閣府令へ改められた(2023年4月1日施行)
- 児童福祉法 第5条妊産婦の定義、産後1年内を含む
- 児童福祉法 第36条助産施設の目的と定義
- 児童福祉法 第23条母子保護の実施、同じ申込方式
- 児童福祉法 第26条児童相談所長の通知、勧奨の起点
- 児童福祉法 第56条負担能力に応じた費用徴収
- 健康保険法 第101条出産育児一時金の費用充当関係
- 生活保護法 第16条出産扶助との適用調整
- 医療法 第2条助産所の定義、第二種助産施設の前提
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