児童福祉法 第23条
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- 都道府県等は、それぞれその設置する福祉事務所の所管区域内における保護者が、配偶者のない女子又はこれに準ずる事情にある女子であつて、その者の監護すべき児童の福祉に欠けるところがある場合において、その保護者から申込みがあつたときは、その保護者及び児童を母子生活支援施設において保護しなければならない。ただし、やむを得ない事由があるときは、適当な施設への入所のあつせん、生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)の適用等適切な保護を行わなければならない。
- 2.前項に規定する保護者であつて母子生活支援施設における保護の実施(以下「母子保護の実施」という。)を希望するものは、内閣府令の定めるところにより、入所を希望する母子生活支援施設その他内閣府令の定める事項を記載した申込書を都道府県等に提出しなければならない。この場合において、母子生活支援施設は、内閣府令の定めるところにより、当該保護者の依頼を受けて、当該申込書の提出を代わつて行うことができる。
- 3.都道府県等は、前項に規定する保護者が特別な事情により当該都道府県等の設置する福祉事務所の所管区域外の母子生活支援施設への入所を希望するときは、当該施設への入所について必要な連絡及び調整を図らなければならない。
- 4.都道府県等は、第二十五条の七第二項第三号、第二十五条の八第三号若しくは第二十六条第一項第五号又は困難な問題を抱える女性への支援に関する法律(令和四年法律第五十二号)第十条の規定による報告又は通知を受けた保護者及び児童について、必要があると認めるときは、その保護者に対し、母子保護の実施の申込みを勧奨しなければならない。
- 5.都道府県等は、第一項に規定する保護者の母子生活支援施設の選択及び母子生活支援施設の適正な運営の確保に資するため、内閣府令の定めるところにより、母子生活支援施設の設置者、設備及び運営の状況その他の内閣府令の定める事項に関し情報の提供を行わなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 児童福祉法第23条は、日本の児童福祉法に含まれる条文です。
- 児童福祉法第23条の条文原文は「都道府県等は、それぞれその設置する福祉事務所の所管区域内における保護者が、配偶者のない女子又はこれに準ずる事情にある女子であつて、その者の監護すべき児童の福祉に…」で始まります。
- 児童福祉法第23条は第三節 助産施設、母子生活支援施設及び保育所への入所等に置かれています。
- 児童福祉法の公布日は昭和22年12月12日です。
- 児童福祉法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 児童福祉法第23条の前の条は児童福祉法第22条です。
- 児童福祉法第23条の次の条は児童福祉法第23条の2です。
- 児童福祉法第23条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第23条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000164 - 本サイト収録
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第23条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000164/23
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点児童福祉法23条は、配偶者のない女子等が監護する児童の福祉に欠ける場合、申込みがあれば都道府県等が母子を母子生活支援施設で保護しなければならないと定める。
Q · シングルマザーが子どもと一緒に入れる施設に、役所は本当に入れてくれるの?
申込みがあり要件を満たせば、都道府県等に保護義務がある
児童福祉法23条1項により、配偶者のない女子又はこれに準ずる事情にある女子が監護する児童の福祉に欠けるところがある場合、保護者から申込みがあれば、都道府県等は母子を母子生活支援施設で保護しなければなりません。「できる」ではなく義務です。申込書は施設が代わりに提出でき(2項)、管轄区域外の施設を希望する場合は連絡調整義務があります(3項)。やむを得ない事由があるときは、他施設のあっせんや生活保護法の適用等の代替措置がとられます。
解説
母子生活支援施設という名前を聞いたことがない人がほとんどだろう。全国に約200か所あり、DV や離婚、死別で子どもを抱えた母親が、子どもと一緒に入所できる唯一の福祉施設である。ここが重要なのだが、児童福祉法23条1項は「保護しなければならない」と書いている。「できる」ではない。保護者が申込みをし、児童の福祉に欠けるところがあると認められれば、都道府県または市(福祉事務所を設置する町村を含む)には保護義務が生じる。つまり、窓口で「空きがないので」「該当しないので」と口頭で断られたとき、あなたが求めるべきは断る理由を書いた文書である。さらに2項で、申込書は施設側が代理提出できる。役所の窓口に行くのが怖いなら、先に施設へ相談すればいい。4項では、要保護児童の通告や困難女性支援法10条の通知を受けた場合、役所の側から申込みを勧奨する義務まで課されている。待っているだけの制度ではない。
法的な位置づけ
母子保護の実施とは、児童福祉法23条に基づき、配偶者のない女子又はこれに準ずる事情にある女子とその監護する児童について、児童の福祉に欠けるところがある場合に、保護者の申込みを受けて都道府県等が母子生活支援施設において母子を一体として保護する行政上の仕組みである。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.相談先を決める 居住地の福祉事務所(市の福祉課、町村部は都道府県の福祉事務所)か、入所を希望する母子生活支援施設に連絡する。窓口に行くのが難しい場合は、施設に申込書の代理提出を依頼できる(23条2項)
- 2.要件を裏付ける資料を揃える 児童の福祉に欠けるところがあることを示すため、収入資料、住居の状況、児童の在籍先、暴力があればその記録を整理する
- 3.申込書を提出する 入所を希望する施設その他内閣府令で定める事項を記載した申込書を都道府県等に提出する。区域外の施設を希望する場合は、3項の連絡調整を明示的に求める
- 4.不承認のときは書面で理由を確認する 申込みが受理されない、または不承認となった場合は理由を書面で求め、審査請求(処分を知った日の翌日から3か月以内)の可否を弁護士や法テラスに相談する
よくある質問 AI による整理
Q1母子生活支援施設とは?
配偶者のない女子又はこれに準ずる事情にある女子とその子どもが一緒に入所し、生活支援と自立支援を受ける児童福祉施設です(児童福祉法38条)。
Q2母子生活支援施設の申込み方法は?
入所を希望する施設などを記載した申込書を都道府県等(福祉事務所)に提出します。保護者の依頼があれば施設が代わりに提出できます(23条2項)。
Q3母子生活支援施設 入所条件は?
配偶者のない女子又はこれに準ずる事情にある女子であること、監護する児童の福祉に欠けるところがあること、保護者の申込みがあることの三つが要件です。
Q4母子生活支援施設 いつまでいられる?
児童福祉法23条自体は入所期間を定めていません。対象の児童は原則18歳未満で、実際の期間は自立の見通しなどを踏まえて個別に判断されます。
Q5母子生活支援施設 住んでいる市にない場合は?
23条3項により、特別な事情で区域外の施設を希望する場合、都道府県等は入所に必要な連絡と調整を図らなければなりません。
Q6母子生活支援施設 断られたらどうする?
不承認の理由を書面で求め、行政不服審査法に基づく審査請求や取消訴訟を検討します。法テラスや弁護士への相談が有効です。
Q7母子生活支援施設 父子家庭は入れる?
23条の対象は「配偶者のない女子又はこれに準ずる事情にある女子」であり、父子家庭は本条の対象に含まれません。父子家庭には別の支援制度の利用を検討します。
Q8母子生活支援施設の情報はどこで調べられる?
23条5項により、都道府県等は施設の設置者・設備・運営状況などの情報を提供しなければなりません。福祉事務所に照会できます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1離婚がまだ成立していないんですが、それでも入れますか?
入所の可能性があります。1項は「配偶者のない女子又はこれに準ずる事情にある女子」と定めており、離婚係争中で事実上婚姻関係が破綻している場合はこれに準ずる事情として扱われるのが実務です。実務のポイント:DV を理由とする場合、住民票の異動を伴わずに入所できる運用があります。先に住民票を移すと加害者に閲覧される危険があるため、異動の前に必ず住民基本台帳事務における支援措置の申出を市区町村で行うこと。順番を間違えると居場所が割れる
Q2施設に入ると子どもの学校はどうなるんでしょうか?
区域外の施設に入所する場合でも、住所地と異なる学校への就学は指定校変更・区域外就学の制度で対応されます。DV 事案では加害者に転校先が伝わらないよう配慮する運用が教育委員会に通知されています。実務のポイント:転校の手続で提出する書類に施設の所在地が記載されると、そこから居場所が漏れる経路になりうる。入所前の面談の段階で、学校関係の情報管理をどうするか施設職員に具体的に確認しておく
Q3利用料はいくらかかりますか。お金がないから諦めていたんですが
費用は児童福祉法56条に基づき、本人または扶養義務者の負担能力に応じて徴収されます。所得が低い世帯は負担ゼロの階層もあり、生活保護を受給している場合は基本的に自己負担が生じません。実務のポイント:施設入所と生活保護は排他ではなく併用できます。窓口で「まず生活保護を」と案内されたとき、それが1項ただし書の代替措置なのか、単なる順序の案内なのかを確認する。母子生活支援施設での保護が可能なら、ただし書ではなく本文が適用されるべき場面である
Q4役所に相談したら、逆に子どもを取り上げられませんか?
この条文の保護は母子が一緒に生活することが前提であり、子どもだけを分離する児童養護施設等への措置(27条)とは制度が異なります。母子分離は虐待等の別要件によるものです。実務のポイント:分離を恐れて相談を遅らせるほど、住居も収入もない状態が長引き、結果的に児童の福祉に欠ける状況が客観的に悪化する。早期に相談した記録が残っている方が、母子一体での支援という結論に向かいやすい
間違えやすい点 AI による整理
- 「母子生活支援施設は昔の母子寮で、集団生活の施設だろう」と思われているが、1997年の法改正で名称も機能も変わっている。現在は世帯ごとの独立した居室が基本で、目的も「保護」だけでなく「自立の促進のためにその生活を支援する」ことに拡張された(38条)。施設像が30年前で止まっている人が、選択肢から外している
- この条文が「保護しなければならない」という義務規定であることは知っていても、その義務の重さを理解している人は少ない。行政の義務である以上、申込みに対する拒否は行政処分(役所があなたに直接下す具体的な決定)となり、審査請求や取消訴訟の対象になりうる。口頭の門前払いは、その争う機会すら奪う行為である
- 「DV 被害者でなければ使えない」という前提で考えている人が多いが、条文が求めているのは「配偶者のない女子又はこれに準ずる事情にある女子」であり、離別・死別・未婚のひとり親、さらに離婚成立前で事実上婚姻関係が破綻している場合も含まれる。DV の有無は要件ではなく、要件は児童の福祉に欠けるところがあるかどうかである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 保護の対象 | 23条:配偶者のない女子等とその児童を一体として保護 | 27条:児童のみを児童養護施設等に入所させる措置 38条:母子生活支援施設の目的・機能の定義 |
| 開始のきっかけ | 保護者の申込み(施設の代理提出・行政の勧奨あり) | 都道府県による措置(親子分離を伴う) 開始手続は定めず、施設の役割を規定 |
| 母子の関係 | 母子が一緒に生活することが前提 | 虐待等を理由に親子を分離しうる 母子の生活支援と自立促進を目的とする |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では単親家庭への支援が緊急生活扶助や住宅補助など給付中心で、DV被害者には庇護安置の制度がある。母子一体の入所を行政の義務とする日本型の規定とは構造が異なる
韓国はひとり親家族福祉施設の類型として母子家族福祉施設を置き、日本の母子生活支援施設に近い機能をもつ
ドイツは6歳未満の子を単独で養育する親に、父母と子が共に暮らす居住型支援を少年援助として提供する。母子に限らず父子も対象となる
米国は連邦の補助金によるDVシェルター支援が中心で、ひとり親世帯の入所を行政に義務づける一般的な連邦規定は見当たらない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 夫の暴力から子ども二人を連れて逃げた。シェルターの一時保護は原則二週間前後で、その後の行き先がない。母子生活支援施設は住まいと生活支援を同時に提供し、保育所の確保や就労支援まで含む。一時保護の期間中に申込書を出しておかないと、退所日に行き場を失う
- 離婚調停中で、収入はパートのみ、実家には頼れない。住居を借りようにも保証人がいない。母子生活支援施設は保証人不要で、利用料は所得に応じて減免される。ただし施設への入所は「福祉に欠けるところがある」という要件判断を経るため、家計と住居状況の資料を揃えておくかどうかで結論が変わる
- 窓口で「まず生活保護の相談をしてください」と言われた。1項ただし書は、やむを得ない事由があるときに生活保護法の適用等の代替措置を認めているが、それは母子生活支援施設での保護ができない場合の例外である。順序が逆になっていないか確認する余地がある
- もし、あなたが住んでいる市に母子生活支援施設がなかったら? 3項が答えを持っている。管轄区域外の施設への入所を希望するとき、都道府県等は連絡と調整を図らなければならない。「うちの市にはありません」で会話を終わらせてはいけない
- 友人から「夫と別れたいけど子どもを連れて行くところがない」と夜中に相談された。あなたが伝えるべきは、施設が申込書を代理提出できること、そして福祉事務所の所管区域外でも調整義務があること。この二つを知っているだけで、友人が動き出せる日が数週間早まる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 居住地の福祉事務所(市の福祉課、町村部は都道府県の福祉事務所)に母子保護の実施の申込みを行う。窓口が怖ければ、先に母子生活支援施設へ直接電話し、2項の代理提出を依頼する2. 収入資料、住居の状況、児童の在籍先、暴力があればその記録(診断書、通報履歴、LINE のスクリーンショット)を整理3. 管轄区域内に施設がない、あるいは加害者に居場所を知られる危険がある場合、3項の区域外入所の調整を明示的に求める4. 申込みが受理されない、または不承認となった場合は理由を記した書面を求め、審査請求(行政不服審査法)の可否を弁護士または法テラスに相談する
訴えられた側:配偶者が子どもを連れて所在不明となった場合、居場所の開示を行政に求めても、DV 事案では住民基本台帳の閲覧制限措置により開示されない。実力行使での連れ戻しは未成年者略取(刑法224条)に問われうる。取るべき道は家庭裁判所の子の監護者指定・引渡しの審判、および面会交流の調停であり、この手続の中で主張する。施設や行政への直接接触は接近禁止命令の申立て理由となり、立場をさらに悪くする
時効(請求できる期限):申込みそのものに法定の期限はないが、一時保護の期間は実務上二週間前後と短く、退所前に手続を開始しないと住居の空白が生じる。行政の不承認決定に対する審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内、かつ処分の日の翌日から1年以内(行政不服審査法18条)。取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:児童福祉法制定。母子を保護する施設として母子寮が児童福祉施設に位置づけられた
- 2.平成9年(1997年) 改正:母子寮を母子生活支援施設に改称し、保護に加えて自立の促進のための生活支援を施設の目的に加えた
- 3.令和4年(2022年) 改正:こども家庭庁の発足に伴い委任先が内閣府令となり、困難な問題を抱える女性への支援に関する法律10条の通知が4項の勧奨義務の端緒に加えられた
- 児童福祉法 第38条母子生活支援施設の目的と自立支援機能の定義
- 児童福祉法 第25条要保護児童発見者の通告義務、4項の前提
- 児童福祉法 第26条児童相談所長による福祉事務所への送致、勧奨の端緒
- 児童福祉法 第27条児童のみを分離する施設入所措置との制度的区別
- 児童福祉法 第56条負担能力に応じた費用徴収の根拠
- 困難な問題を抱える女性への支援に関する法律 第10条女性相談支援センターからの通知が勧奨義務を起動
- 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律 第3条一時保護から施設入所への接続経路
- 母子及び父子並びに寡婦福祉法 第31条母子家庭への経済的自立支援措置との併用
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