児童福祉法 第23条の2
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都道府県等は、児童及び妊産婦の福祉のため、それぞれその設置する福祉事務所の所管区域内において、妊産婦等生活援助事業が着実に実施されるよう、必要な措置の実施に努めなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 児童福祉法第23条の2は、日本の児童福祉法に含まれる条文です。
- 児童福祉法第23条の2の条文原文は「都道府県等は、児童及び妊産婦の福祉のため、それぞれその設置する福祉事務所の所管区域内において、妊産婦等生活援助事業が着実に実施されるよう、必要な措置の実施に努め…」で始まります。
- 児童福祉法第23条の2は第三節 助産施設、母子生活支援施設及び保育所への入所等に置かれています。
- 児童福祉法の公布日は昭和22年12月12日です。
- 児童福祉法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 児童福祉法第23条の2の前の条は児童福祉法第23条です。
- 児童福祉法第23条の2の次の条は児童福祉法第23条の3です。
- 児童福祉法第23条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第23条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000164 - 本サイト収録
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第23条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000164/23_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点児童福祉法23条の2は、都道府県等に対し、福祉事務所の所管区域内で妊産婦等生活援助事業が着実に実施されるよう必要な措置を講じる努力義務を課す規定である。
Q · 妊娠中に住む家がなくなったら、行政は何か支援してくれるの?
都道府県等が住まい付きの支援事業の実施に努める義務を負う
児童福祉法23条の2により、都道府県等は、福祉事務所の所管区域内で妊産婦等生活援助事業が着実に実施されるよう、必要な措置に努めなければなりません。この事業は、家庭生活に支障がある特定妊婦等に住居や食事などの生活支援、養育相談、関係機関との調整を行うものです。努力義務のため個人が事業実施を直接請求できる権利ではありませんが、福祉事務所で事業名を示して実施状況を照会することができます。
解説
妊娠したのに帰る家がない。そういう人のために、都道府県や市が「妊産婦等生活援助事業」という住まい付きの支援を用意する、その実施義務を定めたのが本条である。注目すべきは主語が「都道府県等」であり、義務の宛先が行政だという点。あなたが困窮した妊婦本人、あるいはその友人・支援者であれば、福祉事務所の窓口に対して「この事業の実施状況はどうなっているのか」と問える立場にある。条文は「努めなければならない」という努力義務だが、努力義務でも行政は計画に位置づけ、議会や監査で説明責任を負う。窓口で「うちにはそういう制度はない」と言われたとき、この条文を知っているかどうかで会話が変わる。管轄は「福祉事務所の所管区域内」なので、どの自治体が責任を負うかもここで決まる。
法的な位置づけ
児童福祉法23条の2は、都道府県等に対し、その設置する福祉事務所の所管区域内において妊産婦等生活援助事業が着実に実施されるよう必要な措置を講じる努力義務を定める規定である。同事業は、家庭生活に支障が生じている特定妊婦等を住居に入居させ、または事業所に通わせて、生活支援、養育相談、関係機関との連絡調整などを行う事業をいう。
手順
- 1.状況を紙一枚にまとめる 妊娠週数、今の住まいにいられる期限、収入の状況、頼れる人の有無、DV の有無を紙一枚にまとめる。窓口での聞き取り時間が短くなり、支援の必要性を判断してもらいやすくなる
- 2.福祉事務所に事業名を示して照会する 現在地または住所地の福祉事務所(市の場合は子ども家庭部門)に行き、「妊産婦等生活援助事業(児童福祉法23条の2)の実施状況と利用方法を知りたい」と明確に伝える
- 3.未実施なら都道府県の担当課に照会する 所管区域で事業が実施されていないと言われた場合、都道府県の児童福祉主管課に直接照会し、広域での受け入れ先や代替となる支援の有無を確認する
- 4.関係窓口に並行して相談する こども家庭センターに並行して相談し、DV がある場合は配偶者暴力相談支援センターにも同時に連絡する。複数窓口に相談済みであることを各窓口に伝え、たらい回しを防ぐ
よくある質問 AI による整理
Q1妊産婦等生活援助事業とは何ですか?
家庭生活に支障がある特定妊婦等に、住居の提供や食事などの生活支援、養育相談、関係機関との調整を行う事業です。児童福祉法に定義があります。
Q2妊産婦等生活援助事業の申し込み方法は?
住所地または現在地の福祉事務所、市区町村のこども家庭センターに相談するのが入口です。事業名を明示して実施状況を照会すると話が進みやすくなります。
Q3妊産婦等生活援助事業はいつから始まった?
令和4年の児童福祉法改正で法定化され、令和6年(2024年)4月から施行されています。比較的新しい制度のため、窓口で認知度に差があります。
Q4特定妊婦とは誰のことですか?
出産後の養育について、出産前から支援を行うことが特に必要と認められる妊婦です。経済的困窮、若年妊娠、家庭内の問題などが判断要素になります。
Q5妊産婦等生活援助事業の利用に費用はかかる?
費用負担の有無や額は実施自体体・事業所ごとに異なります。福祉事務所へ相談する際に、利用料と減免の有無を必ず確認してください。
Q6妊婦 住む場所がない 相談先は?
福祉事務所、こども家庭センター、女性相談支援センターが主な窓口です。DV がある場合は配偶者暴力相談支援センターにも並行して相談できます。
Q7自治体が事業を実施していないのは違法?
本条は「努めなければならない」という努力義務のため、未実施だけで直ちに違法とはされにくいです。ただし議会や監査で未実施の理由を問う根拠になります。
Q8未成年の妊婦でも利用できますか?
年齢で一律に排除する規定ではなく、家庭生活に支障がある特定妊婦等が対象です。若年妊娠は支援の必要性が高いとされる典型例の一つです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1住民票を置いていない土地に今いるんですが、そこで相談できますか?
本条は「福祉事務所の所管区域内」を基準としており、現在地の福祉事務所でまず相談するのが実務の入口になる。住民票所在地との調整は行政間で行う建前である。実務のポイント:自治体間で費用負担の押し付け合いが起きやすい領域であり、相談者本人が両方に同時に連絡を入れて「双方に相談済み」と伝えておくと、たらい回しが止まりやすい。
Q2相談したら子どもを施設に入れられてしまうのでは?
本事業は母子が一緒に生活することを前提にした住まいと生活支援の枠組みであり、分離を目的とした制度ではない。分離が問題になるのは児童福祉法33条の一時保護など別の局面である。実務のポイント:相談を避けて孤立出産に至ると、かえって分離の判断が下されやすくなる。早期に相談履歴を残しておく方が、母子一緒の選択肢は広く残る。
間違えやすい点 AI による整理
- 「努力義務だから行政は何もしなくていい」と読まれがちだが、努力義務規定は行政計画への記載、予算要求の根拠、監査や議会質問での追及材料として実際に機能する。法的強制力が弱いことと、現場で使えないことは別の話である
- 妊婦の住まいの問題を「生活保護があるから大丈夫」と考える人が多いが、問題の立て方が違う。金銭給付だけでは、出産直後の母子の生活支援や養育の伴走は埋まらない。本事業は住まい・生活支援・養育支援を束ねた設計であり、生活保護とは補完関係にある
- 「母子生活支援施設(児童福祉法38条)があるからこの事業は不要」と見られることがあるが、母子生活支援施設は原則として子を伴う母が対象で、妊娠中の段階や、出産後に子と一緒に暮らすか迷っている段階は制度の隙間に落ちやすかった。本事業はその隙間を埋めるために設けられた
- 行政から見れば「支援を申し出ている」場面でも、本人から見れば「子どもを取られるかもしれない場所」に見えている。この落差が相談をためらわせ、結果として飛び込み出産や孤立出産につながる。支援を勧める側は、この認識差を前提に話を組み立てる必要がある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の性質 | 児童福祉法23条の2:都道府県等の事業実施の努力義務 | 児童福祉法38条:母子生活支援施設の目的規定 児童福祉法10条の2:こども家庭センターによる相談支援 |
| 主な対象 | 家庭生活に支障がある特定妊婦等とその監護する児童 | 配偶者のない女子等とその監護すべき児童 妊産婦・子育て家庭・児童全般 |
| 妊娠中の利用 | 妊娠中から利用する前提で設計されている | 原則として子を伴う母が中心で、妊娠期は隙間になりやすかった 相談・支援計画は妊娠期から可能だが、住まいの提供はない |
| 住まいの提供 | 住居への入居または通所による生活支援 | 施設への入所 なし(他制度への接続を担う) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は未婚妊婦等を特殊境遇家庭として緊急生活扶助などの金銭給付の対象とする設計が中心で、日本の本事業のような住まいと生活支援を一体で提供する枠組みとは重点が異なる
韓国は未婚母子向け福祉施設で出産前後の居住支援を行う体系を持ち、住まいを伴う支援という点で日本の本事業に近い
ドイツは母子共同生活施設での支援を児童・青少年援助の一類型とし、出生前の妊婦も対象に含めうる点で本事業と機能が重なる
フランスは児童社会援助(ASE)の枠内で、住居のない妊婦や幼児を持つ単身の母への支援を県の任務として明記している
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 10代で妊娠し、親から家を出るよう言われた。頼れる親族もなく、アパートを借りる初期費用もない。産婦人科では「相談先はある」と言われたが、具体的にどこかは分からない。この事業は、住む場所と生活支援と出産後の養育支援をセットで提供する枠組みである。福祉事務所へ行く前に、この事業名を知っているだけで話の通り方が違う
- DV から逃げて別の県へ移った妊婦。所管区域は「福祉事務所の所管区域内」と書かれているため、住民票がどこにあるかと今どこにいるかがずれると、窓口で押し付け合いが起きやすい。配偶者暴力相談支援センターと福祉事務所の両方に同時に当たるのが実務上の突破口になる
- あなたが助産師・保健師・学校の養護教諭で、生徒や患者の妊娠と家庭状況の危うさに気付いた。本人が動けない段階で、支援者側がこの事業の存在を知って自治体に照会できるかどうかが、その後の母子分離を防げるかどうかの分岐点になる
- 出産予定日まであと6週間、今いる知人宅から出ていくよう言われた。住居確保の手続には審査と調整の時間がかかる。妊娠後期に入ってから動き出すと、産後の居場所が間に合わない可能性が高い
- 議会や住民監査の場面。あなたが自治体の議員・職員・NPO の立場で、自分の自治体が本事業を実施していないと気付いた。努力義務規定であっても、都道府県行動計画や市町村行動計画(児童福祉法56条の8、56条の9)に位置づけられているかを問えば、未実施の理由を説明させられる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 住所地または現在地の福祉事務所(市の場合は市役所の子ども家庭部門)に、事業名を明示して実施状況を照会2. 未実施と言われたら、都道府県の児童福祉主管課へ直接照会、広域での受け入れ先の有無を確認3. 並行してこども家庭センター(児童福祉法10条の2)と、DV があれば配偶者暴力相談支援センターに同時に当たる4. 妊娠週数、現在の住まいの期限、頼れる人の有無を紙一枚にまとめて持参すると、窓口での判断が速くなる
訴えられた側:行政側・事業者側の立場であれば、1. 所管区域内の実施体制と受入枠を把握し、未整備なら行動計画への位置づけと予算要求の根拠として本条を使う2. 広域調整の枠組み(他自治体からの受け入れ可否)をあらかじめ文書化しておく3. 相談者が「子を取られる」と受け取らない説明手順を窓口で統一する
時効(請求できる期限):本条自体に期限規定はない。ただし実務上の期限は妊娠週数であり、住まいの確保と出産準備を両立させるには妊娠中期までの相談開始が現実的な目安。金銭的請求権に関する争いが生じた場合は一般の消滅時効(民法166条、権利行使可能時から5年または10年)が適用される(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.令和4年(2022年) 新設:令和4年の児童福祉法改正により妊産婦等生活援助事業が法定化され、都道府県等の実施努力義務を定める本条が新設された。令和6年(2024年)4月施行。
- 児童福祉法 第2条国及び地方公共団体の育成責任の総則規定
- 児童福祉法 第38条母子生活支援施設、子を伴う母への入所支援
- 児童福祉法 第6条の3妊産婦等生活援助事業の定義規定
- 児童福祉法 第10条の2こども家庭センターによる相談支援体制
- 児童福祉法 第34条の7事業の届出・運営に関する規律
- 母子保健法 第22条母子健康包括支援における妊産婦支援との接続
- 生活保護法 第11条住宅扶助等の金銭給付による補完関係
- 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律 第3条DV 被害妊婦の保護窓口との並行適用(通称 DV 防止法)
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