児童福祉法 第23条の3
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妊産婦等生活援助事業を行う都道府県等は、第二十五条の七第二項第三号、第二十五条の八第三号若しくは第二十六条第一項第五号又は困難な問題を抱える女性への支援に関する法律第十条の規定による報告又は通知を受けた妊産婦又はその者の監護すべき児童について、必要があると認めるときは、当該妊産婦に対し、妊産婦等生活援助事業の利用を勧奨しなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 児童福祉法第23条の3は、日本の児童福祉法に含まれる条文です。
- 児童福祉法第23条の3の条文原文は「妊産婦等生活援助事業を行う都道府県等は、第二十五条の七第二項第三号、第二十五条の八第三号若しくは第二十六条第一項第五号又は困難な問題を抱える女性への支援に関する…」で始まります。
- 児童福祉法第23条の3は第三節 助産施設、母子生活支援施設及び保育所への入所等に置かれています。
- 児童福祉法の公布日は昭和22年12月12日です。
- 児童福祉法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 児童福祉法第23条の3の前の条は児童福祉法第23条の2です。
- 児童福祉法第23条の3の次の条は児童福祉法第24条です。
- 児童福祉法第23条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第23条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000164 - 本サイト収録
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第23条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000164/23_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点児童福祉法23条の3は、妊産婦等生活援助事業を行う都道府県等が、報告・通知を受けた妊産婦について必要と認めるとき、事業の利用を勧奨しなければならないと定める。
Q · 住む場所がない妊婦が相談したら、役所は支援を紹介してくれるの?
通知が届き必要と認められれば、利用を勧める義務がある
児童福祉法23条の3により、妊産婦等生活援助事業を行う都道府県等は、市町村(25条の7)、福祉事務所長(25条の8)、児童相談所長(26条)、または困難な問題を抱える女性への支援に関する法律10条に基づく報告・通知を受けた妊産婦について、必要と認めるときは事業の利用を勧奨しなければなりません。勧奨は強制ではなく、利用は本人が選べます。2024年4月1日施行の規定です。
解説
住む場所を失った妊婦に、行政は「声をかけなければならない」。2024年4月1日から、それが法律上の義務になった。妊産婦等生活援助事業とは、家庭生活に支障をきたした妊産婦とその子に、住まいと食事、妊娠・出産・子育ての相談、必要なら特別養子縁組の情報までを一括で提供する仕組みである。本条が定めるのは、この事業を実施している都道府県等が、市町村や児童相談所、あるいは困難な問題を抱える女性への支援の窓口から「この人には支援が要る」という報告・通知を受け取ったとき、必要と認めれば利用を勧奨しなければならない、という点だ。効いてくるのは動詞の違いである。措置ではなく勧奨。行政には声をかける義務があるが、あなたには断る自由がある。逆に言えば、一度断ったからといって次の入口が閉じるわけでもない。囲い込む制度ではなく、あなたが選べる制度として設計されている。
法的な位置づけ
児童福祉法23条の3は、妊産婦等生活援助事業の利用勧奨義務を定める規定である。同事業を行う都道府県等は、同法25条の7第2項第3号、25条の8第3号、26条1項5号または困難な問題を抱える女性への支援に関する法律10条による報告・通知を受けた妊産婦について、必要があると認めるときは、当該妊産婦に事業の利用を勧奨しなければならない。
手順
- 1.相談窓口を選んで連絡する 市町村のこども家庭センター、または女性相談の窓口に連絡する。どちらからでも本条が想定する報告・通知の経路に乗り得る
- 2.居住の困難を事実として伝える 「住まいがない」「今の家にいられない」など居住の可否を具体的に伝える。困りごとの列挙より、生活の場が失われている事実が必要性の判断を左右する
- 3.通知の有無を確認し記録する 相談の最後に、都道府県等への報告・通知が行われるかを確認する。相談日・担当者名・話した内容をその場で控える
- 4.勧奨を受けたら条件を確認して判断する 定員、子どもとの同居の可否、滞在期間、費用を確認してから利用を決める。断る場合も「状況が変われば連絡する」旨を記録に残してもらう
よくある質問 AI による整理
Q1妊産婦等生活援助事業とは?
家庭生活に支障が生じた妊産婦とその子に、住まいや食事の提供、妊娠・出産・子育ての相談、特別養子縁組の情報提供などを行う事業です(児童福祉法6条の3)。
Q2妊娠して住む場所がない どこに相談?
市町村のこども家庭センターか、女性相談の窓口が入口です。どちらに相談しても、都道府県等への報告・通知の経路に乗る可能性があります。
Q3妊産婦等生活援助事業 いつから?
2022年の児童福祉法改正で創設され、2024年4月1日に施行されました。本条の勧奨義務も同日から適用されています。
Q4妊産婦等生活援助事業 対象は?
家庭生活に支障が生じた特定妊婦など、支援が必要な妊産婦とその監護すべき児童です。妊産婦は妊娠中または出産後1年以内の女性を指します。
Q5利用勧奨は断れる?
断れます。勧奨は行政側の義務であり、利用は本人の任意です。断っても後日あらためて利用を申し込むことは妨げられません。
Q6妊産婦等生活援助事業 費用はかかる?
費用負担の扱いは実施自治体や事業者により異なります。勧奨を受けた際に、費用の有無と金額を必ず確認してください(最新の運用をご確認ください)。
Q7自治体が勧奨しないのは違法?
報告・通知を受け、必要があると認めたのに勧奨しなければ、本条の義務に反する不作為となり得ます。必要性の判断自体には一定の裁量があります。
Q810代の妊娠 親に知られずに相談できる?
学校の養護教諭や市町村の窓口への相談が入口になります。行政機関間の通知は親への連絡を前提としていませんが、未成年の場合の扱いは窓口で確認が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1相談したら、子どもを取り上げられたりしませんか?
この事業は妊産婦と「その者の監護すべき児童」を一緒に受け入れる前提で設計されている(本条、6条の3)。分離を伴う一時保護(33条)とは別のルートである。実務のポイント:現場では「分離を避けたいなら妊娠中に動く」のが定石。出産後に子ども側の制度が先に起動すると、母子一体の選択肢は事実上狭まる。時期そのものが結論を変える
Q2勧められたけど断りました。もう二度と支援は受けられませんか?
勧奨は行政側の義務であって、利用はあなたの任意である。断ったことで申請権が消える規定はなく、後日あらためて利用を申し込める。実務のポイント:一度断ると記録上「拒否」で止まり、再アプローチが来なくなる自治体は現実にある。断るときは「今は使わないが状況が変われば連絡する」と口に出し、その一言を記録に残してもらうこと
Q3住んでいる県にこういう事業があるかどうか、どう調べればいいですか?
本条の勧奨義務は「妊産婦等生活援助事業を行う都道府県等」にかかる。実施していない自治体には、そもそも勧奨義務が発生しない。2024年4月開始の新しい事業で実施状況には地域差がある(最新の実施状況をご確認ください)。実務のポイント:未実施地域でも母子生活支援施設(38条)や産後ケア事業(母子保健法17条の2)という別ルートがある。「うちにはない」で会話を終わらせない
Q4相手の男性に居場所を知られるのが怖いのですが、大丈夫ですか?
本条の報告・通知は行政機関の間で行われるもので、相手方に通知が行く仕組みではない。DV等の事案では住民基本台帳事務における支援措置(閲覧・交付の制限)を併用できる。実務のポイント:この支援措置は相談窓口が意見を付けて申し出ると通りやすい。妊娠を理由に転居する人は、転居手続と同時にこの申出を出すかどうかで、その後の安全性が大きく変わる
間違えやすい点 AI による整理
- あなたから見れば「まだ何も起きていない、ただ家にいづらいだけ」でも、法律から見れば特定妊婦(出産後の養育について出産前において支援を行うことが特に必要と認められる妊婦、6条の3)に当たりうる。この落差が命取りで、自分を「まだ対象じゃない」と判定してしまう人ほど、誰からも通知されないまま臨月を迎える
- 「どこの施設に入れるのか」を先に調べる人が多いが、問いの立て方が逆である。本条の仕組みでは、まず報告・通知があって初めて勧奨義務が発生する。調べるべきは施設名ではなく、自分のケースが誰から誰へ通知される経路に乗っているかだ
- 勧奨義務の存在は知っていても、その重さを見誤りやすい。「必要があると認めるとき」の判断には裁量が残るが、必要と認めた後の勧奨は裁量ではなく義務である。必要性を把握しながら黙っていた自治体は、後の検証で不作為を問われる側に立つ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 支援の内容 | 23条の3:妊産婦等生活援助事業(住まい・食事・相談・特別養子縁組情報)の利用勧奨 | 22条:助産の実施(経済的理由で入院助産を受けられない妊産婦の助産施設入所) 23条・38条:母子保護の実施(母子生活支援施設への入所) |
| 対象者 | 報告・通知を受けた妊産婦とその監護すべき児童 | 保健上必要があるのに経済的理由で入院助産を受けられない妊産婦 配偶者のない女子またはこれに準ずる事情にある女子とその監護すべき児童 |
| 行政の義務の形 | 必要と認めるときの利用勧奨義務(利用は任意) | 申込みを受けた場合の助産の実施義務 申込みを受けた場合の母子保護の実施義務 |
| 時期 | 妊娠中から産後1年以内(妊産婦の範囲) | 出産前後の助産の場面 子が18歳未満の間(一定の場合は延長あり) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は未婚妊娠女性への扶助を特殊境遇家庭の枠組みで給付として定める。日本のような行政間通知を起点とする勧奨義務の構造とは異なる
韓国は2024年施行の特別法で危機妊娠の相談支援と保護出産を制度化。相談支援から出産・養育まで連続支援する点で本条と問題意識を共有する
ドイツは母(父)と子の共同居住形態を少年援助として規定し、出産前の妊婦も対象に含む。住まいと養育支援を一体で提供する点が日本の事業と近い
フランスは児童社会援助(ASE)の枠内で、支援を要する妊婦や幼い子を持つ単身の母の受入れを県の責務としている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 妊娠7か月、同居していた交際相手から出て行けと言われた。実家には頼れない。市町村のこども家庭センターで「特定妊婦」として把握されれば、そこから都道府県等への通知経路が開く。通知が届いた先で必要性が認められた瞬間、勧奨は行政の裁量ではなく義務になる
- 出産予定日まであと3週間、ネットカフェ生活が続いているとしたら、今からでも間に合うのか。間に合う。事業の対象は妊娠中に限られず、産後1年以内の母も含まれる。ただし相談から通知、勧奨までに数日から数週間かかることは織り込んでおくこと
- 10代で妊娠し、親に言えないまま学校に通っている。養護教諭が市町村に情報をつなげば経路は開く。黙っている期間が、そのまま制度が作動しない期間になる
- あなたが自治体の相談員だとして、女性相談の窓口で「妊娠している」と聞き取ったとする。困難な問題を抱える女性への支援に関する法律10条の報告・通知に乗せれば、都道府県等側に勧奨義務が発生する。聞き取ったのに記録も通知もしなければ、義務は永遠に起動しない。起動させるスイッチは、相談者ではなくあなたの手元にある
- 友人から深夜に「住むところがない、妊娠してる」とLINEが来た。返すべき一言は「市役所のこども家庭センターか、女性相談の窓口へ」である。どちらから入っても、本条が想定する通知経路に乗る
取るべき行動
被害を受けた側:1. 入口は二つ。市町村のこども家庭センター(母子保健と児童福祉の一体窓口)か、女性相談の窓口。どちらからでも通知経路に乗る2. 相談では「住まいがない」「今の家にいられない」を事実として言い切る。困りごとの列挙より居住の可否が判定を動かす3. 相談日・担当者名・話した内容をその場でメモする。通知の有無を後から確認する材料になる4. 勧奨を受けたら即答せず、定員・子どもの同居可否・滞在期間・費用を確認してから決める。断っても後日申し込む道は閉じない
訴えられた側:(支援する側・自治体側の実務)1. 妊娠の事実を把握した時点で、要支援児童等・特定妊婦としての記録を残す2. 25条の7第2項第3号、25条の8第3号、26条1項5号、困難な問題を抱える女性への支援に関する法律10条のどの経路に乗せるかを判断し、通知を実施する3. 「必要があると認めるとき」の判断根拠を文書化する。必要性を認識しながら勧奨しなかった記録は、後の検証で最も重く問われる4. 本人が断った場合も、拒否の事実と再アプローチの計画を必ず残す
時効(請求できる期限):本条自体に期限の定めはなく、通知から勧奨までの日数も法定されていない。ただし事業の対象は妊産婦(母子保健法6条、妊娠中又は出産後1年以内の女子)であり、産後1年を過ぎると入口そのものが閉じる。実質的な時間制限はこの1年である(最新の運用状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)改正、令和6年(2024年)4月1日施行 妊産婦等生活援助事業の創設に伴い新設された条文。市町村・児童相談所からの通知経路に加え、同日施行の困難な問題を抱える女性への支援に関する法律からの通知も勧奨義務の端緒として組み込み、児童福祉と女性支援の二系統を接続した
改正の年表
- 1.令和4年(2022年) 新設:児童福祉法等の一部を改正する法律により妊産婦等生活援助事業の創設とあわせて新設。令和6年(2024年)4月1日施行。困難な問題を抱える女性への支援に関する法律からの通知も勧奨の端緒に組み込んだ
- 児童福祉法 第6条の3妊産婦等生活援助事業と特定妊婦の定義
- 児童福祉法 第22条都道府県等の定義と助産施設入所
- 児童福祉法 第25条の7市町村からの通知、勧奨義務の端緒
- 児童福祉法 第26条児童相談所長からの通知、勧奨義務の端緒
- 児童福祉法 第38条母子生活支援施設、母子一体の代替ルート
- 困難な問題を抱える女性への支援に関する法律 第10条女性支援側からの報告・通知が勧奨の端緒
- 母子保健法 第17条の2産後ケア事業、産後期の支援の並走制度
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