公認会計士法 第24条の3
クイックジャンプ
- 公認会計士は、大会社等の七会計期間(事業年度その他これらに準ずる期間をいう。以下同じ。)の範囲内で政令で定める連続する会計期間(当該連続する会計期間に準ずるものとして内閣府令で定める会計期間にあつては、当該会計期間。以下この項、第三十四条の十一の三及び第三十四条の十一の四第一項において「連続会計期間」という。)のすべての会計期間に係る財務書類について監査関連業務を行つた場合には、当該連続会計期間の翌会計期間以後の政令で定める会計期間に係る当該大会社等の財務書類について監査関連業務を行つてはならない。ただし、当該公認会計士(監査法人の社員である者を除く。)が当該連続会計期間の翌会計期間以後の会計期間に係る当該大会社等の財務書類について監査関連業務を行うことにつき、内閣府令で定めるやむを得ない事情があると認められる場合において、内閣府令で定めるところにより、会計期間ごとに内閣総理大臣の承認を得たときは、この限りでない。
- 2.金融商品取引所(金融商品取引法第二条第十六項に規定する金融商品取引所をいう。以下同じ。)にその発行する有価証券を上場しようとする者その他の政令で定める者(大会社等を除く。)の発行する当該有価証券が上場される日その他の政令で定める日の属する会計期間前の三会計期間の範囲内で内閣府令で定める会計期間に係るその者の財務書類について公認会計士が監査関連業務を行つた場合には、その者を大会社等とみなして、前項の規定を適用する。この場合において、同項中「公認会計士は」とあるのは、「次項の監査関連業務を行つた公認会計士は」とする。
- 3.第一項(前項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)及び前項の監査関連業務とは、第二条第一項の業務、監査法人の行う同項の業務にその社員として関与すること及びこれらに準ずる業務として内閣府令で定めるものをいう。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 公認会計士法第24条の3は、日本の公認会計士法に含まれる条文です。
- 公認会計士法第24条の3の条文原文は「公認会計士は、大会社等の七会計期間(事業年度その他これらに準ずる期間をいう。」で始まります。
- 公認会計士法第24条の3は第四章に置かれています。
- 公認会計士法の公布日は昭和23年7月6日です。
- 公認会計士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 公認会計士法第24条の3の前の条は公認会計士法第24条の2です。
- 公認会計士法第24条の3の次の条は公認会計士法第24条の4です。
- 公認会計士法第24条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第24条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000103 - 本サイト収録
公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第24条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000103/24_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点公認会計士法24条の3は、大会社等の財務書類を連続7会計期間監査した公認会計士に、その後一定期間同社の監査関連業務を禁じる規定。監査法人自体の交代は求めない。
Q · 上場会社の担当会計士は、何年まで同じ会社を監査できるの?
連続7会計期間が上限。監査法人は同じままでよい
公認会計士法24条の3により、大会社等の財務書類について連続7会計期間(政令)監査関連業務を行った公認会計士は、その後政令で定める会計期間(現行2会計期間)、同じ会社の監査に関与できません。監査法人の社員として関与した期間や審査業務も数に入り、上場予定会社では上場前の監査期間も算入されます。交代が求められるのは個人だけで、監査法人そのものの交代義務はありません。
解説
上場会社の監査報告書には、その会社を監査した公認会計士の名前が載っている。同じ名前が何年も続いていたら、それは信頼の証なのか、それとも癒着の始まりなのか。公認会計士法24条の3は、この問いに法律として答えを出している。大会社等(上場会社や大規模な会社法上の会計監査人設置会社など)の監査に連続7会計期間(年度)関与した会計士は、その後一定期間(政令で2会計期間)、同じ会社の監査に関与できない(最新の改正状況をご確認ください)。監査法人の社員として関与した場合も数に入る。上場準備中の会社については、上場前3期以内に行った監査も、すでに大会社であるかのようにカウントされる。投資家として、IPO を目指す起業家として、あるいは経理担当者として、担当会計士がいつ交代するのかを先に読めるかどうか。それで、交代期に起きる監査の空白を自分の側から管理できるかどうかが決まる。
法的な位置づけ
公認会計士法24条の3は、大会社等の財務書類について連続する会計期間(政令により7会計期間)監査関連業務を行った公認会計士に対し、その翌会計期間以後の一定期間、同一の大会社等への監査関連業務を禁止する継続関与制限規定である。上場予定会社の上場前監査期間も算入され、監査法人の社員でない公認会計士には承認制の例外が設けられている。
手順
- 1.業務執行社員ごとの関与期間を一覧化する 監査法人に、現在の業務執行社員・審査担当者それぞれの関与開始期と、上場前監査を含めた連続会計期間の数、交代予定期を一覧で提出してもらう
- 2.交代前年度に懸案論点を書面で決着させる 前任者の最終年度のうちに、収益認識・減損・引当金など未解決の会計論点を協議し、結論と根拠を書面化して引継ぎ資料に含める
- 3.後任候補と事前面談し決算日程に余裕を持たせる 後任パートナー候補の業種知見を面談で確認し、交代年度の決算・開示スケジュールに追加手続分の余裕を組み込み、監査役会と共有する
- 4.個人会計士は期首までに例外承認を申請する 監査法人の社員でない会計士が継続せざるを得ない場合、内閣府令で定めるやむを得ない事情の要件を確認し、後任探索の記録を添えて会計期間ごとに承認を申請する
よくある質問 AI による整理
Q1監査人ローテーションとは?
同じ会計士が同じ会社を長く監査し続けることを禁じ、一定期間で担当を交代させる制度です。日本では公認会計士法24条の3などが個人単位で定めています。
Q2公認会計士 ローテーション 何年?
大会社等では連続7会計期間が上限で、その後は政令で定める会計期間(現行2会計期間)関与できません。大規模監査法人の筆頭業務執行社員は5年です。
Q3インターバル期間中に審査担当として関与できる?
原則できません。3項の監査関連業務には監査証明業務への社員としての関与と内閣府令で定める準ずる業務が含まれ、名目上の役職変更は抜け道になりません。
Q4ローテーション違反をするとどうなる?
法令違反として公認会計士法31条などに基づく懲戒処分の対象となりえます。監査法人の社員であれば法人側の責任も問われる可能性があります。
Q5大会社等とはどんな会社?
公認会計士法24条の2などで定義され、上場会社、会社法上の大会社、金融機関などが含まれます。具体的な範囲は条文と政令で確認が必要です。
Q6IPO準備中の監査も7年に数える?
数えます。2項により上場予定日の属する会計期間前3会計期間の範囲内で内閣府令が定める期間の監査は、大会社等への監査とみなされます。
Q7個人の会計士事務所でも交代しないといけない?
原則必要です。ただし監査法人の社員でない会計士は、やむを得ない事情があり会計期間ごとに内閣総理大臣の承認を得れば継続できます。
Q8担当会計士の関与年数はどこで分かる?
有価証券報告書の監査の状況に関する記載で、業務執行社員の氏名や継続監査期間などを確認できます。記載様式は内閣府令の改正に注意が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちの会社、30年同じ監査法人なんですけど、これって法律違反じゃないんですか?
違反ではない。24条の3が強制しているのは個々の会計士の交代で、監査法人を変える義務はない。法人内でパートナーが入れ替わっていれば合法だ。実務のポイント:投資家や当局が気にしているのは監査法人の在任年数よりも、交代の年に後任パートナーが過去の処理をどこまで見直したかだ。交代年の監査報告書に記載される監査上の主要な検討事項(KAM)の変化に、その痕跡が出やすい
Q2上場前に付いてくれた会計士さん、上場したら何年くらい担当してもらえますか?
2項により、上場前3期以内で内閣府令が定める期間の監査も連続期間に数えられる。たとえば上場前の2期を担当していれば、上場後はおおむね5期で7年の上限に達する計算になる(期間の数え方は政令・府令で確認が必要)。実務のポイント:大規模監査法人の筆頭業務執行社員なら上限は5年で、上場直後に交代する場合もある。契約時に担当者の残りの年数を聞いておくのが賢明だ
Q3地方で他に監査できる人がいない場合でも、絶対に交代しないといけないんですか?
監査法人の社員ではない個人の会計士であれば、1項ただし書により、内閣府令で定めるやむを得ない事情があり、会計期間ごとに内閣総理大臣の承認を得れば継続できる。監査法人の社員にはこの例外がない。実務のポイント:承認は一度取れば済むものではなく毎期の手続きになるうえ、代わりを探す努力をしたかどうかも問われうる。後任探しの記録を残しておくことが、承認を得るための実質的な材料になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「ローテーションがあるなら、7年ごとに監査法人そのものが変わる」と思われがちだが、日本で法律が強制しているのは個人(パートナー)のローテーションだけだ。監査法人ごとの強制交代(ファーム・ローテーション)は、金融庁が調査報告をまとめるなど検討はされてきたが、導入されていない。数十年間、同じ監査法人が担当し続けている上場会社は珍しくない
- 交代は「独立性を守る儀式」として軽く見られやすいが、実務での本当の影響は引継ぎにある。後任のパートナーは前任者の判断をそのまま引き継ぐ義務を負わず、自分の署名に責任を持つ立場から論点を洗い直す。交代の年に、過去の会計処理の見直しや追加の監査手続が集中することがある
- 上場前の会社は「まだ大会社等ではないから対象外」と考えがちだが、2項は上場予定日を基準に、その前3会計期間以内で内閣府令が定める期間の監査を、大会社等への監査とみなして数える。IPO 準備の監査はすでに砂時計の中に入っている
- 法律の上限である7年を守れば十分と考えるのは危険だ。大規模監査法人の筆頭業務執行社員には、より短い5年の関与期間と5年のインターバルが別途定められている(34条の11の4、政令)。さらに日本公認会計士協会の倫理規則がより厳しいクーリングオフを求める場面もある(最新の改正状況をご確認ください)
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規制の名宛人 | 24条の3:公認会計士個人 | 34条の11の3:監査法人(社員の関与制限) 34条の11の4:大規模監査法人 |
| 関与期間の上限 | 連続7会計期間(政令) | 連続会計期間(24条の3と同じ定義を準用) 筆頭業務執行社員等は5会計期間(政令) |
| インターバル | 政令で定める会計期間(現行2会計期間) | 政令で定める会計期間 5会計期間(政令、最新改正を要確認) |
| 例外 | 監査法人の社員でない会計士のみ、会計期間ごとの承認 | 法定の承認例外なし 法定の承認例外なし |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も公開発行会社の簽證会計師に連続関与年数の上限を設ける点で日本と同趣旨。法律ではなく金融監督管理委員会の命令で規律される点が異なる
EU は主要監査パートナーの7年ローテーションに加え、社会的影響度の高い事業体について監査事務所の強制交代(ファーム・ローテーション)も定める点で日本より厳格
米国は主任パートナー等に5年のローテーションを課す。監査事務所自体の強制交代は導入していない点で日本と共通
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- シリーズ C を終え、2年後の上場を目指すスタートアップ。N-2期から監査法人のパートナーが付いた。この上場前の監査期間も7年の連続期間に数えられる。上場して4〜5年で担当パートナーが交代することを、CFO は資本政策と同じ表に書き込んでおくべきだ
- 長年付き合ってきた担当パートナーが「来期から外れます」と告げてきた。後任は自社の業種に詳しくない若手。今期の決算で、前任者が「重要性が低い」として見逃してきた論点が、全部まとめて指摘される可能性はないだろうか?
- 個人事務所で地方の大会社等を監査している会計士。連続7期を迎えるが、近隣に代わりの監査人がいない。やむを得ない事情として内閣総理大臣(実務上の窓口は金融庁)の承認を、会計期間ごとに取る必要がある。承認を取らずに8期目の監査報告書に署名すれば、それだけで懲戒の対象になる
- 監査法人の内部で、ローテーション期限を迎えた社員を「業務執行社員」から「審査担当」に名目だけ移し、実質的には指揮を続けさせた。審査も監査関連業務に含まれうるので、ローテーションの抜け道にはならない。法人も個人も処分のリスクを抱える
- 株主総会で会計監査人の再任議案に賛成票を投じる株主。担当会計士の関与年数は、有価証券報告書の監査人に関する記載で確認できる。上限の7年が近いのに引継ぎ体制の説明がなければ、IR 窓口に問い合わせる価値がある
取るべき行動
被害を受けた側:(監査を受ける会社・投資家の立場)1. 監査法人に、現在の業務執行社員それぞれの関与開始期と交代予定期を一覧にしてもらう2. 交代前年度のうちに未解決の会計論点を書面で決着させ、監査調書の引継ぎ範囲を確認する3. 後任候補との事前面談を求め、業種への知見を確認する4. 交代の年は決算スケジュールに余裕を持たせ、監査役会と事前に共有する
訴えられた側:(会計士・監査法人の立場)1. 審査や上場前監査を含め、自分の関与期間を会計期間単位で正確に記録する2. 個人事務所で代わりが見つからない場合は、期限を迎える前に内閣府令の要件を確認し、会計期間ごとに承認を申請する3. 名目上の役職変更による実質的な関与継続は避ける4. 違反を指摘されたら、関与の実態と期間の計算根拠を書面で整理し、懲戒手続(31条)での弁明に備える
時効(請求できる期限):特定の時効はない。関与の上限は連続7会計期間、交代後に再び関与できないインターバル期間は政令で定める会計期間(現行2会計期間)。大規模監査法人の筆頭業務執行社員は別途5年・5年の規制(34条の11の4)がある(最新の改正状況をご確認ください)。例外の承認は会計期間ごとに取り直す必要があり、期首までに準備することが前提になる
改正沿革 AI による整理
- 平成15年(2003年)改正(要人的検証) 大会社等の監査における公認会計士の継続関与制限(ローテーション)が導入されたとされる。新設か既存条文の改正か、施行時期を含めて要確認
- 平成19年(2007年)改正(要人的検証) 監査法人制度の見直しに伴い、上場予定会社の監査期間を算入する規定や大規模監査法人向けの規制との整合が図られたとされる。具体的な文言変更は要確認
改正の年表
- 1.平成15年(2003年) 新設:公認会計士法改正により、大会社等の監査における公認会計士の継続的関与の制限(ローテーション)が導入された。具体的施行時期・文言は e-Gov の改正履歴で要確認
- 公認会計士法 第24条の2大会社等の定義と非監査業務の同時提供禁止
- 公認会計士法 第34条の11の3監査法人側の社員ローテーション義務
- 公認会計士法 第34条の11の4大規模監査法人の筆頭業務執行社員5年規制
- 公認会計士法 第31条法令違反に対する懲戒処分の根拠
- 公認会計士法 第2条監査関連業務の中核である監査証明業務
- 金融商品取引法 第193条の2上場会社等の財務書類監査義務
- 会社法 第337条監査できない者の会計監査人欠格
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める