公認会計士法 第24条の4
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公認会計士は、大会社等の財務書類について第二条第一項の業務を行うときは、他の公認会計士若しくは監査法人と共同し、又は他の公認会計士を補助者として使用して行わなければならない。ただし、他の公認会計士若しくは監査法人と共同せず、又は他の公認会計士を補助者として使用しないことにつき内閣府令で定めるやむを得ない事情がある場合は、この限りでない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 公認会計士法第24条の4は、日本の公認会計士法に含まれる条文です。
- 公認会計士法第24条の4の条文原文は「公認会計士は、大会社等の財務書類について第二条第一項の業務を行うときは、他の公認会計士若しくは監査法人と共同し、又は他の公認会計士を補助者として使用して行わなけ…」で始まります。
- 公認会計士法第24条の4は第四章に置かれています。
- 公認会計士法の公布日は昭和23年7月6日です。
- 公認会計士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 公認会計士法第24条の4の前の条は公認会計士法第24条の3です。
- 公認会計士法第24条の4の次の条は公認会計士法第25条です。
- 公認会計士法第24条の4には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第24条の4 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000103 - 本サイト収録
公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第24条の4(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000103/24_4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点公認会計士法24条の4は、大会社等の財務書類の監査証明を公認会計士が一人で行うことを禁じ、他の会計士等との共同または補助者の使用を義務づける。例外は内閣府令の事情に限られる。
Q · 公認会計士は一人で上場企業の監査をしてもいいの?
原則できない。共同監査か補助者の使用が必要
公認会計士法24条の4により、大会社等(上場会社、一定規模以上の会計監査人設置会社、銀行、保険会社など)の財務書類について監査証明業務を行う公認会計士は、他の公認会計士や監査法人と共同するか、他の公認会計士を補助者として使用しなければなりません。いわゆる「単独監査の禁止」です。例外は内閣府令で定めるやむを得ない事情がある場合に限られ、人手不足やコストの都合だけでは認められません。
解説
上場企業の決算書にお墨付きを与える監査報告書には、必ず二人以上の公認会計士の目が通っている。たまたまではない。公認会計士法24条の4が義務として定めている。大会社等(上場会社、一定規模以上の会計監査人設置会社、銀行、保険会社など)の財務書類について監査証明業務(2条1項)を行う公認会計士は、ほかの公認会計士や監査法人と共同するか、ほかの公認会計士を補助者として使わなければならない。つまり、一人で監査することはできない。いわゆる「単独監査の禁止」である。一人の会計士が経営者と長年なれ合えば、誰にも気付かれないまま粉飾が通ってしまう。この条文は、その抜け道をふさぐために二人目の目を制度として組み込んだものだ。例外は内閣府令が定める「やむを得ない事情」がある場合に限られる。単に人手が足りない、コストが合わないといった理由では認められない。あなたが投資家、IPO を目指す経営者、または独立した会計士なら、監査報告書の署名欄を見るときに確かめるべきなのは名前の数と、それぞれがどんな立場で関わっているかである
法的な位置づけ
公認会計士法24条の4は単独監査の禁止を定める規定であり、大会社等の財務書類について監査証明業務(同法2条1項)を行う公認会計士に対し、他の公認会計士もしくは監査法人との共同、または他の公認会計士の補助者としての使用を義務づける。内閣府令で定めるやむを得ない事情がある場合は適用が除外される。
手順
- 1.監査対象が大会社等に当たるかを確認 依頼を受けた会社が公認会計士法24条の2の大会社等(上場会社等、一定規模以上の会計監査人設置会社、銀行、保険会社など)に当たるかを、会社法の「大会社」とは別に確認する。IPO 準備企業の届出書の監査も含めて検討する
- 2.共同監査人または補助者となる公認会計士を確保 他の公認会計士・監査法人との共同監査契約を結ぶか、登録済みの公認会計士を補助者として確保する。名義だけでなく実際に監査業務に関与する体制を組む
- 3.関与の実態を監査調書に記録 共同監査人や補助者がどの手続に、どれだけ関与したかを監査調書、作業時間記録、レビュー記録で残す。後の検査や懲戒手続で関与の実態を立証する材料になる
- 4.共同監査人が欠けたら直ちに例外該当性を検討 共同監査人や補助者が欠けた日から、後任確保の努力を時系列で記録しつつ、内閣府令のやむを得ない事情に該当するかを検討する。判断に迷う場合は早期に専門家へ相談する
よくある質問 AI による整理
Q1単独監査の禁止とは?
大会社等の財務書類の監査証明を、公認会計士が一人で行うことを禁じるルールです。公認会計士法24条の4が根拠で、共同監査か補助者の使用が求められます。
Q2公認会計士法の大会社等には何が含まれる?
公認会計士法24条の2が定め、金融商品取引法の監査を受ける上場会社等、一定規模以上の会計監査人設置会社、銀行、保険会社などが含まれます。
Q3共同監査とはどういう意味?
複数の公認会計士または監査法人が、同じ会社の監査証明業務を共同で行う形態です。それぞれが実際に監査に関与していることが前提になります。
Q4会計士試験合格者を補助者にすれば単独監査にならない?
条文は「他の公認会計士」を補助者とすることを求めています。登録前の試験合格者だけでは、要件を満たすと言えるか疑わしいとされます。
Q5単独監査の禁止に違反するとどうなる?
法令違反として公認会計士法上の懲戒処分(戒告、業務停止、登録抹消など)の対象となりえます。監査の適法性について会社側も説明を求められるリスクがあります。
Q6単独監査が許されるやむを得ない事情とは?
内閣府令(公認会計士法施行規則)が定める事情に限られます。単なる人手不足やコストの都合では足りず、当時の判断記録を残すことが重要です。
Q7監査法人が監査する場合もこの条文は関係ある?
本条の名宛人は個人の公認会計士です。監査法人が監査する場合は、法人内の複数の社員・職員が関与する体制と監査法人に関する規定で規律されます。
Q8非上場の中小企業の監査にも適用される?
適用対象は大会社等の財務書類に限られます。大会社等に当たらない会社の任意監査であれば、本条の単独監査の禁止は直接には適用されません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1個人の会計士事務所って、上場企業の監査はできないんですか?
できないわけではない。ただし公認会計士法24条の4により、他の公認会計士や監査法人と共同するか、他の公認会計士を補助者として使用する必要がある。さらに令和4年改正以降、上場会社の監査には日本公認会計士協会の上場会社等監査人名簿への登録も求められる(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:個人事務所同士が組んで共同監査を行う形は、実在するが少数派である。上場準備企業が個人事務所を選ぶ場合は、共同監査の相手が誰なのかまで確認すべきだ
Q2相方の会計士が辞めちゃったら、その期の監査はアウトですか?
直ちに違法と決まるわけではない。本条ただし書の内閣府令が定める「やむを得ない事情」に該当すれば、例外として認められる余地がある。ただし、単に後任探しが面倒といった程度の事情では足りない。実務のポイント:該当するかどうかの判断は、その場の判断記録が勝負を決める。いつ欠けたのか、誰に声をかけたのか、なぜ確保できなかったのかを時系列でメモしておく会計士は意外に少ない
間違えやすい点 AI による整理
- 「大会社等」を会社法の「大会社」(資本金5億円以上または負債200億円以上)と同じものだと考えがちだが、公認会計士法24条の2が定める範囲は別物である。上場会社や銀行、保険会社が含まれる一方、会計監査人設置会社でも資本金100億円未満かつ負債1,000億円未満の会社は除かれる。会社法の言葉で判断すると、要件を満たしているかを読み違える
- 単独監査の禁止は形だけで、名義を貸してもらえば足りると考える人がいる。しかし共同監査や補助者の使用は、実際に監査業務に関与していることが前提である。名前だけを並べて実態がなければ、規定の趣旨に反する。懲戒の場面では、名義貸しはむしろ悪質な事情として見られうる
- 個人会計士の側から見れば、この規定は仕事を増やす足かせかもしれない。しかし資本市場の側から見ると、監査の品質を保証する最低限の装置である。足かせだと受け止めて形式的に済ませる会計士と、品質保証の仕組みとして活用する会計士とでは、監査上の問題が表に出たときの立場がまったく違ってくる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規制の対象 | 24条の4:大会社等の監査を一人で行うこと | 24条の2:大会社等への非監査業務の同時提供 24条の3:同一の大会社等を継続して監査すること |
| 防ごうとするリスク | 一人の監査人と経営者のなれ合い、判断ミスの見逃し | 監査と助言の兼業による自己監査・利害関係 長期関与による馴れ合いと独立性の低下 |
| 求められる対応 | 他の公認会計士等との共同、または公認会計士の補助者使用 | 一定の非監査業務を監査先に提供しない 一定期間ごとに担当者を交替する |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では公開發行公司の財務報告について、聯合會計師事務所の会計師2名が共同で查核簽證する運用が定着しており、二人目の関与を求める点で日本と発想が近い
フランスは連結財務諸表を作成する会社に2名以上の会計監査人の選任を義務づける共同監査制度(co-commissariat)を持ち、複数監査人の発想を最も制度化した例とされる
米国は共同監査ではなく、監査チーム外の審査担当者による品質レビューで二重チェックを担保する方式をとる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 独立したばかりの個人会計士事務所に、上場準備中のスタートアップから監査の依頼が来た。報酬は魅力的だが、届出書に載せる財務書類の監査は大会社等の監査にあたる可能性が高い。一人で引き受けた瞬間、あなたは法令違反の側に立つ
- 共同監査をしていた相方の会計士が急病で長期離脱した。決算発表まであと3週間。代わりの公認会計士を補助者として確保するか、内閣府令の「やむを得ない事情」に本当に該当するのかを今週中に詰めなければ、監査報告書そのものの適法性が揺らぐ
- もし地方の中堅上場企業の監査を、長年同じ個人会計士が一人で担当していたことが発覚したら、どうなる? 会計士本人は懲戒処分の対象となりうる。会社側も、監査の適法性について株主総会や証券取引所から説明を求められるリスクを負う
- 投資先企業の有価証券報告書を読んでいて、監査報告書の署名が一人分しかないことに気付いた。監査法人が監査しているのか、個人の会計士が共同監査をしているのかを確認する。その一手で、ガバナンスの温度が見えてくる
- 監査補助として数年働いているスタッフ。会計士試験には合格しているが、まだ登録していない。条文は「他の公認会計士」を補助者とすることを求めているため、未登録の合格者を何人並べても、この要件を満たしたと言えるかは疑わしい
取るべき行動
被害を受けた側:1. 投資先や取引先の監査が一人の会計士によって行われていた疑いがあれば、有価証券報告書の監査報告書で署名者と所属を確認する2. 監査の不備を原因として損害を受けた場合は、監査人に対し、民法709条や公認会計士法上の責任を根拠とする損害賠償の可能性を弁護士と検討する3. 制度違反の疑いは金融庁(公認会計士・監査審査会)への情報提供という経路もある
訴えられた側:1. 共同監査人や補助者が実際に関与していた事実を、監査調書、作業時間記録、メールなどで整理する2. 単独で行った期間がある場合は、内閣府令の「やむを得ない事情」に該当するか、その当時の判断記録とあわせて検討する3. 懲戒手続では聴聞などの防御の機会があるため、早い段階で公認会計士の懲戒事案に詳しい弁護士に相談する4. 再発防止のために体制を整えた証拠を用意する
時効(請求できる期限):本条違反そのものに特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。不法行為に基づく損害賠償は、損害および加害者を知った時から3年、行為時から20年(民法724条)。懲戒処分の手続期限については最新の改正状況をご確認ください
改正沿革 AI による整理
- 平成15年(2003年)公認会計士法改正(要確認) 大会社等に係る監査規制の強化の一環として、単独監査の禁止が整備されたとされる。正確な新設時期と、その後の文言修正の有無については人による検証が必要
- 公認会計士法 第2条監査証明業務の定義(第1項業務)
- 公認会計士法 第24条の2大会社等の範囲と非監査業務の同時提供制限
- 公認会計士法 第24条の3大会社等の継続的監査の制限(交替規定)
- 公認会計士法 第31条法令違反に対する一般懲戒
- 公認会計士法 第34条の34の2上場会社等監査人名簿への登録(現行効力を要確認)
- 金融商品取引法 第193条の2上場会社等の財務書類の監査証明義務
- 会社法 第337条会計監査人の資格を公認会計士等に限定
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