公認会計士法 第34条の17
クイックジャンプ
- 監査法人の社員は、次に掲げる理由によつて脱退する。
- 一公認会計士である社員にあつては、公認会計士の登録の抹消
- 二特定社員にあつては、特定社員の登録の抹消
- 三定款に定める理由の発生
- 四総社員の同意
- 五除名
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 公認会計士法第34条の17は、日本の公認会計士法に含まれる条文です。
- 公認会計士法第34条の17の条文原文は「監査法人の社員は、次に掲げる理由によつて脱退する。」で始まります。
- 公認会計士法第34条の17は第五節に置かれています。
- 公認会計士法の公布日は昭和23年7月6日です。
- 公認会計士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 公認会計士法第34条の17の前の条は公認会計士法第34条の16の3です。
- 公認会計士法第34条の17の次の条は公認会計士法第34条の18です。
- 公認会計士法第34条の17には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第34条の17 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000103 - 本サイト収録
公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第34条の17(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000103/34_17
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点公認会計士法34条の17は、監査法人の社員が公認会計士・特定社員の登録抹消、定款所定の理由、総社員の同意、除名で脱退すると定める。登録抹消は当然脱退となる。
Q · 公認会計士の登録が抹消されたら、監査法人のパートナーは自動的に辞めることになるの?
はい。登録抹消の時点で当然に脱退し、承認は不要です
公認会計士法34条の17第1号により、公認会計士である社員は、公認会計士の登録が抹消された時点で監査法人から当然に脱退します。辞表もほかの社員の承認も要りません。業務廃止や死亡による抹消だけでなく、懲戒処分としての登録抹消でも同じです。ただし業務停止処分は登録抹消ではないため、1号には当たりません。脱退後も、脱退前に生じた法人の債務について一定期間責任が残りうる点に注意が必要です。
解説
辞表も、パートナー会議の決議もいらない。監査法人の社員(パートナー、つまり法人の共同経営者)は、本条が定める五つの理由のどれかが生じた瞬間、法律上当然に法人から抜ける。これを法定脱退という。最も重いのは第一号である。公認会計士の登録が抹消されれば、本人の意思と無関係に社員の地位も消える。登録抹消は、業務廃止や死亡だけで起きるわけではない。懲戒処分(同法29条、30条)としての登録抹消でも起きる。不正な監査証明で処分を受けたパートナーは、処分の効力が生じたその時点で、法人の意思決定の場から切り離される。公認会計士でない特定社員(IT や法務の専門家として経営に参加する社員)も、特定社員登録が抹消されれば同じ扱いになる。一方、総社員の同意と除名は、残る社員の側が使う出口である。あなたが社員なら、もう一つ覚えておくべきことがある。脱退した後も、脱退前に生じた法人の債務について一定期間責任が残る。辞めた日が、責任の終わる日とは限らない。
法的な位置づけ
公認会計士法第34条の17は、監査法人の社員の法定脱退事由を定める規定である。公認会計士である社員については公認会計士登録の抹消、特定社員については特定社員登録の抹消を、定款所定の理由の発生、総社員の同意、除名とあわせて脱退事由として列挙する。これにより、資格を失った者が社員として法人の経営に残ることを排除している。
よくある質問 AI による整理
Q1監査法人の社員とは誰のことですか?
監査法人に出資し経営を担うパートナーのことです。従業員ではなく、公認会計士である社員と、公認会計士でない特定社員がいます(公認会計士法34条の4)。
Q2監査法人の特定社員とは?
公認会計士ではないものの、特定社員として登録を受けて監査法人の社員になる者です。IT や法務などの専門家が想定されており、登録が抹消されれば本条2号により脱退します。
Q3公認会計士の登録抹消はどんな場合に起きる?
業務廃止の届出、死亡、欠格事由に当たった場合のほか、懲戒処分として登録抹消を受けた場合です(公認会計士法21条、29条)。いずれの場合も監査法人の社員であれば本条1号で脱退します。
Q4監査法人のパートナーは除名できる?
本条5号は除名を脱退事由として認めています。ただし手続の負担が重く、実務上は裁判所の判断を要するとの理解が一般的です(会社法の持分会社規定の準用範囲は要確認)。
Q5監査法人の社員が亡くなったらどうなる?
死亡によって登録が抹消され、法人から脱退します。遺族は社員の地位を引き継がず、持分払戻しをめぐる財産上の権利を承継するのが基本です(準用関係は要確認)。
Q6監査法人の会計士社員が5人未満になったら?
その日から6か月以内に5人以上に回復しなければ、6か月を経過した時点で法人は解散します(公認会計士法34条の18第2項)。脱退が引き金になりうるため、補充計画が欠かせません。
Q7定款で脱退事由を追加できる?
できます。本条3号は「定款に定める理由の発生」を脱退事由としています。業務停止処分や一定年齢への到達などをあらかじめ定めておけば、争いにならずに出口を開けます。
Q8社員が脱退したら登記は必要?
必要です。法人側で社員の変更登記を行います。脱退社員の責任存続期間は登記の日から数えるとされるため、脱退する側も登記完了を確認すべきです(会社法612条の準用、要確認)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1懲戒で業務停止になっただけでも、法人をクビになるんですか?
業務停止は登録の抹消ではないため、本条1号による当然脱退には当たらない(公認会計士法29条)。ただし定款に業務停止を脱退事由として定めていれば3号で脱退しうるし、総社員の同意(4号)による脱退を求められることもある。実務のポイント:処分の種類そのものより、自分の法人の定款が懲戒をどう扱っているかが勝負を分ける。処分が出る前に定款を読み直しておく人はほとんどいない
Q2独立したいんですが、パートナー全員の同意がないと辞められないんですか?
全員の同意(本条4号)は出口の一つにすぎない。会社法の任意退社の規定が準用され、事業年度の終了時に、6か月前までの予告で退社できる道があるとされる(公認会計士法34条の22、会社法606条、準用関係は要確認)。実務のポイント:多くの法人は定款で予告期間や競業避止を上乗せしている。独立のタイミングは、顧客との契約更新時期ではなく、事業年度末から逆算して決める
Q3辞めた後に、法人が昔の監査で訴えられたら、私にも請求が来ますか?
来る可能性がある。脱退前の原因で生じた法人の債務については、脱退の登記後2年間、責任を追及されうる(会社法612条の準用、要確認)。有限責任監査法人では原則として出資額が上限だが、自分が担当した監査業務については重い責任が残りうる。実務のポイント:脱退時の合意書に、在任中の案件に関する法人側の補償条項を入れられるかどうかで、退職後の安心感はまるで違う
間違えやすい点 AI による整理
- パートナーが法人を去るには、ほかの社員の承認が必要だと思われがちである。実際には、登録の抹消(1号、2号)や定款に定める理由の発生(3号)は、誰の承認もいらずに当然に脱退の効果を生む。本人が残りたいと言っても、法人が引き留めたくても、結論は変わらない
- 脱退すれば法人の債務とは縁が切れる、という理解自体は大きく外れていない。見落とされがちなのは、残る責任の重さである。監査法人の社員は原則として法人の債務に連帯して無限責任を負う。脱退後も、脱退登記の前に生じた債務については、登記後2年間は責任を追及されうる(会社法612条の準用、準用関係は要確認)。巨額の監査訴訟の原因が在任中にあれば、退職金より大きな請求が届く可能性がある
- 問題のあるパートナーをどうやって除名するか、と考え始めた時点で、問いの立て方がすでに遅い。除名は手続上の負担が重く、実務上は裁判所の判断を要するとの理解が一般的である(会社法の持分会社規定の準用範囲は要確認)。本当に問うべきは、定款にどんな脱退事由を書いておくかである。3号の定款事由を事前に設計しておけば、争いになる前に出口が開く
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する対象 | 公認会計士法34条の17:監査法人社員の脱退事由 | 公認会計士法21条:公認会計士登録の抹消事由 公認会計士法34条の18:監査法人の解散事由 |
| 効果が及ぶ範囲 | 社員個人が法人から外れる(法人は存続) | 公認会計士としての資格そのものが消える 法人そのものが解散し清算に入る |
| 本人・社員の意思 | 1〜3号は意思不要の当然脱退、4・5号は他の社員の意思による | 業務廃止の届出など本人の意思によるものと、懲戒など意思によらないものがある 総社員の同意による解散と、社員数不足など法定事由による解散がある |
| 連鎖関係 | 21条の登録抹消を受けて1号脱退が起きる | 本条1号脱退の前提となる 脱退で会計士社員が5人未満となり6か月続けば解散 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾民法は組合員の法定退夥(死亡、破産・監護宣告、開除)を定め、除名には正当な理由と他の組合員全員の同意を要する。法人會計師事務所の出資者資格は會計師法が規律する
韓国商法は合名会社の退社原因として定款所定事由、総社員の同意、死亡、除名などを定める。会計法人は公認会計士法が規律し、商法の合名会社規定を準用する構造とされる
ドイツのパートナーシャフト社団法は、パートナーが必要な職業資格を失った場合に当然に退社すると定めており、本条1・2号と発想が近い
米国の統一パートナーシップ法は、除名や資格喪失などを含むパートナーの離脱(dissociation)事由を列挙する。会計事務所の多くは LLP 形態をとり、州法で責任が限定される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- パートナーの一人が、上場企業の粉飾決算を見逃したとして登録抹消の懲戒処分を受けたら、その人の社員としての議決権はどうなる? 処分の効力が生じた時点で社員の地位は消える。その後の定款変更や持分払戻しの協議は、残った社員だけで進めることになる
- 公認会計士である社員がちょうど5人の中堅監査法人。そのうち1人が親の介護で業務廃止を届け出て登録を抹消した。公認会計士社員が5人を下回った日から6か月以内に補充できなければ、法人は解散する(同法34条の18第2項)。残された時間で、新パートナーの採用と定款変更を同時に進めなければならない
- IT 監査の専門家として特定社員に迎えられたあなた。特定社員登録が抹消されれば、名刺の肩書がどうであれ、その日に社員ではなくなる
- 大手監査法人でパートナーをしている友人から、独立して個人事務所を開きたいが、全員の同意がないと辞められないのかと相談された。本条4号の総社員の同意以外にも、定款の定めや会社法の任意退社規定の準用による道がありうる。どの出口を使うかで、退職の時期も持分払戻しの額も変わる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 脱退を迫られた、または除名の動きがある場合、まず定款の脱退事由と総社員同意の手続を確認する2. 除名であれば、社員の一存では決められず厳格な手続が必要とされる点を押さえ、手続の瑕疵を検討する3. 持分払戻しの計算根拠(脱退時の財産状況)の開示を求める4. 脱退後の責任範囲を見極めるため、変更登記の日付を必ず確認し、在任中の監査案件の訴訟リスクを洗い出す
訴えられた側:1. 法人側として社員の登録抹消を把握したら、当然脱退として扱い、その社員を意思決定と監査業務から直ちに外す2. 変更登記と行政への届出を速やかに行う3. 公認会計士社員が5人を下回った場合は、6か月以内の補充計画を即日立てる4. 将来の紛争を防ぐため、定款に脱退事由、払戻し計算方法、競業避止を明記しておく5. 除名に頼る前に、総社員の同意による脱退を交渉する
時効(請求できる期限):公認会計士である社員が5人未満になった日から6か月以内に5人以上に回復しなければ、法人はその6か月を経過した時に解散する(公認会計士法34条の18第2項)。脱退社員の責任は、脱退の登記後2年以内に請求または請求の予告がなければ消滅する(会社法612条2項の準用、要確認)。持分払戻し請求権には一般消滅時効(民法166条、知った時から5年または行使できる時から10年)が適用される(最新の改正状況をご確認ください)
学説
一般的理解:監査法人は合名会社に類する人的会社として設計されており、社員の脱退に関する規律は持分会社の法理を基礎とする。登録抹消による当然脱退は、監査証明の公共性から資格要件を組織の自治より優先させたものと理解されている(準用範囲は要確認)
改正沿革 AI による整理
- 昭和41年(1966年) 監査法人制度の創設に伴い、社員の法定脱退に関する規定が設けられたとされる(条番号・文言の変遷は要人的検証)
- 平成19年(2007年)改正 公認会計士でない特定社員の制度導入に伴い、特定社員登録の抹消を脱退事由とする号が加えられたとされる(改正年と施行日は要人的検証)
改正の年表
- 1.昭和41年(1966年) 新設:監査法人制度の創設に伴い、社員の脱退事由に関する規定が設けられたとされる(条番号・文言の変遷は要検証)
- 2.平成19年(2007年) 改正:公認会計士でない特定社員の制度導入に伴い、特定社員登録の抹消を脱退事由とする号が加えられたとされる(施行日は要検証)
- 公認会計士法 第34条の4社員資格を公認会計士と特定社員に限定
- 公認会計士法 第21条登録抹消事由、1号脱退の前提
- 公認会計士法 第29条懲戒の種類、登録抹消処分を含む
- 公認会計士法 第34条の18社員5人未満が6か月続けば解散
- 公認会計士法 第34条の22会社法の持分会社規定の準用(現行効力を要確認)
- 会社法 第607条持分会社の法定退社の一般規定
- 会社法 第612条退社員の登記後2年の責任存続
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